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第三章 〜新たなる冒険
57話 『亀裂』
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彼と会ったのはもう5年も前の話だ。
日出る国という別称で呼ばれるニホン国の美しい城下町・絵都とは違って、質素というか素朴というか、何も無いという言葉が似つかわしいほどに取り柄のない街・甲無斐にある訝詩神社の拝殿でそいつはどうどうと寝ていた。
お百度参り、百度のお参りに訪れることで願いが叶うと言われる迷信。そんなことあるわけがないと思いつつも、僕は力を求め、迷信にさえ縋る思いで訝詩神社に参ることが日課になっていた。何日目だったか、そんなある日、ニホン国では珍しい革製の服に傷だらけのパンツを履いた福相なのか貧相なのかよく分からない異質な格好の男が拝殿で寝ていたため、罰当たりだと思いそいつを起こした。
「おい、アンタ、どこで寝てるんだい」
「んにゃぁ…んーーー、あと5分」
「??…何を言ってるか分からんが無礼だぞ!早く起きないと神様から天罰が降るぞ!!」
「しゅうきょーかんゆーごめんっすー」
その男はよく分からないが、訛り混じりの人語を話しながら寝腐っていた。それから数時間。数分ですぐに起きると思っていたら数時間も寝た挙句に、起きて一言目は…
「ここはどこだよーーーーーー!!!!」
だった。
「おいここはどこだ?!あんたは誰だ?!てか和服?しっぶ、あっ!もしかして京都?奈良?修学旅行的な?」
ーーすごくうるさい。
その男はマシンガントークというのか、息つく間もなく口を動かし、話しかけてくる。
「落ち着きなよ。ここは甲無斐にある訝詩神社だよ」
「甲無斐…訝詩…どこだそれ。東京のどの辺?」
「トーキョー?何それ。逆に知らないんだけど」
「んなわけないっしょ?日本の首都わかんないわけないだろ。大都市だろ」
「よく分からないけど、ニホン国で1番栄えているのは絵都だよ」
「いや、それもどこだよ!クソ田舎もんじゃねーか」
怒。確かに甲無斐で生まれ育った自分は田舎者かどうかと言われれば確かにそうなのだろう。そうなのだろうけど、他人にとやかく言われる筋合いはない。
「そういう君はどこ出身なんだよ」
「俺か?俺は武蔵境」
「武蔵?!そっちこそ田舎じゃないか!!」
おそらく2人の会話にはズレが生じており、一方が語るのは東京の中心部に当たる都市であり、もう一方が語るのはニホン国の端に陣取る街。しかし、それは不思議なことではない。なぜなら2人の生まれ育った世界は違うのだから。
「よくわかんねーけど、ここは俺の知る日本じゃないらしいな」
「そうだね。僕もなんかごめん。鬼攫いだとは思わなくて…」
「オニサライ?」
「昔からよく言うんだよ。鬼が攫って行ったり、攫って来たりで人が減ったり増えたりする事象がさ。」
「ふーーん。俺は鬼に攫われたってか。馬鹿らしい。鬼なんか居てたまるかってんだ!」
「いるよ…」
「へ????マジ??」
後に知る彼の名前はアズマ=ナルヒコ。鬼攫いで遠く異国の地から来た渡来人。こっちの土地には不慣れで、言葉も似てはいるものの少し曖昧な箇所もあって、2人でつるむときよく言語や文化を教えていた。
「セイメイはなんで神社に通ってんだ?なんかの宗教信者か?」
「そういうわけじゃないけど、お百度参りにね」
「あぁーーそんなのあったな。100回願えば叶う的なな」
「知ってるの?」
「あぁ。こっちの世界にもあったわ、そういう迷信」
「やっぱり迷信か。」
最初から全てを信じていたわけじゃない。わけじゃないけれど、もし効力があれば…くらいなもので始めただけだった。
「僕はどうしても力が欲しい」
「力?」
「そうだ…元から体が病弱で、身体能力も優れているわけじゃなかった。だから、武士志望だったけど、選考に落ちて、このザマさ」
「生まれつきの性みてーなのはあるかもしれねーけどよ、それなら人より何倍も努力すりゃいいじゃねーか。ウジウジしてたって誰も助けてくれねーぞ?」
「?!」
「最初っから神頼みのやつは俺は嫌ぇだ。でもまぁセイメイ、お前は俺を助けてくれたから、その分の見返りは払うぜ!」
そういってアズマは1枚のコインを親指で弾き空中で握りしめる。
「いっちょ武士でも何でも、改めて目指してみようや!ギシィ!」
その笑みに惹かれ、僕はそれ以来、お百度参りを辞め、鍛錬を積むようになった。太陽照り刺す夏の日も、いて刺すような凍える冬も、雨も雪も関係なく、日々鍛錬と稽古に明け暮れる日々。そうこうするうちに1年が過ぎ、僕たちは絵都幕府直属の甲無斐藩士験を受け、アズマだけが受かり、彼は1人甲無斐藩士となった。
それなのに、それなのに彼は僕の前から姿を消し、甲無斐藩から姿を消し、ニホン国から姿を消した。久しぶりにアズマ=ナルヒコの名前を聞いたのは裏社会の闇市だった。
ーーーーーーーーーーーー---------
「おい、セイメイ。お前はこれからどうすんだよ?このままここで腐るのか」
「どうして…」
「んぁ?」
「どうして僕を裏切っておいて…今更なんだよ!!!」
「裏…なんのことだよ」
「とぼけるな!一緒に武士になろうって約束した。君が先に藩士となったが、それ以降も僕は…僕は…何度も…それなのに、気づいた頃にはもう君は姿を消していた!最初は鬼攫いにでもあったかと思ったが、そんなの馬鹿馬鹿しい!!君は、いやお前は!!!僕も!!!僕の善意も!!!夢も!!!全て踏み躙って姿を消したんだよ!!」
「セイメイ…」
どんな事情があれ、一度はセイメイの夢に乗っかった身。それを無関心に、無慈悲に、放り投げてしまったアズマに、闇に堕ちた友人を救い出すなんて大層な事はできなかった。
「先に闇の世界に溺れて行ったくせに、上から目線でもの語るなよ!!」
「それは違う!…違うんだよ…セイメイ」
「違くなんかない!!いつだって君は恵まれていたから、その神器もいつどこで手に入れたんだよ!!僕の人器にはとやかく言うくせに!!君は神の名を冠した代物を…力を…何もかもを…」
セイメイのことを1番近くで見て来たものとして、その気持ちも、夢も、願望も、全てを知っているからこそ言えない。アズマは口を噤み、セイメイに背を向ける。
「マサト、ベンジャミン、馬を出せ。すぐにリーバングレートリーフへ向かう」
「お頭?!いいんすか?」
「口答えすんじゃねーマサト!!早く行けぞ」
「マサト。行きますよ」
「スミッサンまで…」
マサトはセイメイの方を一度振り向き、同情の目で見詰めたのち、馬を引きに向かった。
--悪いなセイメイ。お前を1人にしちまって。ともに夢を叶えてやれなくて。
どこで2人は間違えてしまったのか。いや、どこで亀裂が入ってしまったのか。共に武士を目指し、片や何もかもに恵まれながらもその任を放棄した者と、片や全てに恵まれず、生まれも、家柄も、身体の不自由さも、技量も、運さえも。
そして、アズマを追いかけるように裏社会の一端に触れ、星界の使徒に取り入り、人器を手にして十光入りするも、あっけなくその一生を終えたセイメイ。そんな悲惨な人生を送る友人に何を言えばいいのかも分からず、アズマはセイメイを置いて、リーバングレートリーフを目指すのであった。
---------------------
グレイは改めて所持していたアルビニウムの在庫を確認する。
「あと何回あの白炎は使えんだ?」
「んー、副作用ありきのめっちゃ強いやつは3回、改良版は2回かな~」
「ふーん、まあぼちぼち使えそうだな」
グレンの白炎には驚いたが、それでも大した出力とは言えなかった。それがグレイのいう改良版のアルビニウムだろう。元祖がどれほどのものか知らないシオンにとっては、あくまで助力程度でしかないという認識のため、グレイにはあくまで自分の盾役として配置し、メインは自分が出ると伝える。グレイ自身も盾役は慣れているし、シオンの実力も認めているため何の文句も問題もない。
「それでいこう!」
「あぁ。さっさと倒して帰るぞ」
先導する灰色と黒色基調の二人の青年。それに続く…
『十冠』
・ジモン=K=マクガレー(30)。
『四秀選考・Aティア』
・ベルモンド=アドラス(26)
・フェルナンド=ナッシュ(25)。
・アビル=ラムネード(21)。
『四秀選考・Bティア』
・ソウヤ=コガネ(21)。
・ヒュイーゴ=ブリティッシュ(26)。
・ミネルバ=ストックケイン(27)。
・マジカルリバティー・ヨシノ(31)。
『四秀選考・Cティア』
・スメヒロ=ミナミ(23)。
・リルロッテ=サリーナ(19)。
そして残る5名がダズ=バッハトルテとギム=ファンティオ、そしてナツナ=イズモを含めた5人の冒険者。
この面々たち。
これから始まる『サモン・スカルパー』が選挙するホラーナイトキャッスルでの一戦。
「来ましたか…ユウキ=シオン、フフフッ」
ーー煉獄・ 豪馬!
ズドンッ!!!メラメラメラメラ!!
シオンは入り口手前でいきなり煉獄の力を解放して固く閉じられた扉をぶち破る。
そしてワラワラと傾れ込む魔導士たち。
内装は中央に真っ赤の絨毯が敷かれた大中央階段とその上に飾られた絵画や肖像画とロウソクの数々。そして、その上、3階だろうか高い位置にある手すりに肘をつけて見下ろすピエロ姿の男。
「見た目は資料通り、やつが『サモン・スカルパー』のギルドマスター・ジュラ=バッキンガムだ」
ベルモンドをはじめ、魔導士たちは両手に属性オーラを纏わせいつでも攻撃魔法を展開できるように準備する。
「フォッホッホッホッホッホ!!そう早とちりしないでください皆さん。ちゃんとそれぞれにステージをご用意していますから。」
「どういう意味だ!!」
パチンッ!!
「来たまえ、戦士たち」
ジュラの指パッチンの合図に呼応して、ジュラの体は黒く染まり分裂していく。その姿は無数の黒きコウモリのようで、自由自在に空を飛び回り、魔導士たちを黒き闇へ包み込む。
「うわっ!!なんだこれ」
「痛っ!!」
「押すな!!やめろ!」
「なによ!!」
「落ち着けぇ!!!!」
「クソッ!!グレイ!捕まれ」
「シオン!!ンング!!」
ーー夕闇への誘い!
パチンッ!!
ビュンビュンビュン!!!!ビュンビュン!!ビュンビュンビュン!!!ビュンビュン!!ビュン!!
1人ずつ選りすぐりなメンバーが夕闇に引き込まれ、戦線を離脱する。そして残された者たちを覆い尽くすコウモリは消え去り、代わりに敵魔導士がゾロゾロと現れる。
「嘘だろ…十冠どころか…四秀選考の連中も連れていかれちまった…」
残されるは2名の冒険者、四秀選考のCティア・リルロッテ、そしてレオネード・ハーツの新人・ギムと交換留学生のナツナ、そしてダズだった。
つまり、他の11名は綺麗さっぱりジュラの不可解な魔法に消されてしまったのだ。
「やってくれんじゃねーか、ジュラ=バッキンガム!!」
ダズは周囲を見回し敵戦力の総員を確認する。20、いや30はくだらないか。情報よりも多いその数、完全にどこかの闇組織が加勢していることになる。
ーーフッ!!おもしれーー!!こっちは任せろよグレイ。そっちは頼んだぞ!!
この場にいない弟子の身を案じつつも、信頼し切った態度のダズは、目の前の雑魚の群れと対峙する。
『夕闇への誘い』
闇属性魔法を媒介としたオプションゲートの一種であり、マナが続く限り一度捕らえた相手を力尽きるまで逃さない異空間点在魔法。
『第一の間』
「どこだここ…」
「やっと出番が回って来ましたか…」
第一の間に誘われたのはシオン。そして相対するは白マントに白フードを羽織った顔の見えない敵。『サモン・スカルパー』の事前資料に無い風貌。おそらくセイメイと同じ十光の1人であろうそいつは両手に紫の雷属性オーラを帯電させて臨戦態勢に入っていた。
「紫電か…」
紫電、黒雷とは別に、雷属性魔法の特異点である『霹』の一歩手前。相当な出力とスピード、そして鋭さを極限の手前まで磨き上げた属性。それでも、相手取るは若くして十冠を2年連続受賞した煉獄の使い手。そう簡単には攻略できるほど甘くはない。
「フヘヘ、金貨1071枚、私のものですよ!!!雷の舞紫電ver.」
鋭さとそこそこな速さで紫電を空間全体に放出してシオンを迎撃する敵。
「煉獄・炎纏い」
バチバチバチバチ!!!!ボボボボボッッッ!!
シオンは右手で剣を抜き、煉獄の炎を纏わせ、自分へ伸びる紫電の雷を受け切る。
複数に伸びる紫電を避け、避けきれないものは炎纏いで捌き、徐々に敵へ詰め寄っていく。
最後の一撃を受け止め、そのまま剣を地面に突き刺し魔法を展開する。
「煉獄・陽炎」
突き刺した剣から前方へ、地面を這うように広がっていく黒炎は低く、広く展開されていく。
ボボボボボッッッ!!!!!
陽炎展開と同時にシオンは剣を地面から抜き、足腰に力を入れ、地面と平行に跳び、空を切るように詰め寄る。低域で広く展開された陽炎を避けるには上へ飛ぶしかない。その選択肢さえ潰す作戦。
「なんと、齢15にして、この手慣れさ…恐怖。けれど、甘いですよ」
ーーサンダーシェル・紫電ver.
敵はまるで自分を雷の球体にでも包んでいるかのように、紫電を球体状に広げ陽炎を寄せ付けずに押し返す。
「攻防一体の汎用技か…足りないな…範囲が。煉獄・焔ノ繭…」
カカカカカッ!!!!ボゥ!!!
シオンは空を跳びながら、剣を地につけ、地を這う黒炎を回収するかのように剣へ伝い、纏わせた黒炎を増大させ、改めて次の魔法へと昇華させる。回収した黒炎を斬り飛ばし、敵のサンダーシェルを覆うように黒炎で囲む。敵がサンダーシェルを解けば黒炎で襲いかかり、それを防ぐにはサンダーシェルを常に展開し続けなければならない。これが防御に転じた者の宿命。ここからはマナの総量と我慢比べ。シオンは黒炎を消さない限り負けはない状況に持っていく。
「チェックだ…」
バチバチバチバチ!!!!ボボボボボッッッ!!!
終始消えないサンダーシェルと焔ノ繭。互いに一歩も引かない状況。いや、敵は引けないというべきか。
「そんな…よもやここまでの子供にしてやられるとは」
フッ…。
「??」
「奥の手とは最後まで取っておく物ですよ」
敵は白いマントの奥から細い柄を取り出す。
「人器、解放!!」
敵が十光である可能性を視野に入れていた以上、こうなることは予想できたこと。
「爆ぜろ!!」
シオンは左手を握りしめ、焔ノ繭を圧縮させ、無理やり黒炎で燃やし尽くして、後退する。しかし、黒炎の奥から一縷の光が伸びるのが見えた。
ーーー------------------
『第二の間』
ジュラの攻撃が展開されてすぐ、シオンの声に呼応するように手を伸ばしたグレイ。しかし、一瞬にしてシオンとは別の異空間に飛ばされてしまった。
「いててて、あのコウモリ、噛んできやがって、」
「フォッホッホッホッホッ!!!君には少しマーキングをさせてもらいましたよ。君がグレイなのでしょ?」
「そういうあんたは、さっき上に立ってたやつ!!」
「ジュラですよ。ジュラ=バッキンガム、君たちの標的でしょ」
「そうか…じゃあ俺は、大当たりってわけだ」
「大外れですよ、フォッフォッフォッ!!」
ジュラはすぐさま体を分離させ、黒いコウモリの状態でグレイに襲いかかる。
「またそれかよ!」
グレイは自慢の動体視力でコウモリ1匹1匹の動きをよく見て、体術で対処していくが、あまりにも数が多すぎて、腕や足、首に腹など、色々な箇所を噛みつかれてしまう。
「イテテ!!クソ!!!!あっち行け!!」
傷は浅いもののところどころから出血してしまうグレイ。
「クソーー、俺魔法効かないはずなのに…やっぱりヴァパイアって話は本当か」
「フォーーホッホッホッホッ!!!いい気味ですな。こんなガキが、この私の首元を噛みちぎるだと…とんだ笑い話だ。闇属性魔法・ゲート」
ジュラは自分の真横とグレイの背後をゲートで繋ぎ、拳を伸ばす。
「?!…後ろ!」
バンッ!!!
グレイの反射神経は冴えており、ジュラの奇襲の一撃を腕で止める。
「ほぉ~やりますねぇ~ならこれはどうです?」
ーー闇属性魔法・ダークハンド!
ボンッ!ボンッ!ボンッ!
ジュラは空中に3つの闇の玉を生成し、その玉は次第に腕の形を形成していき、拳を握りしめて、グレイを殴りつけていく。
ドドドドドドドッ!!!!!
闇属性魔法のオーラで生成された拳のラッシュを喰らうグレイ。全身ガードの姿勢で受けるが、この攻撃は大したダメージにはならない。
「ほぉ~~下調べ通り。君には魔法攻撃があまり効かないらしい。確認できてよかったよ」
ーー蝙蝠の群れ!
またしてもジュラは無数のコウモリに分かれて攻めてくる。
「鬱陶しいな!!そればっかで」
パリンッ!!
グレイはアルビニウムのケースを割り、広域に白炎を展開して攻めてくるコウモリたちを燃やしていく。
「「「「「イギャァァァァァアアア!!!!!焼ける!!焼ける!!!焼けるぅぅぅ!!!」」」」
全てでは無いにしろ、コウモリの中に大声で叫び散らすものたちが確認される。
「まさかあんた、このいくつかが本体なのか…?!」
維持できなくなった闇属性魔法で生成されたコウモリは消え去り、本体のコウモリたちは1つに密集していき人間の形に戻る。
人型に戻ったジュラは皮膚が焼けこげ、ところどころで白塗りの化粧が剥がれ落ちていた。その奥の肉体は黒い糸で縫合されたように痛々しくみえた。
ギロッ!!
ジュラは自分の化粧の下を見られたことに腹を立て、グレイを睨みつける。
「見たな!!ガキ…」
同じ人間だとは思えないその恐ろしい姿にグレイは腰を抜かしてしまう。
日出る国という別称で呼ばれるニホン国の美しい城下町・絵都とは違って、質素というか素朴というか、何も無いという言葉が似つかわしいほどに取り柄のない街・甲無斐にある訝詩神社の拝殿でそいつはどうどうと寝ていた。
お百度参り、百度のお参りに訪れることで願いが叶うと言われる迷信。そんなことあるわけがないと思いつつも、僕は力を求め、迷信にさえ縋る思いで訝詩神社に参ることが日課になっていた。何日目だったか、そんなある日、ニホン国では珍しい革製の服に傷だらけのパンツを履いた福相なのか貧相なのかよく分からない異質な格好の男が拝殿で寝ていたため、罰当たりだと思いそいつを起こした。
「おい、アンタ、どこで寝てるんだい」
「んにゃぁ…んーーー、あと5分」
「??…何を言ってるか分からんが無礼だぞ!早く起きないと神様から天罰が降るぞ!!」
「しゅうきょーかんゆーごめんっすー」
その男はよく分からないが、訛り混じりの人語を話しながら寝腐っていた。それから数時間。数分ですぐに起きると思っていたら数時間も寝た挙句に、起きて一言目は…
「ここはどこだよーーーーーー!!!!」
だった。
「おいここはどこだ?!あんたは誰だ?!てか和服?しっぶ、あっ!もしかして京都?奈良?修学旅行的な?」
ーーすごくうるさい。
その男はマシンガントークというのか、息つく間もなく口を動かし、話しかけてくる。
「落ち着きなよ。ここは甲無斐にある訝詩神社だよ」
「甲無斐…訝詩…どこだそれ。東京のどの辺?」
「トーキョー?何それ。逆に知らないんだけど」
「んなわけないっしょ?日本の首都わかんないわけないだろ。大都市だろ」
「よく分からないけど、ニホン国で1番栄えているのは絵都だよ」
「いや、それもどこだよ!クソ田舎もんじゃねーか」
怒。確かに甲無斐で生まれ育った自分は田舎者かどうかと言われれば確かにそうなのだろう。そうなのだろうけど、他人にとやかく言われる筋合いはない。
「そういう君はどこ出身なんだよ」
「俺か?俺は武蔵境」
「武蔵?!そっちこそ田舎じゃないか!!」
おそらく2人の会話にはズレが生じており、一方が語るのは東京の中心部に当たる都市であり、もう一方が語るのはニホン国の端に陣取る街。しかし、それは不思議なことではない。なぜなら2人の生まれ育った世界は違うのだから。
「よくわかんねーけど、ここは俺の知る日本じゃないらしいな」
「そうだね。僕もなんかごめん。鬼攫いだとは思わなくて…」
「オニサライ?」
「昔からよく言うんだよ。鬼が攫って行ったり、攫って来たりで人が減ったり増えたりする事象がさ。」
「ふーーん。俺は鬼に攫われたってか。馬鹿らしい。鬼なんか居てたまるかってんだ!」
「いるよ…」
「へ????マジ??」
後に知る彼の名前はアズマ=ナルヒコ。鬼攫いで遠く異国の地から来た渡来人。こっちの土地には不慣れで、言葉も似てはいるものの少し曖昧な箇所もあって、2人でつるむときよく言語や文化を教えていた。
「セイメイはなんで神社に通ってんだ?なんかの宗教信者か?」
「そういうわけじゃないけど、お百度参りにね」
「あぁーーそんなのあったな。100回願えば叶う的なな」
「知ってるの?」
「あぁ。こっちの世界にもあったわ、そういう迷信」
「やっぱり迷信か。」
最初から全てを信じていたわけじゃない。わけじゃないけれど、もし効力があれば…くらいなもので始めただけだった。
「僕はどうしても力が欲しい」
「力?」
「そうだ…元から体が病弱で、身体能力も優れているわけじゃなかった。だから、武士志望だったけど、選考に落ちて、このザマさ」
「生まれつきの性みてーなのはあるかもしれねーけどよ、それなら人より何倍も努力すりゃいいじゃねーか。ウジウジしてたって誰も助けてくれねーぞ?」
「?!」
「最初っから神頼みのやつは俺は嫌ぇだ。でもまぁセイメイ、お前は俺を助けてくれたから、その分の見返りは払うぜ!」
そういってアズマは1枚のコインを親指で弾き空中で握りしめる。
「いっちょ武士でも何でも、改めて目指してみようや!ギシィ!」
その笑みに惹かれ、僕はそれ以来、お百度参りを辞め、鍛錬を積むようになった。太陽照り刺す夏の日も、いて刺すような凍える冬も、雨も雪も関係なく、日々鍛錬と稽古に明け暮れる日々。そうこうするうちに1年が過ぎ、僕たちは絵都幕府直属の甲無斐藩士験を受け、アズマだけが受かり、彼は1人甲無斐藩士となった。
それなのに、それなのに彼は僕の前から姿を消し、甲無斐藩から姿を消し、ニホン国から姿を消した。久しぶりにアズマ=ナルヒコの名前を聞いたのは裏社会の闇市だった。
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「おい、セイメイ。お前はこれからどうすんだよ?このままここで腐るのか」
「どうして…」
「んぁ?」
「どうして僕を裏切っておいて…今更なんだよ!!!」
「裏…なんのことだよ」
「とぼけるな!一緒に武士になろうって約束した。君が先に藩士となったが、それ以降も僕は…僕は…何度も…それなのに、気づいた頃にはもう君は姿を消していた!最初は鬼攫いにでもあったかと思ったが、そんなの馬鹿馬鹿しい!!君は、いやお前は!!!僕も!!!僕の善意も!!!夢も!!!全て踏み躙って姿を消したんだよ!!」
「セイメイ…」
どんな事情があれ、一度はセイメイの夢に乗っかった身。それを無関心に、無慈悲に、放り投げてしまったアズマに、闇に堕ちた友人を救い出すなんて大層な事はできなかった。
「先に闇の世界に溺れて行ったくせに、上から目線でもの語るなよ!!」
「それは違う!…違うんだよ…セイメイ」
「違くなんかない!!いつだって君は恵まれていたから、その神器もいつどこで手に入れたんだよ!!僕の人器にはとやかく言うくせに!!君は神の名を冠した代物を…力を…何もかもを…」
セイメイのことを1番近くで見て来たものとして、その気持ちも、夢も、願望も、全てを知っているからこそ言えない。アズマは口を噤み、セイメイに背を向ける。
「マサト、ベンジャミン、馬を出せ。すぐにリーバングレートリーフへ向かう」
「お頭?!いいんすか?」
「口答えすんじゃねーマサト!!早く行けぞ」
「マサト。行きますよ」
「スミッサンまで…」
マサトはセイメイの方を一度振り向き、同情の目で見詰めたのち、馬を引きに向かった。
--悪いなセイメイ。お前を1人にしちまって。ともに夢を叶えてやれなくて。
どこで2人は間違えてしまったのか。いや、どこで亀裂が入ってしまったのか。共に武士を目指し、片や何もかもに恵まれながらもその任を放棄した者と、片や全てに恵まれず、生まれも、家柄も、身体の不自由さも、技量も、運さえも。
そして、アズマを追いかけるように裏社会の一端に触れ、星界の使徒に取り入り、人器を手にして十光入りするも、あっけなくその一生を終えたセイメイ。そんな悲惨な人生を送る友人に何を言えばいいのかも分からず、アズマはセイメイを置いて、リーバングレートリーフを目指すのであった。
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グレイは改めて所持していたアルビニウムの在庫を確認する。
「あと何回あの白炎は使えんだ?」
「んー、副作用ありきのめっちゃ強いやつは3回、改良版は2回かな~」
「ふーん、まあぼちぼち使えそうだな」
グレンの白炎には驚いたが、それでも大した出力とは言えなかった。それがグレイのいう改良版のアルビニウムだろう。元祖がどれほどのものか知らないシオンにとっては、あくまで助力程度でしかないという認識のため、グレイにはあくまで自分の盾役として配置し、メインは自分が出ると伝える。グレイ自身も盾役は慣れているし、シオンの実力も認めているため何の文句も問題もない。
「それでいこう!」
「あぁ。さっさと倒して帰るぞ」
先導する灰色と黒色基調の二人の青年。それに続く…
『十冠』
・ジモン=K=マクガレー(30)。
『四秀選考・Aティア』
・ベルモンド=アドラス(26)
・フェルナンド=ナッシュ(25)。
・アビル=ラムネード(21)。
『四秀選考・Bティア』
・ソウヤ=コガネ(21)。
・ヒュイーゴ=ブリティッシュ(26)。
・ミネルバ=ストックケイン(27)。
・マジカルリバティー・ヨシノ(31)。
『四秀選考・Cティア』
・スメヒロ=ミナミ(23)。
・リルロッテ=サリーナ(19)。
そして残る5名がダズ=バッハトルテとギム=ファンティオ、そしてナツナ=イズモを含めた5人の冒険者。
この面々たち。
これから始まる『サモン・スカルパー』が選挙するホラーナイトキャッスルでの一戦。
「来ましたか…ユウキ=シオン、フフフッ」
ーー煉獄・ 豪馬!
ズドンッ!!!メラメラメラメラ!!
シオンは入り口手前でいきなり煉獄の力を解放して固く閉じられた扉をぶち破る。
そしてワラワラと傾れ込む魔導士たち。
内装は中央に真っ赤の絨毯が敷かれた大中央階段とその上に飾られた絵画や肖像画とロウソクの数々。そして、その上、3階だろうか高い位置にある手すりに肘をつけて見下ろすピエロ姿の男。
「見た目は資料通り、やつが『サモン・スカルパー』のギルドマスター・ジュラ=バッキンガムだ」
ベルモンドをはじめ、魔導士たちは両手に属性オーラを纏わせいつでも攻撃魔法を展開できるように準備する。
「フォッホッホッホッホッホ!!そう早とちりしないでください皆さん。ちゃんとそれぞれにステージをご用意していますから。」
「どういう意味だ!!」
パチンッ!!
「来たまえ、戦士たち」
ジュラの指パッチンの合図に呼応して、ジュラの体は黒く染まり分裂していく。その姿は無数の黒きコウモリのようで、自由自在に空を飛び回り、魔導士たちを黒き闇へ包み込む。
「うわっ!!なんだこれ」
「痛っ!!」
「押すな!!やめろ!」
「なによ!!」
「落ち着けぇ!!!!」
「クソッ!!グレイ!捕まれ」
「シオン!!ンング!!」
ーー夕闇への誘い!
パチンッ!!
ビュンビュンビュン!!!!ビュンビュン!!ビュンビュンビュン!!!ビュンビュン!!ビュン!!
1人ずつ選りすぐりなメンバーが夕闇に引き込まれ、戦線を離脱する。そして残された者たちを覆い尽くすコウモリは消え去り、代わりに敵魔導士がゾロゾロと現れる。
「嘘だろ…十冠どころか…四秀選考の連中も連れていかれちまった…」
残されるは2名の冒険者、四秀選考のCティア・リルロッテ、そしてレオネード・ハーツの新人・ギムと交換留学生のナツナ、そしてダズだった。
つまり、他の11名は綺麗さっぱりジュラの不可解な魔法に消されてしまったのだ。
「やってくれんじゃねーか、ジュラ=バッキンガム!!」
ダズは周囲を見回し敵戦力の総員を確認する。20、いや30はくだらないか。情報よりも多いその数、完全にどこかの闇組織が加勢していることになる。
ーーフッ!!おもしれーー!!こっちは任せろよグレイ。そっちは頼んだぞ!!
この場にいない弟子の身を案じつつも、信頼し切った態度のダズは、目の前の雑魚の群れと対峙する。
『夕闇への誘い』
闇属性魔法を媒介としたオプションゲートの一種であり、マナが続く限り一度捕らえた相手を力尽きるまで逃さない異空間点在魔法。
『第一の間』
「どこだここ…」
「やっと出番が回って来ましたか…」
第一の間に誘われたのはシオン。そして相対するは白マントに白フードを羽織った顔の見えない敵。『サモン・スカルパー』の事前資料に無い風貌。おそらくセイメイと同じ十光の1人であろうそいつは両手に紫の雷属性オーラを帯電させて臨戦態勢に入っていた。
「紫電か…」
紫電、黒雷とは別に、雷属性魔法の特異点である『霹』の一歩手前。相当な出力とスピード、そして鋭さを極限の手前まで磨き上げた属性。それでも、相手取るは若くして十冠を2年連続受賞した煉獄の使い手。そう簡単には攻略できるほど甘くはない。
「フヘヘ、金貨1071枚、私のものですよ!!!雷の舞紫電ver.」
鋭さとそこそこな速さで紫電を空間全体に放出してシオンを迎撃する敵。
「煉獄・炎纏い」
バチバチバチバチ!!!!ボボボボボッッッ!!
シオンは右手で剣を抜き、煉獄の炎を纏わせ、自分へ伸びる紫電の雷を受け切る。
複数に伸びる紫電を避け、避けきれないものは炎纏いで捌き、徐々に敵へ詰め寄っていく。
最後の一撃を受け止め、そのまま剣を地面に突き刺し魔法を展開する。
「煉獄・陽炎」
突き刺した剣から前方へ、地面を這うように広がっていく黒炎は低く、広く展開されていく。
ボボボボボッッッ!!!!!
陽炎展開と同時にシオンは剣を地面から抜き、足腰に力を入れ、地面と平行に跳び、空を切るように詰め寄る。低域で広く展開された陽炎を避けるには上へ飛ぶしかない。その選択肢さえ潰す作戦。
「なんと、齢15にして、この手慣れさ…恐怖。けれど、甘いですよ」
ーーサンダーシェル・紫電ver.
敵はまるで自分を雷の球体にでも包んでいるかのように、紫電を球体状に広げ陽炎を寄せ付けずに押し返す。
「攻防一体の汎用技か…足りないな…範囲が。煉獄・焔ノ繭…」
カカカカカッ!!!!ボゥ!!!
シオンは空を跳びながら、剣を地につけ、地を這う黒炎を回収するかのように剣へ伝い、纏わせた黒炎を増大させ、改めて次の魔法へと昇華させる。回収した黒炎を斬り飛ばし、敵のサンダーシェルを覆うように黒炎で囲む。敵がサンダーシェルを解けば黒炎で襲いかかり、それを防ぐにはサンダーシェルを常に展開し続けなければならない。これが防御に転じた者の宿命。ここからはマナの総量と我慢比べ。シオンは黒炎を消さない限り負けはない状況に持っていく。
「チェックだ…」
バチバチバチバチ!!!!ボボボボボッッッ!!!
終始消えないサンダーシェルと焔ノ繭。互いに一歩も引かない状況。いや、敵は引けないというべきか。
「そんな…よもやここまでの子供にしてやられるとは」
フッ…。
「??」
「奥の手とは最後まで取っておく物ですよ」
敵は白いマントの奥から細い柄を取り出す。
「人器、解放!!」
敵が十光である可能性を視野に入れていた以上、こうなることは予想できたこと。
「爆ぜろ!!」
シオンは左手を握りしめ、焔ノ繭を圧縮させ、無理やり黒炎で燃やし尽くして、後退する。しかし、黒炎の奥から一縷の光が伸びるのが見えた。
ーーー------------------
『第二の間』
ジュラの攻撃が展開されてすぐ、シオンの声に呼応するように手を伸ばしたグレイ。しかし、一瞬にしてシオンとは別の異空間に飛ばされてしまった。
「いててて、あのコウモリ、噛んできやがって、」
「フォッホッホッホッホッ!!!君には少しマーキングをさせてもらいましたよ。君がグレイなのでしょ?」
「そういうあんたは、さっき上に立ってたやつ!!」
「ジュラですよ。ジュラ=バッキンガム、君たちの標的でしょ」
「そうか…じゃあ俺は、大当たりってわけだ」
「大外れですよ、フォッフォッフォッ!!」
ジュラはすぐさま体を分離させ、黒いコウモリの状態でグレイに襲いかかる。
「またそれかよ!」
グレイは自慢の動体視力でコウモリ1匹1匹の動きをよく見て、体術で対処していくが、あまりにも数が多すぎて、腕や足、首に腹など、色々な箇所を噛みつかれてしまう。
「イテテ!!クソ!!!!あっち行け!!」
傷は浅いもののところどころから出血してしまうグレイ。
「クソーー、俺魔法効かないはずなのに…やっぱりヴァパイアって話は本当か」
「フォーーホッホッホッホッ!!!いい気味ですな。こんなガキが、この私の首元を噛みちぎるだと…とんだ笑い話だ。闇属性魔法・ゲート」
ジュラは自分の真横とグレイの背後をゲートで繋ぎ、拳を伸ばす。
「?!…後ろ!」
バンッ!!!
グレイの反射神経は冴えており、ジュラの奇襲の一撃を腕で止める。
「ほぉ~やりますねぇ~ならこれはどうです?」
ーー闇属性魔法・ダークハンド!
ボンッ!ボンッ!ボンッ!
ジュラは空中に3つの闇の玉を生成し、その玉は次第に腕の形を形成していき、拳を握りしめて、グレイを殴りつけていく。
ドドドドドドドッ!!!!!
闇属性魔法のオーラで生成された拳のラッシュを喰らうグレイ。全身ガードの姿勢で受けるが、この攻撃は大したダメージにはならない。
「ほぉ~~下調べ通り。君には魔法攻撃があまり効かないらしい。確認できてよかったよ」
ーー蝙蝠の群れ!
またしてもジュラは無数のコウモリに分かれて攻めてくる。
「鬱陶しいな!!そればっかで」
パリンッ!!
グレイはアルビニウムのケースを割り、広域に白炎を展開して攻めてくるコウモリたちを燃やしていく。
「「「「「イギャァァァァァアアア!!!!!焼ける!!焼ける!!!焼けるぅぅぅ!!!」」」」
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「まさかあんた、このいくつかが本体なのか…?!」
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ギロッ!!
ジュラは自分の化粧の下を見られたことに腹を立て、グレイを睨みつける。
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