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4 夏旅
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あきの浴衣は、反則だった。かっこいい。
さらさらの黒髪ボブが、この部屋と浴衣に似合いすぎる。
フロントに電話をかけたら仲居さんが来てくれて、食事を運び出し、布団を敷いてくれた。
バレないように隅っこでじっとしているけど、正直、この時間がもどかしい。
頭を下げる仲居さんが扉を閉めたと同時に、あきは俺が飲んでいた水のペットボトルを取り上げ、長くキスしてきた。
「あき、あのね」
「ん?」
優しい顔で、俺の話に耳を傾けてくれる。
「俺、あきと、ちゃんとエッチしたい」
あきは何も言わずに、俺の髪に手を差し込んで、何度も梳く。
「男同士でどうするのか調べてきた」
「怖くないの?」
「うん」
もちろん、行為自体は、怖いに決まっている。
読めば読むほどに、こんなこと自分にできるのかと、戸惑った。
でもあきならきっと、ひとつずつ優しくてしてくれると思ったから、そういう想像をすると、自然と『したい』と思えた。
「優しくするね。おいで」
布団の上に座る。着たばかりの浴衣の帯をするっと解かれ、中に手が侵入してきた。
そろそろと、身体中をなでられる。何度もくちびるにキスをされる。
舌をゆっくりと抜き差ししながら胸を触られると、大げさなくらい肩がぴくりと跳ねた。
「大丈夫?」
たずねるあきの声は吐息まじりで、たぶん、すごく我慢してペースを合わせてくれているんだろうなと思った。
「ん……」
俺も、あきの浴衣を解いた。
ぱたんと押し倒されると、開いた胸元からあきの乳首がのぞいて、それだけでめちゃくちゃに興奮した。
さっきお風呂で散々触られて、体は準備ができている感じ。
服を全部はぎ取られると、ガチガチに固くなったペニスがあらわになった。
でも、恥ずかしいより、早く触って欲しい。
自然に腰をくねらせると、あきがごくりと生唾を飲んだ。
乳首をくりくりとつまみながら、ゆっくりとペニスを口に含む。
「ぁ……う」
顔を上下されると、すぐに達してしまいそうになる。
「深澄、すごい。先走り。味がする」
「……ん、はぁ、きもちいい」
じゅるじゅると音を立てて吸うあきの熱い吐息が、ペニスの付け根にあたる。
「一旦イッちゃおうか。もうきついでしょ」
「ん……ン」
あきの言う通り、限界だった。
ちゃんとしたいと言ったのは自分なのに、全然我慢できない。
「ゃ、あ……、はぁ、んっ、はあ」
あきの上下するスピードが速まる。乳首をこねる手つきは少し乱暴で、思わず上ずった声が出た。
「ぁあっ、ん、はぁ……ッ、あき、イッちゃう…っ」
返事の代わりに、ぐっと喉の奥まで飲み込まれる。
「ぁあ、も………、んっ、いく、いっ、ああっ…………ッ!……っ……!…………ッ」
腰が跳ねるのが止められない。
長く長く放つ熱を、あきの口が全部受け止めてくれた。
くたっとする俺の横で、あきは、かばんをゴソゴソと探っていた。
「正直、深澄に言われなくたってそうするつもりだった」
そういって取り出したのは、ローションとコンドームの箱。
本当に、わざわざ買ってきたのだろう。新品のビニールを破き、箱からそれを取り出した。
「でも、途中で怖かったり嫌だったら、やめるからね。ちゃんと言うんだよ?」
「わかった」
「痛くないようにしたいけど……僕も初めてだから、勝手が分からなくて。ほんとに、痛かったらすぐに言ってね」
「うん」
「足開いてごらん」
言われたとおりにすると、絶対にひとには見せないところを明るい部屋で見せている感じになって、すごく恥ずかしかった。
あきはローションを右手出して手を握り、軽く温めて、お尻の周りにくるりと塗りつけてきた。
「ん……っ」
いまからここに入れられるんだと思うと、緊張してきた。
手でくるくると刺激しながら、ゆっくりキスをしてくれる。
「力抜いて? できる?」
「うん」
あきのくちびるに集中して、下半身の力を抜く。
と同時に、ほんの少しあきの指が入ってきた。
「……っ」
びっくりして力を入れてしまいそうになるのを、とめる。
深呼吸して、あきの顔だけを見る。
指が少しずつ侵入してきて、異物感がすごい。
「痛くない?」
「いたくない、けど、変な感じ。ちょっと心配になる」
「心配?」
「その、出ちゃわないかな、とか」
排泄感がすごくて、触られながら、実は出ちゃってるんじゃないかと思ってしまう。
「大丈夫だよ」
ぐるりと中で、指が回る。
全然気持ちよくなくて、どちらかというと、何かに耐えている感じ。
ちゃんとできるか、不安になってくる。
あきは真剣そのものの顔で中を探りながら、あちこち試している。
と、そのとき。
「あっ……、」
びくっと、体全体が跳ねた。
「ここ?」
「あ、あんっ」
あきが、同じところをぐにぐにと押してくる。
「……っ、はぁ」
「ここ気持ちいい?」
息を荒げながら、大きくこくこくとうなずく。
ゆっくりと抜き差ししながら、良いところを何度も刺激してくる。
「ん……あき、……はぁ」
「1本増やすよ? 大丈夫?」
「ん、して」
ローションを足して、中指がつぷりと入ってくる。
さっきみたいな変な感じよりも、お尻の穴がぐいっと広がった感覚。
ぎゅうぎゅうと中の上やら下やらを押されながら、抜き差し。
やっぱり気持ちいいのは、さっき触られたところらしい。
「……、ぁあ、んっ……はぁ…」
女の子みたいな可愛い声じゃ全然ないけど、あきはちゃんと興奮してくれるのだろうか。
表情を見るに、エッチなことをしているというよりは、実験に取り組んでいるという方が近いような。
「あき、キスして」
不安になってねだってみると、2本の指は抜かないまま、キスしてくれた。
「……んッ、んぁ、はあっ……」
ぐいっと舌を入れられると、あきの呼吸は荒かった。
ちゃんと興奮してくれてるんだと分かって、安心する。
クチュクチュと音を立てながらキスをされて、お尻はずっと長い指が往復していて、すごくエッチな状況だと意識したら、すこしペニスが固くなった。
「3本目、入れて平気?」
「ん」
窮屈そうに、指が増える。
「ん……」
さすがに苦しくて、あきも動かし辛そう。
それでも、さっきの良いところにあたると、体がビクッとして気持ちいい。
「……ぁあ、ん、はぁ、…はあ、」
体全体が、汗ばんでいる。
シーツを握りしめていた手を離し、あきの腕を探すと、ぎゅっと捕まえてくれた。
指の動きは、だいぶスムーズになっている。
けっこう奥の方に届いている感じもあって、もうすぐあきに挿れられるんだと思う。
「深澄……どう? 大丈夫?」
「ん、だいじょぶ……」
ずるりと指を引き抜かれて、顔だけ少し起こすと、口を半開きにして切なそうにしたあきの顔が見えた。
浴衣を手早く脱ぐと、ガチガチに反り返っている。
「いい? 挿れて」
「うん」
うんと言いつつ、緊張で心臓がどうにかなりそうだった。
あきはコンドームの袋を破いてはめて、さらにかなりの量のローションを足した。
さらさらの黒髪ボブが、この部屋と浴衣に似合いすぎる。
フロントに電話をかけたら仲居さんが来てくれて、食事を運び出し、布団を敷いてくれた。
バレないように隅っこでじっとしているけど、正直、この時間がもどかしい。
頭を下げる仲居さんが扉を閉めたと同時に、あきは俺が飲んでいた水のペットボトルを取り上げ、長くキスしてきた。
「あき、あのね」
「ん?」
優しい顔で、俺の話に耳を傾けてくれる。
「俺、あきと、ちゃんとエッチしたい」
あきは何も言わずに、俺の髪に手を差し込んで、何度も梳く。
「男同士でどうするのか調べてきた」
「怖くないの?」
「うん」
もちろん、行為自体は、怖いに決まっている。
読めば読むほどに、こんなこと自分にできるのかと、戸惑った。
でもあきならきっと、ひとつずつ優しくてしてくれると思ったから、そういう想像をすると、自然と『したい』と思えた。
「優しくするね。おいで」
布団の上に座る。着たばかりの浴衣の帯をするっと解かれ、中に手が侵入してきた。
そろそろと、身体中をなでられる。何度もくちびるにキスをされる。
舌をゆっくりと抜き差ししながら胸を触られると、大げさなくらい肩がぴくりと跳ねた。
「大丈夫?」
たずねるあきの声は吐息まじりで、たぶん、すごく我慢してペースを合わせてくれているんだろうなと思った。
「ん……」
俺も、あきの浴衣を解いた。
ぱたんと押し倒されると、開いた胸元からあきの乳首がのぞいて、それだけでめちゃくちゃに興奮した。
さっきお風呂で散々触られて、体は準備ができている感じ。
服を全部はぎ取られると、ガチガチに固くなったペニスがあらわになった。
でも、恥ずかしいより、早く触って欲しい。
自然に腰をくねらせると、あきがごくりと生唾を飲んだ。
乳首をくりくりとつまみながら、ゆっくりとペニスを口に含む。
「ぁ……う」
顔を上下されると、すぐに達してしまいそうになる。
「深澄、すごい。先走り。味がする」
「……ん、はぁ、きもちいい」
じゅるじゅると音を立てて吸うあきの熱い吐息が、ペニスの付け根にあたる。
「一旦イッちゃおうか。もうきついでしょ」
「ん……ン」
あきの言う通り、限界だった。
ちゃんとしたいと言ったのは自分なのに、全然我慢できない。
「ゃ、あ……、はぁ、んっ、はあ」
あきの上下するスピードが速まる。乳首をこねる手つきは少し乱暴で、思わず上ずった声が出た。
「ぁあっ、ん、はぁ……ッ、あき、イッちゃう…っ」
返事の代わりに、ぐっと喉の奥まで飲み込まれる。
「ぁあ、も………、んっ、いく、いっ、ああっ…………ッ!……っ……!…………ッ」
腰が跳ねるのが止められない。
長く長く放つ熱を、あきの口が全部受け止めてくれた。
くたっとする俺の横で、あきは、かばんをゴソゴソと探っていた。
「正直、深澄に言われなくたってそうするつもりだった」
そういって取り出したのは、ローションとコンドームの箱。
本当に、わざわざ買ってきたのだろう。新品のビニールを破き、箱からそれを取り出した。
「でも、途中で怖かったり嫌だったら、やめるからね。ちゃんと言うんだよ?」
「わかった」
「痛くないようにしたいけど……僕も初めてだから、勝手が分からなくて。ほんとに、痛かったらすぐに言ってね」
「うん」
「足開いてごらん」
言われたとおりにすると、絶対にひとには見せないところを明るい部屋で見せている感じになって、すごく恥ずかしかった。
あきはローションを右手出して手を握り、軽く温めて、お尻の周りにくるりと塗りつけてきた。
「ん……っ」
いまからここに入れられるんだと思うと、緊張してきた。
手でくるくると刺激しながら、ゆっくりキスをしてくれる。
「力抜いて? できる?」
「うん」
あきのくちびるに集中して、下半身の力を抜く。
と同時に、ほんの少しあきの指が入ってきた。
「……っ」
びっくりして力を入れてしまいそうになるのを、とめる。
深呼吸して、あきの顔だけを見る。
指が少しずつ侵入してきて、異物感がすごい。
「痛くない?」
「いたくない、けど、変な感じ。ちょっと心配になる」
「心配?」
「その、出ちゃわないかな、とか」
排泄感がすごくて、触られながら、実は出ちゃってるんじゃないかと思ってしまう。
「大丈夫だよ」
ぐるりと中で、指が回る。
全然気持ちよくなくて、どちらかというと、何かに耐えている感じ。
ちゃんとできるか、不安になってくる。
あきは真剣そのものの顔で中を探りながら、あちこち試している。
と、そのとき。
「あっ……、」
びくっと、体全体が跳ねた。
「ここ?」
「あ、あんっ」
あきが、同じところをぐにぐにと押してくる。
「……っ、はぁ」
「ここ気持ちいい?」
息を荒げながら、大きくこくこくとうなずく。
ゆっくりと抜き差ししながら、良いところを何度も刺激してくる。
「ん……あき、……はぁ」
「1本増やすよ? 大丈夫?」
「ん、して」
ローションを足して、中指がつぷりと入ってくる。
さっきみたいな変な感じよりも、お尻の穴がぐいっと広がった感覚。
ぎゅうぎゅうと中の上やら下やらを押されながら、抜き差し。
やっぱり気持ちいいのは、さっき触られたところらしい。
「……、ぁあ、んっ……はぁ…」
女の子みたいな可愛い声じゃ全然ないけど、あきはちゃんと興奮してくれるのだろうか。
表情を見るに、エッチなことをしているというよりは、実験に取り組んでいるという方が近いような。
「あき、キスして」
不安になってねだってみると、2本の指は抜かないまま、キスしてくれた。
「……んッ、んぁ、はあっ……」
ぐいっと舌を入れられると、あきの呼吸は荒かった。
ちゃんと興奮してくれてるんだと分かって、安心する。
クチュクチュと音を立てながらキスをされて、お尻はずっと長い指が往復していて、すごくエッチな状況だと意識したら、すこしペニスが固くなった。
「3本目、入れて平気?」
「ん」
窮屈そうに、指が増える。
「ん……」
さすがに苦しくて、あきも動かし辛そう。
それでも、さっきの良いところにあたると、体がビクッとして気持ちいい。
「……ぁあ、ん、はぁ、…はあ、」
体全体が、汗ばんでいる。
シーツを握りしめていた手を離し、あきの腕を探すと、ぎゅっと捕まえてくれた。
指の動きは、だいぶスムーズになっている。
けっこう奥の方に届いている感じもあって、もうすぐあきに挿れられるんだと思う。
「深澄……どう? 大丈夫?」
「ん、だいじょぶ……」
ずるりと指を引き抜かれて、顔だけ少し起こすと、口を半開きにして切なそうにしたあきの顔が見えた。
浴衣を手早く脱ぐと、ガチガチに反り返っている。
「いい? 挿れて」
「うん」
うんと言いつつ、緊張で心臓がどうにかなりそうだった。
あきはコンドームの袋を破いてはめて、さらにかなりの量のローションを足した。
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