44 / 101
生徒会
就寝
しおりを挟む「先輩っ。ちょっ。もっ、離れてくださいっ」
「別にいいじゃん~唯利ももっとこっちにきなよ~」
「遠慮させていただきます!」
「ベッドは広いとはいえ、枕は一つしかないんだからな?こっちこいって」
「…………。」
それはそう。
個室だから、ベッドも毛布も枕も一つずつ。
だから、ベッドと枕も毛布も半分使わせてもらってるんだけど…………。
なんか、先輩のイケメンの顔見るの辛いし、顔見合わせるのもなんか、気まずいし、反対方向向いて小さく寝てたら、
後ろから腕が延びてきて、真ん中へ引きずり込まれる。
この手、振りほどいてくれないかな~。ずっと俺のお腹押さえてる気??
てか、なんか、俺の首もとになんか、違和感が…
「お、俺のシャンプーの匂いがするわ」
えっ。匂い嗅がれてんの?
「…………!!!」
「ぐっ…………唯利、それは痛いって!!」
あっはっは、肘鉄してやったわ。
後ろ向きだからよくわかんなかったけど、お腹に結構入ったみたいだわ笑
「あっすみませ~ん。ちょっと身動ぎしたらあたっちゃって~」
必殺、
すっとぼけ~♪
「嘘だろ…………まだ痛ぇ……」
まだ腹を押さえて震えてる。
なんか、ちょっと申し訳ないけど、
先輩そのまんまにして、
毛布を俺側に引っ張って(つまり先輩にかかる毛布が少なくなるようにして)……
「おい、それはないだろ」
おや、器用に布団の中に入ってきた。
まあ、先輩の布団だし、無視して寝よう
「…………。」
「…………。」
「……………………。」
「……………………。」
寝れない……。
すっごい無言の時間。
「そういやお前、生徒会は慣れたか…………??」
さっきとはちょっと声色が違う、真剣な声。
「う~ん、まぁ、ある程度は」
結構子供っぽいちょっかいをかけてくる先輩だけど、生徒会入ったばかりの俺を心配してくれるってことは、
下級生思いのいい先輩なのかな?
「なんで会計選んだんだ?」
「いや、明海先輩しか声かかんなかったからですけど……」
明海先輩から生徒会入らないかって言われたんだよね。その後俺が一方的に避けちゃってたんだけど、…………申し訳ない……。
「ふ~ん。じゃあ、俺が声かけてたら副会長やったか??」
「まぁ……。あり得なくはないですかね。でも、副会長って一年生はなれないんじゃないんですか?」
「いや、なれるよ。翔(今の会長)は一年からなってただろ??」
「たしかに」
まあ、あの頃は新聞部やら写真部からの襲撃を避けて学校内隠れまわってたから、明海先輩以外の他の先輩たちは声かけることはできなかっただろうけど。
「本当は俺も誘いたかったんだけどなぁ~…」
いや、双子先輩達がいるやん。
「お前、明海のこと好きか?」
なにさ。突然に??
明海先輩ね。
呼び捨てにしてるんだ。まあ、そうだよね。蓮先輩と明海先輩同学年だもんね。
「え、まぁ………。いい先輩ですよね」
うん。優しい!!そして言動が美しい!
理想の人間像かもしれん。
「じゃなくて、恋愛感情としては?」
「へっ。はいっ!?!?恋愛、感情~!!?」
な、な、なに言ってんだ、この人は!
恋愛感情とか、好きとかそもそも考えたことないから!!
「いやー。結構仲良すぎだよなー。寮の共有スペースでいつも一緒に朝食とってるしー。」
「え~。いつもじゃないですよ~よく一緒にいるだけですよ~」
「ふーん。恋愛感情ないのか………ならいっか(小声)…………」
「ないですよ~」
そうそう。
確かに一緒にご飯食べたり、先輩の掃除とか手伝ってるけど、
それは俺から声かけて…………
あれ、俺から声かけてるだけで、明海先輩から朝食とか誘われたことないや…………。
もしかして、明海先輩、俺のこと鬱陶しく思ってたりしないかな…………嫌われてたり…………いや、そんなことナイトオモウ…………
うん。嫌われてないよ!嫌ってたら、俺と一緒にご飯食べてくれないでしょ!
でも、これから話しかける回数券少なめにしようかな~毎回付きまとってうざいとか思われたら嫌だし…………
あー。この前の俺、うざかったかなーもうちょっとスキンシップ減らした方がいいかなー
なんて悶々と、
考えてよく寝れない唯利でした。
44
お気に入りに追加
693
あなたにおすすめの小説
学院のモブ役だったはずの青年溺愛物語
紅林
BL
『桜田門学院高等学校』
日本中の超金持ちの子息子女が通うこの学校は東京都内に位置する野球ドーム五個分の土地が学院としてなる巨大学園だ
しかし生徒数は300人程の少人数の学院だ
そんな学院でモブとして役割を果たすはずだった青年の物語である
秘める交線ー放り込まれた青年の日常と非日常ー
Ayari(橋本彩里)
BL
日本有数の御曹司が集まる男子校清蘭学園。
家柄、財力、知能、才能に恵まれた者たちばかり集まるこの学園に、突如外部入学することになったアオイ。
2年ぶりに会う幼馴染みはひどく素っ気なく、それに加え……。
──もう逃がさないから。
誰しも触れて欲しくないことはある。そして、それを暴きたい者も。
事件あり、過去あり、あらざるものあり、美形集団、曲者ほいほいです。
少し特殊(怪奇含むため)な学園ものとなります。今のところ、怪奇とシリアスは2割ほどの予定。
生徒会、風紀、爽やかに、不良、溶け込み腐男子など定番はそろいイベントもありますが王道学園ではないです。あくまで変人、奇怪、濃ゆいのほいほい主人公。誰がどこまで深みにはまるかはアオイ次第。
*****
青春、少し不思議なこと、萌えに興味がある方お付き合いいただけたら嬉しいです。
※不定期更新となりますのであらかじめご了承ください。
表紙は友人のkouma.作です♪


BlueRose
雨衣
BL
学園の人気者が集まる生徒会
しかし、その会計である直紘は前髪が長くメガネをかけており、あまり目立つとは言えない容姿をしていた。
その直紘には色々なウワサがあり…?
アンチ王道気味です。
加筆&修正しました。
話思いついたら追加します。

とある金持ち学園に通う脇役の日常~フラグより飯をくれ~
無月陸兎
BL
山奥にある全寮制男子校、桜白峰学園。食べ物目当てで入学した主人公は、学園の権力者『REGAL4』の一人、一条貴春の不興を買い、学園中からハブられることに。美味しい食事さえ楽しめれば問題ないと気にせず過ごしてたが、転入生の扇谷時雨がやってきたことで、彼の日常は波乱に満ちたものとなる──。
自分の親友となった時雨が学園の人気者たちに迫られるのを横目で見つつ、主人公は巻き込まれて恋人のフリをしたり、ゆるく立ちそうな恋愛フラグを避けようと奮闘する物語です。

不良高校に転校したら溺愛されて思ってたのと違う
らる
BL
幸せな家庭ですくすくと育ち普通の高校に通い楽しく毎日を過ごしている七瀬透。
唯一普通じゃない所は人たらしなふわふわ天然男子である。
そんな透は本で見た不良に憧れ、勢いで日本一と言われる不良学園に転校。
いったいどうなる!?
[強くて怖い生徒会長]×[天然ふわふわボーイ]固定です。
※更新頻度遅め。一日一話を目標にしてます。
※誤字脱字は見つけ次第時間のある時修正します。それまではご了承ください。


嫌われ者の僕
みるきぃ
BL
学園イチの嫌われ者で、イジメにあっている佐藤あおい。気が弱くてネガティブな性格な上、容姿は瓶底眼鏡で地味。しかし本当の素顔は、幼なじみで人気者の新條ゆうが知っていて誰にも見せつけないようにしていた。学園生活で、あおいの健気な優しさに皆、惹かれていき…⁈学園イチの嫌われ者が総愛される話。嫌われからの愛されです。ヤンデレ注意。
※他サイトで書いていたものを修正してこちらで書いてます。改行多めで読みにくいかもです。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる