百色学園高等部

shine

文字の大きさ
上 下
27 / 101
病気宣告

病気だってさ

しおりを挟む
数日前……いや、思い返せば、それより前から予兆はあったと思う。


体育の時間貧血のような感じでふわふわしたり。






寒暖差で頭がずきずきしたり、激しい運動のあと息切れしてしまうくらいは、普通だと思ってた。






ただ、今回は違った。
体育のあと、疲れて足元がふらふらしていたのは気づいてた。だから、誰にも悟られないように、さりげなく手すりに手をおいて、バランスをとって歩いていた。

けれど、ふいに後ろから俺を呼ぶ声が聞こえた。


それで、振り返ったのがいけないんだと思う。

振り返った拍子に、右足が階段からずるって……


ヤバい、

落ちる、

誰かが何か言う声が聞こえる

焦った。


体が階段に叩きつけられ、

一段一段落ちる度に音がなる

ガタガタガタガタ…………

そして、一番下の床まで落ちて止まる。




最初感じたのは羞恥。



俺を呼んだのは三藤君だった。



「お前、今すごい音したぞ」


俺はすぐに立ち上がる。
「いたたた~落ちちゃった★恥ずかしい(*/□\*)」


強くぶつけたところをさすって、笑う。

皆に心配かけたくなくって、なんでもない風に、よそおう。



本当は、体の右側……特に右足が痛かった。打ち身ってこんな感じなんだろうって少し考える。
頭がガンガンして、あまり話したくない気分。
三藤君ににっこり笑顔作る気力もなくて、(笑うけど、ツラくて)とにかく、早く椅子にぐったり寄りかかりたかった。




そう、だから、三藤君の用事を早く終わらせたくて、


「お前、顔色悪いぞ……」


「大丈夫大丈夫(# ̄З ̄)」

「保健室にいった方が……」


「そんな大袈裟にしなくってもwwそれより、俺に何か用だったの~??」




「ああ、お前の館履き体育館に忘れてたから、渡そうと思って」


「わ~忘れてた!!!ありがとう」

実を言うと視界がぼやけてて、三藤君の事がうまく見えなかった。


だから、こういうときは手を差し出して渡されるのを待つ。


「ほらよ。」

「ほんとう、ありがとね~」

ほら。手に物がのっかる感覚。




お礼を言って、

早く座れる所に行きたい……


と、

一歩足を踏み出す。




ぐにゃり……


そう、今日、二回目に焦った瞬間だった。



目の前に床が迫った。


でも、体にきた衝撃は思ったより軽いものだった。


お腹に圧迫される感覚……

そっっか、三藤君が支えてくれたから、俺布団みたいな格好してんのか。


ほんと、ありがとう……







しおりを挟む
感想 15

あなたにおすすめの小説

風紀“副”委員長はギリギリモブです

柚実
BL
名家の子息ばかりが集まる全寮制の男子校、鳳凰学園。 俺、佐倉伊織はその学園で風紀“副”委員長をしている。 そう、“副”だ。あくまでも“副”。 だから、ここが王道学園だろうがなんだろうが俺はモブでしかない────はずなのに! BL王道学園に入ってしまった男子高校生がモブであろうとしているのに、主要キャラ達から逃げられない話。

学院のモブ役だったはずの青年溺愛物語

紅林
BL
『桜田門学院高等学校』 日本中の超金持ちの子息子女が通うこの学校は東京都内に位置する野球ドーム五個分の土地が学院としてなる巨大学園だ しかし生徒数は300人程の少人数の学院だ そんな学院でモブとして役割を果たすはずだった青年の物語である

僕が幸せを見つけるまで

Moon🌙.*·̩͙
BL
僕には5歳までの記憶が無い 僕は何で産まれてきたんだろう 誰も幸せになんてならないのに、 これは愛を知らずに生きてきた少年の話 これからこの少年は誰と出会い何を思うのか この少年に幸せが訪れますように (BのLのお話なので嫌いな方はUターンしてください)

俺の愉しい学園生活

yumemidori
BL
ある学園の出来事を腐男子くん目線で覗いてみませんか?? #人間メーカー仮 使用しています

BlueRose

雨衣
BL
学園の人気者が集まる生徒会 しかし、その会計である直紘は前髪が長くメガネをかけており、あまり目立つとは言えない容姿をしていた。 その直紘には色々なウワサがあり…? アンチ王道気味です。 加筆&修正しました。 話思いついたら追加します。

全寮制男子校でモテモテ。親衛隊がいる俺の話

みき
BL
全寮制男子校でモテモテな男の子の話。 BL 総受け 高校生 親衛隊 王道 学園 ヤンデレ 溺愛 完全自己満小説です。 数年前に書いた作品で、めちゃくちゃ中途半端なところ(第4話)で終わります。実験的公開作品

真冬の痛悔

白鳩 唯斗
BL
 闇を抱えた王道学園の生徒会長、東雲真冬は、完璧王子と呼ばれ、真面目に日々を送っていた。  ある日、王道転校生が訪れ、真冬の生活は狂っていく。  主人公嫌われでも無ければ、生徒会に裏切られる様な話でもありません。  むしろその逆と言いますか·····逆王道?的な感じです。

俺の義兄弟が凄いんだが

kogyoku
BL
母親の再婚で俺に兄弟ができたんだがそれがどいつもこいつもハイスペックで、その上転校することになって俺の平凡な日常はいったいどこへ・・・ 初投稿です。感想などお待ちしています。

処理中です...