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第五章・四大元素の鍵

ウルガンとエリアンの対決

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 シークエンス・ボディを錬金術師の用語では「精霊秘体」と呼び、ウルガンはアルダリが秘密を解く事を恐れて全能力を発揮した。

「ウガッグォー」

 更なる筋肉の巨大化を遂げ、後ろ足で立ち上がってエリアンに飛びかかり盾で弾き返されるがウルガンの狙いはアルダリだった。

 空中で反転して向きを変えてアルダリを襲う。

「あぶねー」

 顔面を鋭い爪で引っ掻かれそうになるが、ソングとチーネがアルダリを庇って剣を構え、エリアンがウルガンの尻尾を掴まえて引っ張る。

「お前の相手は俺だ」

「山猫族め。俺たちはミアキスの血を引く同族だろ?」

(ミアキス神が滅び、生き残った少数の狼族と山猫族は神々の国に散らばり、忠誠心と戦闘能力から重宝された。)

「魔女に飼い慣らせれた者に同族と言われる筋合いはない」

 エリアンがウルガンの背中に剣を振り下ろすが、剛毛で刃が立たず擦り傷しか付いてない。逆に上から覆い被され、マウント状態になり胸を引っ掻かれて戦闘服の胸カップと黒いパーカーが破れて巨乳が露わになる。

『ワオ~』

 ブルンとした乳房の厚みと弾力に目を奪われたウルガンは性欲が湧き、唾を呑み込んで股間が熱くなるのを感じた。

「殺すのは酷だぜ」

「そう~?」

 エリアンは口角を上げて股間をウルガンの膝に押し付けたが、野獣の剣が床で飛び跳ねて手に収まった笑みであり、一瞬で毛の薄いウルガンの腹を切り裂く。

「マジか?」

 マウント状態から素早く飛び退いたが、胸から下腹部まで切られて血が流れている。

「俺、レズビアンなんだ。タイプじゃない」

 エリアンは立ち上がって黒いパーカーで胸を隠し、上半身が普通の状態に戻ったウルガンの姿を眺めた。


「さすがエリアンだわね」

「うむ、男的には可哀想」

 股間の大事な物からも出血しているのを見てソングが同情し、王子が冷静に呟いた。

「僕は両方の気持ちがわかるよ」

 エリアンとウルガンの根底にはミアキス神の野獣の能力が存在し、お互い末裔である事を讃え合っている。

 ジェンダ王子は対決の最中にウルガンが欲情したのは、殺意よりミアキス神への無限の愛ゆえと感じた。

「致命傷にはなってない筈だ」

「わざと?」

「チーネもそう思う。突き刺さなかったもん」


 上階でファラがパイプの手摺りを揺すって足で蹴り、鞭を叩いて勝敗がまだ決してない事を教えた。

「ウルガン。お前の再生能力を見せてやりな」

 エリアンも野獣の剣に付着した血が蠢き、床に流れた血もウルガンに引き寄せられて飛び、胸の傷口に付着して裂けた皮膚が治るのを首を傾げて見守った。

「それがお前の野獣の能力か?」

 切れたペニスもくっ付き、ウルガンはズボンの生地に隠して下半身も普通の体に戻した。衣服は千切れてボロボロの状態だが、紳士的な顔付きに変貌している。
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