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 王国騎士団所属とは言っていたがステイシアは偉いのかね。
 ミランナとのやり取りの雰囲気から付き合いが長そうだが。
 ギルドマスターであるミランナと直接話し合う事が出来るのだから、それなりの地位にはいるのかな。


「さて、貴女達がすれ違った集団に関しては、ステイシアの方で対応してくれるわ」


 ステイシアが出て行った扉を眺めながら考えているとミランナが話を始めたので意識を向ける。


「何かわかれば私の方にも情報を持ってくるから、知りたければ集団の事に関しては話してあげるわ。だから、何が起こるか分からないから念のために、不用意に集団の事に関して聞きまわるような事はしない様にね」

「話してくれるんですか?」

「情報の内容によっては全部とはいかないけどね。話す事が出来る内容は話すわよ。貴女達から情報をもらったのだから、貴女達だって気になるでしょうからね」


 リュイルの問いにミランナは答えてくれる。
 まぁ、気になるかならないかで言えば気にはなるんだが。
 集団に関してはリュイル達の判断に任せよう。
 余計な事に首を突っ込んで巻き込まれたくないし。


「では、情報が入ったら教えてください」


 判断を任せたら知ることになったよ。
 教えてもらうのは集団の動向に巻き込まれないためと考えよう。


「わかったわ。ステイシアからの連絡があったら声をかけるようにするわね。そうねぇ、解体倉庫の受付にいるルティナからでいいかしら?」

「それはいいですけど、なぜルティナ?」

「それは、ヒロが定期的に解体倉庫に来るからよ」


 確かに、ワイヴァーンの解体で定期的にいくな。
 居場所が分かって確実に連絡が付くのは俺くらいか。
 まぁ、借りている家でルティナと一緒に生活している事が、ミランナには知られていないようで何より。
 知られていたら食事を求めて確実に押しかけてきそうだ。


「ワイヴァーンの解体ですね」

「ええ。それで、ワイヴァーンのに関してなんだけど、31匹のワイヴァーンの解体費用については冒険者ギルドで負担させてもらうわ。ワイヴァーンを貴女達に頼り切ってしまった事のお詫びのようなものね。それくらいで申し訳ないけど」


 リュイルがこちらに視線を向けて来たので頷いておく。
 討伐したのはフィアだが、解体料金に関しては何も言ってこないだろう。
 満足する食事を出していれば気にしない感じだしな。


「それで、大丈夫です」

「ワイヴァーンの依頼料と10匹の買い取り金額の支払いについては少し時間を頂戴。今回、ワイヴァーンの群れに対しての報酬が決まってないのよ。ただ、緊急性や脅威など加味されるから報酬が高くなることは間違いないわ」

「それについても、ルティナからヒロの方に連絡をしてもらえれば」

「わかったわ、そのようにしておくわね。しかし、貴女達のおかげで冒険者と騎士団に被害なく事が終息出来て本当に助かったわ」


 フィアがいなかったら冒険者と騎士団にかなりの被害が出たんだろうな。
 ステイシアがそんな感じのような事を言っていたし。


「それに、貴女達は討伐した魔物をそのまま持ち込んでくれるから、この冒険者ギルドの利益も上がっているわ。前のフォレストファングの素材も高額だし、今回のワイヴァーンの素材も高額になるわ。ギルドで買い取れないワイヴァーンの素材はどうするのかしら?」

「ワイヴァーンの素材に関しては私達は何も、今回のワイヴァーンはフィアさんが一人で討伐しましたから」

「ヒロに任せるわ」


 みんなの視線がフィアに集まった所でそう口にすると、視線がそのまま俺に移る。


「ワイヴァーンの素材の使い道ってなんだ?」

「知らないの?」


 ミランナの問いかけに頷く。
 魔物の何が素材になって何に使われるなんて全く知らないよ。


「牙や爪などは加工してナイフや剣などかしらね。皮や被膜などはマントや防具辺りかしら、魔力を帯びた素材だから軽くしなやかで丈夫なものになるわ。まぁ、ワイヴァーンのマントや防具を買おうとしたら高額になるけどね」


 討伐の難しさから高額な品物になるのは間違いないだろうな。
 素材も相当に良い物みたいだし。
 丁度、加工が出来そうなメリアとレシェラがいるから聞いてみるのも手か。


「少し考えてみる」

「そうね急ぐこともないわ。高値で買い取ってくれる素材だから、他の街の冒険者ギルドに出してもいいと思うわ」


 首都に行くんだから、そこの冒険者ギルドで買い取ってもらうのもありか。
 使わ無い素材を俺が持っていても仕方がないだろう。
 もし必要なったら、フィアに頼めばどうにかなりそうだしな。 

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