上 下
169 / 178

169

しおりを挟む
 商業ギルドに向かう途中、テーブルを頼んだ店に。
 店内に入るとドワーフの巨乳少女は作業を終えたのか待っていた。
 店の奥で待っていなかったのは、受け取りに来るって言ったからかな。


「出来上がってる?」

「ええ、これよ。兄さんが選んだ天板に、希望通りの高さの脚をつけてあるわ」


 大きさも高さも問題なさそうだ。
 見た目は巨乳少女だけど、ドワーフだからかテーブルのつくりはしっかりしている。


「料金はいくらぐらい?」

「そうね、このくらいでどうかしら?」


 隣で腕を抱えているラルフィナさんが提示された金額について何も言わないから、適正価格なんだろう。
 職人の手作りだしな。
 お金はフィアのおかげでそれなりというか、かなりある。
 ドワーフの巨乳少女に提示された金額を渡す。


「はい、確かに。兄さん、ありがとね」


 受け取ったお金を確認して微笑むドワーフの巨乳少女。
 ドワーフの巨乳少女がお金を確認するのを待ってから、テーブルをアイテムボックスへ入れる。


「それにしても、兄さん。そんなにコレが気になる?」


 ドワーフの巨乳少女は胸を上下に揺らし微笑みながら見上げてくる。
 胸元が大きに開いたシャツを押し上げる、大きなおっぱいが目の前に見えていればねぇ。
 目線はそこにいくよ。
 先ほどそこに手を差し入れたんだし。


「色々なお客を相手にしてきたけど、私を食い入るように見つめてきたのは兄さんが初めてだよ。私っていうよりおっぱいだけど」

「っ、それは」

「兄さんに見られるのが嫌ってわけじゃないよ、種族が異なる私を見てくれるのは嬉しい。今まで、私を見ないようにするか、不快な表情をするお客だったから」

「種族がとか言われてもなぁ、俺は気にならないし」

「でしょうね。そうじゃなければ獣人の姉さんが兄さんの腕を抱きかかえるなんてないだろうし、一緒に行動してる女性をみれば納得ね」


 隣にいるフィアにラルフィナさん、店内を見ているリュイル達に視線を向けるドワーフの巨乳少女。
 しかし、客もそこまでしてこの店に買いに来なくてもいいと思うが。
 家具を作っているのはここだけじゃないだろうし。


「ヒロくん、ドワーフが作る物は総じて質が良いのよ~」


 ラルフィナさんが思っていた疑問の答えをくれる。
 俺の表情を読み取ったようだ。


「獣人の姉さんの言う事もあって、ドワーフである私が作った物を欲しがる相手がいるから私も商売が出来るんだけどね」


 質が良い物を欲しがる人はいるって事ね。
 確かに店内に飾ってある家具は良さそうだもんな。


「しかし、話をしている間も兄さんの視線が、私のおっぱいから動かないね。そんなに気になるなら、また揉んでみる?」

「えっ、いいのか?」

「兄さんには直接揉まれてるし、いまさらだよ」


 笑顔でいまさらって。
 そういえば、メリアも似たような事を言っていたけど、ドワーフ特有の感性か?
 いや、そうでもなさそうだな。
 リュイル達や借りた家に泊まりに来ていたみんなも同じ様な気がする。
 こっちの女性ならではの感性か気質か。
 みんなの雰囲気からすると、それなりに気心が知れた仲ってのはあると思うが。


「それでどうする?」


 目の前でおっぱいを持ち上げながら聞かれたらねぇ。
 返事は決まっている。


「ヒロくん、ダメよ~。この後にまだ用事が残っているよね~」


 隣で腕を抱えているラルフィナさんから制止がかかった。
 少しくらいって言いたいけど、言える感じじゃないな。


「何か用事あるの?」

「商業ギルドにちょっとばかりな。残念だけど魅力的なお誘いは、また今度な」


 はぁ、残念だけど目の前にあるドワーフの巨乳少女のおっぱいは諦めよう。


「兄さん、見て分かるくらい残念って表情にでてるよ」


 えっ、そんなつもりはなかったんだが、それほど表情に出ていたか。
 両隣を見ると、フィアとラルフィナさんが呆れていた。


「ははっ。次があるかは分からないけど、兄さんが私に何かを頼む事があったらその時には色々とサービスするよ。もちろん、コレもね」

「楽しみにしてるよ」


 微笑むドワーフの巨乳少女の店から、ラルフィナさんに引っ張られるように連れ出された。

しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

服を脱いで妹に食べられにいく兄

スローン
恋愛
貞操観念ってのが逆転してる世界らしいです。

ママと中学生の僕

キムラエス
大衆娯楽
「ママと僕」は、中学生編、高校生編、大学生編の3部作で、本編は中学生編になります。ママは子供の時に両親を事故で亡くしており、結婚後に夫を病気で失い、身内として残された僕に精神的に依存をするようになる。幼少期の「僕」はそのママの依存が嬉しく、素敵なママに甘える閉鎖的な生活を当たり前のことと考える。成長し、性に目覚め始めた中学生の「僕」は自分の性もママとの日常の中で処理すべきものと疑わず、ママも戸惑いながらもママに甘える「僕」に満足する。ママも僕もそうした行為が少なからず社会規範に反していることは理解しているが、ママとの甘美な繋がりは解消できずに戸惑いながらも続く「ママと中学生の僕」の営みを描いてみました。

OLサラリーマン

廣瀬純一
ファンタジー
女性社員と体が入れ替わるサラリーマンの話

ゲート0 -zero- 自衛隊 銀座にて、斯く戦えり

柳内たくみ
ファンタジー
20XX年、うだるような暑さの8月某日―― 東京・銀座四丁目交差点中央に、突如巨大な『門(ゲート)』が現れた。 中からなだれ込んできたのは、見目醜悪な怪異の群れ、そして剣や弓を携えた謎の軍勢。 彼らは何の躊躇いもなく、奇声と雄叫びを上げながら、そこで戸惑う人々を殺戮しはじめる。 無慈悲で凄惨な殺戮劇によって、瞬く間に血の海と化した銀座。 政府も警察もマスコミも、誰もがこの状況になすすべもなく混乱するばかりだった。 「皇居だ! 皇居に逃げるんだ!」 ただ、一人を除いて―― これは、たまたま現場に居合わせたオタク自衛官が、 たまたま人々を救い出し、たまたま英雄になっちゃうまでを描いた、7日間の壮絶な物語。

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

異世界召喚に条件を付けたのに、女神様に呼ばれた

りゅう
ファンタジー
 異世界召喚。サラリーマンだって、そんな空想をする。  いや、さすがに大人なので空想する内容も大人だ。少年の心が残っていても、現実社会でもまれた人間はまた別の空想をするのだ。  その日の神岡龍二も、日々の生活から離れ異世界を想像して遊んでいるだけのハズだった。そこには何の問題もないハズだった。だが、そんなお気楽な日々は、この日が最後となってしまった。

父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

四季
恋愛
父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

俺の召喚獣だけレベルアップする

摂政
ファンタジー
【第10章、始動!!】ダンジョンが現れた、現代社会のお話 主人公の冴島渉は、友人の誘いに乗って、冒険者登録を行った しかし、彼が神から与えられたのは、一生レベルアップしない召喚獣を用いて戦う【召喚士】という力だった それでも、渉は召喚獣を使って、見事、ダンジョンのボスを撃破する そして、彼が得たのは----召喚獣をレベルアップさせる能力だった この世界で唯一、召喚獣をレベルアップさせられる渉 神から与えられた制約で、人間とパーティーを組めない彼は、誰にも知られることがないまま、どんどん強くなっていく…… ※召喚獣や魔物などについて、『おーぷん2ちゃんねる:にゅー速VIP』にて『おーぷん民でまじめにファンタジー世界を作ろう』で作られた世界観……というか、モンスターを一部使用して書きました!! 内容を纏めたwikiもありますので、お暇な時に一読していただければ更に楽しめるかもしれません? https://www65.atwiki.jp/opfan/pages/1.html

処理中です...