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5 ショー

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 久々に、たばこ部屋に呼ばれた。
 しばらくトイレの個室に押し込められていて、桜井くんが呼びに来たので連れられて行ったら……部屋の中にひとがパンパンだった。

「やっぱコレだよなー!」
「吉野ー、じわじわヤれよー高い金払ってんだから」

 死にたい。もう、消えてしまいたい。
 この間は、俺たちに酷いことはさせないみたいなことを言っていたけど……これだけ見物客がいるんじゃ、無茶なヤジを飛ばしてくるひともいるだろうし、それを澤村くんが気に入っちゃったら、拒否権はないわけで。

 小刻みに震える俺を、吉野くんがそっとなでてくれた。
 澤村くんが、無言であごをしゃくって合図を出す。
 吉野くんはそっとキスをしながら、俺のワイシャツのボタンをひとつひとつ外していった。

「え、脱ぐの!? マッパ!?」
「ぬーげ! ぬーげ!」

 今日の条件は、2つ。
 胸を攻めることと、30分以上すること。
 それ以外は別に注文つけないから、好きにヤって適当に終われと言われた。

 適当に終わっていいなら服を着たままスキンシップを多めにしてごまかそうかと思っていたけど、これだけの人数、しかもそれなりの料金を取ったということは、ちゃんとしないと暴力を振るわれる気がした。

 シャツの前が全部はだけたところで、吉野くんは優しく寝かせてくれた。
 口を少し開くと、熱っぽくキスされる。
 外野は何か言っているけど、なるべく聞こえないように、首の後ろに手を回して、深い深いディープキス。

 吉野くんの唇が、耳、首筋と少しずつ降りてきて、ついに乳首をペロッとなめられた。
「……っ」
 びっくりして身を縮こまらせると、笑い声が聞こえた。
 吉野くんは、赤ちゃんみたいにちゅうちゅうと左の乳首を吸って、右は、つまんだりこねたり弾いたり。
「ん、ん……っ」
 もどかしくなって、足をもじもじさせる。

 吉野くんが、耳元に唇を寄せた。
「慧」
「んん……」
「汚れたら困るから、シャツ脱いじゃおっか」

 上半身裸になったら、周りが「お~」とかなんとか言っているのが聞こえた。
 男の、しかも、普段散々キモいだのバイキンだの言ってる奴の裸なんか見て、何が楽しいんだ。

 吉野くんのことだけ考えよう。
 嫌なことから目をそらすように、眼前の綺麗な顔を眺めた。
 吉野くんは、すうっと目を細めながら、俺のベルトに手をかける。

 最近分かったことがあって、吉野くんはほとんど表情が変わらないけど、目を細めるときは、ちょっとうれしかったり優しかったり、プラス方向らしい。

 艶のある黒髪を耳にかけて、俺のペニスを口に含んだ。
 思わずため息が漏れる。
 じゅ、じゅ、と音を立てて根元まで吸われると、甘い声が漏れた。
「……ぁ、ん……はあ、」

 すると、周りからカチャカチャという音が聞こえた。
 何だろうと思いつつ、吉野くんの口の温もりで、そんな疑問は飛んでしまう。
「よしのく、……はあ、きもちいい……」
 すっぽりくわえたまま、やわらかい舌でなでまわされる。
「ぁあ……ん、吉野くん、よしのく……ん、んっ」
 お腹に当たる吉野くんの息も熱くて、興奮してくれているのだと思ったら、この異常な状態も、少しは救いようがある。

 そこでふと、周りから、荒い息遣いが聞こえることに気づいた。
 ちょっと見ると、何人かが、俺たちのことを見ながら自分のものをしごいている。
 目の端には、楽しそうな桜井くんが、ノートに何やら書いていた。

 ああ、なるほど。見ながら自慰OK。
 するなら別料金で、桜井くんが記録してる。
 床に何個もばらまいてあるティッシュ箱の意味も分かった。
 そして、別料金があまり取れなかったら、澤村くんに殴られるなと思った。

「ぁあっ……ん、吉野くん、あぁ、はあ、イキたい……」
 大げさに喘いでみたら、またベルトの音がした。
 殴られたくない、殴られたくない。

 吉野くんがどこまで気付いているかは分からないけど、全力で気持ち良くしてくれているので、俺はそのまま身を委ねることにした。
 怖いことを考えたら、萎えてしまう。

「吉野くん、もっと強くして……」
 お願いしたら、先端はくわえたまま、ぎゅっとペニスを握りしめて、ゴリゴリとスピードをつけてしごいてくれた。

「ぁああっ、ん、はぁ、は……あ、もぉ、出ちゃう、……ぁあ」
「吉野ー! 焦らせー!」
「や、イキたい、ん……、はぁ、お願い、ぁあっ」
「耐えろよ早漏!」
「んぁ、イかせて、ぁあッ、もうむり……、むりっ、んぁあっ」

 吉野くんの片手が、胸のところに伸びてきた。
 そろそろと這わせたあと、乳首をとらえて、くんっと引っ張った。
 無理だ。

「ぁあッ、イクッ……!ぁああっ……!……ぁあッ……っ……!」

 大量の欲液を放つ。
 飲み込みきれなかったらしい吉野くんは、むせながら俺の下腹部にいくらかをこぼした。

「……ごめんっ。大丈夫?」
 すぐさま起き上がって背中をさすろうとしたら、ギャラリーの中からうめき声が聞こえた。
 確かに、口から濁った液体をこぼす吉野くんは、妖艶だ。
 でも、こんなところ他の人に見せたくなくて、しかも、それを自慰のネタにされるなんて……辛くて、苦しくて、涙が出た。
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