毒を吸い出したら吸血・鬼になっていた!?〜世にも珍しい三個目の能力を得て世界が変わる〜

怠惰るウェイブ

文字の大きさ
上 下
77 / 95

ドライアドの森8

しおりを挟む
綾視点

「クソッ明らかに進路をずらされている!森自体が私たちを阻んでいるのか!怜!なんとなくでいい!最深部まで案内できるか!?」

「それが、、、森が絶えず形を変えていて予測できません!それに微弱な魔力を木が放っていて予測が出来ません!」

「やはり【迷いの森】か。厄介だぞ、これは。」

「なんですか?迷いの森って。」

「迷いの森とはドライアドがとる防衛法の一つで今みたいに木が動き侵入者を惑わせ、霧のように見える微弱な魔力でジャミングするという技だ。これをすると目印でも無い限り抜け出すことは困難だ。」

「そんな、、、!それじゃあ雪ちゃんのところまで行かないじゃ無いですか!」

「ああ、だがそれよりも私たちも囚われ帰ることも先に進むこともできないこともどうにかしないといけない。ティルまだドライアドから返答はないのか!?」

「うん、繋がらない。やっぱり結界で弾かれるみたい。」

「何か目印でもあればな、、、ん?なんだあれは!」

一行は雪が放った【竜の息吹】を目撃した。

「血の竜!ならあれは雪ちゃんのものです!怜ちゃん、あれを目印にして予測立てられる!?」

「はい!森ではなく雪さんの魔力なら行けます!」

「よし!なら急ぐぞ!雪が戦っているかもしれない!」

一行は急ぎ最深部に向かう。その先で待ち受けているものとは、、、!



「紅茶まであるのか、、、これもしかしてアーデの?」

「うん!私がこだわって作った茶葉だよ!これを作るのに20年かかったんだから!」

「すげぇ、木自身が作る茶葉とか美味しくないわけがないよね。いただきます。ん~!美味しい!独特の香りと甘い味の中に少しの苦味が入っていて美味しいよ!」

『ふふ!よかった気に入ってくれて。ほら、こっちのクッキーも食べて?』

「そういえばクッキーなんてどこで手に入れてるの?流石に火を使えるとは思えないんだけど、、、」

『友達の精霊に頼んでるの。私は魔物だけど元々は精霊だった種族だから。』

「へ?そうなの?魔物にも色んな種類があるんだね。精霊って言うと火属性の?」

『うん、それだけじゃなくて土精霊にも手伝ってもらって材料からこだわったのよ!どう?美味しい?』

「うん!美味い!」

『良かった~!まだティルにも出してない最新作なの!気に入ってくれたなら嬉しいな?』

「あ、そういえば今私の仲間がこっちに来てるんだけど通してくれない?」

『あ、ごめんなさい!迷いの森って言う技を使ってたんだけどあの魔力のせいで暴走しちゃって止められないの。でも危険はないから大丈夫。それに雪の竜?のおかげでこっちに来れるみたい。だから少し待っててね。』

「そう言うことなら待ってるか、、、」

『ねぇ今度は雪の話を聞かせて?ティルはあんまり外に出ないから、、、』

「いいよ!そうだなぁまずは私の仲間から話していこうかなぁ。」



森を抜けドライアドと雪のいる草原にたどり着いた綾達一行の目にしたものはドライアドに膝枕されている雪の姿だった。

「雪ちゃんから離れて!!貴方がドライアドね?雪ちゃんを誘拐して何をする気なの!?」

『、、、、、、、。、、、、、、、!』

「答えないなら!取り戻すまで!【火きゅ
「そこまでだ、綾。」

「なにするの司くん!雪ちゃんを取り返さなきゃ!」

「落ち着け、ティルさんがドライアドと話してる。もう問題は解決した気がするぞ?」

「いやまだ雪ちゃんを取り返さないと!あの危険地帯《膝枕》から取り戻すの!まだ危険かもしれないじゃない!羨ましいくて仕方ない!

「本音と建前が完全に逆になってるぞお前。もう隠す気ないだろ。」

「うっさい!とりあえずそこ変われー!」

もはやシリアスなどないこの場で雪は寝ている。ただ流石に起こした方がいいと思ったアーデが雪を起こす。

『雪、仲間が来たよ?起きて!』

「うん?おはようアーデ。あ、綾それにみんな。ごめんね?心配かけた。」

「あーそれはいいんだ雪。それより綾をなんとかしてくれ。」

「へ?綾を?一体どうし、、、うわぁ」

「雪ちゃんを起こすイベントまで私より先に?許さん、そこ変われ!雪ちゃんをさらってなにしてた!正直に言えー!!」

「綾、綾!私は落ち着いたいつも優しい綾がいいな?ね?お願い。」

「可愛いなぁ!うんうん、ドライアドなんかより私がいいよね!ほら私の膝枕に寝よ?ほら。」

仕方なく綾のご機嫌取りのために膝枕をされる雪。

「それで?ティル。ドライアドはなんて?」

「気持ち悪い魔力を流し込まれて苦しかった所を雪ちゃんに助けてもらったらしいよ。その後はお茶会をして花を見てたら雪ちゃんが眠くなったらしくて膝枕してたみたい!いいなぁー私もまだ食べてないクッキー食べたんだって!」

「何だこの決死の覚悟で乗り込んだ先でこのほのぼのした雰囲気は。おい、雪取り敢えず何したのか吐け。」

「なら綾を止めてください。離してくれそうにないです。」

「綾そろそろ離してやれ、このままじゃ何も進まん。」

「はぁい、帰ったらまた続きやろうね?」

「帰ったら何されるんだ私、、、」

「それで?連れ去られた後どうなった?」

「枝がここまだ運んできて結界があったので進んだらアーデがいました。ん?そういえばあの爆発あれは綾かな?」

「ああ、綾の全力火球だがどうかしたか?」

「どうかしたかじゃないよ!アレのせいで空中に投げ飛ばされて10メートルからフリーフォールしたんだから!」

「ご、ごめんなさい。でも絶叫系雪ちゃん得意でしょ?」

「この体になってから苦手になったの!怖かったんだから!」

「えええ!?そうだったの!?ごめんね!怖かったよね?」

「ええい!またくっついて撫で回すんじゃない!すみません、話が逸れました。それで結界の中に入ってアーデの中に気持ち悪い魔力があるのが分かったのでそれが苦しんでる原因だと思って吸血で吸い出しました。」

「なるほど、連れ去ったのは魔力ドレイン能力を当てにしたからだったのか。にしても雪、このドライアドの名前をよく知ってるな?」

「あ、はい。アーデに加護を貰ったので念話が使えるようになりました。それで教えてもらいました。」

「なんだって!?加護だと?それはまさか白い枝に触れたんじゃないだろうな?」

「え、あ、はい、触れました。」

「マジかよ、それはなドライアドが溜め込んだ魔力10年分を加護として与える時に出す枝だ。相当貴重なんだぞ?」

「そうなんだ,アーデありがとう。」

『ううん,私も助けてもらったしまた魔力貰えたら嬉しいな?』

「うん,また今度来るよ。」

『大丈夫!枝を後で渡すからそれに念話してくれればここまで転移させてあげる!』

「ええ!?そんな、いいの?」

『うん!いつでも会えるよ!』

「ああ,私たちはティル以外何言ってるかわからないんだから通訳しろよな?」

「あ,すいません。」

そうして雪の通訳の元色々な話をドライアドと話す一行であった。




しおりを挟む
感想 1

あなたにおすすめの小説

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

異世界召喚でクラスの勇者達よりも強い俺は無能として追放処刑されたので自由に旅をします

Dakurai
ファンタジー
クラスで授業していた不動無限は突如と教室が光に包み込まれ気がつくと異世界に召喚されてしまった。神による儀式でとある神によってのスキルを得たがスキルが強すぎてスキル無しと勘違いされ更にはクラスメイトと王女による思惑で追放処刑に会ってしまうしかし最強スキルと聖獣のカワウソによって難を逃れと思ったらクラスの女子中野蒼花がついてきた。 相棒のカワウソとクラスの中野蒼花そして異世界の仲間と共にこの世界を自由に旅をします。 現在、第三章フェレスト王国エルフ編

せっかくのクラス転移だけども、俺はポテトチップスでも食べながらクラスメイトの冒険を見守りたいと思います

霖空
ファンタジー
クラス転移に巻き込まれてしまった主人公。 得た能力は悪くない……いや、むしろ、チートじみたものだった。 しかしながら、それ以上のデメリットもあり……。 傍観者にならざるをえない彼が傍観者するお話です。 基本的に、勇者や、影井くんを見守りつつ、ほのぼの?生活していきます。 が、そのうち、彼自身の物語も始まる予定です。

スライム10,000体討伐から始まるハーレム生活

昼寝部
ファンタジー
 この世界は12歳になったら神からスキルを授かることができ、俺も12歳になった時にスキルを授かった。  しかし、俺のスキルは【@&¥#%】と正しく表記されず、役に立たないスキルということが判明した。  そんな中、両親を亡くした俺は妹に不自由のない生活を送ってもらうため、冒険者として活動を始める。  しかし、【@&¥#%】というスキルでは強いモンスターを討伐することができず、3年間冒険者をしてもスライムしか倒せなかった。  そんなある日、俺がスライムを10,000体討伐した瞬間、スキル【@&¥#%】がチートスキルへと変化して……。  これは、ある日突然、最強の冒険者となった主人公が、今まで『スライムしか倒せないゴミ』とバカにしてきた奴らに“ざまぁ”し、美少女たちと幸せな日々を過ごす物語。

特殊部隊の俺が転生すると、目の前で絶世の美人母娘が犯されそうで助けたら、とんでもないヤンデレ貴族だった

なるとし
ファンタジー
 鷹取晴翔(たかとりはると)は陸上自衛隊のとある特殊部隊に所属している。だが、ある日、訓練の途中、不慮の事故に遭い、異世界に転生することとなる。  特殊部隊で使っていた武器や防具などを召喚できる特殊能力を謎の存在から授かり、目を開けたら、絶世の美女とも呼ばれる母娘が男たちによって犯されそうになっていた。  武装状態の鷹取晴翔は、持ち前の優秀な身体能力と武器を使い、その母娘と敷地にいる使用人たちを救う。  だけど、その母と娘二人は、    とおおおおんでもないヤンデレだった…… 第3回次世代ファンタジーカップに出すために一部を修正して投稿したものです。

サンタクロースが寝ている間にやってくる、本当の理由

フルーツパフェ
大衆娯楽
 クリスマスイブの聖夜、子供達が寝静まった頃。  トナカイに牽かせたそりと共に、サンタクロースは町中の子供達の家を訪れる。  いかなる家庭の子供も平等に、そしてプレゼントを無償で渡すこの老人はしかしなぜ、子供達が寝静まった頃に現れるのだろうか。  考えてみれば、サンタクロースが何者かを説明できる大人はどれだけいるだろう。  赤い服に白髭、トナカイのそり――知っていることと言えば、せいぜいその程度の外見的特徴だろう。  言い換えればそれに当てはまる存在は全て、サンタクロースということになる。  たとえ、その心の奥底に邪心を孕んでいたとしても。

Hしてレベルアップ ~可愛い女の子とHして強くなれるなんて、この世は最高じゃないか~

トモ治太郎
ファンタジー
孤児院で育った少年ユキャール、この孤児院では15歳になると1人立ちしなければいけない。 旅立ちの朝に初めて夢精したユキャール。それが原因なのか『異性性交』と言うスキルを得る。『相手に精子を与えることでより多くの経験値を得る。』女性経験のないユキャールはまだこのスキルのすごさを知らなかった。 この日の為に準備してきたユキャール。しかし旅立つ直前、一緒に育った少女スピカが一緒にいくと言い出す。本来ならおいしい場面だが、スピカは何も準備していないので俺の負担は最初から2倍増だ。 こんな感じで2人で旅立ち、共に戦い、時にはHして強くなっていくお話しです。

調子に乗りすぎて処刑されてしまった悪役貴族のやり直し自制生活 〜ただし自制できるとは言っていない〜

EAT
ファンタジー
「どうしてこうなった?」 優れた血統、高貴な家柄、天賦の才能────生まれときから勝ち組の人生により調子に乗りまくっていた侯爵家嫡男クレイム・ブラッドレイは殺された。 傍から見ればそれは当然の報いであり、殺されて当然な悪逆非道の限りを彼は尽くしてきた。しかし、彼はなぜ自分が殺されなければならないのか理解できなかった。そして、死ぬ間際にてその答えにたどり着く。簡単な話だ………信頼し、友と思っていた人間に騙されていたのである。 そうして誰もにも助けてもらえずに彼は一生を終えた。意識が薄れゆく最中でクレイムは思う。「願うことならば今度の人生は平穏に過ごしたい」と「決して調子に乗らず、謙虚に慎ましく穏やかな自制生活を送ろう」と。 次に目が覚めればまた新しい人生が始まると思っていたクレイムであったが、目覚めてみればそれは10年前の少年時代であった。 最初はどういうことか理解が追いつかなかったが、また同じ未来を繰り返すのかと絶望さえしたが、同時にそれはクレイムにとって悪い話ではなかった。「同じ轍は踏まない。今度は全てを投げ出して平穏なスローライフを送るんだ!」と目標を定め、もう一度人生をやり直すことを決意する。 しかし、運命がそれを許さない。 一度目の人生では考えられないほどの苦難と試練が真人間へと更生したクレイムに次々と降りかかる。果たしてクレイムは本当にのんびり平穏なスローライフを遅れるのだろうか? ※他サイトにも掲載中

処理中です...