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第二章 〜家族のカタチ
37話 『天地雷炎』
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巨大な隕石と単身ぶつかり合ったハナは、ボロボロになりながら落ちてきたところをミヒャに助けられ、タツマキが駆け寄る。自分の白い膝にハナの頭を置き、楽な体制を取らせ話しかけるタツマキ。
「大丈夫?!」
「ゴホッゴホッ!アタシ…やれたの?」
「すごいよ貴女!1人であの巨大な隕石を破壊したのよ!貴女は多くの人の命を救ったのよ!誇っていいわ」
「そう…。」
喉は焼け、あまり喉を酷使した会話はできない。全身も皮膚が捲れ、部分的に黒く焦げ、まるで硬化してるかのような硬度と悪臭を漂わせる。
ーー傷だらけ、火傷だらけの女。水商売じゃ一銭の価値にもならないだろうな~。
「本当に…無価値…」
「そんなことないわよ!貴女は誰よりも勇敢で、誰よりも強く、誰よりも心優しい子よ」
「?!…クッ…フゥッ…クックッァッア(泣)」
初めて人にそんなことを言われた気がする。
そして、何か吹っ切れたのか、急に心の底から込み上げてくる涙。今まで自分が犯してきた罪が綺麗さっぱり無くなるわけじゃない。それでも、人生で初めて救われた感覚を知るハナ。
「タツマキさん…」
「何ぃ?」
「アタシの髪の色…どお?…」
「?…。すごくカッコいい!燃え盛る炎みたいで…すごくかっこいいよ。それにウチのミヒャと同じ!ねっ」
「オソロ…」
急にタツマキに振られるミヒャだったが、左手でピースをし、右手の人差し指で髪を巻き取り、不器用な無表情を見せつつも神対応をするミヒャ。
「…クッ…ァァフッ、そっか…」
自分の赤毛をカッコいいと褒めてくれたタツマキ。実の母親に恐怖を植え付け、突き放されるほどに嫌われていた赤毛。忌み嫌う父親の赤毛。自分でさえ嫌いになっていたこの赤毛を、燃え盛る炎のようだと、褒めてくれたタツマキに涙を流しながらも、くしゃくしゃな笑顔で笑って応えるハナ。
ーーこの赤毛を、生まれて初めて好きになれたよ…お母さん。
喜びに暮れ、この時間が一生続けばいいのにと、そう願ったハナだったが、幸せな時間はそう長くは続かないもので、運命はとても酷く、辛い結果を引き寄せる。
「アッァァ?!」
「え?、どうしたの?」
まるで喉を詰まらせたかのように呼吸困難で苦しみ出すハナ。両腕に力が入らないのか、胸を抑えることさえままならない状況で、発汗と発熱、そして、めまいが襲いかかる。
「ぁぁぁあああああ!!!!」
「ちょっと!!ミヒャ!助けて!!この子苦しんでる!ミヒャ!!!」
「…どうすれば…。」
「ぐぅうぁぁぁあああああ!!!!」
「「?!」」
次は、ハナを守る形で戦闘不能になったデモンズが意識を取り戻したかと思ったら、胸を抑え苦しみ出している。
「何?!一体何が起こってるの?」
「…わからない。」
---------------------
「デモンズも、ハナもやられたか…あとはナギだけか。まぁいい。4人分で事足りるだろう」
「そろそろ幕引きと行こうか、マタタビ=ダンストン。」
「?!」
ーーマナドレイン。
ハナ、デモンズ、カガチ、トールに対して、事前に仕込んでいた呪詛魔法・マナドレインを使用し、体内からマナを吸い上げ我が物とするセナ。風属性魔法を駆使し、空を駆けるセナ。空中に佇み、自分のマナと合わせ、膨大なマナを練り上げ、マタタビ、カイト、ボーディアンに対し、大規模な魔法を展開させ襲いかかるセナ。
「崇め奉れ!天地雷炎」
天から使えし龍の化身。
地表を平す龍の化身。
雷を喰らい尽くす龍の化身。
炎を纏いし龍の化身。
天地雷炎の4属性を司る4種の龍の化身を魔力で創成し、マタタビへ差し向けるセナ。
「平伏しろ、か弱き人の子よ。」
ビュウビュウビュウ!!ガガガガガ!!ゴロゴロゴロゴロ!!パチパチパチパチ!!
「なんだ…これは…」
人が生み出せる魔法の範疇を超えていると語るマタタビ。複合属性魔法の2種同時発動でさえ驚きを隠せないというのに、次は4種の龍だなんて、とんだ笑い話であった。まるで神話に出てくる動体だけで翼などを持たないドラゴン、『龍』そのものであった。4体の龍に囲まれるカイトとボーディアン、そしてマタタビは、それでも抗おうと、光属性魔法や火属性魔法、風属性魔法など自分の得意な属性魔法を展開し、龍に放つ。
手ごたえはある。マタタビの風属性魔法は1体の体を突き破る。しかし、すぐに再生し、元の形に戻る。これが魔法攻撃だというのなら、元になるエネルギーはマナ。もしかすると、セナのマナが底を尽きない限り、この龍たちは幾度も再生を繰り返すのだろうか。マタタビの脳裏をよぎる不吉な思考。
「マタタビさん、どうしましょう…」
「万策尽きたか…」
「それならば展開している術者を狙うのみ」
「「?!」」
マタタビは、得意とする風属性に火属性を織り交ぜ、複合させ熱属性のオーラを作り出す。熱属性のオーラを両手に纏いながら、風属性魔法を駆使して空を駆けるマタタビ。
「セナ!貴様の好きにはさせんぞ!」
「無駄だ…天地雷炎は完全無欠。一縷の隙などない!」
セナに向かい一直線に飛ぶマタタビに、1体の龍が差し向けられ、セナの正面で対峙する。属性は天地雷炎の『炎』。
「熱属性魔法・バーニング・ストーム」
「焼き尽くせ!天地雷炎!」
ボウーーーーーーーー!!!
渦を巻きながら火力を上げていくバーニング・ストームに対して、正面からぶつかる『炎』龍。ぶつかり合う2つの魔法だが、押しているのはセナの操る龍であった。
「何故だ!複合属性魔法が…単一の力に、押されるだと!」
「当たり前だ!この力は5人分のマナを媒介とした出力なのだから!」
「5人分…まさか、さっきの叫び声と関係が…」
「フッ、フッハッハッハッハッ!!…終わりだ!」
完全に出力で負けているマタタビは、炎龍に圧倒され、地に叩きつけられる。そのままカイト、ボーディアン、マタタビの3人を囲んで逃さないようにしていた天龍、地龍、雷龍の3体ら、円を描くように3人の周りを周回し、徐々にエリアを狭めていく。
「こいつら!どんどん詰めてきているぞ!」
「どうすりゃいいんだよ!」
「俺が切る!」
バチバチバチバチン!!!
染井時雨を抜き、龍の胴体を切り裂こうとするボーディアンだったが、狙った相手が雷龍であったため、刃を胴体に通したと同時に感電してしまう。
「クハァ…」
「うぁぁああ!!!ルクス・アルケミス!!槍!」
ルクス・アルケミスで槍を生成するカイト。そのままその槍を投げつけるも、今度の相手は地龍。その鱗の強靭さたるや、全く刃を通さなかった。
「なんだよ…これ、」
「理解したか、天地雷炎の完全無欠の強さを!!お前らごときじゃ攻略などできやしない!!そのまま讃える姿勢で、死ね…」
「クソォォォォオオオ!!!!」
最後に聞こえたカイトの悲痛の叫び。そのまま3人は、渦を巻く3体の風属性と土属性と雷属性の龍の形をした大規模魔法に飲み込まれ、ズタボロにされる。そのまま使い古された雑巾のように地べたに放り出される。
「巫女を連れてこい。グリムデーモンの封印を解く…」
「「「「了解!」」」」
巫女の身柄を預けられていた構成員たちは、ミヅキをセナの元まで運ぼうとしたが、唐突に目覚めたミヅキは、格闘術で構成員たちをぶちのめしていく。
「オラ!はなせ!!この!オラ!」
「グハァ!!」
「グホォ!!…カハッ」
鳩尾や顎など、人の急所を理解して狙った立ち回りのミヅキ。武術心得のあるミヅキに魔法や武器を駆使しないなんて舐めすぎでいた。
「一体、いつから目が覚めていたんだい?」
「最初っからよ!隙が生まれるのを待ってたのよ!」
「そうか。なら君は、仲間が死ぬかもしれないギリギリの状況でも寝たフリを決め込んでいたわけか…薄情な女だ」
「何が言いたいのよ!」
「こんなやつを仲間として受け入れた彼らが、不憫で仕方ないね」
「そういうあんたは、仲間を道具としか思ってないみたいだけど、」
「いいや。それを望んだのは彼女らだ。俺は、1人を望んだ。それでも付いてくる意志を見せた。ただそれだけだ」
1人を望むセナに自ら付いてくる意志を見せたハナたち。マナドレインの餌食となり、ただセナが強力な魔法を展開するための礎、道具として扱われた彼女らは、まるで初めからそれを望んでいたかのような口ぶりで語るセナ。
「こういう形にはなってしまったが…彼女らの意志はしっかりと受け継ごう。ドセアニアへの復讐を果たしてな!天地雷炎!」
「?!…またあの龍たち!」
「あまり抵抗しないでくれよ?アリごときを潰さず生かすのは難しいんだ…」
ミヅキをアリに例えるセナ。非力で、魔法もろくに扱えず、ただ気が強いだけの少女。セナの目にはミヅキはその程度にしか映っていなかった。
天地雷炎、4種の龍に囲まれるミヅキ。絶体絶命の中で、援軍が助けに駆けつける。
「?!…ナギがやられた…まさか」
ミヅキを追い詰めたセナ。しかし、その直後にマナをリンクさせていたナギが何者かに倒されたことを感じ取るセナ。もちろん対峙していたハルミの可能性も捨てきれなかったが、セナを襲う不吉な予感。
その不吉な予感は現実味を帯び、セナの目の前に姿を現す。
「シスター!!!」
ーー水星剣・乱気水流波。
「はい!!ストレングス・アップ・乱気水流波!!」
ソウヤの剣技。水星剣・乱気水流波は、水属性のオーラを刀に纏い、振り払うことで、三日月型の飛ぶ斬撃を放つ魔法であり、その乱気水流波の出力を底上げするバフを付与するリリアン。通常の2倍近い出力で放たれた攻撃は炎龍と地龍の首をいとも簡単に真っ二つに破る。
「ほぉ…単一でマタタビの熱属性魔法と同等の出力を出すか…。シスター・リリアン、1番厄介なやつがきたな。」
「ミヅキさん?!」
「リリアン?!!」
数日顔を合わせなかっただけで、なんだか懐かしく思う2人。
「よかったです…ご無事で」
「助けにきてくれてありがとう…リリアン」
ソウヤとリリアン、それに遅れて合流するグレイとハルミ。
「助かったよみんな。僕の相手は逃げ回りすぎて厄介だったんだ。」
ハルミが相手していたナギは、先に倒されたカガチの急変具合に嫌な予感を覚え、倒されないことに尽力を尽していたため、ハルミといえど手を焼いていたが、ソウヤの不意打ちで簡単に倒してみせた。勿論倒されたナギも同様、セナにマナを吸収されてしまう。
そして最後に合流したシュウ。彼は、刀を強く握りしめ、セナ相手に怒りを露わにしていた。
「ナナシ…いや、セナ!人の厚意を利用し、命を簡単に弄ぶような貴様を、俺は許さない!」
「同感だ。僕の相手にも同じことをしたんだろ?許しちゃおけないな」
マナドレインでカガチとナギを苦しめたことについて言及するシュウとハルミ。ホーリー・シンフォ、ならびにレオネード・ハーツの2大エースを怒らせたセナ。
グレイ、ミヅキ、ソウヤ、ハルミ、シュウ、リリアンを前に、1人で戦うことになってしまったセナ。圧倒的に不利な状況でありながらも余裕の表情を崩さないセナ。そんな彼の表情を曇らせる存在が現れる。
「なぜ…お前がここにいる?…ゼクシード…」
グレイらと共に行動していた、ゼクシード=インフェルノであった。
「セナ、もう終わりにしよう。君の復讐劇もこれで幕引きだ。もう多くの人を苦しめるな…!」
「何を言うかと思えば…とことん人の足を引っ張るのが好きらしい。忘れるなよゼクシード。お前は疫病神だ。お前の協力を得た陣営は、必ず不幸な目に遭う。フッ、俺の勝ちだ」
ゼクシードはポケットの中に隠し持っていた白い悪魔を強く握りしめ、セナを見つめていた。セナが自分を嘲笑い、警戒せずにいてくれれば、それだけセナの隙は生まれる。その隙つき、1発で決めなければならない。
この白炎の力で、セナを倒す。セナの隙を見逃すな。
『グレイ、兄さんが…』
グレイの側を飛行する光の球が、耳元で話しかけてくる。その光の球は何やら兄を気にかけるようなそぶりを見せていたが、それがカイトに向けられたものだと知るグレイは、カイトに目を落とす。意識を飛ばし、ボロボロな姿で横たわるカイト、マタタビ、ボーディアンたち。
「貴方がやったんですね」
「ん?…あぁ彼らのことか。口ほどにもなかったよ…フッ」
『グレイ…』
「分かってます…必ずカイトさんたちを、助けます!…見てて下さいハルトさん」
---------------------
早馬を無くし、自分たちの足で走ってダイドウ深淵窟を目指していた途中に出会った光の球。何やらダイドウ深淵窟付近を飛び回り、自分のことを視認できる人間を探していたらしいその球は、グレイと出会う。
『誰か!誰か!』
「なんですかあれは…」
「どうしたの?グレイ君」
「あれですよ!あの光ってる」
「どれ?」
グレイの指差す方角に目を向けるソウヤだったが、ソウヤには何も見えず、グレイにだけ光の球は見えていた。そして、その光の球が発する言葉さえ、グレイにしか聞こえない。
『?!!!…まさか』
グレイは少しずつ光の球に近づいていくと、光の球は、まるで元気な子どものようにグレイの周囲を飛び回る。
『まさか?!僕のこと見えるの?!?!グレイ』
「は、はい!見えます!聞こえます!な、名前も」
『知ってるよ!グレイ!グレイ!グレイ!』
「はい!グレイです!はい!」
「一体彼は何と話してるんだい?」
「さぁ…僕らには見えない何か…」
「おばけですか?!」
「彼は天然なのかい。でも、こんなことしてる場合じゃないんだが…」
グレイの奇行を遠くから見つめるソウヤたち。色々な事象が起こりすぎて頭がおかしくなってしまったのかと心配するが、幾度も響き渡る地震や轟音。今ダイドウ深淵窟では激闘が繰り広げられているため、ここで足を止めている場合じゃないのに。
「どうして僕のことを」
『ずっと見てたからね、あっちの世界で』
「一体あなたは…」
『僕の名前はハルト。グレイが知るカイトの弟です!』
「えぇぇぇぇ?!ハルトさん?!」
グレイの周りを飛びまわる光の球は、自らのことをハルトと名乗りグレイに近づいてきた。
『でっかい船や海賊船で兄さんと戦ってたね!全部知ってるよ』
あっちの世界と呼ぶ場所から自分が見てきた光景をグレイに語り信用を得ようとするハルト。今までカイトの周辺で起きた出来事は全て話せると言う。
「僕たちは貴方に会いにここまで…」
『そんなことよりグレイ!助けて欲しいんだ!兄さんが死にそうなんだ』
「カイトさんが?!」
ダイドウ深淵窟で自分が見た光景を端的に伝えるハルト。白髪の青年が4体の龍を生み出し、カイトたちを襲おうとしていたこと。どれだけ抗おうとしても太刀打ちできなかったこと。それにいても立ってもいられなくなったハルトは、あっちの世界から舞い戻り、カイトを救ってくれる救世主を探し深淵窟の周辺やドセアニアに至るまで飛び回っていたという。しかし、誰の目にも自分の姿は映らず、声も聞こえず、干渉できないことに気づき諦めかけていた時に、グレイだけが自分に気付いたため、グレイに助けを求めたと言う。
『グレイ!兄さんを助けて!』
「はい!任せてください!」
「皆さーーーん!!急ぎましょう!カイトさんたちが危険な状態です!」
「なんだって?!」
「急ぎましょうか!」
『僕が近道を教えるよ!』
ハルトの道案内のもと最短距離でカイトたちの元へ走るグレイたち。
---------------------
そして現在。
セナの周囲でボロボロな姿で横たわるカイトたちを見てグレイは激怒する。
「貴方だけは…絶対に許さない!ミヅキさんを傷つけて、マタタビさんを、カイトさんを、ボーディアンさんを、多くの人たちを、それに自分を慕う仲間たちもだ、全員を傷つけ、不幸をばら撒き続ける貴方を、僕は絶対に許さない!」
前へ踏み出すグレイの肩に並ぶシュウとハルミ。
「「「今度は…僕(俺)たちが相手だ!!」」」
「やってみろよ!!平和ぼけした世界で宣うアマどもが!」
天地雷炎を再展開し、マナを注ぎ込むことで切られた龍の頭を再生させるセナ。
さらに両手にはシャボン玉を複数個生成。中には多種多様な属性オーラが込められ、それらを複合させることで泥属性魔法と㵢属性魔法を準備する。
これほどの大規模な魔法を展開し続けても尽きることのないセナのマナ総量。そして、5人からマナドレインで吸収した分を上乗せして、自分を含め6人分のマナ総量を誇るセナは、まるで生きたゾンビのように暴れ回る。
「貴様ら全員を殺して、再び巫女を手中に収め、グリムデーモンを復活させる!計画に狂いはない!」
「そんなこと絶対にさせるもんか!」
色々な思惑が交差する奴隷解放戦線第2ラウンド、始動!
「大丈夫?!」
「ゴホッゴホッ!アタシ…やれたの?」
「すごいよ貴女!1人であの巨大な隕石を破壊したのよ!貴女は多くの人の命を救ったのよ!誇っていいわ」
「そう…。」
喉は焼け、あまり喉を酷使した会話はできない。全身も皮膚が捲れ、部分的に黒く焦げ、まるで硬化してるかのような硬度と悪臭を漂わせる。
ーー傷だらけ、火傷だらけの女。水商売じゃ一銭の価値にもならないだろうな~。
「本当に…無価値…」
「そんなことないわよ!貴女は誰よりも勇敢で、誰よりも強く、誰よりも心優しい子よ」
「?!…クッ…フゥッ…クックッァッア(泣)」
初めて人にそんなことを言われた気がする。
そして、何か吹っ切れたのか、急に心の底から込み上げてくる涙。今まで自分が犯してきた罪が綺麗さっぱり無くなるわけじゃない。それでも、人生で初めて救われた感覚を知るハナ。
「タツマキさん…」
「何ぃ?」
「アタシの髪の色…どお?…」
「?…。すごくカッコいい!燃え盛る炎みたいで…すごくかっこいいよ。それにウチのミヒャと同じ!ねっ」
「オソロ…」
急にタツマキに振られるミヒャだったが、左手でピースをし、右手の人差し指で髪を巻き取り、不器用な無表情を見せつつも神対応をするミヒャ。
「…クッ…ァァフッ、そっか…」
自分の赤毛をカッコいいと褒めてくれたタツマキ。実の母親に恐怖を植え付け、突き放されるほどに嫌われていた赤毛。忌み嫌う父親の赤毛。自分でさえ嫌いになっていたこの赤毛を、燃え盛る炎のようだと、褒めてくれたタツマキに涙を流しながらも、くしゃくしゃな笑顔で笑って応えるハナ。
ーーこの赤毛を、生まれて初めて好きになれたよ…お母さん。
喜びに暮れ、この時間が一生続けばいいのにと、そう願ったハナだったが、幸せな時間はそう長くは続かないもので、運命はとても酷く、辛い結果を引き寄せる。
「アッァァ?!」
「え?、どうしたの?」
まるで喉を詰まらせたかのように呼吸困難で苦しみ出すハナ。両腕に力が入らないのか、胸を抑えることさえままならない状況で、発汗と発熱、そして、めまいが襲いかかる。
「ぁぁぁあああああ!!!!」
「ちょっと!!ミヒャ!助けて!!この子苦しんでる!ミヒャ!!!」
「…どうすれば…。」
「ぐぅうぁぁぁあああああ!!!!」
「「?!」」
次は、ハナを守る形で戦闘不能になったデモンズが意識を取り戻したかと思ったら、胸を抑え苦しみ出している。
「何?!一体何が起こってるの?」
「…わからない。」
---------------------
「デモンズも、ハナもやられたか…あとはナギだけか。まぁいい。4人分で事足りるだろう」
「そろそろ幕引きと行こうか、マタタビ=ダンストン。」
「?!」
ーーマナドレイン。
ハナ、デモンズ、カガチ、トールに対して、事前に仕込んでいた呪詛魔法・マナドレインを使用し、体内からマナを吸い上げ我が物とするセナ。風属性魔法を駆使し、空を駆けるセナ。空中に佇み、自分のマナと合わせ、膨大なマナを練り上げ、マタタビ、カイト、ボーディアンに対し、大規模な魔法を展開させ襲いかかるセナ。
「崇め奉れ!天地雷炎」
天から使えし龍の化身。
地表を平す龍の化身。
雷を喰らい尽くす龍の化身。
炎を纏いし龍の化身。
天地雷炎の4属性を司る4種の龍の化身を魔力で創成し、マタタビへ差し向けるセナ。
「平伏しろ、か弱き人の子よ。」
ビュウビュウビュウ!!ガガガガガ!!ゴロゴロゴロゴロ!!パチパチパチパチ!!
「なんだ…これは…」
人が生み出せる魔法の範疇を超えていると語るマタタビ。複合属性魔法の2種同時発動でさえ驚きを隠せないというのに、次は4種の龍だなんて、とんだ笑い話であった。まるで神話に出てくる動体だけで翼などを持たないドラゴン、『龍』そのものであった。4体の龍に囲まれるカイトとボーディアン、そしてマタタビは、それでも抗おうと、光属性魔法や火属性魔法、風属性魔法など自分の得意な属性魔法を展開し、龍に放つ。
手ごたえはある。マタタビの風属性魔法は1体の体を突き破る。しかし、すぐに再生し、元の形に戻る。これが魔法攻撃だというのなら、元になるエネルギーはマナ。もしかすると、セナのマナが底を尽きない限り、この龍たちは幾度も再生を繰り返すのだろうか。マタタビの脳裏をよぎる不吉な思考。
「マタタビさん、どうしましょう…」
「万策尽きたか…」
「それならば展開している術者を狙うのみ」
「「?!」」
マタタビは、得意とする風属性に火属性を織り交ぜ、複合させ熱属性のオーラを作り出す。熱属性のオーラを両手に纏いながら、風属性魔法を駆使して空を駆けるマタタビ。
「セナ!貴様の好きにはさせんぞ!」
「無駄だ…天地雷炎は完全無欠。一縷の隙などない!」
セナに向かい一直線に飛ぶマタタビに、1体の龍が差し向けられ、セナの正面で対峙する。属性は天地雷炎の『炎』。
「熱属性魔法・バーニング・ストーム」
「焼き尽くせ!天地雷炎!」
ボウーーーーーーーー!!!
渦を巻きながら火力を上げていくバーニング・ストームに対して、正面からぶつかる『炎』龍。ぶつかり合う2つの魔法だが、押しているのはセナの操る龍であった。
「何故だ!複合属性魔法が…単一の力に、押されるだと!」
「当たり前だ!この力は5人分のマナを媒介とした出力なのだから!」
「5人分…まさか、さっきの叫び声と関係が…」
「フッ、フッハッハッハッハッ!!…終わりだ!」
完全に出力で負けているマタタビは、炎龍に圧倒され、地に叩きつけられる。そのままカイト、ボーディアン、マタタビの3人を囲んで逃さないようにしていた天龍、地龍、雷龍の3体ら、円を描くように3人の周りを周回し、徐々にエリアを狭めていく。
「こいつら!どんどん詰めてきているぞ!」
「どうすりゃいいんだよ!」
「俺が切る!」
バチバチバチバチン!!!
染井時雨を抜き、龍の胴体を切り裂こうとするボーディアンだったが、狙った相手が雷龍であったため、刃を胴体に通したと同時に感電してしまう。
「クハァ…」
「うぁぁああ!!!ルクス・アルケミス!!槍!」
ルクス・アルケミスで槍を生成するカイト。そのままその槍を投げつけるも、今度の相手は地龍。その鱗の強靭さたるや、全く刃を通さなかった。
「なんだよ…これ、」
「理解したか、天地雷炎の完全無欠の強さを!!お前らごときじゃ攻略などできやしない!!そのまま讃える姿勢で、死ね…」
「クソォォォォオオオ!!!!」
最後に聞こえたカイトの悲痛の叫び。そのまま3人は、渦を巻く3体の風属性と土属性と雷属性の龍の形をした大規模魔法に飲み込まれ、ズタボロにされる。そのまま使い古された雑巾のように地べたに放り出される。
「巫女を連れてこい。グリムデーモンの封印を解く…」
「「「「了解!」」」」
巫女の身柄を預けられていた構成員たちは、ミヅキをセナの元まで運ぼうとしたが、唐突に目覚めたミヅキは、格闘術で構成員たちをぶちのめしていく。
「オラ!はなせ!!この!オラ!」
「グハァ!!」
「グホォ!!…カハッ」
鳩尾や顎など、人の急所を理解して狙った立ち回りのミヅキ。武術心得のあるミヅキに魔法や武器を駆使しないなんて舐めすぎでいた。
「一体、いつから目が覚めていたんだい?」
「最初っからよ!隙が生まれるのを待ってたのよ!」
「そうか。なら君は、仲間が死ぬかもしれないギリギリの状況でも寝たフリを決め込んでいたわけか…薄情な女だ」
「何が言いたいのよ!」
「こんなやつを仲間として受け入れた彼らが、不憫で仕方ないね」
「そういうあんたは、仲間を道具としか思ってないみたいだけど、」
「いいや。それを望んだのは彼女らだ。俺は、1人を望んだ。それでも付いてくる意志を見せた。ただそれだけだ」
1人を望むセナに自ら付いてくる意志を見せたハナたち。マナドレインの餌食となり、ただセナが強力な魔法を展開するための礎、道具として扱われた彼女らは、まるで初めからそれを望んでいたかのような口ぶりで語るセナ。
「こういう形にはなってしまったが…彼女らの意志はしっかりと受け継ごう。ドセアニアへの復讐を果たしてな!天地雷炎!」
「?!…またあの龍たち!」
「あまり抵抗しないでくれよ?アリごときを潰さず生かすのは難しいんだ…」
ミヅキをアリに例えるセナ。非力で、魔法もろくに扱えず、ただ気が強いだけの少女。セナの目にはミヅキはその程度にしか映っていなかった。
天地雷炎、4種の龍に囲まれるミヅキ。絶体絶命の中で、援軍が助けに駆けつける。
「?!…ナギがやられた…まさか」
ミヅキを追い詰めたセナ。しかし、その直後にマナをリンクさせていたナギが何者かに倒されたことを感じ取るセナ。もちろん対峙していたハルミの可能性も捨てきれなかったが、セナを襲う不吉な予感。
その不吉な予感は現実味を帯び、セナの目の前に姿を現す。
「シスター!!!」
ーー水星剣・乱気水流波。
「はい!!ストレングス・アップ・乱気水流波!!」
ソウヤの剣技。水星剣・乱気水流波は、水属性のオーラを刀に纏い、振り払うことで、三日月型の飛ぶ斬撃を放つ魔法であり、その乱気水流波の出力を底上げするバフを付与するリリアン。通常の2倍近い出力で放たれた攻撃は炎龍と地龍の首をいとも簡単に真っ二つに破る。
「ほぉ…単一でマタタビの熱属性魔法と同等の出力を出すか…。シスター・リリアン、1番厄介なやつがきたな。」
「ミヅキさん?!」
「リリアン?!!」
数日顔を合わせなかっただけで、なんだか懐かしく思う2人。
「よかったです…ご無事で」
「助けにきてくれてありがとう…リリアン」
ソウヤとリリアン、それに遅れて合流するグレイとハルミ。
「助かったよみんな。僕の相手は逃げ回りすぎて厄介だったんだ。」
ハルミが相手していたナギは、先に倒されたカガチの急変具合に嫌な予感を覚え、倒されないことに尽力を尽していたため、ハルミといえど手を焼いていたが、ソウヤの不意打ちで簡単に倒してみせた。勿論倒されたナギも同様、セナにマナを吸収されてしまう。
そして最後に合流したシュウ。彼は、刀を強く握りしめ、セナ相手に怒りを露わにしていた。
「ナナシ…いや、セナ!人の厚意を利用し、命を簡単に弄ぶような貴様を、俺は許さない!」
「同感だ。僕の相手にも同じことをしたんだろ?許しちゃおけないな」
マナドレインでカガチとナギを苦しめたことについて言及するシュウとハルミ。ホーリー・シンフォ、ならびにレオネード・ハーツの2大エースを怒らせたセナ。
グレイ、ミヅキ、ソウヤ、ハルミ、シュウ、リリアンを前に、1人で戦うことになってしまったセナ。圧倒的に不利な状況でありながらも余裕の表情を崩さないセナ。そんな彼の表情を曇らせる存在が現れる。
「なぜ…お前がここにいる?…ゼクシード…」
グレイらと共に行動していた、ゼクシード=インフェルノであった。
「セナ、もう終わりにしよう。君の復讐劇もこれで幕引きだ。もう多くの人を苦しめるな…!」
「何を言うかと思えば…とことん人の足を引っ張るのが好きらしい。忘れるなよゼクシード。お前は疫病神だ。お前の協力を得た陣営は、必ず不幸な目に遭う。フッ、俺の勝ちだ」
ゼクシードはポケットの中に隠し持っていた白い悪魔を強く握りしめ、セナを見つめていた。セナが自分を嘲笑い、警戒せずにいてくれれば、それだけセナの隙は生まれる。その隙つき、1発で決めなければならない。
この白炎の力で、セナを倒す。セナの隙を見逃すな。
『グレイ、兄さんが…』
グレイの側を飛行する光の球が、耳元で話しかけてくる。その光の球は何やら兄を気にかけるようなそぶりを見せていたが、それがカイトに向けられたものだと知るグレイは、カイトに目を落とす。意識を飛ばし、ボロボロな姿で横たわるカイト、マタタビ、ボーディアンたち。
「貴方がやったんですね」
「ん?…あぁ彼らのことか。口ほどにもなかったよ…フッ」
『グレイ…』
「分かってます…必ずカイトさんたちを、助けます!…見てて下さいハルトさん」
---------------------
早馬を無くし、自分たちの足で走ってダイドウ深淵窟を目指していた途中に出会った光の球。何やらダイドウ深淵窟付近を飛び回り、自分のことを視認できる人間を探していたらしいその球は、グレイと出会う。
『誰か!誰か!』
「なんですかあれは…」
「どうしたの?グレイ君」
「あれですよ!あの光ってる」
「どれ?」
グレイの指差す方角に目を向けるソウヤだったが、ソウヤには何も見えず、グレイにだけ光の球は見えていた。そして、その光の球が発する言葉さえ、グレイにしか聞こえない。
『?!!!…まさか』
グレイは少しずつ光の球に近づいていくと、光の球は、まるで元気な子どものようにグレイの周囲を飛び回る。
『まさか?!僕のこと見えるの?!?!グレイ』
「は、はい!見えます!聞こえます!な、名前も」
『知ってるよ!グレイ!グレイ!グレイ!』
「はい!グレイです!はい!」
「一体彼は何と話してるんだい?」
「さぁ…僕らには見えない何か…」
「おばけですか?!」
「彼は天然なのかい。でも、こんなことしてる場合じゃないんだが…」
グレイの奇行を遠くから見つめるソウヤたち。色々な事象が起こりすぎて頭がおかしくなってしまったのかと心配するが、幾度も響き渡る地震や轟音。今ダイドウ深淵窟では激闘が繰り広げられているため、ここで足を止めている場合じゃないのに。
「どうして僕のことを」
『ずっと見てたからね、あっちの世界で』
「一体あなたは…」
『僕の名前はハルト。グレイが知るカイトの弟です!』
「えぇぇぇぇ?!ハルトさん?!」
グレイの周りを飛びまわる光の球は、自らのことをハルトと名乗りグレイに近づいてきた。
『でっかい船や海賊船で兄さんと戦ってたね!全部知ってるよ』
あっちの世界と呼ぶ場所から自分が見てきた光景をグレイに語り信用を得ようとするハルト。今までカイトの周辺で起きた出来事は全て話せると言う。
「僕たちは貴方に会いにここまで…」
『そんなことよりグレイ!助けて欲しいんだ!兄さんが死にそうなんだ』
「カイトさんが?!」
ダイドウ深淵窟で自分が見た光景を端的に伝えるハルト。白髪の青年が4体の龍を生み出し、カイトたちを襲おうとしていたこと。どれだけ抗おうとしても太刀打ちできなかったこと。それにいても立ってもいられなくなったハルトは、あっちの世界から舞い戻り、カイトを救ってくれる救世主を探し深淵窟の周辺やドセアニアに至るまで飛び回っていたという。しかし、誰の目にも自分の姿は映らず、声も聞こえず、干渉できないことに気づき諦めかけていた時に、グレイだけが自分に気付いたため、グレイに助けを求めたと言う。
『グレイ!兄さんを助けて!』
「はい!任せてください!」
「皆さーーーん!!急ぎましょう!カイトさんたちが危険な状態です!」
「なんだって?!」
「急ぎましょうか!」
『僕が近道を教えるよ!』
ハルトの道案内のもと最短距離でカイトたちの元へ走るグレイたち。
---------------------
そして現在。
セナの周囲でボロボロな姿で横たわるカイトたちを見てグレイは激怒する。
「貴方だけは…絶対に許さない!ミヅキさんを傷つけて、マタタビさんを、カイトさんを、ボーディアンさんを、多くの人たちを、それに自分を慕う仲間たちもだ、全員を傷つけ、不幸をばら撒き続ける貴方を、僕は絶対に許さない!」
前へ踏み出すグレイの肩に並ぶシュウとハルミ。
「「「今度は…僕(俺)たちが相手だ!!」」」
「やってみろよ!!平和ぼけした世界で宣うアマどもが!」
天地雷炎を再展開し、マナを注ぎ込むことで切られた龍の頭を再生させるセナ。
さらに両手にはシャボン玉を複数個生成。中には多種多様な属性オーラが込められ、それらを複合させることで泥属性魔法と㵢属性魔法を準備する。
これほどの大規模な魔法を展開し続けても尽きることのないセナのマナ総量。そして、5人からマナドレインで吸収した分を上乗せして、自分を含め6人分のマナ総量を誇るセナは、まるで生きたゾンビのように暴れ回る。
「貴様ら全員を殺して、再び巫女を手中に収め、グリムデーモンを復活させる!計画に狂いはない!」
「そんなこと絶対にさせるもんか!」
色々な思惑が交差する奴隷解放戦線第2ラウンド、始動!
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