百色学園高等部

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体育祭イベント

借り物競争ー先輩とっ

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先輩と共に手を繋いでグランドの中に向かって走り出すと、



「明海先輩~」
「チアリ~」
「神無月先輩~」
「かわいいぃ」



っていう歓声がすごい
さすが先輩だ。人気が凄まじい。こんな先輩と知り合いだなんて幸せだわぁ~

そのなかにまじって
「ユイリーン様だ~」
っていう声もあるからちょっと嬉けど、その呼び方やめれい。
女の子っぽいあだ名が広まったらどうしてくれんねん。


それなのに、先輩は笑顔で手を振って皆に挨拶してる。

そういうもんなのかなー!?

俺も小さくピースして、皆に挨拶。

そのとたん、もっと歓声が!!!!




「きゃぁぁぁぁぁ」
「ユイリーンさまぁ~」



うそ、注目度ヤバない!?



恥ずかしくて、早くこの瞬間終われ~って思いながらスピードあげて走ったら、

「ま、待ってください~」

って後ろから声が。
いかん。先輩をおいてってしまっていた。


「って、先輩!!その足どうしたんですか!!」

明海先輩の足首が赤くなってはれてる。

うそ、俺が早く走って先輩を引きずって走ったせい!?

「先輩…俺のせいですよね、ごめんなさいぃ…」


「いえいえ、この靴が履きづらくて、さっき走ってるときにくじいちゃったんですよ」

先輩優しすぎ~。
きっと俺に気を使ってそう言っただけでしょ。


そういえば、チアリ衣装のためにヒールのある靴履いてる。

「先輩っっ。靴ずれもしてるじゃないですかっ」


よくみるとかかとも剥けてる。


「これは、早く手当てしてもらわないと……」

「いや、皆に迷惑かかるから、とりあえず次の人にバトン渡してから行きたいです」



そっか。
先輩足痛いと思うのに、皆のこと考えて……
俺バカだ、先輩の事も、周りのこと全然見てなかった。


よし、あの手を使おう



「ちょっ、桜河くん!!!???」

「先輩はちょっと我慢しててくださいねー」

「いや、お姫様だっこは//////」


「だって先輩痛くて走れないでしょう?俺が抱えて走った方が早いですよ。お題合格もらったら、早く手当てしてもらってきてください」


もうお姫様抱っこしちゃったんだ。
する方も恥ずかしいんだよ!いいから、なにも言わずにそのまま抱かれててってばぁ~/////



ヒューヒュー

って、歓声が聞こえる気がするけど、空耳だよねーはいー空耳ー




って、思いながら審査の人の所についたら、壇上にあがらされて、


「おお、これは神無月明海先輩がお姫様抱っこされて登場だ~」


ぎゃぁぁぁぁ!!!!!
ちょっ歓声が!!空耳じゃなかったか……

「ではお代は~王子様…………ではなく」

そういやお題聞いてなかった。なんだったんだろ

「お題は、GW中に一緒に過ごした人!!」

そうなんだ。そういえば、ほぼ毎日一緒だったような。

「なるほど、で、君の名前はー??」

え、ここでマイク渡されるの!?

「桜河唯利です」

っていった瞬間、

ユイリーン!!!!!


って、叫び声が


「なるほど、ユイリーンさんですね」



違うって~ぇ、誰だ、叫けんだの。
クラスの皆か。あとでしばいたるっ。
って、思って力を込めたら、

「ちょっと、もうおろしてください/////」

おっと、明海先輩がまだ腕のなかに。
「いやですよ。先輩足痛めてるから、立ったら痛いですよ?」

「なるほど、それでお姫様抱っこだったんですね。これは痛そうです」

痛そうじゃなくて、実際に痛いって、早く手当てしてあげないと、


「では、生徒会メンバー神無月明海さんGW中に一緒に過ごした人、合格ですっ」

よし、これで救護室へ……


「おっと、神無月明海さんは紫連合のチアリとして走っていましたが、この後生徒会メンバーとしての出場が決まっていましたね…これは困った…」

なぬ。
でも、先輩はこれ以上走らないで安静にしておいた方が…



「そのため、緊急出場として、生徒会のメンバー代理で桜河唯利くんに走ってもらいましょー!!!」


…………!?!?!?

……………………!?!?!?


………………………………!!!!!!!!!

まじ??



アナウンサーの満面の笑み。


わぁぁぁぁぁぁ



叫ぶ観衆。



…………。


立ち尽くす俺であった。


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