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一年選抜大会開幕3

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「自分の周り以外にも具現化できるようになったんだね。かなり厄介な能力に育ったみたいだ。」

「はい!まだナイフしかああ言う風にできないですけどいずれは他のも出来るようになります!」

「次はEリーグかな?確か澪がいた筈だよね。」

「またすぐ終わる前に行こう!」

Eリーグ会場に着くとまだ澪の試合は始まってないようだった。

「みんなもう試合勝ったの?早すぎない?」

「澪ちゃん!これから試合?」

「うん、このあと私の番が来るの。相手は私の能力を馬鹿にしてたやつだから負けられないわ!」

「応援してるから頑張って!」

綾に続いてそれぞれが応援する。

「それじゃあ行ってくる!」

「あの気合いの入りようなら大丈夫そうだね。雪ちゃんはどう思う?」

「うーん、勝つとは思うけどやりすぎないかなぁって。意外と綾と澪って似てるとこあるから。」

「そんな事ないよ!」

「ほら始まるから静かに。」

「Eリーグ第一回戦第五試合【間宮 粕実】対【符堂 澪】試合かいし!」

「あんたなんかの古臭い能力になんか負けるわけないわ。【トルネード】」

「あなたにだけは負けない!魔法とは違う私の力見せてあげる!【式神 大鷲】薙ぎ払いなさい!」

相手の竜巻を召喚した鷲の羽ばたきで掻き消す澪。両者は見合って貶しあっていた。

「はあ!?私の風をかき消したくらいで調子乗るんじゃないわよ!【トルネード】【ファイヤー】」

「あなたのことごとくを潰してあげる!【式神 鳳凰】風ごと燃やし尽くせ!」

まさに火の鳥。羽ばたきと共に火の竜巻となった魔法を上書きするように自分のものとして相手に突撃していった。

「ふぅこれで下位互換なんて言わせないわ。私は強いのよ!」

鳳凰は澪の叫びと共に鳴き声を上げながら空に消えるようにして退去していった。

その後雪たちと合流した澪は

「綾あなたとも戦ってみたいわね。どっちが強いのか。まだ手札は残ってるから決勝で戦いたいわ。」

と興奮冷めあらぬように喋っていた。


「それで?次はFリーグに行くの?私司くんの応援に行きたいわ。」

「確か司はGリーグだったっけ。『ピロンッ』あ,ちょうど司から連絡。第十試合目になったから終わってたら他の人のとこ行けだって。」

「それならしょうがないわね。マナの応援に行きましょ。」

「マナからもう始まるらしいので急ぎましょう!皆さん!」

千奈ちゃんは一人走って先に行ってしまった。

「わたしたちも急ごう!」

会場に着いた時には開始の直前だった

「【銀嶺 マナ】対【的馬 当】試合開始!」

マナはこの前見た鎌ではなく双剣を持っていた。しかし漆黒の色なのは同じな為効果自体は変わらないと思われる。

「【ケンタウロス】俺の速さは学年でもトップレベル、追いつけるかな?」

馬の足で走りながら弓でマナスを狙い打つ相手だが相手が悪かった。マナスは双剣で矢を切り払いながら近づくしかしやはり馬の速さには追いつけないのか追いつくことはできなかった。
と,相手は思っていた。余裕の顔でマナスを狙い打った瞬間頭から地面にぶつかった。おそらく何が起こったのか理解できていないだろう。そのままマナスが相手を切り刻んで勝負はついた。

『一体何が起こったんだー!?先ほどまで優勢だった的場選手が急に転び即座にやられてしまった!銀嶺選手出来れば説明お願いしても?』

「極細のワイヤー状にした能力で作った武器を足下に設置しただけ。余裕な顔してこっちを見てた相手の不注意。」

『なるほど,追いかけるふりをして罠を設置していたんですね!』

雪たちと合流したマナスは千奈ちゃんに揉みくちゃにされ満更でもない顔をしていた。

「良かったね、あの二人、前と少し関係性がわかったみたい。もちろんいい方向に。」

「うん。強くなることに固執し過ぎてるように見えたから心配だったけどもう大丈夫そうだ。」

「そろそろ司くんの試合を見に行きましょう!そろそろ第八試合が終わるくらいだと思う。」

「そうだね、司くん見に来てないと拗ねそうだから早く行こっか!」

「だね!」

雪たちは急ぎGリーグに向かった。すると今までの会場と雰囲気が違った。何というか白熱の仕方が違うみたいだ

『さぁ!次の試合で最後だ!第十試合【龍堂 司】対【鍛鉄 鋼助】お互い戦術戦闘部の部員だ!白熱する喧嘩試合のトリを飾るにふさわしい試合を期待しているぞー!』

「いや喧嘩試合って何?いつのまにか選抜から喧嘩に変わったの?」

「なんか周りの人に聞いたらたまたま変異型の人たちが固まってたまたまみんな徒手格闘がメインの人たちだったんだって。」

「運営仕事してんのか!?明らかにおかしいだろ!」

「まあまあ,いいんじゃない?それより始まるよ。」

「Gリーグ第十試合【龍堂 司】対【鍛鉄 鋼助】試合開始!」
【完全龍鱗】フルスケイル

「【鋼鉄化】!」

二人は接近して殴る蹴るのまさにステゴロ。お互い固くなる能力のためか人間を殴る音では無かった。

「はぁ!やっぱりお前は殴り甲斐あるゼェ!」

「お前もな!鋼助ぇ!」

二人はともにガードなしで殴り蹴り時に投げたりなどして相手にダメージを与えていった。

「この勝負どっちが先に守りが崩れるかで勝敗が決まるね。」

「綾のいう通り先に相手の生身に攻撃を当てた方が勝ちだ。頑張れよ,司!」

「司くんー!がんばれー!」

応援のおかげか勝負は急に決着する。

「ガハッやっぱ、お前の方が硬いなぁ」

「はぁ、はぁ、はぁ、いや俺もギリギリだったよ。もう最後の一撃を腹で受ける以外に勝ち目無かったからな。」

司の腹を見ると割れそうになっている鱗があった。それに他の部位を見るとほぼ生身だった。おそらく最後の力で腹にだけ集中させたのだろう。

「お疲れ様、いい試合だったよ。」

「おう、雪の試合見れなくてすまん。綾もな。」

「もう,私たちの試合はどうでもいいんですか?」

怜が自分の試合について言われないことに不満がっていると

「怜なら確実に勝ち上がってくるからな。心配するだけ無駄だろ。絶対にお前に勝つからな。」

「まだ私に一勝も勝ててないのに?」

「うるせぇ」

怜と司がどつきあいをしている中どう話しかけたらいいか分からず黙っている澪を見かねて綾が助け舟を出す。

「澪ちゃんはどうだった?司くんの試合。」

「え!?あの、その、かっこよかったよ!」

顔を真っ赤にしながら司に伝える澪だったが

「おう,ありがとな。」

司のイケメンスマイルによって倒れる澪なのであった。
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