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五十 老梟VSハッタリ少年
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王宮への途中までロキに付いて来たボーンは、
「気を付けてな、危ない事はないと思うが。」
と表情を和らげて言った。
「分かってるよお。仮にも一国の宰相たるラシャレーさんのような大物が、オイラみたいなチンピラ商人をどうこうするわけないから、何の心配もしてないよお。ボーンさん、ありがとう。」
ロキはニコニコしながらそう言って、立ち止まったボーンから離れ、王宮に向かった。
王宮に着くと、すぐに案内役の文官が現れて、ロキを人が五、六人入れるほどの部屋に案内した。
部屋の中央には六人掛けの四角い食台があり、洗われてから初めて使われた物と、一目で分かる清潔そうな白麻のテーブルクロスが布かれていた。
案内係はロキをそのテーブルに着かせると、そこで待つように言って部屋を出た。
続いて、料理人と思われる人物がやって来て、パンやシチュー等、二人分の食事を用意した。
ロキは部屋の中や、その料理人の立ち働く姿をキョロキョロと興味深々の目付きで見ていたが、何も言わずに行儀良く椅子に座っていた。
料理人が立ち去ってしばらくすると、白い顎髭を長く伸ばした痩せぎすの老人が屈強な武人一名を引き連れて部屋に入って来た。
ロキは静かに立ち上がり、直立して老人にお辞儀をした。角度三十度。
老人は袖の緩やかな文官服を纏っていたが、頭には特に何も被っていない。白髪ではあるが、老人にしては豊かな髪の量である。特にカツラというわけでもなさそうである。位人臣を極めた上に、老境に至って尚髪豊かとは・・・・・・これも又、この人物が世間から嫌われる一因かも知れない。
老人はロキに軽く会釈すると、真向かいの席にゆったりと座った。言わずと知れた、ゴロデリア王国宰相ラシャレーである。
ラシャレーは供をして来た武人に顎をしゃくった。武人は黙って部屋の外にでて、部屋の扉を静かに閉めた。
今や、部屋の中は宰相ラシャレーと少年ロキのみである。
「オイラはロキと言います。タゴロロームから守備軍第五連隊連隊長コーデリアス閣下の国王陛下への親書を言付かって参りました。」
ロキはそう言うと、懐からコーデリアスの手紙を出し、進み出て、両手で捧げ持つようにして、ラシャレーに差し出した。
ラシャレーは黙って受け取ると手紙の表書きを見た。国王親書と言うものの、宛名はゲッソリナ行政府御中とあり、その左側に国王親書と書かれていた。
ゴロデリア王国においては臣下から国王への手紙には少なくとも二種類あった。一つは宛名が国王名で親展とされる国王直接への手紙であり、一つはラシャレーが今手に持っているように、宛名を部署名や官職名にして右側に国王親書とする手紙である。
前者は国王への直接の私信であり、後者は王国最高権力者である国王への意見陳述書たる政治文書であった。
現在のゴロデリア王国においては、政治上の意見書を提出する場合は、必ず国王の側近や高官を経由する事が不文律となっていた。
勿論、国王に直接宛てて出される私信までは、そのような制限が課せられるわけではないが、何処の誰が出したか分からないような手紙が国王に届くような事はないであろう。
ラシャレーはコーデリアスの手紙を開くと、黙って読んだ。中身はアルハインド族との戦争の顛末、守備軍本部の不適切な命令に対する告発、自分の自決の詫び、そしてハンベエの推薦であった。
無表情に書状に一通り目を通すと、ラシャレーはそれを懐にしまい、立ち上がってロキの方を向いた。
「使者の役、ご苦労であった。ワシが宰相のラシャレーである。先ずは座られよ。」
ラシャレーは、畏まって直立不動の姿勢を取っているロキに言った。
ロキは漸く許しが出たので、椅子に座った。
「さて、お待たせしたの。折角の対面に用意した心ばかりの昼食じゃ、食べてくれ。」
ラシャレーも椅子に座り直し、ロキにそう言うと、自分の前に用意されている分の食事に手を付けた。
「では、遠慮なくいただきます。美味しそうだあ。オイラ、かなり待ち遠しかったよお。」
ロキは陽気に言って食べ始めた。初めてロキとハンベエが夕食を食べた時にも書いたが、とても幸せそうな表情である。全く食べられる食い物の方が泣いて喜ぶのではないかと、錯覚すらしてしまいそうなほど、幸せいっぱいの顔をして食事をするロキであった。
ラシャレーはしばらくその様子を見ていたが、
「ロキ、その方の名は随分前から存じておる。その方がバンケルクの手紙をエレナ姫に届けた時からのう。」
と穏やかな声で話し掛けた。
「じゃあ、それからオイラを付け回していた奴等も宰相閣下の差し金だったのお?」
ロキは無遠慮に聞いた。手紙を渡すまでは、ラシャレーに対して礼儀を失わないよう気を張っていたが、食事に入ったらもう遠慮はいらないよお、と姿勢を切り換えたようだ。
「ふむ、その方を見張っておかせたのはワシの指示じゃ。」
「その前に、王女様に手紙を渡した帰り道に、覆面の五人組に襲われたんだけどお。あれも宰相閣下の指図だったのお?」
「その件は部下の者共が勝手に暴走したらしいのう。」
ロキの不躾けな問いをラシャレーは別に気にする様子もなく答えた。
ロキは前にも、『身分云々の事は知らないけど』と王宮の女官に喰ってかかった事もあるように、相手の身分が高いと反って対等の立場に立とうと背伸びをする困った一面があるようだ。
相手はこの国の最高権力者、虎の尾を踏み、龍の顎髭を引っ張るような危なっかしい虚勢である。
だが、この日は宰相ラシャレーは、ロキに無礼な振る舞いがあろうと、お褒めの言葉の一つも与えて無事に帰らせてやる事に、頭から決めていたようだ。
かなり挑戦的なロキの物の言い様も全く気にする風もなく、穏やかな眼差しをロキに注いでいた。
「ロキよ。その方は幾つになる?」
今度はラシャレーが尋ねた。
「オイラは今十二歳だよお。」
「十二歳か。その歳でもう一人前に世間を渡り歩いておるとは大したものじゃ。時に、親御さんは息災かな?」
「オイラ、親なんていないよお。物心ついた時には独りぼっちだったよお。」
「・・・・・・そうであったか。これは詰まらぬ事を聞いたの。だが、それでは苦労したであろう。どうやって生きて来たのじゃ?」
「浮浪児の生き方なんかはお定まりの話だよ。こそ泥にかっぱらい、色々やってゴミみたいに生きてきたよお。でも、最近は商売の真似事して、どうやら人がましく生きてるよお。」
読者諸君は初めて聞くロキの生い立ちである。
先の王妃レーナがみまかったのが十六年前、次の王妃となったモスキィウンスキーことモスカ夫人はレーナが経営していた戦災孤児院を廃止してしまった。四年後にロキが生まれた。巷には孤児が溢れていた。・・・・・・と言うほどではないが、珍しいものでは無かった。
彼らの大半は現在の野良犬が保健所に辿り着くように、人買いに攫われて奴隷のように売られた。
奴隷と述べたが、ゴロデリア王国に奴隷という身分が確立していた訳ではない。
だが、子供を育て(餌を与えてある程度まで成長させるだけの話だが)、時期を見て商品にする事を仕事にしている輩はいた。
ある者は労働力として、ある者は子供のいない家の養子として、金によってやり取りされていたのである。
ロキはどうやら、そういう輩には捕まらずに世の中を渡り、自分で自分を養うまでになったようだ。運も良かったのだろうが、生きる力もあったのだろう。
文字や算術は何処で覚えたのか? この少年の過去も一筋縄では行かないものがありそうだ。
だが、それは又何かの機会があれば明らかにする事として、今はラシャレーとロキの虚々実々に注目する事としよう。
「そうであったの。少年の身ながら、商人として身を立てているとの事であったの。どうじゃ、少しは金は貯まったか?」
ラシャレーの問いに、ロキはちょっと考え込んだ。喋っていいかどうか、思案したようだが、口を開いた。
「ちょっと前までは、かつかつで食べて行くのが精一杯だったよお。でも、王女様に貰った褒美の金貨十枚を元手に、今は金貨七十枚ほど貯まったよお。元手さえあれば、オイラの商才に任せとけだよお。」
「ふむ。小気味の良い奴じゃ。しかし、その方、実にいい顔をして食べるのお。さほどに贅沢な食事ではないが、こちらまで嬉しくなるぞ。」
ラシャレーがこう言うと、ふとロキは手を止めて考え込んで言った。
「そうなんだ? オイラ、自分がどんな顔をして食事してるかなんて、考えた事も無かったよお。きっとあれだね、安全な場所でゆったりと物を食べたり出来なかったから、幸せな思いが顔に出ちゃうんだ。育ちが知れちゃうねえ。」
ロキはそう言ったが、実際のところ、食うに困って育った人間が食事を幸せそうに行える例は極めて稀であるらしい。
食に窮して育った者は、むしろ食事中警戒心に満ちた態度になったり、異様に大食であったり、早食いになったり、とてもではないが、ロキのように幸せ一杯の顔をして食べる事はない。
明日の分かぬ境遇にありながら、今この時の幸せを堪能するかのようなロキの食事振りに、ラシャレーは不思議の思いを抱いた。
長く人間を見て来たラシャレーにとっては、ロキは珍しい人間に見えた。そして、珍しいという事がロキの人物をラシャレーに買い被らせていた。
買い被り・・・・・・或いは正解かも知れないが、ロキの人物、能力とロキの食事振りは全く脈絡のないものである。だが、この珍しいという一点がラシャレーをして、ロキに一目置かせたのであった。
両者とも、食事を終えた。ロキは幸せそうな顔をして食べたが、どちらかというと質素な物であった。
ラシャレーは年齢の事もあり、あまり贅沢な物を好まない。己のいいと思う範囲でロキを遇していた。別に食い物でロキを籠落するつもりはないので、普段どおりの物であったのであるが、これほど幸せそうな顔をするなら、もっといい物を手配させても良かったな、とラシャレーはチラリと思った。
ラシャレーは料理人を呼んで食事を下げさせると、お茶の用意をさせた。
茶は緑茶で、朝摘みの物をこんがりと煎った、極めて香ばしい物であった。
それを美味そうに啜りながら、ラシャレーは、
「さて、本題に入ろうかの。」
と言った。
「本題? ふーん。」
「この手紙の中身は知っているかな?」
「見てはいないけど、ハンベエをタゴロロームの連隊長に推薦する手紙でしょお。」
「さようじゃ。時にロキ、ハンベエとは、どんな奴じゃ?」
「どんな奴って・・・・・・悪い奴じゃないらしいよお。」
「らしい・・・・・・とはどういう事かの?」
「実はオイラもハンベエには良く分からないところがあるんだよお。」
「分からないところ。」
「無造作に人を斬るから、冷血な人斬り鬼かと思うとそうでもない。無愛想でぶっきらぼうかと思うと、妙に人懐っこい一面もあるし。直情径行の喧嘩屋かと思えば、用意周到なところもあるし。雲みたいに掴み所がないのかと思うと、どっこい存在感に満ち満ちて、周りを圧倒してるしね。」
「ふむ。・・・・・・では、ハンベエという男、野心家なのかな?」
「野心?・・・・・・野心あるかも知れないよお。でも、王国を乗っ取ったりっていうのはハンベエからは想像できないよお。」
「その方はハンベエが好きなのかな?」
「ハンベエの事?・・・・・・好きかと言われたら、好きだけど、それ以前にハンベエとオイラにはきっと一つの運命があるに違いないんだよお。それが何か分からないけど。」
ロキはハンベエについて明け透けに語った。古い言葉で言えば、八方破れ或いは無手勝つ流、比較的新しい言葉で云えば、かの有名なノーガード戦法と言ったところを狙っているようだ。
「ハンベエのどんなところが好きなのじゃ?」
「ええ?・・・・・・ええとねえ、ハンベエの事が好きな理由は色々あるけど、一番好きな理由はオイラを一人前の人間として扱ってくれる所さ。」
「ふむ。・・・・・・」
「オイラまだ子供だろう。大人振って商売とかしてても、世間ではまだ子供と値踏みされるわけなんだよお。でも、ハンベエは初めて出会った時からオイラを一人前の男として尊重してくれたんだよお。」
「ほお、嬉しかったのか?」
「嬉しかったよお。」
「バンケルク将軍はどうじゃ?」
「バンケルク将軍・・・・・・最初はオイラ、国の将来を案じる立派な人だと思ってたよ。・・・・・・でも、手紙を届けて、ハンベエと帰って見ると何だか別の人みたいになってたよお。」
「では、嫌いかな?」
「好きとか嫌いとか言う前に、将軍おかしいよ。王女様の紹介状を持って行ったハンベエを下っぱ兵士にするし、アルハインド族との戦いでは味方を騙すような事をするし、おまけに将軍の手下のモルフィネスとかいう奴のその又手下がオイラをかどわかしに来るし。」
「アルハインド族との戦いで騙すような事をしたとは誰から聞いた話かな?」
「ハンベエからだけど。」
「ふむ。バンケルク将軍よりハンベエの方を信じるのじゃな?」
「当然ハンベエを信じるよお。」
「仮に、タゴロローム守備軍の司令官をバンケルクとハンベエのどちらかにするとしたら、その方ならいかがいたす。」
「え?・・・・・・」
ラシャレーの大胆な問いにロキは思わず絶句した。そして、どんぐりマナコを見開いて相手の顔をマジマジと見つめた。
ラシャレーの顔には特に感情が読み取れるものは浮かんでいない。
峻厳で極めて真面目な顔付きでロキの目をひたと見つめていた。もっともラシャレー本人はかなり和らげた表情のつもりらしい。
何故、そんな重大で突拍子もない事を、オイラなんかに尋ねるのか・・・・・・とロキはラシャレーの真意を計りかねた。
「ここにいるのは、ワシとその方の二人のみ。ほれ、確かワシが部下から聞いた話ではその方、何と申したかな・・・・・・そうじゃ、ざっくばらんに行くのが好きではなかったの?」
「・・・・・・。」
「その方の言葉がどのようなものでも咎めたりはいたさん。正直なところを聞かせてもらえんかの?」
「・・・・・・宰相閣下が世間でどう言われてるか知ってるのお?」
「ワシが? まあ、大体のところは存じておるつもりじゃが、何と言ってるのじゃ?」
「策略に長けた信用のならない人物として、蠍や蝮のように恐れられているよお。」
ロキは目を逸らさずに言った。・・・・・・言っちまったよお。知ーらんで、知ーらんで。ロキの口にする蓋はないものか。
だが、ラシャレーは寛大の虫にでも取り憑かれていたのか、それとも元々この程度の事に立てる腹を持ち合わせていなかったのか、この老梟に珍しく少し笑った。
「ふむ、さようか。それで、先ほどの問いには答えてもらえるのかの?」
「オイラは、バンケルク将軍とハンベエのどちらが、タゴロローム守備軍司令官として相応しいかなんて事は分からないよお。でも、どうしても、どちらかを大将にしなければならないとしたら、断然ハンベエにするね。」
「何故じゃ?」
「オイラが、オイラとハンベエの間に一つの運命があると信じている事は一先ず置いておくよお。オイラの知っているところでは、古の偉い人にその弟子が質問した話がある。『武器と食料と人間の信義は国を成立させる重要なものですが、もしその三つのどれかを捨てなければならないとしたら、何を捨てましょうか。』、『武器を捨てよう。』、『なるほど、では残りの二つから更に一つ捨てなければならないとしたら。』、『食料を捨てよう。』、『ええー!、食料が無ければ死んじゃいますが・・・・・・』、『それでも食料を捨てよう。信義が大事じゃ。』という話だよお。オイラの知る限りでは、ハンベエには信義がある。絶対にハンベエにするよお。」
ロキの話を聞いて、今度はラシャレーが目を丸くした。
「小僧、今のは確かに古の聖人の申された言葉であるが、何故そのような事を知っておる?」
「何処で聞いたかは忘れたよお。」
「ロキは今十二歳であったの?」
「嘘偽りはないよお。」
「元々は浮浪児であったの?」
「憚りながら、その通りだよお。」
「・・・・・・まあ良い。では、更に尋ねる。信義とは何じゃ?」
「裏切らない事だよお。」
さて、読者諸君。お気づきの方も多いと思うが、ロキの言った古の偉い人の話とは、孔子とその弟子の会話録であるかの有名な『論語』に出て来る話である。何故この大陸にその話が伝わったのかは問わないでいただきたい。説明できないから。
「・・・・・・成る程の。」
「あ、言い忘れてたけど、ハンベエは宰相閣下の事を昔誉めてたよお。ラシャレー大浴場は素晴らしい事業だって。ハンベエって風呂好きだからね。」
対話がもう終わると察したロキが慌て付け加えた。
「ふむ。ロキよ。実に見上げた使者振り、見事であったの。これはワシからの心ばかりの褒美であるが、収めてくれるかの?」
ラシャレーはそう言うと、懐から小さな包みを出してロキに手渡した。
「ええ、ひょっとしてオイラを買収するのお?」
ロキは包みを受け取りながら、すっとんきょうな声を上げた。
「馬鹿を申すな。ただの褒美じゃ、気にせず、今後も商売に励め。」
ラシャレーは厳しい顔色に若干の苦笑いを浮かべて言った。
ここいらが潮時、退散した方が良さそうだ機敏に察したロキは、包みを押し戴いて言った。
「オイラ、明日は王女様にお目通りして、色々と物語するつもりなんだけど。」
「そうか。エレナ姫にはワシの方からロキの訪問予定を伝えておこう。」
「うわあ、親切にありがとうございます。」
ロキはそう言って深々とお辞儀した。角度四十五度。
ラシャレーは案内係を呼び、ロキを下がらせ後、一人っきりになったはずの部屋で天井に向けて、
「十二歳か。驚き入った小僧だ。年齢も省みずにあれを信頼して任せ切れるハンベエといい、ワシ等は引退した方が良いのかのう。」
と言った。
すると、誰もいないはずのその部屋に、
「はて、私には難しい話は分かりませんな。分かった事と言えば、さっきのロキという少年に、何やら命懸けの気迫が見受けられた事と、閣下がロキに惹かれているご様子である事ぐらいですな。」
と『声』の低い声が聞こえた。
一方、王宮を出て『キチン亭』へ向かうロキの傍らには、何処から現れたのかボーンが寄り添っていた。
「どうだった。」
「どうもこうも、有りのままを精一杯喋っただけだよお。それより、宰相から褒美を貰ったんだけど・・・・・・金貨が九枚。九枚? 何で十枚じゃないんだよお?」
ロキは貰った金貨の数にしきりに首を捻っていた。
「気を付けてな、危ない事はないと思うが。」
と表情を和らげて言った。
「分かってるよお。仮にも一国の宰相たるラシャレーさんのような大物が、オイラみたいなチンピラ商人をどうこうするわけないから、何の心配もしてないよお。ボーンさん、ありがとう。」
ロキはニコニコしながらそう言って、立ち止まったボーンから離れ、王宮に向かった。
王宮に着くと、すぐに案内役の文官が現れて、ロキを人が五、六人入れるほどの部屋に案内した。
部屋の中央には六人掛けの四角い食台があり、洗われてから初めて使われた物と、一目で分かる清潔そうな白麻のテーブルクロスが布かれていた。
案内係はロキをそのテーブルに着かせると、そこで待つように言って部屋を出た。
続いて、料理人と思われる人物がやって来て、パンやシチュー等、二人分の食事を用意した。
ロキは部屋の中や、その料理人の立ち働く姿をキョロキョロと興味深々の目付きで見ていたが、何も言わずに行儀良く椅子に座っていた。
料理人が立ち去ってしばらくすると、白い顎髭を長く伸ばした痩せぎすの老人が屈強な武人一名を引き連れて部屋に入って来た。
ロキは静かに立ち上がり、直立して老人にお辞儀をした。角度三十度。
老人は袖の緩やかな文官服を纏っていたが、頭には特に何も被っていない。白髪ではあるが、老人にしては豊かな髪の量である。特にカツラというわけでもなさそうである。位人臣を極めた上に、老境に至って尚髪豊かとは・・・・・・これも又、この人物が世間から嫌われる一因かも知れない。
老人はロキに軽く会釈すると、真向かいの席にゆったりと座った。言わずと知れた、ゴロデリア王国宰相ラシャレーである。
ラシャレーは供をして来た武人に顎をしゃくった。武人は黙って部屋の外にでて、部屋の扉を静かに閉めた。
今や、部屋の中は宰相ラシャレーと少年ロキのみである。
「オイラはロキと言います。タゴロロームから守備軍第五連隊連隊長コーデリアス閣下の国王陛下への親書を言付かって参りました。」
ロキはそう言うと、懐からコーデリアスの手紙を出し、進み出て、両手で捧げ持つようにして、ラシャレーに差し出した。
ラシャレーは黙って受け取ると手紙の表書きを見た。国王親書と言うものの、宛名はゲッソリナ行政府御中とあり、その左側に国王親書と書かれていた。
ゴロデリア王国においては臣下から国王への手紙には少なくとも二種類あった。一つは宛名が国王名で親展とされる国王直接への手紙であり、一つはラシャレーが今手に持っているように、宛名を部署名や官職名にして右側に国王親書とする手紙である。
前者は国王への直接の私信であり、後者は王国最高権力者である国王への意見陳述書たる政治文書であった。
現在のゴロデリア王国においては、政治上の意見書を提出する場合は、必ず国王の側近や高官を経由する事が不文律となっていた。
勿論、国王に直接宛てて出される私信までは、そのような制限が課せられるわけではないが、何処の誰が出したか分からないような手紙が国王に届くような事はないであろう。
ラシャレーはコーデリアスの手紙を開くと、黙って読んだ。中身はアルハインド族との戦争の顛末、守備軍本部の不適切な命令に対する告発、自分の自決の詫び、そしてハンベエの推薦であった。
無表情に書状に一通り目を通すと、ラシャレーはそれを懐にしまい、立ち上がってロキの方を向いた。
「使者の役、ご苦労であった。ワシが宰相のラシャレーである。先ずは座られよ。」
ラシャレーは、畏まって直立不動の姿勢を取っているロキに言った。
ロキは漸く許しが出たので、椅子に座った。
「さて、お待たせしたの。折角の対面に用意した心ばかりの昼食じゃ、食べてくれ。」
ラシャレーも椅子に座り直し、ロキにそう言うと、自分の前に用意されている分の食事に手を付けた。
「では、遠慮なくいただきます。美味しそうだあ。オイラ、かなり待ち遠しかったよお。」
ロキは陽気に言って食べ始めた。初めてロキとハンベエが夕食を食べた時にも書いたが、とても幸せそうな表情である。全く食べられる食い物の方が泣いて喜ぶのではないかと、錯覚すらしてしまいそうなほど、幸せいっぱいの顔をして食事をするロキであった。
ラシャレーはしばらくその様子を見ていたが、
「ロキ、その方の名は随分前から存じておる。その方がバンケルクの手紙をエレナ姫に届けた時からのう。」
と穏やかな声で話し掛けた。
「じゃあ、それからオイラを付け回していた奴等も宰相閣下の差し金だったのお?」
ロキは無遠慮に聞いた。手紙を渡すまでは、ラシャレーに対して礼儀を失わないよう気を張っていたが、食事に入ったらもう遠慮はいらないよお、と姿勢を切り換えたようだ。
「ふむ、その方を見張っておかせたのはワシの指示じゃ。」
「その前に、王女様に手紙を渡した帰り道に、覆面の五人組に襲われたんだけどお。あれも宰相閣下の指図だったのお?」
「その件は部下の者共が勝手に暴走したらしいのう。」
ロキの不躾けな問いをラシャレーは別に気にする様子もなく答えた。
ロキは前にも、『身分云々の事は知らないけど』と王宮の女官に喰ってかかった事もあるように、相手の身分が高いと反って対等の立場に立とうと背伸びをする困った一面があるようだ。
相手はこの国の最高権力者、虎の尾を踏み、龍の顎髭を引っ張るような危なっかしい虚勢である。
だが、この日は宰相ラシャレーは、ロキに無礼な振る舞いがあろうと、お褒めの言葉の一つも与えて無事に帰らせてやる事に、頭から決めていたようだ。
かなり挑戦的なロキの物の言い様も全く気にする風もなく、穏やかな眼差しをロキに注いでいた。
「ロキよ。その方は幾つになる?」
今度はラシャレーが尋ねた。
「オイラは今十二歳だよお。」
「十二歳か。その歳でもう一人前に世間を渡り歩いておるとは大したものじゃ。時に、親御さんは息災かな?」
「オイラ、親なんていないよお。物心ついた時には独りぼっちだったよお。」
「・・・・・・そうであったか。これは詰まらぬ事を聞いたの。だが、それでは苦労したであろう。どうやって生きて来たのじゃ?」
「浮浪児の生き方なんかはお定まりの話だよ。こそ泥にかっぱらい、色々やってゴミみたいに生きてきたよお。でも、最近は商売の真似事して、どうやら人がましく生きてるよお。」
読者諸君は初めて聞くロキの生い立ちである。
先の王妃レーナがみまかったのが十六年前、次の王妃となったモスキィウンスキーことモスカ夫人はレーナが経営していた戦災孤児院を廃止してしまった。四年後にロキが生まれた。巷には孤児が溢れていた。・・・・・・と言うほどではないが、珍しいものでは無かった。
彼らの大半は現在の野良犬が保健所に辿り着くように、人買いに攫われて奴隷のように売られた。
奴隷と述べたが、ゴロデリア王国に奴隷という身分が確立していた訳ではない。
だが、子供を育て(餌を与えてある程度まで成長させるだけの話だが)、時期を見て商品にする事を仕事にしている輩はいた。
ある者は労働力として、ある者は子供のいない家の養子として、金によってやり取りされていたのである。
ロキはどうやら、そういう輩には捕まらずに世の中を渡り、自分で自分を養うまでになったようだ。運も良かったのだろうが、生きる力もあったのだろう。
文字や算術は何処で覚えたのか? この少年の過去も一筋縄では行かないものがありそうだ。
だが、それは又何かの機会があれば明らかにする事として、今はラシャレーとロキの虚々実々に注目する事としよう。
「そうであったの。少年の身ながら、商人として身を立てているとの事であったの。どうじゃ、少しは金は貯まったか?」
ラシャレーの問いに、ロキはちょっと考え込んだ。喋っていいかどうか、思案したようだが、口を開いた。
「ちょっと前までは、かつかつで食べて行くのが精一杯だったよお。でも、王女様に貰った褒美の金貨十枚を元手に、今は金貨七十枚ほど貯まったよお。元手さえあれば、オイラの商才に任せとけだよお。」
「ふむ。小気味の良い奴じゃ。しかし、その方、実にいい顔をして食べるのお。さほどに贅沢な食事ではないが、こちらまで嬉しくなるぞ。」
ラシャレーがこう言うと、ふとロキは手を止めて考え込んで言った。
「そうなんだ? オイラ、自分がどんな顔をして食事してるかなんて、考えた事も無かったよお。きっとあれだね、安全な場所でゆったりと物を食べたり出来なかったから、幸せな思いが顔に出ちゃうんだ。育ちが知れちゃうねえ。」
ロキはそう言ったが、実際のところ、食うに困って育った人間が食事を幸せそうに行える例は極めて稀であるらしい。
食に窮して育った者は、むしろ食事中警戒心に満ちた態度になったり、異様に大食であったり、早食いになったり、とてもではないが、ロキのように幸せ一杯の顔をして食べる事はない。
明日の分かぬ境遇にありながら、今この時の幸せを堪能するかのようなロキの食事振りに、ラシャレーは不思議の思いを抱いた。
長く人間を見て来たラシャレーにとっては、ロキは珍しい人間に見えた。そして、珍しいという事がロキの人物をラシャレーに買い被らせていた。
買い被り・・・・・・或いは正解かも知れないが、ロキの人物、能力とロキの食事振りは全く脈絡のないものである。だが、この珍しいという一点がラシャレーをして、ロキに一目置かせたのであった。
両者とも、食事を終えた。ロキは幸せそうな顔をして食べたが、どちらかというと質素な物であった。
ラシャレーは年齢の事もあり、あまり贅沢な物を好まない。己のいいと思う範囲でロキを遇していた。別に食い物でロキを籠落するつもりはないので、普段どおりの物であったのであるが、これほど幸せそうな顔をするなら、もっといい物を手配させても良かったな、とラシャレーはチラリと思った。
ラシャレーは料理人を呼んで食事を下げさせると、お茶の用意をさせた。
茶は緑茶で、朝摘みの物をこんがりと煎った、極めて香ばしい物であった。
それを美味そうに啜りながら、ラシャレーは、
「さて、本題に入ろうかの。」
と言った。
「本題? ふーん。」
「この手紙の中身は知っているかな?」
「見てはいないけど、ハンベエをタゴロロームの連隊長に推薦する手紙でしょお。」
「さようじゃ。時にロキ、ハンベエとは、どんな奴じゃ?」
「どんな奴って・・・・・・悪い奴じゃないらしいよお。」
「らしい・・・・・・とはどういう事かの?」
「実はオイラもハンベエには良く分からないところがあるんだよお。」
「分からないところ。」
「無造作に人を斬るから、冷血な人斬り鬼かと思うとそうでもない。無愛想でぶっきらぼうかと思うと、妙に人懐っこい一面もあるし。直情径行の喧嘩屋かと思えば、用意周到なところもあるし。雲みたいに掴み所がないのかと思うと、どっこい存在感に満ち満ちて、周りを圧倒してるしね。」
「ふむ。・・・・・・では、ハンベエという男、野心家なのかな?」
「野心?・・・・・・野心あるかも知れないよお。でも、王国を乗っ取ったりっていうのはハンベエからは想像できないよお。」
「その方はハンベエが好きなのかな?」
「ハンベエの事?・・・・・・好きかと言われたら、好きだけど、それ以前にハンベエとオイラにはきっと一つの運命があるに違いないんだよお。それが何か分からないけど。」
ロキはハンベエについて明け透けに語った。古い言葉で言えば、八方破れ或いは無手勝つ流、比較的新しい言葉で云えば、かの有名なノーガード戦法と言ったところを狙っているようだ。
「ハンベエのどんなところが好きなのじゃ?」
「ええ?・・・・・・ええとねえ、ハンベエの事が好きな理由は色々あるけど、一番好きな理由はオイラを一人前の人間として扱ってくれる所さ。」
「ふむ。・・・・・・」
「オイラまだ子供だろう。大人振って商売とかしてても、世間ではまだ子供と値踏みされるわけなんだよお。でも、ハンベエは初めて出会った時からオイラを一人前の男として尊重してくれたんだよお。」
「ほお、嬉しかったのか?」
「嬉しかったよお。」
「バンケルク将軍はどうじゃ?」
「バンケルク将軍・・・・・・最初はオイラ、国の将来を案じる立派な人だと思ってたよ。・・・・・・でも、手紙を届けて、ハンベエと帰って見ると何だか別の人みたいになってたよお。」
「では、嫌いかな?」
「好きとか嫌いとか言う前に、将軍おかしいよ。王女様の紹介状を持って行ったハンベエを下っぱ兵士にするし、アルハインド族との戦いでは味方を騙すような事をするし、おまけに将軍の手下のモルフィネスとかいう奴のその又手下がオイラをかどわかしに来るし。」
「アルハインド族との戦いで騙すような事をしたとは誰から聞いた話かな?」
「ハンベエからだけど。」
「ふむ。バンケルク将軍よりハンベエの方を信じるのじゃな?」
「当然ハンベエを信じるよお。」
「仮に、タゴロローム守備軍の司令官をバンケルクとハンベエのどちらかにするとしたら、その方ならいかがいたす。」
「え?・・・・・・」
ラシャレーの大胆な問いにロキは思わず絶句した。そして、どんぐりマナコを見開いて相手の顔をマジマジと見つめた。
ラシャレーの顔には特に感情が読み取れるものは浮かんでいない。
峻厳で極めて真面目な顔付きでロキの目をひたと見つめていた。もっともラシャレー本人はかなり和らげた表情のつもりらしい。
何故、そんな重大で突拍子もない事を、オイラなんかに尋ねるのか・・・・・・とロキはラシャレーの真意を計りかねた。
「ここにいるのは、ワシとその方の二人のみ。ほれ、確かワシが部下から聞いた話ではその方、何と申したかな・・・・・・そうじゃ、ざっくばらんに行くのが好きではなかったの?」
「・・・・・・。」
「その方の言葉がどのようなものでも咎めたりはいたさん。正直なところを聞かせてもらえんかの?」
「・・・・・・宰相閣下が世間でどう言われてるか知ってるのお?」
「ワシが? まあ、大体のところは存じておるつもりじゃが、何と言ってるのじゃ?」
「策略に長けた信用のならない人物として、蠍や蝮のように恐れられているよお。」
ロキは目を逸らさずに言った。・・・・・・言っちまったよお。知ーらんで、知ーらんで。ロキの口にする蓋はないものか。
だが、ラシャレーは寛大の虫にでも取り憑かれていたのか、それとも元々この程度の事に立てる腹を持ち合わせていなかったのか、この老梟に珍しく少し笑った。
「ふむ、さようか。それで、先ほどの問いには答えてもらえるのかの?」
「オイラは、バンケルク将軍とハンベエのどちらが、タゴロローム守備軍司令官として相応しいかなんて事は分からないよお。でも、どうしても、どちらかを大将にしなければならないとしたら、断然ハンベエにするね。」
「何故じゃ?」
「オイラが、オイラとハンベエの間に一つの運命があると信じている事は一先ず置いておくよお。オイラの知っているところでは、古の偉い人にその弟子が質問した話がある。『武器と食料と人間の信義は国を成立させる重要なものですが、もしその三つのどれかを捨てなければならないとしたら、何を捨てましょうか。』、『武器を捨てよう。』、『なるほど、では残りの二つから更に一つ捨てなければならないとしたら。』、『食料を捨てよう。』、『ええー!、食料が無ければ死んじゃいますが・・・・・・』、『それでも食料を捨てよう。信義が大事じゃ。』という話だよお。オイラの知る限りでは、ハンベエには信義がある。絶対にハンベエにするよお。」
ロキの話を聞いて、今度はラシャレーが目を丸くした。
「小僧、今のは確かに古の聖人の申された言葉であるが、何故そのような事を知っておる?」
「何処で聞いたかは忘れたよお。」
「ロキは今十二歳であったの?」
「嘘偽りはないよお。」
「元々は浮浪児であったの?」
「憚りながら、その通りだよお。」
「・・・・・・まあ良い。では、更に尋ねる。信義とは何じゃ?」
「裏切らない事だよお。」
さて、読者諸君。お気づきの方も多いと思うが、ロキの言った古の偉い人の話とは、孔子とその弟子の会話録であるかの有名な『論語』に出て来る話である。何故この大陸にその話が伝わったのかは問わないでいただきたい。説明できないから。
「・・・・・・成る程の。」
「あ、言い忘れてたけど、ハンベエは宰相閣下の事を昔誉めてたよお。ラシャレー大浴場は素晴らしい事業だって。ハンベエって風呂好きだからね。」
対話がもう終わると察したロキが慌て付け加えた。
「ふむ。ロキよ。実に見上げた使者振り、見事であったの。これはワシからの心ばかりの褒美であるが、収めてくれるかの?」
ラシャレーはそう言うと、懐から小さな包みを出してロキに手渡した。
「ええ、ひょっとしてオイラを買収するのお?」
ロキは包みを受け取りながら、すっとんきょうな声を上げた。
「馬鹿を申すな。ただの褒美じゃ、気にせず、今後も商売に励め。」
ラシャレーは厳しい顔色に若干の苦笑いを浮かべて言った。
ここいらが潮時、退散した方が良さそうだ機敏に察したロキは、包みを押し戴いて言った。
「オイラ、明日は王女様にお目通りして、色々と物語するつもりなんだけど。」
「そうか。エレナ姫にはワシの方からロキの訪問予定を伝えておこう。」
「うわあ、親切にありがとうございます。」
ロキはそう言って深々とお辞儀した。角度四十五度。
ラシャレーは案内係を呼び、ロキを下がらせ後、一人っきりになったはずの部屋で天井に向けて、
「十二歳か。驚き入った小僧だ。年齢も省みずにあれを信頼して任せ切れるハンベエといい、ワシ等は引退した方が良いのかのう。」
と言った。
すると、誰もいないはずのその部屋に、
「はて、私には難しい話は分かりませんな。分かった事と言えば、さっきのロキという少年に、何やら命懸けの気迫が見受けられた事と、閣下がロキに惹かれているご様子である事ぐらいですな。」
と『声』の低い声が聞こえた。
一方、王宮を出て『キチン亭』へ向かうロキの傍らには、何処から現れたのかボーンが寄り添っていた。
「どうだった。」
「どうもこうも、有りのままを精一杯喋っただけだよお。それより、宰相から褒美を貰ったんだけど・・・・・・金貨が九枚。九枚? 何で十枚じゃないんだよお?」
ロキは貰った金貨の数にしきりに首を捻っていた。
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