戦争はいらないFPSだ

season1

10話 戦争の嚆矢

素早く自動アナウンスボタンを押すレリア。

「敵襲！敵襲！戦闘装備を装着し、待機してください。繰り返します。敵襲！敵襲…」

アナウンスセンターに駆けつけたレリアは皆に指示を出す。

「総員！武器を取り戦闘に入れ！北側の敵襲に備えろ！敵はおよそ500人！衛生兵は野陣待機しろ！」

初めてレリアが命令形を使う。いや、2回目だ。

その頃レリアの元にたどり着いたペンギン

いつものレリアじゃないことに気づいていた。少しショックだったがそんなことを考えるほど今は暇じゃない。

「レリアさん！大丈夫ですか！」

ペンギンが来たことに驚いたレリアがすぐに返す

「誰がここに来いと言った！戦闘へ戻れ！事が治ったら命令違反で1週間懲罰室だ！」

その言葉で目が覚めた。

「申し訳ありません！」

いつものレリアじゃないことにショックを受けたがそんなことは考える余地もない

僕の任務は、祖国を守るために人を殺すのみ！

戦闘へ戻ったペンギンだが、レリアのこの決断が間違っていた。


その時チョコとヒラメは基地襲撃の無線を受け取り全速力で基地に向かっていた。

「ペンギン！ペンギン！聞こえるか！」

ヒラメが無線で連絡を取る。

「聞こえるよ。なんだ？」

ペンギンからの無線で燃えている音と銃声が聞こえた。

それだけ深刻な状況だとすぐにチョコとヒラメにもわかった。

「カンバーとオヤジは？すぐに戻るからあと少しの辛抱だ！」

「カンバーとオヤジは見てない！もうガキの頃とは違うんだ！」

そう。ペンギンたちは今年で18歳になっていた。

「だが一つ妙なことがある！こいつら…ダダダダダ！」

「なんだ？大丈夫か！」

「こいつら！カリス人じゃない！」

「なっ？」

「腕章がカリスのじゃない！マルレーナ？って書いてある！」

「どういう事だ！」

「知るか！はよ戻ってこい！」

「わかった！」

「…空襲と敵襲、3年前と同じステップ。3年前と共通するのは…」

チョコが考える

「ま、少なくともレリアさんはターゲットじゃないな。」

「なら誰だ？3年前、空襲で生き残ったのは俺らを除いてたったの11人と教官だぞ！」

「つまり…」

「俺らは今基地にいないのに襲撃を受けている。そしてあの11人はほとんど鬱になり自殺か軍から脱退だ！」

「なら…敵の狙いとしてあり得る選択肢は…ペンギン⁉︎」