妖精たちの戦士・神の種と花粉の悪魔

プロローグ・花粉

　2024年。ヒマラヤの氷が溶け、氷河湖が決壊して大洪水が起き、ネパールとブータンだけで10万人もの死者が出たらしい。
　
　南極のペンギンは水温の上昇でエサが減り、卵やヒナは海水に流されて死んでいる。
　
　北極のアザラシは氷の巣が溶け、赤ちゃんが潰されたり母親が見つけられずに死に、シロクマは絶滅状態だ。
　
　そしてアマゾン、アメリカ、オーストラリアの森林火災、化石燃料による地球温暖化による温室効果ガスで異常気象が世界中で発生し、早期からあらゆる樹木の花粉が発生して、信じられない程の大量の花粉が日本にも飛散している。
　
　氷が溶けるのが、神の涙なら……この黄色い花粉は悪魔の吐息なのかも知れない。