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第4章 迷宮都市 ダンジョン攻略

第99話 迷宮都市 再びの地下10階 1 7パーティーの合流

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 月曜日。
 今日から5日間またダンジョン攻略。
 階段へ一直線に地下1階から地下12階まで駆け抜ける。
 安全地帯へいく前に、『白銀はくぎんつるぎ』パーティーがいるかどうか確認。
 あ~しつこい、まだいたよ。
 冒険者としての稼ぎや食料は大丈夫なの?
 あれ?
 7パーティーのテントがなくなっている。
 地上に帰還したのかな?
 アマンダさんとダンクさん達は、まだ1ヶ月経ってなかったような気がするけど……。

 安全地帯にはいかず、森の中で桃とみかんを収穫し撤収。
 ついでに地下11階のりんごも軒並のきなみ収穫。
 地下10階の安全地帯でマジックテントを設置後、休憩したら攻略開始。
 13人のリーダーと挨拶を交わしながら、子供達の話を併わせ伝えていく。
 と、そこに7パーティーが現れた。
 どうやら配送するパーティーから、私達が地下10階に拠点を移したのを聞き階層を上がってきたらしい。 
 『白銀の剣』とは一切接触をしておらず、テント前へ居座いすわられ外で食事が出来ず非常に不快な思いをしたそうだ。

 7人のリーダーから地下10階へ拠点を移したなら連絡してくれれば良かったのにと責められたけど、各クランの配達を請け負っているパーティーを知らないので連絡出来ないよ!
 その前に、2人のクランリーダーは階層を移して問題ないのかな?
 地下11階と地下10階を配送するクランメンバーは、クランリーダーが地下10階を拠点にしたら仕事がなくなってしまうんじゃ?
 私の疑問に対しアマンダさんもダンクさんも、どうせ後1週間の辛抱しんぼうだと笑っていた。
 確かに地下12階で、お目当ての冒険者が不在のままテント前でひたすら待つのはつらいだろう。
 5パーティーは1週間程度、地下10階のクランメンバーと交代してもらったらしい。
 と言うかこの2週間、声も掛けられずよく居座いすわったな~。
 その神経の太さに驚きだよ!

 さて、気を取り直し2回目の攻略開始。
 シルバーをテイムした所為せいか、シルバーウルフを槍で突き刺せなくなってしまった。
 昏倒させた後は兄か旭に瞬殺してもらう。
 2人にやっぱりという目で見られてしまったけど、シルバーの仲間は殺せないよ~。
 いつかつがいにして、子供を産んでもらうという私の野望が!
 兄達には内緒だけど……。

 シルバーには、相手をちゃんと探すから待っててねと話してある。
 あの子は賢いから理解しているはずだ。
 早くナイトメア(女性体・・・)が出る階層にいきたい。
 ワイルドウルフは同じウルフ系だけど、問題なく昏倒させ槍で突き刺す。
 こちらはポメラニオンとシベリアンハスキーくらい、違う種類と認識しているので大丈夫。

 2回の攻略を終えて安全地帯へ。
 テント内から自宅に戻りトイレ休憩。
 テントから出ると、20パーティーが『バーベキュー』の準備をしていた。
 なんだか魔道調理器よりダンジョンで活躍しそうだ。
 アマンダさんとダンクさんの所に、知らない4人の冒険者が訪ねてきている。

 話の内容に興味津々で聞き耳を立てると、地下11階と地下10階の配送をしていたクランメンバーのリーダー達のようだ。
 突然配送リストにが増え、何に使用するのか疑問だったそう。
 先週13パーティーが『バーベキュー』をするのを見て、納得したらしい。
 自分達も一緒に夕食を食べさせてくれと交渉しにきたようだった。
 あらっ、内緒にしていたのね。
 クランリーダー特権って、やつかしら?

 アマンダさんもダンクさんも了解し、それぞれクランメンバーを呼んだから過去最高の24パーティーでの食事会となった。
 総勢144人+私達3人で147人。
 まるで会社の社員旅行の宴会場のようだ。
 大人数で『バーベキュー』を楽しみ、焼いたニンニクやマジックキノコやねぎまの美味しさに感動している所、全員へりんごを配る。
 料理担当者の皆さんは、皮をいて下さいね。
 ここでは、地下10階を攻略中のため桃は封印だ。
 自分達の分をウサギリンゴに切ると、女性達が興味を持ちのぞきにくる。
 折角なので切り方を伝授でんじゅした。
 家持ちのリーダーさん、子供達へウサギリンゴを食べさせてあげて下さい。
 きっと可愛い見た目に喜んでくれるよ~。

 夕食を終えテント内から自宅に戻る。
 今日もシルバーと一緒に散歩へいこう。
 1日の出来事を話しながら、途中で背中に乗ったりと楽しい時間を過ごす。
 いつか会話が出来るといいな。
 
 攻略2日目の朝。
 テント内に移転し地下12階の安全地帯をマッピングで確認。
 いるね、『白銀の剣』パーティー。
 ちょっと疲れが出てきた感じ?
 リーダーのエンダさんは表情が死んでるよ。
 安全地帯にはいかず、森の中で桃とみかんを収穫し撤収。
 ついでに地下11階のりんごも軒並のきなみ収穫。

 1回目の攻略を終え安全地帯に戻ると、テント前に怪我人が待機していた。
 アウラウネの魅惑みわく魔法に掛かり、近付いた所をアースニードルで攻撃されたみたい。
 直ぐ正気に戻ったそうだけど、腹部を刺されて痛そうだ。
 既に鎧は脱がされており上半身裸の状態の彼を、パーティメンバーが心配そうに見ている。
 兄が怪我人の口に棒をませ、メンバーへ肩と足を押さえつけるよう指示を出す。
 旭が腹部を貫通しているアースニードル(直径10cmくらい)を一気に引き抜くと、大量の水をかけ治療。
 冒険者は本当にリスクの高い仕事だ。
 エリクサー(金貨1枚・百万円)も貴族が独占しているから階級社会は怖い。

 リーダーからお礼と金貨12枚(1千2百万円)を受け取った後、テント内に戻り自宅で昼食。
 本日のお弁当は、青椒肉絲チンジャオロースと炒飯と搾菜ザーサイと卵の炒め物だ。
 玉ねぎ・ホタテ・椎茸しいたけの中華スープ&ウーロン茶と一緒に頂きます。
 デザートの杏仁あんにん豆腐も美味しい。
 その後2回の攻略を終え、テント内から自宅に戻る。
 たまにはと今夜は外食へ。
 洋食屋に入り、私はビーフシチューセット・兄はミックスフライ定食・旭はハンバーグ定食を電子メニューで注文。
 テーブルの上に置かれた料理を食べながら、『白銀の剣』について話し合った。

「いつまで地下12階にいると思う?」

「今は7パーティーが地下10階にいるから、ダンクさん達が言うように今週一杯が限界じゃないか?」

 兄は今週でいなくなると予想しているようだ。 

「まぁ、あの根性こんじょうだけはすごいと思うけど」

 旭はねばる『白銀の剣』に感心していた。

「もっと有効に時間を使えばいいのに、無駄な事してるよね~」

「多分あいつら、シルバーウルフ狙いだろ」

「冒険者ギルドが迷宮都市には卸さず王都で販売したみたいだから、貴族へ高値で売ったのかも?」
 
「迷宮都市のギルドマスターは、かなりやり手らしいから数量を小出しにしてるんだよ~」

 旭は冒険者から聞いた、やり手のギルドマスターが販売する量を調整していると考えを口にする。

「もう400匹以上、狩ってるのに?」

「商売はよく分からんが、その方が高く売れるんだろう」

 兄も同意見らしい。

「そっか~。私達は他の階層で攻略すればいいから、いつまでいても構わないけどね」
 
「それだとレベル上がらないから、早く撤退してくれた方が助かる」

 失踪しっそう宣言が出されているかも知れない件は黙っておこう。
 3週間レベル上げが中断したため、更に7年の限界が迫っている。
 死亡扱いとなり、両親にマンションを売却されていたら兄は発狂はっきょうするかも……。

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