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本物の双子として1

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模擬戦が終わり講評の時間になった。

「まず千奈から。相手の能力を最小限の魔力で確かめ即座に対応したのは素晴らしかった。それに最後の攻防も良かった。次からはナイフ以外のものや魔力を増やせ。そうすればもっと出来ることが増えるはずだ。それから近接戦闘もだ。」

「はい!頑張ります!」

「次にマナ。相手の魔力を利用するこの能力はかなり強力だ。それに近接戦闘もかなり良かった。遠距離からの攻撃の対処も良かった。だが少し冷静さを終盤は欠いていたように見えた。最後千奈が投げた短刀を警戒しなかったな?勝利を確信するのは相手の首に鎌をかけ降参を聞いてからでも遅くはない。次はもっと周囲まで気にして広い視野で戦うように心がけろ。」

「はい、、、、」

勝負は引き分けだが両者の反応は真逆に見えた。それは引き分けにした者とされた者の違いだろうか。それとももっと違うところからだろうか。

「以上で模擬戦を終了する。この後は好きに訓練場を使うといい。」

そう言うと先生は帰って行った。
俺たちは千奈ちゃんとマナスの元に行き先ほどの模擬戦について話し始める。

「凄かったよ、いつの間にあんなに強くなったんだ?あのナイフの投擲もとても上手かったよ。」

「お父さんが私はまだ接近戦が出来るほど体が強くないから遠距離からの数で攻めろって教えてくれたの。だからナイフをうまく使えるように頑張ったんです!」

「それに最後の空中に浮かべたナイフの一斉射撃も見ものだったぞ。あれされると近接攻撃メインのやつはかなり厄介だな。」

「確かにな,司みたいな硬いやつ以外は苦労しそう。」

「私はマナちゃんの武器もびっくりしたなぁ。あんな大きい鎌を振り回したりしてすごい綺麗だったよ。能力もかなり強いしこれからがかなり楽しみだね!」

「2人ともお父さんの元で頑張っていたから今日その成果が出せて良かった。これなら次から連れて行けるね?」

「本当!?やったぁ!」

そうして模擬戦のことを話していると千奈ちゃんが気になっている事をマナスに質問した。

「そういえば戦っているときは気にしなかったけどマナ。『負けるわけにはいかない』って言ってたけど何かあったの?悩みがあるなら聞くよ?」

千奈ちゃんは模擬戦の最後のマナスの言葉が気になり聞いてみた。

「わ、たしは、、、、、!」

「あっマナ!?待ってマナス!?」

少し何かを言いかけてマナスは訓練場の外に走り出した。

「私、マナスを追いかけます!」

千奈ちゃんもそれに追うように走り出して行った。

「何かマナスにも悩みがあったのかな。」

「あまり感じなかったから結構思い詰めてたのかもね、雪ちゃんはもしかしたら分かるかも。マナスと昔の雪ちゃんなんだか似てる気がするから。」

「そうかなぁ?でも確かに能力がない頃のみんなに置いてかれてそれでも気にしないようにしてた頃と似てる気がする。でも同じには見えないなぁ。」



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