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獣王国ベスティア
獣人という種
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「あーーーーッすっっっきりしたっ」
今までの不満を全解放した一撃を放ったことで晴れやかな表情をするジーク。
そんなジークによって机に手を叩きつけられた勢いでエクリスは地面に座り込んでいた。
その表情は負けた悔しさや恥ずかしさなどではなく。
「ぇ?」
ただただ自分が負けたことが信じられなくて呆けて自分の手を見ていた。
しかし、次第にその手から伝わる痛みや衝撃によって敗北を実感したエクリスは微笑む。
「いや、まさかこの僕が負けるとは、ね。さっきの発言は謝罪するよ。君は間違いなく雄々しい魔猪だったよ」
「いや、俺も少し強く叩き過ぎた、ごめん!お前も強かったぜ、エクリス!」
ジークは自分の全力を出して初めて戦った同年代の好敵手の発見に少年のように笑いながら手を差し出す。
エクリスはその手に自分の手を乗せるようにしてジークに引っ張られ立ち上がった。
ジークより小さく細い身体は激闘の後、という事もあり勢いでジークに抱きつくような体勢でぶつかる。
「おわっ!?ご、ごめんっ」
「大丈夫か?」
「う、うんっ」
すぐにエクリスはジークから離れ………ようとしたのだが自分の手を包むように掴むジークの手、腕、身体を眺める。
「す、少し触っても良いかな」
「おう、良いぜ!」
ジークはちからこぶを作るようにポーズしてエクリスに触らせる。
それを見ていたグレイも同じようにしてみるが全く変わらない。
(後で触らせてもらおう)
獣人達を解散させているネロやエクリスの背中が見える位置に立っているグレイとは違い、ジークの後ろで応援していたレイラとライラはジークの腕を触るエクリスの変化に気がついた。
端正な顔立ちは少し赤みがかり、少し興奮したような吐息が漏れている。
「あ、あれ?今すぐ止めに入るべき、かな?でも男同士ならあんな感じなのかも?」
「ジークの腕、触るの飽きない。でも、触り過ぎかも」
そこに集まった獣人達を解散させたネロとグレイが合流する。
「あ、発情期にゃ」
こともなげにネロが真昼に言い放つべきではない言葉をエクリスを見て言った。
その瞬間、バッと双子がネロの言葉を反芻しながら振り向く。遅れてグレイも。
「獣人には発情期があるにゃ。それにしてもあのエクリスがこうなるにゃんてビックリにゃ~」
ケタケタと笑うネロにレイラはおそるおそる大前提となる質問をした。
「エ、エクリスさんって男、よね?」
「いや?女にゃ。あの番犬の妹、なんならヴァガル抜きなら最強候補筆頭にゃ」
「ハァ!?」
「生まれてから一度も発情期が来てない事でも有名にゃね。女の子を侍らせてるからてっきり女好きなのかと思ってたけど、あれだけ強かったら敗北願望とかあったのかもしれないね」
割と真剣にエクリスについて話すネロ。
だが、その間にもエクリスは獲物を見定める。
(ヴァーにぃとは違うけどしなやかで硬くてこの腕に負けたんだぁ)
「な、なぁそろそろ受付に行かないといけないんだけど……」
「も、もう少しだけ……」
「だ、ダメーーーーッ」
ネロの衝撃発言によって危機感を覚えたレイラがエクリスとジークの間に入る。そして離れたジークの腕をライラが引っ張りこっそり自分も揉む。
「あぁ……。んんっ既に群れが出来ているわけか……」
少し名残惜しそうにしながらも咳払いをして、先ほどのような調子に戻ったエクリスはまるで猫のように警戒するレイラとちゃっかりくっつくライラを見て、再びジークに向く。
「ジーク。番になって欲しい」
「なぁっ!?」
レイラ達がいるにも関わらず臆面もなくエクリスは言い放つ。レイラの開いた口が閉じる前に更に畳み掛ける。
「僕が負けたのはヴァガル兄さんを除けば君が初めてだ。無敗記録なんてものに興味はなかったけど責任、とって欲しいな」
「ダメよ!そ、その、わ、わた、私がっ」
ニコニコと責任、という言葉を強調してエクリスはジークに迫る。
いきなりの番発言にどんな言葉で否定しようにもジークの前で言うことになり赤面しレイラは目を回す。
「別に僕は三番でも良いよ?獣人は一夫多妻制だからね」
「うん、なら私は良い。レイラと一緒は嬉しい」
「え、あれ?でも、そういうのは……だって、その」
明らかに否定材料が無くなりエクリスの番発言を否定できなくなってしまう。頭から湯気が立ちのぼるのを幻視出来るほどにパニックに陥った。
『ネロ、発情とか番って何?』
ほぼ修羅場の中、そういう情報に疎いグレイが一連の主題について質問する。
まさに親に「赤ちゃんってどうやって出来るの?」と聞く子供のように。
「あ、俺も!」
修羅場の真っ只中、台風の目となったジークも実は意味を理解しておらず便乗する。
「番っていうのはにゃね……」
「聞くな!!」
ネロが語り出す前にレイラは即座にジークの意識を刈り取った。
その手腕は周りで遠巻きに見ていた獣人が拍手するほどに鮮やかだった。
「ふふ、相手は手強いみたいだ。良いね、また今度挑戦するとしよう」
一通り掻き乱した台風は去っていった。
しかし、また現れることだろう。夜には戸締りをしっかりしなくてはならないと決心したレイラであった。
◇◇◇
「おーい起きるにゃ」
「んぉ?ヤベッ俺寝てた!?」
ネロの猫パンチならぬ猫ハタキによって頰を腫らしたジークは起き上がる。
「いや、ほんの数分にゃ」
「良かったー」
ほんの数分しか経っていないことに胸を撫で下ろすジーク。
「いや、まだ安心はできないにゃ。正直、エクリスを倒したのは驚いた。でも、このままだとジークは負ける」
「マジか。冗談じゃ……なさそうだな」
ネロの真剣な表情で本気で勝てないことを確信していると察したジークはネロの言葉に耳を傾ける。
「簡単に説明するにゃ。まず、人間と獣人の大きく違う点、それは魔法が使えないこと。魔力を人間の貴族並みに持っていても使えない、そういう種族なの。代わりに身体能力に優れてるにゃ。あの、ロクスタでさえ岩くらいなら持ち上げられるにゃ」
『でも、ジークも同じくらいの力はあるよ?』
現に獣人でも指折りのエクリスを先ほど下したのだから勝てるはず、とグレイは考えた。
しかし、それは大きな誤り。
「それは通常なら、の話。獣人は魔法が使えない代わりに魔獣化って言う奥の手があるにゃ」
「ま、魔獣!?」
「獣人は元を辿ると魔獣に辿り着くにゃ。元々あった魔石からの魔法が失われた代わりに先祖帰りする力、それが魔獣化にゃ」
ネロは少しグレイ達から離れると四つん這いになり全身の毛を逆立たせ少し苦しそうな声をしながら少しずつその身体が巨大化していく。
最終的にジークの3倍程ある巨大な黒猫へとネロは変貌を遂げた。
「勿論、全員が全員使えるわけじゃない。でも、確実に使われたら負けだと思って」
「いや、逆に楽しみだ!エクリスみたいな奴がいっぱいいるんだろ!?早く中入ろう!」
「本当、獣人みたいな奴にゃ……」
まるで渡されたおもちゃ手にとって楽しそうに遊ぶ少年のような顔をしながら不利な情報を逆に嬉しそうにしながら走るジークに続き闘技場へと入っていく。
今までの不満を全解放した一撃を放ったことで晴れやかな表情をするジーク。
そんなジークによって机に手を叩きつけられた勢いでエクリスは地面に座り込んでいた。
その表情は負けた悔しさや恥ずかしさなどではなく。
「ぇ?」
ただただ自分が負けたことが信じられなくて呆けて自分の手を見ていた。
しかし、次第にその手から伝わる痛みや衝撃によって敗北を実感したエクリスは微笑む。
「いや、まさかこの僕が負けるとは、ね。さっきの発言は謝罪するよ。君は間違いなく雄々しい魔猪だったよ」
「いや、俺も少し強く叩き過ぎた、ごめん!お前も強かったぜ、エクリス!」
ジークは自分の全力を出して初めて戦った同年代の好敵手の発見に少年のように笑いながら手を差し出す。
エクリスはその手に自分の手を乗せるようにしてジークに引っ張られ立ち上がった。
ジークより小さく細い身体は激闘の後、という事もあり勢いでジークに抱きつくような体勢でぶつかる。
「おわっ!?ご、ごめんっ」
「大丈夫か?」
「う、うんっ」
すぐにエクリスはジークから離れ………ようとしたのだが自分の手を包むように掴むジークの手、腕、身体を眺める。
「す、少し触っても良いかな」
「おう、良いぜ!」
ジークはちからこぶを作るようにポーズしてエクリスに触らせる。
それを見ていたグレイも同じようにしてみるが全く変わらない。
(後で触らせてもらおう)
獣人達を解散させているネロやエクリスの背中が見える位置に立っているグレイとは違い、ジークの後ろで応援していたレイラとライラはジークの腕を触るエクリスの変化に気がついた。
端正な顔立ちは少し赤みがかり、少し興奮したような吐息が漏れている。
「あ、あれ?今すぐ止めに入るべき、かな?でも男同士ならあんな感じなのかも?」
「ジークの腕、触るの飽きない。でも、触り過ぎかも」
そこに集まった獣人達を解散させたネロとグレイが合流する。
「あ、発情期にゃ」
こともなげにネロが真昼に言い放つべきではない言葉をエクリスを見て言った。
その瞬間、バッと双子がネロの言葉を反芻しながら振り向く。遅れてグレイも。
「獣人には発情期があるにゃ。それにしてもあのエクリスがこうなるにゃんてビックリにゃ~」
ケタケタと笑うネロにレイラはおそるおそる大前提となる質問をした。
「エ、エクリスさんって男、よね?」
「いや?女にゃ。あの番犬の妹、なんならヴァガル抜きなら最強候補筆頭にゃ」
「ハァ!?」
「生まれてから一度も発情期が来てない事でも有名にゃね。女の子を侍らせてるからてっきり女好きなのかと思ってたけど、あれだけ強かったら敗北願望とかあったのかもしれないね」
割と真剣にエクリスについて話すネロ。
だが、その間にもエクリスは獲物を見定める。
(ヴァーにぃとは違うけどしなやかで硬くてこの腕に負けたんだぁ)
「な、なぁそろそろ受付に行かないといけないんだけど……」
「も、もう少しだけ……」
「だ、ダメーーーーッ」
ネロの衝撃発言によって危機感を覚えたレイラがエクリスとジークの間に入る。そして離れたジークの腕をライラが引っ張りこっそり自分も揉む。
「あぁ……。んんっ既に群れが出来ているわけか……」
少し名残惜しそうにしながらも咳払いをして、先ほどのような調子に戻ったエクリスはまるで猫のように警戒するレイラとちゃっかりくっつくライラを見て、再びジークに向く。
「ジーク。番になって欲しい」
「なぁっ!?」
レイラ達がいるにも関わらず臆面もなくエクリスは言い放つ。レイラの開いた口が閉じる前に更に畳み掛ける。
「僕が負けたのはヴァガル兄さんを除けば君が初めてだ。無敗記録なんてものに興味はなかったけど責任、とって欲しいな」
「ダメよ!そ、その、わ、わた、私がっ」
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いきなりの番発言にどんな言葉で否定しようにもジークの前で言うことになり赤面しレイラは目を回す。
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「うん、なら私は良い。レイラと一緒は嬉しい」
「え、あれ?でも、そういうのは……だって、その」
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『ネロ、発情とか番って何?』
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「あ、俺も!」
修羅場の真っ只中、台風の目となったジークも実は意味を理解しておらず便乗する。
「番っていうのはにゃね……」
「聞くな!!」
ネロが語り出す前にレイラは即座にジークの意識を刈り取った。
その手腕は周りで遠巻きに見ていた獣人が拍手するほどに鮮やかだった。
「ふふ、相手は手強いみたいだ。良いね、また今度挑戦するとしよう」
一通り掻き乱した台風は去っていった。
しかし、また現れることだろう。夜には戸締りをしっかりしなくてはならないと決心したレイラであった。
◇◇◇
「おーい起きるにゃ」
「んぉ?ヤベッ俺寝てた!?」
ネロの猫パンチならぬ猫ハタキによって頰を腫らしたジークは起き上がる。
「いや、ほんの数分にゃ」
「良かったー」
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「いや、まだ安心はできないにゃ。正直、エクリスを倒したのは驚いた。でも、このままだとジークは負ける」
「マジか。冗談じゃ……なさそうだな」
ネロの真剣な表情で本気で勝てないことを確信していると察したジークはネロの言葉に耳を傾ける。
「簡単に説明するにゃ。まず、人間と獣人の大きく違う点、それは魔法が使えないこと。魔力を人間の貴族並みに持っていても使えない、そういう種族なの。代わりに身体能力に優れてるにゃ。あの、ロクスタでさえ岩くらいなら持ち上げられるにゃ」
『でも、ジークも同じくらいの力はあるよ?』
現に獣人でも指折りのエクリスを先ほど下したのだから勝てるはず、とグレイは考えた。
しかし、それは大きな誤り。
「それは通常なら、の話。獣人は魔法が使えない代わりに魔獣化って言う奥の手があるにゃ」
「ま、魔獣!?」
「獣人は元を辿ると魔獣に辿り着くにゃ。元々あった魔石からの魔法が失われた代わりに先祖帰りする力、それが魔獣化にゃ」
ネロは少しグレイ達から離れると四つん這いになり全身の毛を逆立たせ少し苦しそうな声をしながら少しずつその身体が巨大化していく。
最終的にジークの3倍程ある巨大な黒猫へとネロは変貌を遂げた。
「勿論、全員が全員使えるわけじゃない。でも、確実に使われたら負けだと思って」
「いや、逆に楽しみだ!エクリスみたいな奴がいっぱいいるんだろ!?早く中入ろう!」
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