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第二章 〜家族のカタチ
26話 『非情な隕石』
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ミリオスト国内にて、地下労働施設を捜索する星界の使徒。しかし、捜索は難航し、2日経っても思うような成果をあげれないでいた。
「アルカイド様、ご報告します。ここ2日間で見張りが最も手薄に時間帯は夜19時から20時までの間で、その間5人に減るとのことです。」
「それで…地下労働施設は?」
「それは…未だ…」
「至急、増援を呼んでくれる?数は…40くらい」
「事前に30人現着しています。ここから40人も増援を呼ぶとなると、星界の使徒の半数以上に達してしまいます。」
構成員が危惧したこと。それは、七星の7人を除いた構成員の数は100人余り。そこから70人も人員を割くと、他2つの作戦と合わせて全員が出払ってしまうことになり、拠点の守りが手薄になってしまうということだった。
「な~に。一芝居打つための人員ってだけさ」
ニタリと不吉な笑みを浮かべるアルカイド。一体どんな作戦を立てているというのか。
作戦開始から4日が経ち、闇属性魔法を媒介とした簡易ゲートを複数個利用した構成員たち約40名は、アルカイドの命令によりノース大陸西部、ミリオスト国に集結した。これで星界の使徒の約7割の戦力が集結したことになる。
「アルカイド様。ご報告します。星界の使徒構成員40名現着致しました。」
「ご苦労ご苦労」
「そして、ファクダ様から伝言も預かっております。今回の作戦、半数以上の犠牲は許さないとのことです。」
「犠牲?あぁ、気にしなくていいよ。この作戦に死人は出ないから。」
ーー星界の使徒側にはね。
「それに、その次も半数を失うことはない」
完全に言い切り、構成員たちを安堵させるアルカイド。
「全員ミリオスト周辺1キロまで退避しなさい。巻き込まれるからね」
アルカイドの指示通り構成員たちはミリオスト国から次々と離れていく。
その後、占領していた家屋の屋上に登る。
アルカイドは腰につけたホルスターに収納された愛銃・ヘスティアに手を添える。
「すまないヘスティア。今回は留守番だ。」
愛銃に話しかけた後は、両手を空に挙げる。
作戦開始から4日という長い時間を浪費してしまったが、その分マナを練り上げていたアルカイドは、自分の持てる全ての力を天に向け放つ。
「ミリオストの罪なき聖者たちよ。どうか安らかに、永眠せよ…」
ーー終焉。
ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ。
地球に向かい勢いよく接近してくる何か。空はオレンジに染まり、大気の熱が上昇していく。
アルカイドの命令で事前にミリオスト国から離れていた構成員たちは空を見上げ、顔を絶望の色に染めていた。
「あれが… 搖光・アルカイド様の力…」
遠くから空を見上げる構成員たちの目線の先には、ミリオスト国の王城を飲み込むほどの巨大な隕石が接近してきていた。
アルカイドの土属性魔力は他のそれとは比べものにならない練度で、大地を揺るがし重力・斥力・引力をも操る。もはや特異点で変異したともいえる卓越した魔力。
アルカイド自身はこれを、『地』属性と呼んでいる。
地属性魔法・終焉。引力を操り、宇宙から隕石を降らせる荒技。大気圏を突破し、熱を纏いながら地球目掛けて突っ込んでくる燃えた隕石は、そのままミリオスト国王城に直撃し炸裂しながら被害を拡大させていく。
ズバーーーーーーーーーーーーーン!
たったの1日で国一つを跡形もなく滅ぼしてしまうアルカイドの特異属性。
もはや、地下労働施設がどうのと言ってる規模感ではない。そこに国があったのかも怪しいほどに、地形が変わってしまっていた。
事後報告によれば、ミリオスト国消滅。そして生存者は確認できず。約10万人の国民と王族、ならびに奴隷たちが命を落とす結果となった。
もちろん隕石を降らせた張本人であるアルカイドは卓越した土属性魔法でその身を守っていたため、命に別状はなかった。
「アルカイド様、ご無事でしたか?」
「無傷ってわけじゃないけど、まあなんとか。手当てをしてくれ。」
「了!」
構成員たちは、すぐに医療準備をしアルカイドの治療に入る。
「アルカイド様、靭と結んだ契約に関してはどうされますか?今回の一件でミリオスト国、ならびに奴隷共々皆殺しにしてしまいましたが、」
「そのための増援だろ?」
アルカイドは後から合流した40人の構成員たちに指を差し、作戦内容を改めて伝える。
「今から40人の構成員は奴隷に偽装し、靭内部に潜り込め。靭を利用し、共にドセアニアを襲撃。火の魔女書奪取後は様子を見て星界の使徒へ帰還せよ。新戦力を前線に出すことは考えにくいため、靭の指示があるまでは妙な行動は慎むこと。これより再び靭とコンタクトを取る。靭を手駒に着けに行くぞ」
「「「「「「「了!」」」」」」」
もしも、ミリオスト国に現着後、すぐに奴隷が収容されている地下労働施設が発見されていれば他の手立てがあったかもしれないが、4日間という時間はアルカイドを焦らせ、強硬策に出させてしまった。その策が、ミリオスト国自体を消滅させ、星界の使徒構成員で奴隷約40名の偽装をするというものであった。増援を呼んだ時点で、アルカイドはミリオスト国の国民を全員巻き込み、国ごと滅ぼす算段を立てていた。しかし、間違ってもアルカイドは命を軽く見てなど居なかった。誰よりも命と誠実に向き合っていると、自負している。この10万の犠牲も、全てはポラリスを照らすためにと。
後日、アルカイドは30名の構成員と40名の薄汚れた身なりに傷だらけの格好をした偽装奴隷を連れて、靭の幹部、赤毛のハナとコンタクトを取る。
ハナの目の前に奴隷たちを差し出し、契約について再度確認を取るアルカイド。
「ここにミリオスト国が保有していた40の奴隷が全ている。これでドセアニア襲撃のための協力関係を締結してくれるのだろ?」
「まさか本当にやってのけるなんて。ミリオストの追手は?」
「全て無力化した。追手は来ない。」
にわかには信じ難いが、この奴隷たちが何よりの証拠。
「いいわ。ボスの帰還次第、すぐに話をつけるわ。解放された元奴隷たちはこちらで保護するわ。」
「彼らが戦線に出ることは?」
「治療次第ではあるけど、そんなすぐに戦線に駆り出すことはないわよ」
「そうか。それなら安心だ」
ニンマリとした笑顔を仮面の内に浮かべ、奴隷の扱いに納得するアルカイド。これでファクダの伝言にあった星界の使徒の戦力の半数を失うことは無くなったため、安堵する。
そこからは靭の内情を探る。
わかったことは幹部クラスが6人はいること。
1人は、赤毛のハナ。リーダー不在ながらも常に靭をまとめ上げている逸材。多分だが靭内でも相当位が高いはず。
2人目はシャクレ顎の大男のデモンズ。常に大きめのゴーグルをつけていてその瞳はまるで見えない。こいつは赤毛のハナにつきっきりでボディーガードのような立ち位置だろう。
3人目は長身ヒョロガリのゼクシード。白衣を身に纏った姿はまるで科学者であり、現に薬品の研究を進めているらしい。靭が医療面に秀でているのもこの人間のおかげだろう。
残る3人は基地にはおらず、すでにドセアニア王国に潜伏しているとのことだった。そして最後にリーダー。そして、靭の構成員、元奴隷たちの数は100人。これだけの数がいればドセアニア王国と対等かそれ以上に渡り合える。
「ハナ様~。リーダーからの指令でさ!」
「なによ!」
靭の構成員の1人がハナに手紙を渡したのである。中身は靭リーダーからの指令らしい。
『ノース大陸南岸部、造船都市・エヴァンにて、多数の独立ギルドを確認。ドセアニアと協力関係にある可能性が高い。至急任務遂行にかかれ。』
「複数の独立ギルド?」
「ドセアニアが用心として雇ったんでしょ」
靭の幹部たちが話し合う中、アルカイドも会話に混ざる。
「次の任務とは、ドセアニア襲撃でいいんだよね?」
「えぇ。ドセアニア襲撃とグリムデーモンの封印解除よ」
「グリムデーモンの封印解除とは具体的にはどういう方法なんだい?」
「それはリーダーのみが知ることよ」
靭リーダーのみがグリムデーモンの封印解除方法を知っている。しかし、そのリーダーは現在不在。それなのに任務を遂行するということは、グリムデーモンの封印解除はいつになるのか。
「ただし、リーダーから始末しなければならない者のリストは渡されているわ」
ハナはアルカイドにリストを共有する。そのリストには現ドセアニア14代王子のアレス=ドセアニアやその臣下たち4人の名前が書かれていた。
「リストはこれだけか?」
たった5人だけしか書かれていないリストに疑問を持つアルカイド。
「この5人を始末しろとしかリーダーからは言われてないわ。もしかするとこの5人が封印に関与している可能性があるのかもね」
もしやグリムデーモンの封印方法とは、暗黒魔神王・ゼノンの封印と酷似しているのか。たったの5人、5属性封印術、ありえないことではない。もしくは、別の方法か。
「他にやることは?」
「奴隷解放運動。それもドセアニアの奴隷保有数は他国の比じゃないわ。その数562人」
「562?!」
あまりの奴隷の保有数に驚くアルカイド。
長身ヒョロガリ研究員のゼクシードはアルカイドにパソコンの画面を見せデータを共有する。
「このリストはなんだ?」
「これまでドセアニアが戦争を仕掛けて滅んだ国の死者を除いた全行方不明者のリスト」
そのデータには総数662人と書かれており、何人かの名前には斜線が入れられていた。
「この線があるのは…」
「靭の構成員。つまり、救出された人たち。あとで君たちが連れてきた元奴隷たちの身元も調べて斜線を引いていくつもり。」
アルカイドは思ってもいない事態に陥る。ミリオスト国を消滅させ、奴隷を偽装して靭に接触したが、靭は行方不明者リストというものを所持していたため、偽装がバレるのは時間の問題となってしまった。アルカイドはどうにか時間を作り、行方不明者リストの中から40人分の身元を頭に暗記させなければならない。
ーー今ここで星界の使徒が身元調査に乗り出すのは怪しまれるか…。どうにか40人分の名前と住所、生年月日くらいは。最悪、過度なストレスによる記憶喪失を偽るのもアリか…。
「そもそも私たちが解放した奴隷たちはミリオスト所有の者たちだろ?なぜドセアニアのデータが関係するんだ?」
「言ってなかったっけ?ミリオスト国はドセアニア王国の傘下。同盟とはちょっと違うけど上下関係があるからね。ドセアニアから奴隷を横流しされてるんだよ」
ここまでの情報は何となくだが頭に入っていた。ミリオスト国はここ最近幾度も戦争をしており、ドセアニア王国の後ろ盾無しでは成り立たないことは知っていた。これはあくまでも時間稼ぎ。アルカイドは怪しまれない程度に画面をスクロールし行方不明者リストを頭に叩き込む。
「奴隷の横流し。非人道的だな」
「その通りさ。ドセアニアの連中は悪魔そのもの。人の心なんか持ち合わせてないのさ」
「あなたも元は奴隷なのかい?ハナも…デモンズも…」
「そうだよ。僕たちはリーダーと共にドセアニアの同盟国であるサザン王国の所有するサザン鉱山で労働と収容を強制させられていた元奴隷で、簡単に言えば脱獄囚みたいなものだよ」
ゼクシードの話によれば、今の幹部連中は、ドセアニア王国関連の奴隷で始めて脱獄することに成功した者たちらしく、そのメンバーで結成されたのが靭らしい。
「差し支えなければ、いつ頃結成したのか教えてもらっても?」
「もう7年も前の話さ」
ーーーーー----ー-----------
7年前。
ドセアニア同盟国『サザン王国』所有のサザン鉱山にて。
上は68歳、下は10歳までの年寄りから子供までもがサザン鉱山に収容されながら採掘という労働を強制させられていた。
後に靭を発足させるリーダー・セナ=ジークフリート(当時13歳)。首元には10086の5桁の消えることのない番号を刻印され、手首足首には重さ5kgの鎖無し手錠つけられ、行動を制限されながら常に監視され採掘業を強制させられる日々を送る。
「おいそこ!手を休めてんじゃねーぞ!打たれたいのか!」
「すいません!!」
「おいクソジジイ!起き上がれ!」
「んんんん…。」
「立てっつってんだよ!!」
パシン!パシン!パシン!
注意されすぐに正すものは見逃され、抵抗する者や自力で動けない者へは厳しい罰が課せられる。今回のおじいさんは鞭打ちの刑であった。
過酷な環境の中で明日生きることだけを目標に労働する奴隷たち。鞭を持ち、長剣を持ち、ライフルまで所持している、そんな相手に総量20kgの重りを身体中につけられ、労働で疲労した体で抗えるはずもない。昨日も採掘、今日も採掘、明日も明後日も明明後日も、終わりのない採掘業に体は悲鳴をあげる。
ガランガンガラン。
大きなツルハシを地面に落とし、両膝をついて倒れ込むゼクシード(当時13歳)。
「おいガキ!サボってんじゃねーぞ!立て!立つんだ!」
兵隊に首元の服を引っ張られ強制的に立ち上がらされるゼクシードに駆け寄るセナ。
「待ってください!彼はつまずいただけです!決してサボっていたわけではありません!なっ?立てよゼクシード。あと1時間の辛抱だ。頑張ろう」
セナはゼクシードに手を伸ばし、再び、大きなツルハシを持たせて共に鉱石を掘る。
「チッ!次はねーぞ、ガキが!」
「耐えるんだ。今日の労働はあと1時間で終わる。」
ゼクシードに常に声をかけ、協力して作業に取り掛かるセナ。
カランカランカラン!
終礼の鐘が響き渡り、今日の労働は終了を迎える。奴隷たちは鉱山の中央に置かれたヤカンに群がり水をたらふく口の中へ流し込む。
「サザン王国バンザーイ!水をお恵みになり感謝いたします!」
「よこせ、飲ませてくれ~」
「もう喉がからからじゃわい」
「おい貸せよ!」
「次は俺だろ!」
「わしにも」
「うるせージジイ!こっちだこっち」
数と量には限りがあり、同じ苦行を味わった者同士でも水の奪い合いが始まる始末。
「立てるかい?君名前は」
「ぼ、僕はゼクシード…。」
「ゼクシードね。僕はセナ。よろしくね」
水に群がる奴隷たちを他所にセナはゼクシードに肩を貸し、収容所に向かっていた。
「セナはいいの?水飲みに行かなくて」
「あんなの間違ってるよ。サザンに強制労働を課せられてるっていうのに、水を寄こすサザンをまるで神か仏かのように崇めて群がるなんて…どうかしてる。それにいいところを見つけたんだ」
「いいところ?」
そう言ってセナがゼクシードを連れてきた場所は、岩壁が露出していた収容部屋であった。その部屋の右隅の壁は何やら湿っていた。
「これは?」
「水だよ。この右端の床は外れるようになっててね、こうやって!…ほら!」
格子状のタイルで埋め尽くされた床の右端一枚を外すと中には1個のコップが設置されており、中には半分ほどの水分が溜まっていた。岩壁から伝う水分が数滴ずつコップの中に落とし込まれていたのだ。
「す、すごい!水だ」
「シーーッ!みんなには内緒だよ。5時間でこれだけしか貯まらないからね。大変大変」
サザン鉱山の労働時間は1回5時間の3セットであり、24時から6時までが就寝時間、そこから朝食と準備で7時。そこから12時までの5時間労働。1時間の昼食と休憩を挟んで、13時から18時までの5時間労働、夕食と体を拭く時間が与えられ、最後に19時から24時までの5時間労働という過酷な労働を課せられていた。そのため5時間おきにこの水源を確認しに来るセナだったが、その量はたったの100ミリリットル程度。子供が1日に必要とする水分量の20分の1程度にしか満たなかった。まさに貴重な水源。1人で独占しても足りない量なのに何故かこの場所を教えてくれたセナ。
「どうして僕にこんな場所を」
「水分不足かなって思って。今日も何度か倒れてるところを見たし、いいよ飲んで。じゃなきゃ早死にしちゃうよ」
ただ、ゼクシードは何やら思い詰めていた様子。
「こんなところで体を壊しながら一生働き続けるくらいなら死んだほうがマシさ」
「…。」
「セナ君は何とも思わないのかい?僕たちを奴隷として扱って、自分たちは高みの見物で利益だけ掻っ払って行って、その癖鞭や棒で奴隷たちをいたぶり楽しむ様を見て、何とも思わないの?僕は辛いよ!」
ゼクシードの悲痛な叫びが収容所内にこだまする。13歳という若さで奴隷の体験をさせられるなんて想像もしていなかっただろうに。自国がサザン王国ならびにドセアニア王国によって滅ぼされたことで奴隷として捕まってしまったが最後、一生復讐者の利益のために働かせるのだから、溜まったものではない。
「でもゼクシードが1人死んでも状況は変わらない。むしろ1人の負担が増えるだけだ」
「じゃあどうしろって言うのさ!」
「ゼクシードは見たくないかい?一度でも奴らの困った顔を。悲痛に染まる顔を。一矢報いたいと思わないかい?僕はどんな手を尽くしてもサザンの奴らを皆殺しにしてやりたい。サザンの同盟国であるドセアニアも同罪だ。僕たちをこんな目に合わせたあいつらに復讐する。絶対に」
セナの目は、鉱山採掘時に倒れた自分を助けてくれた時のものとはまるで違い、冷たく、野望を内に秘めたような目をしていた。
「ゼクシードも協力してくれないか?僕の復讐劇に」
それが、靭のリーダー、セナ=ジークフリートとの初めての出会いだった。
「アルカイド様、ご報告します。ここ2日間で見張りが最も手薄に時間帯は夜19時から20時までの間で、その間5人に減るとのことです。」
「それで…地下労働施設は?」
「それは…未だ…」
「至急、増援を呼んでくれる?数は…40くらい」
「事前に30人現着しています。ここから40人も増援を呼ぶとなると、星界の使徒の半数以上に達してしまいます。」
構成員が危惧したこと。それは、七星の7人を除いた構成員の数は100人余り。そこから70人も人員を割くと、他2つの作戦と合わせて全員が出払ってしまうことになり、拠点の守りが手薄になってしまうということだった。
「な~に。一芝居打つための人員ってだけさ」
ニタリと不吉な笑みを浮かべるアルカイド。一体どんな作戦を立てているというのか。
作戦開始から4日が経ち、闇属性魔法を媒介とした簡易ゲートを複数個利用した構成員たち約40名は、アルカイドの命令によりノース大陸西部、ミリオスト国に集結した。これで星界の使徒の約7割の戦力が集結したことになる。
「アルカイド様。ご報告します。星界の使徒構成員40名現着致しました。」
「ご苦労ご苦労」
「そして、ファクダ様から伝言も預かっております。今回の作戦、半数以上の犠牲は許さないとのことです。」
「犠牲?あぁ、気にしなくていいよ。この作戦に死人は出ないから。」
ーー星界の使徒側にはね。
「それに、その次も半数を失うことはない」
完全に言い切り、構成員たちを安堵させるアルカイド。
「全員ミリオスト周辺1キロまで退避しなさい。巻き込まれるからね」
アルカイドの指示通り構成員たちはミリオスト国から次々と離れていく。
その後、占領していた家屋の屋上に登る。
アルカイドは腰につけたホルスターに収納された愛銃・ヘスティアに手を添える。
「すまないヘスティア。今回は留守番だ。」
愛銃に話しかけた後は、両手を空に挙げる。
作戦開始から4日という長い時間を浪費してしまったが、その分マナを練り上げていたアルカイドは、自分の持てる全ての力を天に向け放つ。
「ミリオストの罪なき聖者たちよ。どうか安らかに、永眠せよ…」
ーー終焉。
ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ。
地球に向かい勢いよく接近してくる何か。空はオレンジに染まり、大気の熱が上昇していく。
アルカイドの命令で事前にミリオスト国から離れていた構成員たちは空を見上げ、顔を絶望の色に染めていた。
「あれが… 搖光・アルカイド様の力…」
遠くから空を見上げる構成員たちの目線の先には、ミリオスト国の王城を飲み込むほどの巨大な隕石が接近してきていた。
アルカイドの土属性魔力は他のそれとは比べものにならない練度で、大地を揺るがし重力・斥力・引力をも操る。もはや特異点で変異したともいえる卓越した魔力。
アルカイド自身はこれを、『地』属性と呼んでいる。
地属性魔法・終焉。引力を操り、宇宙から隕石を降らせる荒技。大気圏を突破し、熱を纏いながら地球目掛けて突っ込んでくる燃えた隕石は、そのままミリオスト国王城に直撃し炸裂しながら被害を拡大させていく。
ズバーーーーーーーーーーーーーン!
たったの1日で国一つを跡形もなく滅ぼしてしまうアルカイドの特異属性。
もはや、地下労働施設がどうのと言ってる規模感ではない。そこに国があったのかも怪しいほどに、地形が変わってしまっていた。
事後報告によれば、ミリオスト国消滅。そして生存者は確認できず。約10万人の国民と王族、ならびに奴隷たちが命を落とす結果となった。
もちろん隕石を降らせた張本人であるアルカイドは卓越した土属性魔法でその身を守っていたため、命に別状はなかった。
「アルカイド様、ご無事でしたか?」
「無傷ってわけじゃないけど、まあなんとか。手当てをしてくれ。」
「了!」
構成員たちは、すぐに医療準備をしアルカイドの治療に入る。
「アルカイド様、靭と結んだ契約に関してはどうされますか?今回の一件でミリオスト国、ならびに奴隷共々皆殺しにしてしまいましたが、」
「そのための増援だろ?」
アルカイドは後から合流した40人の構成員たちに指を差し、作戦内容を改めて伝える。
「今から40人の構成員は奴隷に偽装し、靭内部に潜り込め。靭を利用し、共にドセアニアを襲撃。火の魔女書奪取後は様子を見て星界の使徒へ帰還せよ。新戦力を前線に出すことは考えにくいため、靭の指示があるまでは妙な行動は慎むこと。これより再び靭とコンタクトを取る。靭を手駒に着けに行くぞ」
「「「「「「「了!」」」」」」」
もしも、ミリオスト国に現着後、すぐに奴隷が収容されている地下労働施設が発見されていれば他の手立てがあったかもしれないが、4日間という時間はアルカイドを焦らせ、強硬策に出させてしまった。その策が、ミリオスト国自体を消滅させ、星界の使徒構成員で奴隷約40名の偽装をするというものであった。増援を呼んだ時点で、アルカイドはミリオスト国の国民を全員巻き込み、国ごと滅ぼす算段を立てていた。しかし、間違ってもアルカイドは命を軽く見てなど居なかった。誰よりも命と誠実に向き合っていると、自負している。この10万の犠牲も、全てはポラリスを照らすためにと。
後日、アルカイドは30名の構成員と40名の薄汚れた身なりに傷だらけの格好をした偽装奴隷を連れて、靭の幹部、赤毛のハナとコンタクトを取る。
ハナの目の前に奴隷たちを差し出し、契約について再度確認を取るアルカイド。
「ここにミリオスト国が保有していた40の奴隷が全ている。これでドセアニア襲撃のための協力関係を締結してくれるのだろ?」
「まさか本当にやってのけるなんて。ミリオストの追手は?」
「全て無力化した。追手は来ない。」
にわかには信じ難いが、この奴隷たちが何よりの証拠。
「いいわ。ボスの帰還次第、すぐに話をつけるわ。解放された元奴隷たちはこちらで保護するわ。」
「彼らが戦線に出ることは?」
「治療次第ではあるけど、そんなすぐに戦線に駆り出すことはないわよ」
「そうか。それなら安心だ」
ニンマリとした笑顔を仮面の内に浮かべ、奴隷の扱いに納得するアルカイド。これでファクダの伝言にあった星界の使徒の戦力の半数を失うことは無くなったため、安堵する。
そこからは靭の内情を探る。
わかったことは幹部クラスが6人はいること。
1人は、赤毛のハナ。リーダー不在ながらも常に靭をまとめ上げている逸材。多分だが靭内でも相当位が高いはず。
2人目はシャクレ顎の大男のデモンズ。常に大きめのゴーグルをつけていてその瞳はまるで見えない。こいつは赤毛のハナにつきっきりでボディーガードのような立ち位置だろう。
3人目は長身ヒョロガリのゼクシード。白衣を身に纏った姿はまるで科学者であり、現に薬品の研究を進めているらしい。靭が医療面に秀でているのもこの人間のおかげだろう。
残る3人は基地にはおらず、すでにドセアニア王国に潜伏しているとのことだった。そして最後にリーダー。そして、靭の構成員、元奴隷たちの数は100人。これだけの数がいればドセアニア王国と対等かそれ以上に渡り合える。
「ハナ様~。リーダーからの指令でさ!」
「なによ!」
靭の構成員の1人がハナに手紙を渡したのである。中身は靭リーダーからの指令らしい。
『ノース大陸南岸部、造船都市・エヴァンにて、多数の独立ギルドを確認。ドセアニアと協力関係にある可能性が高い。至急任務遂行にかかれ。』
「複数の独立ギルド?」
「ドセアニアが用心として雇ったんでしょ」
靭の幹部たちが話し合う中、アルカイドも会話に混ざる。
「次の任務とは、ドセアニア襲撃でいいんだよね?」
「えぇ。ドセアニア襲撃とグリムデーモンの封印解除よ」
「グリムデーモンの封印解除とは具体的にはどういう方法なんだい?」
「それはリーダーのみが知ることよ」
靭リーダーのみがグリムデーモンの封印解除方法を知っている。しかし、そのリーダーは現在不在。それなのに任務を遂行するということは、グリムデーモンの封印解除はいつになるのか。
「ただし、リーダーから始末しなければならない者のリストは渡されているわ」
ハナはアルカイドにリストを共有する。そのリストには現ドセアニア14代王子のアレス=ドセアニアやその臣下たち4人の名前が書かれていた。
「リストはこれだけか?」
たった5人だけしか書かれていないリストに疑問を持つアルカイド。
「この5人を始末しろとしかリーダーからは言われてないわ。もしかするとこの5人が封印に関与している可能性があるのかもね」
もしやグリムデーモンの封印方法とは、暗黒魔神王・ゼノンの封印と酷似しているのか。たったの5人、5属性封印術、ありえないことではない。もしくは、別の方法か。
「他にやることは?」
「奴隷解放運動。それもドセアニアの奴隷保有数は他国の比じゃないわ。その数562人」
「562?!」
あまりの奴隷の保有数に驚くアルカイド。
長身ヒョロガリ研究員のゼクシードはアルカイドにパソコンの画面を見せデータを共有する。
「このリストはなんだ?」
「これまでドセアニアが戦争を仕掛けて滅んだ国の死者を除いた全行方不明者のリスト」
そのデータには総数662人と書かれており、何人かの名前には斜線が入れられていた。
「この線があるのは…」
「靭の構成員。つまり、救出された人たち。あとで君たちが連れてきた元奴隷たちの身元も調べて斜線を引いていくつもり。」
アルカイドは思ってもいない事態に陥る。ミリオスト国を消滅させ、奴隷を偽装して靭に接触したが、靭は行方不明者リストというものを所持していたため、偽装がバレるのは時間の問題となってしまった。アルカイドはどうにか時間を作り、行方不明者リストの中から40人分の身元を頭に暗記させなければならない。
ーー今ここで星界の使徒が身元調査に乗り出すのは怪しまれるか…。どうにか40人分の名前と住所、生年月日くらいは。最悪、過度なストレスによる記憶喪失を偽るのもアリか…。
「そもそも私たちが解放した奴隷たちはミリオスト所有の者たちだろ?なぜドセアニアのデータが関係するんだ?」
「言ってなかったっけ?ミリオスト国はドセアニア王国の傘下。同盟とはちょっと違うけど上下関係があるからね。ドセアニアから奴隷を横流しされてるんだよ」
ここまでの情報は何となくだが頭に入っていた。ミリオスト国はここ最近幾度も戦争をしており、ドセアニア王国の後ろ盾無しでは成り立たないことは知っていた。これはあくまでも時間稼ぎ。アルカイドは怪しまれない程度に画面をスクロールし行方不明者リストを頭に叩き込む。
「奴隷の横流し。非人道的だな」
「その通りさ。ドセアニアの連中は悪魔そのもの。人の心なんか持ち合わせてないのさ」
「あなたも元は奴隷なのかい?ハナも…デモンズも…」
「そうだよ。僕たちはリーダーと共にドセアニアの同盟国であるサザン王国の所有するサザン鉱山で労働と収容を強制させられていた元奴隷で、簡単に言えば脱獄囚みたいなものだよ」
ゼクシードの話によれば、今の幹部連中は、ドセアニア王国関連の奴隷で始めて脱獄することに成功した者たちらしく、そのメンバーで結成されたのが靭らしい。
「差し支えなければ、いつ頃結成したのか教えてもらっても?」
「もう7年も前の話さ」
ーーーーー----ー-----------
7年前。
ドセアニア同盟国『サザン王国』所有のサザン鉱山にて。
上は68歳、下は10歳までの年寄りから子供までもがサザン鉱山に収容されながら採掘という労働を強制させられていた。
後に靭を発足させるリーダー・セナ=ジークフリート(当時13歳)。首元には10086の5桁の消えることのない番号を刻印され、手首足首には重さ5kgの鎖無し手錠つけられ、行動を制限されながら常に監視され採掘業を強制させられる日々を送る。
「おいそこ!手を休めてんじゃねーぞ!打たれたいのか!」
「すいません!!」
「おいクソジジイ!起き上がれ!」
「んんんん…。」
「立てっつってんだよ!!」
パシン!パシン!パシン!
注意されすぐに正すものは見逃され、抵抗する者や自力で動けない者へは厳しい罰が課せられる。今回のおじいさんは鞭打ちの刑であった。
過酷な環境の中で明日生きることだけを目標に労働する奴隷たち。鞭を持ち、長剣を持ち、ライフルまで所持している、そんな相手に総量20kgの重りを身体中につけられ、労働で疲労した体で抗えるはずもない。昨日も採掘、今日も採掘、明日も明後日も明明後日も、終わりのない採掘業に体は悲鳴をあげる。
ガランガンガラン。
大きなツルハシを地面に落とし、両膝をついて倒れ込むゼクシード(当時13歳)。
「おいガキ!サボってんじゃねーぞ!立て!立つんだ!」
兵隊に首元の服を引っ張られ強制的に立ち上がらされるゼクシードに駆け寄るセナ。
「待ってください!彼はつまずいただけです!決してサボっていたわけではありません!なっ?立てよゼクシード。あと1時間の辛抱だ。頑張ろう」
セナはゼクシードに手を伸ばし、再び、大きなツルハシを持たせて共に鉱石を掘る。
「チッ!次はねーぞ、ガキが!」
「耐えるんだ。今日の労働はあと1時間で終わる。」
ゼクシードに常に声をかけ、協力して作業に取り掛かるセナ。
カランカランカラン!
終礼の鐘が響き渡り、今日の労働は終了を迎える。奴隷たちは鉱山の中央に置かれたヤカンに群がり水をたらふく口の中へ流し込む。
「サザン王国バンザーイ!水をお恵みになり感謝いたします!」
「よこせ、飲ませてくれ~」
「もう喉がからからじゃわい」
「おい貸せよ!」
「次は俺だろ!」
「わしにも」
「うるせージジイ!こっちだこっち」
数と量には限りがあり、同じ苦行を味わった者同士でも水の奪い合いが始まる始末。
「立てるかい?君名前は」
「ぼ、僕はゼクシード…。」
「ゼクシードね。僕はセナ。よろしくね」
水に群がる奴隷たちを他所にセナはゼクシードに肩を貸し、収容所に向かっていた。
「セナはいいの?水飲みに行かなくて」
「あんなの間違ってるよ。サザンに強制労働を課せられてるっていうのに、水を寄こすサザンをまるで神か仏かのように崇めて群がるなんて…どうかしてる。それにいいところを見つけたんだ」
「いいところ?」
そう言ってセナがゼクシードを連れてきた場所は、岩壁が露出していた収容部屋であった。その部屋の右隅の壁は何やら湿っていた。
「これは?」
「水だよ。この右端の床は外れるようになっててね、こうやって!…ほら!」
格子状のタイルで埋め尽くされた床の右端一枚を外すと中には1個のコップが設置されており、中には半分ほどの水分が溜まっていた。岩壁から伝う水分が数滴ずつコップの中に落とし込まれていたのだ。
「す、すごい!水だ」
「シーーッ!みんなには内緒だよ。5時間でこれだけしか貯まらないからね。大変大変」
サザン鉱山の労働時間は1回5時間の3セットであり、24時から6時までが就寝時間、そこから朝食と準備で7時。そこから12時までの5時間労働。1時間の昼食と休憩を挟んで、13時から18時までの5時間労働、夕食と体を拭く時間が与えられ、最後に19時から24時までの5時間労働という過酷な労働を課せられていた。そのため5時間おきにこの水源を確認しに来るセナだったが、その量はたったの100ミリリットル程度。子供が1日に必要とする水分量の20分の1程度にしか満たなかった。まさに貴重な水源。1人で独占しても足りない量なのに何故かこの場所を教えてくれたセナ。
「どうして僕にこんな場所を」
「水分不足かなって思って。今日も何度か倒れてるところを見たし、いいよ飲んで。じゃなきゃ早死にしちゃうよ」
ただ、ゼクシードは何やら思い詰めていた様子。
「こんなところで体を壊しながら一生働き続けるくらいなら死んだほうがマシさ」
「…。」
「セナ君は何とも思わないのかい?僕たちを奴隷として扱って、自分たちは高みの見物で利益だけ掻っ払って行って、その癖鞭や棒で奴隷たちをいたぶり楽しむ様を見て、何とも思わないの?僕は辛いよ!」
ゼクシードの悲痛な叫びが収容所内にこだまする。13歳という若さで奴隷の体験をさせられるなんて想像もしていなかっただろうに。自国がサザン王国ならびにドセアニア王国によって滅ぼされたことで奴隷として捕まってしまったが最後、一生復讐者の利益のために働かせるのだから、溜まったものではない。
「でもゼクシードが1人死んでも状況は変わらない。むしろ1人の負担が増えるだけだ」
「じゃあどうしろって言うのさ!」
「ゼクシードは見たくないかい?一度でも奴らの困った顔を。悲痛に染まる顔を。一矢報いたいと思わないかい?僕はどんな手を尽くしてもサザンの奴らを皆殺しにしてやりたい。サザンの同盟国であるドセアニアも同罪だ。僕たちをこんな目に合わせたあいつらに復讐する。絶対に」
セナの目は、鉱山採掘時に倒れた自分を助けてくれた時のものとはまるで違い、冷たく、野望を内に秘めたような目をしていた。
「ゼクシードも協力してくれないか?僕の復讐劇に」
それが、靭のリーダー、セナ=ジークフリートとの初めての出会いだった。
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