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痛みとぼく

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ふとした痛みが胸を燻る。

痛みは胸から頭に移り頭の中で燃える。

頭の中ではなんでか痛みが固体となって
どんどん埋め尽くしていく。

埋め尽くされていく想いは、自分で止められなくて困惑させる。

何故こうも自分はうまく行かないのだろうと。

考えてみれば他の人だって苦労をしていることは分かる。

仕事場の主婦。中年男性社員の日々。若い女性介護職員の日々。

僕はまた、僕の中の怒りに身を任せて人を傷つける。

一方的な怒りだ。誰も悪くない。
僕はどうしようもない。

僕自身への怒りを他人へ向けて目を背けて逃げている。

今日はなんだ?やりたくもない仕事へのいらだち。うまく立ち回る同い年の女の子への妬み。自分よりもうまく生きている彼への嫉妬。

全部僕の中の僕の怒り。

ふがいない自分への怒り。

それを他人へ当てて心の中でほくそ笑んでいる。

それは汚い。汚い感情だ。

出来ない自分を見たくないから簡単に他人へそれを向けている。

他人の底を理解していないのに、話していないのに、分かったことにして、自分のひとつの証拠だけで相手を評価している。

それじゃあ、君は変わらない。
抉り出してみれば、自分はなんだ?

嫉妬だ。
それが一番大きな感情。
次に怒り、いらだち。悲しみ。
単純なもの。まだ、こどもだ。

広い範囲で考えられていない。
頼むからこれ以上自分を低くしないでくれ。

嫌いにさせないでくれ。


脳が混乱している。
ならどうしたらいいのか、この感情は。

嫉妬、深い、深いねばりを含むこの感情。

混乱、混乱しわかっていないことだらけ。

まとめる時間が必要だ。大丈夫。これは。

君の紙。誰に見せるでもない。ゆっくり考えていこう。

将来への不安。まて、まずは、だ。

現状への不満、不安。
なんだ?コンプレックスか?

たぶんそう。学歴コンプレックス。
出来ないのを、自分が出来ないから言い訳。頭が悪いところをそこにまとめている。

それを違うとわかっていても、世間からの目を気にしている。世間?

君にとっての世間とは何だ?

世間はここだ。
君の世間はここの世界だ。

ここしかない。
君にはここしかない。

だから狭い心しかない。

後ろをみて。悪くない道だ。
良くはないけれど、悪くない。

君は不安だ。
分かる。なにも持っていない。

他の人が持っている。過去、ひと、もの。

確かにもっていない。けど、それを僻んでどうする?

むしろ聞いていって、他の人の過去を知って自分と比べてどうなのかと、比べた方がまだ進歩がある。

継続性がないのは、自分に信頼がないから。

どうせと思ってしまっている。
どうせ~ない。

自分が好きじゃないのは、わかる。
けど、違う。

嫌うべきはそこじゃない。
見当違いだ。

狭い、狭いよ。
それで満足すべきでない。

頼む。思いとどまれ。
投げ出すな。
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