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受けた依頼を完遂するためロズウェールの街を出て目的地の森を目指した。
ミランナの話では馬車で3日ほどかかる距離らしいので俺の歩く速度だと余裕をみて15日くらい見たほうが良いか。
こうなると分かっていれば昨日の内に今日の昼食までの準備したんだけどしてないものはしょうがない。
「ヒロ、お腹がすきましたわ」
隣を歩いていたフィアが俺の服を引っ張りながら訴えてくる。
確かにそんな時間だな。
「リュイル、食事にしようと思うんだが、このあたり冒険者はどうなんだ?」
出来るだけ自分達以外はいないほうが都合は良いからな。
スキル使うにしても出来るだけ人目は避けたい。
「街からそれなりに離れているから大丈夫だとは思うけど」
「そうですわね、確かこのあたりで取れる採取系と討伐系の依頼がいくつかあったと思いますわ」
「アイシェラどう?」
斥候職のアイシェラにリュイルは確認する。
見える範囲には何もないようだけど斥候のアイシェラになら分かることがあるのだろう。
アイシェラは周囲を見回しながら獣耳をぴこぴこと動かしている。
「私達の周囲に魔物や獣はいない。離れた場所に冒険者が数箇所」
「討伐か採取をしている冒険者がいるのね。どうする、ヒロ」
どうするってことは食事のことだろう。
フィアに結界を張ってもらったとしてもここで準備して食事ってわけにもなぁ。
他の冒険者がこっちにこないとも限らないし。
「歩きながらでも食事はいいか?」
「かまわないわよ」
「フィアもいいか」
「ええ」
スキルOS起動して菓子パンか惣菜パンで何かないかね。
隣を見ればフィアが興味そうに俺の手元を見上げている。
探したら色々な菓子パンと惣菜パン詰め合わせなんて、よさげなものがあったので一番量の多いものを選ぶ。
飲み物は牛乳あたりで良いか。
いくつか現れた箱のひとつを開ければ色々なパンが入っていた。
見れば6人も一緒に箱の中を覗いている。
「好きなもの食べて良いぞ」
「これたべられるんですか?」
「ん?」
「この色の着いたやつですよ」
レスティナが箱から取り出した菓子パンを手に持ちがさがさやっている。
こっちにはビニール包装なんてないから分からないよな。
「これはこうやって食べるんだよ」
箱の中にあったクリームパンを手に取り袋を開けて中身を取り出す。
「フィア、口あけて」
「こうかしら」
隣で興味深そうに手元を覗き込んでいたフィアに口をあけてもらいそこにクリームパンを突っ込む。
「 ! 」
「どうだ?」
フィアは両手でクリームパンを持つとこくこくとうなずきながら食べ始める。
その姿を見たレスティナは手に持っていたパンの袋をあけ、中身を一口食べた後はそのまま一気に食べつくした。
ほかの箱の中身を確認していると食べ終わった2人は俺の方を見ている。
「食べ方は分かったよな、数はまだあるから好きなだけ食べるといい。食べられないそれは俺が貰うから」
2人が手に持っていたゴミは俺が受け取りアイテムボックスへ。
この世界に無いものだからそこらへんに捨てていくわけにも行かない。
食べる所を見ていた4人もあわてて箱からパン取り出し食べはじめた。
「食べるのも良いけどさ、移動しながらにしよう。これを他の冒険者に見られると面倒だ」
パンの入った箱とアイテムボックスにしまいながら菓子パンや惣菜パンを食べている6人に言うとあわてて食べ始める。
「そ、そうね………移動…しま、しょう」
「……い、移動…しながら…た、食べられ…ますし」
「………」
「色々…種類が……あるのね」
「た、沢山……味が……楽しめて………美味しい……ですよ」
「………」
そこの4人食べるか話すかどっちかにしなさいよ。
フィアとアイシェラは話すより食べるほうを選んだか。
獣耳がぴこぴこ動いてはいるから食べながらでもアイシェラは警戒しているんだろうけど。
フィアは分からん。
「そんなに、あわてて食べるとのどに詰まらせるぞ」
「ん~~~」
言ったそばからレスティナがのどに詰まらせた。
一緒に買っておいた牛乳瓶のふたを取って渡すと受け取り飲み始める。
「んく……んく……ぷは~。つらかったよ」
「一気に食べるからだ」
しかしのどに詰まらせたからといって大瓶の牛乳を一気に半分も飲むとは思わなかった。
人数分の本数しか買ってないのだが大丈夫だろうか。
「この白い飲み物凄く美味しい」
「「「「「 ! 」」」」」
レスティナの美味しいという言葉に反応した5人がこっち見てる。
どこぞの牧場の牛乳だからな濃厚で美味しいと思う。
けど、こっちの世界には牛乳はないのだろうか、呼び名が違うのか。
「ひとり1本だからな。それより牛乳っていう飲み物なんだが、こういう飲み物は無いのか?」
それぞれに大瓶の牛乳渡しながら聞く。
「ミルクならあるけど高級品。聞いた話だと獣人族の中で山羊族、羊族、牛族の生産品らしいわ」
よく分からないがその3種族が畜産でもやっているのだろうか。
むこうでも、山羊乳、羊乳、牛乳はあるからな。
機会があって飲むことができたらどんなものか飲んでみたいものだ。
「これ美味しいわね」
「濃厚ですわね」
「美味しい」
「本当ね」
「パンにもあうし、美味しいわ」
牛乳に菓子パンと惣菜パン共に喜んでくれて何よりだ。
みんなでパンを食べながら歩きだした。
ルーミアの事を気にしないでくれたら良いんだが、そんな事はないよなぁ。
ミランナの話では馬車で3日ほどかかる距離らしいので俺の歩く速度だと余裕をみて15日くらい見たほうが良いか。
こうなると分かっていれば昨日の内に今日の昼食までの準備したんだけどしてないものはしょうがない。
「ヒロ、お腹がすきましたわ」
隣を歩いていたフィアが俺の服を引っ張りながら訴えてくる。
確かにそんな時間だな。
「リュイル、食事にしようと思うんだが、このあたり冒険者はどうなんだ?」
出来るだけ自分達以外はいないほうが都合は良いからな。
スキル使うにしても出来るだけ人目は避けたい。
「街からそれなりに離れているから大丈夫だとは思うけど」
「そうですわね、確かこのあたりで取れる採取系と討伐系の依頼がいくつかあったと思いますわ」
「アイシェラどう?」
斥候職のアイシェラにリュイルは確認する。
見える範囲には何もないようだけど斥候のアイシェラになら分かることがあるのだろう。
アイシェラは周囲を見回しながら獣耳をぴこぴこと動かしている。
「私達の周囲に魔物や獣はいない。離れた場所に冒険者が数箇所」
「討伐か採取をしている冒険者がいるのね。どうする、ヒロ」
どうするってことは食事のことだろう。
フィアに結界を張ってもらったとしてもここで準備して食事ってわけにもなぁ。
他の冒険者がこっちにこないとも限らないし。
「歩きながらでも食事はいいか?」
「かまわないわよ」
「フィアもいいか」
「ええ」
スキルOS起動して菓子パンか惣菜パンで何かないかね。
隣を見ればフィアが興味そうに俺の手元を見上げている。
探したら色々な菓子パンと惣菜パン詰め合わせなんて、よさげなものがあったので一番量の多いものを選ぶ。
飲み物は牛乳あたりで良いか。
いくつか現れた箱のひとつを開ければ色々なパンが入っていた。
見れば6人も一緒に箱の中を覗いている。
「好きなもの食べて良いぞ」
「これたべられるんですか?」
「ん?」
「この色の着いたやつですよ」
レスティナが箱から取り出した菓子パンを手に持ちがさがさやっている。
こっちにはビニール包装なんてないから分からないよな。
「これはこうやって食べるんだよ」
箱の中にあったクリームパンを手に取り袋を開けて中身を取り出す。
「フィア、口あけて」
「こうかしら」
隣で興味深そうに手元を覗き込んでいたフィアに口をあけてもらいそこにクリームパンを突っ込む。
「 ! 」
「どうだ?」
フィアは両手でクリームパンを持つとこくこくとうなずきながら食べ始める。
その姿を見たレスティナは手に持っていたパンの袋をあけ、中身を一口食べた後はそのまま一気に食べつくした。
ほかの箱の中身を確認していると食べ終わった2人は俺の方を見ている。
「食べ方は分かったよな、数はまだあるから好きなだけ食べるといい。食べられないそれは俺が貰うから」
2人が手に持っていたゴミは俺が受け取りアイテムボックスへ。
この世界に無いものだからそこらへんに捨てていくわけにも行かない。
食べる所を見ていた4人もあわてて箱からパン取り出し食べはじめた。
「食べるのも良いけどさ、移動しながらにしよう。これを他の冒険者に見られると面倒だ」
パンの入った箱とアイテムボックスにしまいながら菓子パンや惣菜パンを食べている6人に言うとあわてて食べ始める。
「そ、そうね………移動…しま、しょう」
「……い、移動…しながら…た、食べられ…ますし」
「………」
「色々…種類が……あるのね」
「た、沢山……味が……楽しめて………美味しい……ですよ」
「………」
そこの4人食べるか話すかどっちかにしなさいよ。
フィアとアイシェラは話すより食べるほうを選んだか。
獣耳がぴこぴこ動いてはいるから食べながらでもアイシェラは警戒しているんだろうけど。
フィアは分からん。
「そんなに、あわてて食べるとのどに詰まらせるぞ」
「ん~~~」
言ったそばからレスティナがのどに詰まらせた。
一緒に買っておいた牛乳瓶のふたを取って渡すと受け取り飲み始める。
「んく……んく……ぷは~。つらかったよ」
「一気に食べるからだ」
しかしのどに詰まらせたからといって大瓶の牛乳を一気に半分も飲むとは思わなかった。
人数分の本数しか買ってないのだが大丈夫だろうか。
「この白い飲み物凄く美味しい」
「「「「「 ! 」」」」」
レスティナの美味しいという言葉に反応した5人がこっち見てる。
どこぞの牧場の牛乳だからな濃厚で美味しいと思う。
けど、こっちの世界には牛乳はないのだろうか、呼び名が違うのか。
「ひとり1本だからな。それより牛乳っていう飲み物なんだが、こういう飲み物は無いのか?」
それぞれに大瓶の牛乳渡しながら聞く。
「ミルクならあるけど高級品。聞いた話だと獣人族の中で山羊族、羊族、牛族の生産品らしいわ」
よく分からないがその3種族が畜産でもやっているのだろうか。
むこうでも、山羊乳、羊乳、牛乳はあるからな。
機会があって飲むことができたらどんなものか飲んでみたいものだ。
「これ美味しいわね」
「濃厚ですわね」
「美味しい」
「本当ね」
「パンにもあうし、美味しいわ」
牛乳に菓子パンと惣菜パン共に喜んでくれて何よりだ。
みんなでパンを食べながら歩きだした。
ルーミアの事を気にしないでくれたら良いんだが、そんな事はないよなぁ。
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