天涯孤独のアーティスト

初めての映画館

親父はホントに僕を遊びに連れて行ってくれたり何かを買ってくれたりすることはなかった。

当時はファミコンが欲しかったなぁ。

やりたくなったらファミコンを持っている友達の家に遊びに行った。



うちのTVはボロかったからファミコンよりTVを買い換えなきゃいけなかったかな？

チャンネル部分につまようじを刺してないと、うまく固定されないのか、ザーっとなり、映らなくなる。

リモコンの付いてるTVやビデオデッキのある家は、金持ちだと思っていた。

そんな生活をしていた僕たち親子。




ある日、親父の職場の社長の娘さんと僕と親父で映画を見に行くことになった。

ドラえもんの映画だった


映画を見た記憶よりも親父が連れてきてくれたことに嬉しかった思い出がある。

始終、親父は寝ていたけどな…。

話は飛びますが、小学校を卒業してから暇つぶしにドラえもんの映画のレンタルビデオを1作目から順番に見ていた時に

「なんだか見たことがあるなぁ～と」

思っていた。

初めて見る気がしなかった。
恐らく映画の内容は既にその時は忘れてたんだとは思うけど。


記憶が、そのビデオを見たことにより明らかに蘇り、最初で最後となる親父と行った映画だったことを思い出させた。



ビデオを見ていた時、僕は感動する場面でもないのに何故だか涙が溢れてきた

後に、書くお話でこの意味が解ると思います。