グレイロード

未月 七日

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第二章 〜家族のカタチ

24話 『六法剣』

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 ヘカスト王国南西森林部。
 アリオトを抱え木々の上を跳び回るメグレスと構成員5人。
「探知陣、状況は?」
「6つの相当な魔力質量を確認。先ほどの騎士団がこちらを追ってきています。」
「奴さんたち、こっちの位置を正確に掴んでやがんな」
 相手にも魔力を探知できる者がいるのか、はたまた他の理由か。
「1人ずつ左右に分かれて、1キロ地点で合流だ。お前はアリオトを連れて真っ直ぐ南西を突き進め。」
 構成員3人にアリオトを任せ、2人を左右に散らし、相手を撹乱する作戦に出たメグレス。構成員を分けた地点から200メートル地点の木の影に隠れ、相手を迎え撃つ構え。
 それから数分して、六法剣が現着。
「どっちだ?」
「このまま南西真っ直ぐだ。」
 鼻の効く副団長、ルータスの指示で六法剣は南西を直進する。

ーー何の躊躇もなく真っ直ぐ行くのか?ちゃんと探知されてんな。構成員…いや、アリオトか?
 プシィーーー。
「ストップ!」
 高圧洗浄機のような一点集中の高圧放水が六法剣前線を張っていたルータスに襲いかかるも、間一髪のところで足を止め、避ける。次は耳の良いジバの指示で攻撃をかわした。
「おいおい嘘でしょ~よ。今のは完全な不意打ちだぜ?」
 木の影から姿を現す白い仮面をつけた白マントを羽織るメグレス。
「私たちに不意打ちは効かないものでね」
 終始余裕の表情を浮かべる団長、アーギル。
ーーにしてもこの威力。触れればひとたまりもありませんな。
 
 アーギルの視線の先には、幹に小さな風穴を開けた5本の木が並んでいた。先ほどのメグレスの放水でできたものであり、速度も、射程も、威力も相当なものであった。

「泥人形」
 メグレスは瞬時に泥人形を生成し、自分と同じ見た目の人形を6体増やす。
 メグレスたちは一斉に短剣を抜き、六法剣へ向かっていく。
「全員距離を取れ!一対一で対処する」
 アーギルの指示で互いに距離をとる六法剣。
「本体はどれかな?」
「…、ハルエさんの方です」
 ジバは得意の心音探知で泥人形の中からメグレス本体を見つけ出す。
「まあそうくるわよね、後方支援を落とすのが定石よね。でもあんまり舐めんじゃないわよ!」
 突っ込んできたメグレスの前後左右・斜めに至るまで、複数の魔法陣が展開される。
「なんだこれは?」

ーー多角的な咆哮マルチバースト

 展開された複数の魔法陣から赤紫のレーザーが放出される。
「泥団子!」
 メグレスは瞬時に、自分の周囲に泥属性魔法を展開し、自分を泥の球体で包み込むようにしてマルチバーストに対応する。
 弾幕が薄れると、中からは、ボロボロになった泥の玉が現れ、ところどころマルチバーストによって外壁が崩れていた。
 カチカチ…。
 外壁にさらにヒビが入り、泥の外壁が崩れ落ちると多少手傷を負ったメグレスが姿を現した。
「こりゃ油断したね。こんな攻撃魔法使えるなんて。神官だろーに。」
「あたしは六法剣の1人よ。そこいらの神官と一緒にしないでちょーだい。」
 ボヨン!
 強気な姿勢でナイスバディを主張するハルエ。
 そして、ハルエがメグレスにダメージを与えたことで、他の六法剣に向かってきた泥人形たちは、メグレス本体と同じくらいのダメージを負い、左腕が崩れ落ちた。
「なるほど。あくまで意思を持たない人形は、操作手がダメージを受ければ、維持できなくなると言うわけですな。何とも非力な分身体だ」
「言ってくれんねー」
 技の種がバレて少し動揺を見せるメグレス。泥人形の性質もバレ、6対1。さらには不意打ちも効かないときた。
ーー六法剣。厄介な連中だ。
 メグレスは一度距離を取り、改めて泥人形を操作し、他6人を牽制。そのまま後退しマナを練りながら逃げ始める。
「追うぞ」
「「「「「「了解!」」」」」」
 六法剣たちは、各々泥人形を対処し、ものの数十秒ほどしか足止めできなかった。
 メグレスは道中、煙幕や投げ物など小手先の道具を使い、時間を稼ごうとするも、ジバの耳の良さの前では何の陽動にも時間稼ぎにもならなかった。
 そこから1キロ、六法剣との追いかけっこが始まり、森を抜けた先にアリオトを担いだ構成員たちを確認した。
「まさか追いついちまうとは…。」
ーー手負いありきじゃ逃げるスピードが落ちるな。どうにかここで食い止めなきゃだな。
「お前は少し時間を稼いでくれ。今マナを練ってる最中だ」
「「了」」
 構成員2人は、メグレスと入れ替わるようにして前へ出る。その少し後に六法剣の6人は現着。全員が逃したアリオトを視野に入れる。
「追いつきましたね団長」
「まあ毒ってるからねぇ~これで逃しちゃ笑もんだよ」
「?」
「どうしたジバ?何か言いたげだな?」
「いや…何でもない。
「隠し事は無しだ。探知陣はもっと報告してけぇ~」
 自分の耳には自信がある。どんな細かな音も正確に聞き分けられ、分身体相手にもどれが本体か言い当てられるくらいには正確だった。そんなジバの耳が、アリオトの心音の安定さに驚きを隠せなかったのだ。
「最初に傷つけた相手の心音が安定してる。」
「本当かい?」
「うん。間違いない。」
 毒を喰らった直後のアリオトの心音は速く、物凄く荒ぶっていた。体内に入った有害物をどうにかしようと体が抵抗する感覚。それに相まって体温上昇、発熱、発汗などが挙げられた。しかし、今のアリオトの心音は安定していた。心音が止まったのではなく、正常。
「もしや、初めに狙う相手を間違えたかな…」

 何はともあれ、アリオトが動かない今が攻めどき。六法剣目線では、メグレスも大したことはない様子。このまま6人で畳み掛けようと前へ出る。
「ファイアーボール!」
「ライトニングサンダー!」
 六法剣を足止めする構成員たち。各々が遠距離魔法を駆使するもハルエの無属性防御陣に防がれてしまう。そのままドンカスの二刀流斧で1人切りつけられる。
「まず1人!ほんでぇー」
 もう1人の構成員に狙いを定めるドンカス。構成員は長剣を抜き、剣に雷のオーラを纏って抗戦するも、次はロングソードを持ったジバに後ろを取られてしまい、切り付けられる。
「ナイスカバーだ」
「はい。」
「さて!次はお主らだ!」
 茶髭のドンカスは地面を強く踏み締め、土属性魔法の柱をメグレスたちに向けて生やしていく。
「時間稼ぎご苦労だった。いでよ…泥神・弥勒観音菩薩デイシン・ミロクカンノンボサツ十ノ手ジッテイシュ!」
 マナを最大限練り上げた泥属性魔法によって生成される弥勒観音菩薩像。その背中に生えた10本の腕で構成員、アリオト、そして自分を守りながら、反撃するメグレス。
「何とか、奥の手?ってやつ、出せたわ。死んでいった仲間たちはまじアーメンって感じで」
「仏教徒なんだか、キリスト教徒なんだか、わけわからない人だ」
 泥神・弥勒観音菩薩に突っ込むアーギルだったが、弥勒観音菩薩の腕がアーギルへと伸びる。
「シールド展開!」
 無属性防御魔法で援護するハルエ。しかし、弥勒観音菩薩の拳はシールドに触れる直前で、拳を変化させ、泥のように流動してシールドを避けながら、再度拳の形に変形してアーギルを殴りつける。
「変幻自在の十ノ手。またの名を柔ノ手、なんてね。シールドとか意味ないから、そこんとこよろしくな!」
「団長!」
「私のことはいい!どうにかやつを倒す方法を模索しなさい!」
 防戦一方だったはずの相手に、奥の手を出させたことで形勢が逆転されてしまう六法剣。

「ジバ、狼煙弾を上げろ。支給援軍を呼べ」
 副団長、ルータスはジバに指示を出す。
「了」
 ジバはすぐさまマジックガンを取り出し、『煙』と記された弾を装填し、空へ打ち上げる。
 これからどのくらいの時間で増援が来るか。戦力はどれほどのものか。何もわからない状況だが、それらに期待しなければならないほど目の前の敵は強敵であった。
「煙弾はあげた。あとは何としても食い止めるだけだ!いくぞ!」
副団長、ルータスを筆頭に一斉に動き出す六法剣。
 まずは正面からミニガンを乱射するマタギーユ。
 ズバババババババン!
「同じ技は2度喰らわないよってな!泥壁!」
 自分とマタギーユの間に2枚の泥属性の壁を立てるメグレス。1枚目が貫通するのは前提で、しっかり2枚の壁で防ぎ切る。
 その隙に壁の左右からまわり込み攻めるドンカスとジバ。
「二刀流、ツインクラッシュ!」
一点突きイッテンヅキ
 土属性の魔力で硬化させた2本の斧を振るうドンカスと、ロングリーチを生かした突き攻撃を狙うジバ。
 それに対応するように弥勒観音菩薩の十ノ手が2人に降りかかる。ツインクラッシュは十ノ手の一本を見事に打ち破る。しかし、2本目の腕に阻まれてしまい、一点突きは十ノ手にめり込み、抜けなくなってしまう。
「2人とも離れなさい!マルチバースト放出!」
 ハルエの合図によって後退するドンカスとジバ。
 ハルエにより、弥勒観音菩薩の上から無属性魔法のマルチバースト5発が炸裂。それに対し、メグレスも十ノ手を5本広げて防ぎ切る。十ノ手5本は、マルチバーストの威力に押され、肘まで破壊されてしまう。
「炸裂弾装填!ファイヤー」
 マタギーユは通常弾から炸裂弾に切り替え、弥勒観音菩薩の頭を狙って打ちまくる。ミニガンから放たれた炸裂弾は、顔面を守ろうとする十ノ手に阻まれるも、接地面で炸裂し、弾幕を広げる。
「すいません。剣を奪われました」
「ほれ。俺の片手斧でも使え」
 ジバは失ったロングソードと引き換えに、片手斧を持つ。
「泥神・弥勒観音菩薩。相当タフな技だな。主に守備力がバケモンだ」
 実際対峙してみてその守備範囲と強度に驚かされるドンカス。
「それにあの十ノ手。ほおっておけば少しずつ再生しよるぞ」
 メグレスは隙あらば破壊された十ノ手を修復しようとマナを使う。
「しかし、一定の距離を保てば十ノ手は届かん。奴に攻め気がないのが腑に落ちんな。」
 まるでメグレスの動きは時間稼ぎをしているように感じると語る副団長、ルータス。それはそれで六法剣からしてみれば好都合。時期にこの場所にヘカスト王国の他の騎士団が増援にくるのだから。
「団長、そろそろ動いてもらってもいいっすか?」
「あぁ、すまないね。やっと傷を治せたよ」
 泥神・弥勒観音菩薩の十ノ手によって重たい一撃を喰らわされたアーギルが傷を治して戦線復帰。
 復帰早々、アーギルは両手に水属性と風属性のオーラを発現させ、その2つを複合させる構えを見せる。

ーー複合属性魔法?めんどくさそうだ。

 メグレスはアーギルが複合属性魔法を展開しようとしていることに気づき、いち早く泥咆で牽制をいれる。
「守るぞ!」
「シールド展開!」
 副団長、ルータスは鉄製の盾にマナを注ぎ込み、強度を上げて向かいうち、ハルエは無属性防御魔法を展開。2人で団長、アーギルを援護。
 ズババン!ババン!
「いくよ。振音波・前フロント・サンドウェーブ!」
 水属性と風属性の複合属性・音属性魔法。振音波・前は高密度の音の集合体を前側にのみ集中させた音波攻撃で、正面に立つ泥神・弥勒観音菩薩を体内を振動させ、内側から軋ませていく。
 
「ん?!泥神が悲鳴をあげてる?」
 キシキシ、キシキシ。
 振音波・前の狙いは泥神・弥勒観音菩薩の水分に振動を与えることで、一度固められた泥に亀裂を入れるというものだった。
ーーこのままじゃまずい…。一度液化して…
 ギイーン!ギイーン!ギイーーーーーン!
 急な爆音がメグレス、ならびに構成員たちの鼓膜を潰しにかかる。
「うる…っさ…」
両耳に手を置いても防げない爆音。途中から耳がキーンという音を奏、外の音が全く入らなくなっており、落ちる手の中心には血が溜まっていた。
ーーまずい…何も聞こえない。これも音属性か。
 集中力を削がれたメグレスは、泥神・弥勒観音菩薩を操作できなくなり、泥神・弥勒観音菩薩が崩れ落ちてくる。
「…!…!」
「…!…!」
 周囲の構成員たちが何か叫ぶ様子が確認できてもその内容はメグレスに届かない。

ーー何言ってるかわかんないっての。キンキンして、クソ。

 そんな時、六法剣の背後から増援と思わしき、甲冑を身に纏った騎士たちが現れる。数は全部で15人。何人かは騎士らしい格好をしているが、他は六法剣と似たように私服など自由な格好をしており、もしかすると一端兵ではなく六法剣と同じ固有の騎士団の可能性がある。

ーー全員同じ実力なら単純に3、4倍。こりゃ詰んだか。団長とかいうやつをやらないと泥神も維持できねーし、いよいよやばいな。

「『ヘカストの槍』現着。」
「『ヘカストの盾』現着。」
「アリオス傭兵団から増援で参った。」
「アリオス傭兵団。増援助かるよ。」
 それぞれ5人ずつで構成された部隊。
 一つは、ヘカスト王国の槍と呼ばれる攻撃特化部隊。国王直属騎士団の下に位置する騎士団。
 二つ目は、ヘカスト王国の盾と呼ばれる守備特化部隊。これも、国王直属騎士団の下に位置し、槍騎士団と対等の権限を与えられた部隊。
 そして三つ目が、ヘカスト王国周辺都市・アリオスから増援に駆けつけた傭兵団。ヘカスト王国と親密な関係にあるため、今回手を貸してくれたというわけだ。
 メグレスにとっては、最悪の状況でさらに敵兵が増えた状況。自分の得意属性は団長、アーギルに抑制され、こっちはすでに手負い。耳まで使い物にならない。次敵がどんなことをしてくるのか、どんな技が飛んでくるのか、視覚情報だけでは次への判断が遅れる。

「さて、みなさん。ヘカストの名誉にかけて、この犯罪者どもを、今ここで捕えますよ」
「「「「「「「「「おおおおお!!」」」」」」」」」
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