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第二章 〜家族のカタチ
23話 『ベスティア・フルミニス』
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ズドン!ズドン!ズドン!
立て続けに爆発音を上げる地下収容所。
12人の囚人とアリオト、そしてフセミが対峙し合う。
「雷電撃!」
「雷電撃!」
アリオトとフセミ、互いの雷属性魔法がぶつかり合う。周囲に電撃が飛散する。そして、囚人達を味方につけたアリオトは、自分がフセミの攻撃を防ぎ、肉弾戦は囚人達にやらせる。手を傷つけながらもフセミに打撃を喰らわす囚人達。
バチン!
「いでぇ!!」
バチン!
「くそぉ!」
バチン!バチン!バチン!バチン!
自らの傷を顧みず、フセミに猛追する囚人達。
地下3階収容所投獄。彼らは無期懲役を課せられた実質死ぬまで檻から出られない受刑者たち。魔力阻害具をつけられ、近深くに投獄され、2度と陽の光を浴びることのない人間たち。そんな彼らに最後のチャンスといわんばかりに、脱獄の手引きをした星界の使徒。今ここでフセミを殺せば自分たちは晴れて自由の身だと言われている。それならば、全身全霊でフセミを殺すことが、受刑者たちが今すべきことに違いない。拳が使い物にならなくなろうとも、その身に電撃を浴びようとも、彼らの足は止まらない。
「オラオラオラ!逃げ回ってんじゃねーよガキ!」
「こっちだよ!オラァ!」
何発攻撃を入れても倒れない受刑者たち。それを12人も相手にし、さらにはマナを込めた雷属性攻撃はアリオトに邪魔される。決定打に欠けるフセミは次第に劣勢になっていく。
「動きが鈍ってきたんじゃねーか!ガキ!オラァ!」
「ぐはぁ!」
瞬間、かろうじて避けるか防ぐかしていたフセミに、重たい一撃が入る。
ーーここか!
土属性の力で拳を硬化させるアリオト。千載一遇のチャンスに隠し玉を披露する。アリオトの本来の得意属性は雷属性と土属性の複合属性・磁属性魔法。火属性は初見相手の完全なブラフ攻撃。電気を帯びたオート反撃を常に展開するフセミに多くの囚人たちを差し向け、自分の肉弾戦は無いと思わせての土属性硬化の1発。これは完全に裏をかかれたフセミ。
「こいつでしまいだぁーー!!!」
メリメリメリ、ズドン!部屋の壁を簡単にぶち破る威力。フセミの体からは骨が軋むような音まで聞こえてきた。
アリオトさえもこの一撃で仕留めるつもりで拳を放ったが、油断はしない。両手に火属性魔法と土属性魔法を展開させ、追撃する構え。1番得意の雷属性が効かない、もしくは吸収されるため致し方ない判断。
何やら煙の中でうごめく影を確認し、それと同時に魔法を展開。
「炎石爆!」
火属性と土属性の性質を合わせた魔法。発火させた岩石を3発撃ち込み、追撃。
ボン!ボン!ボン!
「どう調整してもアルカイドみてぇーに溶に変換できねーな。」
土属性と火属性の複合属性・溶属性。岩石を最大火力で熱し、融点で溶解する属性魔法。高温の火属性とそれに耐えうる土属性。互いに極めなければ発動できない複合属性であったが、これを七星の1人、アルカイドはやってのけるのだ。
「まあいいや。これで大賢者も…?!」
確実な一撃と追撃の3発をお見舞いしても、まだ立ち上がるフセミ。失いかけていた気をしっかり保ち、再び帯電した青白いオーラを纏う。
「おいおいおい。バケモンかよ」
「雷獣戦攻・『領域』!」
フセミが叫び出すと同時に、地下収容所全体に浮き上がる青白い格子状の枠。縦横四角形の格子がいくつも連なり、その線上はビリビリと帯電していた。
ーーなんだこりゃ。トラップ?触れたら感電するタイプとかか。確かめるか。
アリオトは両足を土属性魔法で硬化させ、わざと格子の上に立つ。多少静電気レベルの稲妻が反応するも、硬化しているとはいえ、騒ぐほどの攻撃ではない。トラップの線は薄い。だとしたら、この格子状の帯電したエリアは何を表すのか。
「おい、俺たちは何をすればいいんだ?」
囚人たちは、アリオトに指示を仰ぐ。
「奴は手負だ。全員で畳み掛けて息の根を止めろ」
囚人に対し、大雑把な指示を出すも、囚人たちは乗り気でフセミに向かっていく。何の作戦もない脳筋突撃。それだけ数の暴力とは強力なものであった。
フセミに突撃していく囚人たちの足下はパチパチと音を立てるも、やはり、驚いたり騒いだりするほどの痛みは感じない。謎な戦型スタイルに謎のトラップ。雷属性魔法を極めしアリオトでさえ、フセミの技も意図も理解できない。
自分に突撃してくる囚人たちを体術で捌くフセミ。先ほどとは打って変わって、逃げ回るわけではなく、その場で相手の攻撃をいなし続ける。側から見れば、囚人12人を相手に防戦一方のフセミ。囚人たちに全て任せても、フセミが倒れるのは時間の問題だと思い、一歩後ろに下がったアリオト。
「?!」
その瞬間、腹に衝撃を感じ、時計回りに一回転して倒れ込むアリオト。
「ぐはぁ!」
ーー何が起こった。何が。何が俺にぶつかったんだ。
アリオトの腹を襲う痛み。そして口の中は鉄の味でいっぱい。
アリオトは無理矢理にでも体を起こし、周りを見渡すと、囚人と戦っていたはずのフセミが一瞬にして、自分の後ろに立っていたのだ。
ーーまた瞬間移動か。でもどうやって。奴の動きは注視していた。それなのに、いつ動いたっていうんだ。
困惑するアリオト。勝利を確信してもなお、フセミから目を逸さなかったアリオト。それなのに、初撃同様に背後を取られてしまう。むしろ今回は、腹を狙われた時点で、背後に飛んだというより、自分の横を通り過ぎながら腹を攻撃して、背後に着いた感じがする。
「てめぇ…何しやがった…」
「お望みなら、もう一度見せてやろうか…」
シュピンッ!
ーー消えた…。
アリオトの目の前で青白い稲妻が走る。瞬時に腹を硬化するアリオトだったが、次に狙われたのは右足だった。
シュピン!シュピン!シュピン!シュピン!
次は左腕。腹。右頬。左足。背中。稲妻のごとき速さで幾度も攻撃を喰らうアリオト。
「雷獣戦攻・『 猎豹』」
雷獣戦攻・『領域』を展開して初めて成立する速技。雷獣戦攻・『猎豹』。格子状に展開された帯電したエリア。フセミはこの線上を直線的に移動していたのである。元々の雷属性を纏うことで得られる倍のスピードに、さらに限定された帯電するエリアを通過し、雷エネルギーを用いて倍ほど加速させる。通常時の実質4倍の速度で格子状に展開されたエリアを移動する速技。それが雷獣戦攻・『猎豹』。まさにチーターを彷彿とさせるスピードである。
「お前じゃ俺のスピードには着いてこれない。そこで伸びてる連中を連れて去るがいい」
フセミは先ほどまで対峙していた囚人たちを指差し、アリオトに引くよう命令する。
「油断したぜ、この野郎。こんな大技隠し持っていたなんて、フハッ。楽しませてくれんじゃねーか。」
「お前も土属性を隠していた。お互い様だ。」
「違いねーや。てめぇーには何だか特別な力を感じるな。その電気…うまそうだ!」
獣のような目をし、フセミに襲いかかるアリオト。しかし、フセミには雷獣戦攻・『猎豹』があるため、そう簡単に捕まえることはできない。たとえアリオトが雷属性のオーラを身に纏っても、フセミの速度には追いつけないだろう。通常の4倍の速度で動き回る相手は雷のオーラを纏った眼力で動きをかろうじて追うのがやっと。そんな相手をどう捕まえるか。その答えは案外簡単なものであった。
「遅い!」
シュピン!シュピン!シュピン!シュピン
格子状の上を、直線し、右に曲がり、左に2回曲がり、アリオトの後ろを取って、蹴りを入れる。
「ぐはぁ!」
次も似たように4回曲がって攻撃。次は7回。フセミの動きは目では確実に追えない。翻弄され続けるアリオト。しかし、4度目の攻撃を黙って喰らってやるアリオトではなく、瞬時に、格子の線上に、土属性魔法で鋭利に尖った罠をいくつも生成する。
「テメェは速すぎんだよ」
「しまっ…」
移動の足を止められないフセミは、突然生成されたトゲに突っ込み、前のめりな頭から左目を通り、首、胸、体、足と一直線に切り傷が入ってしまったフセミ。そのまま、真っ直ぐに倒れ込む。
脳が移動経路を選択し、後から体がついてくる仕様の雷獣戦攻・『猎豹』。その圧倒的なスピードも通るルートがあらかじめバレていると、設置型のトラップや瞬時の置きグレなんかには簡単に引っかかってしまう。フセミの通るルートに土属性魔法のトラップを仕掛けたアリオトは完全に雷獣戦攻・『猎豹』を攻略したと言える。
フセミの傷は重度なもので、左目は完全に死に、首や胸からも出血が止まらない。ドクドクと血液が大量に漏れ出し、体温が急激に上昇する。
ーー熱い熱い熱い熱い。血が、止まらない。前も半分見えないし、左腕の感覚も全然ない。
「雷獣戦攻。いい技だったな。それ貰っていいか?」
「?!」
倒れたフセミの左腕を持ち上げ、そのまま体から裂き左腕をもぎ取るアリオト。もぎ取った腕にむしゃぶりつき、肉を喰らい、腹の中に落とし込む。そして何やら満足そうな笑みを浮かべ他の部位にも手を伸ばそうとするアリオトに対して、残りの力を振り絞り右手で雷撃を飛ばすフセミ。しかし、フセミの放った雷撃は簡単に止められてしまう。雷獣戦攻・『鎧』によって。
「こいつは便利だな。こんなもんを纏っていやがったとは。雷耐性は相当なもんだなこりゃ。微塵も効かねぇ」
アリオトの有する戦能・ 玉衡は、喰らった対象の力を自体に消化し使用するもの。今回、フセミの体の一部を喰らったことで不完全ではあるものの雷獣戦攻をやってのけてしまった。フセミの体を全身丸々自体に取り込むことで、その力は完全なものとなり、自由自在に使用することができるようになる。
「これが雷の魔女の戦能だ。覚えておけ。って言ってもテメェはここで死ぬけどな」
雷の魔女に選ばれし者だけが有する玉衡の力。
七賢者・雷の大賢者フセミ=カルトロス、捕食され死亡。
一方、上階では、メグレスが王国騎士団たちと対峙。張り合いのない敵に対して、手加減しても余裕で返せてしまい、戦いに面白みを見出せていなかった。
「こんなもんかよヘカスト王国!泥咆!」
泥属性魔法が中央通路を覆い尽くし、全域を自分のテリトリーとするメグレス。騎士たちの動きを鈍らせ、遠距離攻撃で詰める。簡単なお仕事。
「一国を相手にすることになるとかビビってたけど大したことねぇーなー。あー楽すぎて参っちゃう。」
「メグレス様。構成員からの報告です。地下収容所に投獄中だったフセミ=カルトロスをアリオト様が殺害。そして、七賢者の印が消えるところも確認済み。雷の大賢者を始末することに成功しました。」
「ご苦労さぁん。キリの良いところで撤退するぞお前ら。」
上層階の壁をぶち抜き、1階へ飛び降りるメグレスたち。ちょうど上がってきたアリオトと1人の構成員を連れ、ヘカスト王国を後にしようとした時、前から6人の騎士たちがメグレスたちを出迎えたのである。
1人は白銀の左右に整えられた上に弧を描く髭を生やしたイケおじ。
2人目は、左右の腰に長剣をさしている白い甲冑をかぶった騎士。
3人目は、巨大なミニガンを構えたガタイのいい大男。
4人目は背が低い割には、長剣の倍近い長さを誇るロングソードを扱う少年。
5人目はナイスバディなスタイルのいい女性神官。
6人目は2本の斧を持った、茶髭の老兵。
見た目だけで言えばどれもインパクトの強い個性豊かな騎士たちだが、彼らは一体何者なのか。
「もうお帰りですかな。犯罪者ども」
白銀の整えられた髭を生やしたおじさん騎士は、長剣を抜きアリオトたちの前へ歩み寄ってくる。
「誰だよお前」
「人にものを尋ねる時は、まずは自分からでしょう?」
前へ一歩踏み込み、長剣を持った腕を大きく振るう騎士。その一閃を後方に飛び交わす星界の使徒たち。
プシャァ!
間合いを見切り完全に避けたと思ったアリオトの左肩はかすり傷を負う。
「うぁ?避けたろ今の」
「距離を見誤ったかアリオト?」
「いやぁ、完全に避けたと思ったんだけどな」
「いやはや運がいい。まさか最初の一撃で仕留められるとは。」
「あぁ?!仕留めれてねーだろ」
「いえいえ。もう十分ですよ。ほら?なんだか少しずつ、クラクラしてきませんか?」
「?!」
「どうした?…どうしたアリオト!」
メグレスの声が少しずつ遠くなるのを感じるアリオト。最初の一撃に何か仕掛けがされていたか、目眩と発熱が体を襲う。
「まさか…毒か…。」
そのままアリオトは倒れてしまい全く動かなかった。
メグレスは不利と見るや否や、泥属性魔法で互いの間に泥の壁を生成し、敵の視線を遮る。
「ドンカス!マタギーユ!壁を壊せ」
白銀の髭を生やした騎士は2本の斧を持つドンカスと、ミニガンを構えたガタイのいい大男のマタギーユに命令を出し、泥の壁を壊そうとした。ドンカスは2本の斧で壁を切り刻み、マタギーユはマナを込めたミニガンを乱射する。片一方は徐々に切り口が広がっていき、片一方は壁を貫通して奥に弾丸を飛ばす。
「私たちの支える王国をここまでめちゃくちゃにしてくれたんだ。代償はきっちりいただきますよ。この六法剣がね」
ヘカスト王国、国王直属護衛騎士団『六法剣』。国王を守り、国の治安維持のためならばいかなる法をも無視して剣を振るうことを許された騎士団。
団長の白銀の髭を生やしたアーギル=インフォスト(36)。
白い甲冑を身につけた副団長、ルータス=デモンド(29)。
ミニガンをメイン武器とした大男、マタギーユ=オリバー(27)。
体格に見合わぬロングソードを扱う少年、ジバ=コムラ(16)。
ナイスバディの女神官、ハルエ=ミツバ(26)。
2本の斧で強気に前線を張る茶髭、ドンカス=グラッツォ(38)。
この6名により構成された六法剣。
アリオト襲った初撃にもしっかりと仕掛けが施されており、アーギルが剣を振るった瞬間に、後方支援のハルエが周囲全員の視覚情報を狂わせる無属性の幻惑魔法を展開していたため、長剣の間合いを誤認したアリオトは、攻撃を喰らってしまったというわけだ。そしてまさかの長剣には猛毒が塗られていたという不運。
六法剣の十八番にして、確実に1人を持っていく作戦。
ドンカスとマタギーユにより、泥の壁が崩壊させられると、メグレスは1人飛び出し、拳を振りかざす。
「そっちは偽物。」
「?!」
ジバの聴覚は人の何倍も優れており、心音や足音など音からいろいろな情報をキャッチするが、そのジバが、飛びかかってくるメグレスを偽物だと言った。
「あいよ!」
マタギーユは遠距離からミニガンの球を数発ぶち込むとメグレスの体はぐちゃぐちゃに弾け飛び、泥を飛散させた。これはメグレスの『泥人形』という泥属性魔法であった。そして後ろの構成員も…。
「全員偽物」
「「「「「了解!」」」」」
六法剣は、無傷のまま泥人形を一方的にたおす。全ての泥人形を片付けると、そこには他に人影が残っていなかった。
「逃げましたね。追いますよ」
「「「「「了解!」」」」」
メグレスは泥の壁で死角を作り、その隙に泥人形の生成と離脱を試みていた。
ーーあの一瞬で、足手纏いを連れ戦線離脱できるなんて、相当なやり手ですね。
団長であるアーギルを先頭にメグレスたちを追う六法剣。
「毒の匂いはこっちだ」
副団長ルータスの嗅覚は人の何倍も優れているため、アリオト付着させた毒の匂いを嗅ぎ分け追いかける。
七賢者を倒し、ヘカスト王国をめちゃくちゃにした星界の使徒。それをタダで帰すまいと追う六法剣。ヘカスト王国の反撃が始まる。
立て続けに爆発音を上げる地下収容所。
12人の囚人とアリオト、そしてフセミが対峙し合う。
「雷電撃!」
「雷電撃!」
アリオトとフセミ、互いの雷属性魔法がぶつかり合う。周囲に電撃が飛散する。そして、囚人達を味方につけたアリオトは、自分がフセミの攻撃を防ぎ、肉弾戦は囚人達にやらせる。手を傷つけながらもフセミに打撃を喰らわす囚人達。
バチン!
「いでぇ!!」
バチン!
「くそぉ!」
バチン!バチン!バチン!バチン!
自らの傷を顧みず、フセミに猛追する囚人達。
地下3階収容所投獄。彼らは無期懲役を課せられた実質死ぬまで檻から出られない受刑者たち。魔力阻害具をつけられ、近深くに投獄され、2度と陽の光を浴びることのない人間たち。そんな彼らに最後のチャンスといわんばかりに、脱獄の手引きをした星界の使徒。今ここでフセミを殺せば自分たちは晴れて自由の身だと言われている。それならば、全身全霊でフセミを殺すことが、受刑者たちが今すべきことに違いない。拳が使い物にならなくなろうとも、その身に電撃を浴びようとも、彼らの足は止まらない。
「オラオラオラ!逃げ回ってんじゃねーよガキ!」
「こっちだよ!オラァ!」
何発攻撃を入れても倒れない受刑者たち。それを12人も相手にし、さらにはマナを込めた雷属性攻撃はアリオトに邪魔される。決定打に欠けるフセミは次第に劣勢になっていく。
「動きが鈍ってきたんじゃねーか!ガキ!オラァ!」
「ぐはぁ!」
瞬間、かろうじて避けるか防ぐかしていたフセミに、重たい一撃が入る。
ーーここか!
土属性の力で拳を硬化させるアリオト。千載一遇のチャンスに隠し玉を披露する。アリオトの本来の得意属性は雷属性と土属性の複合属性・磁属性魔法。火属性は初見相手の完全なブラフ攻撃。電気を帯びたオート反撃を常に展開するフセミに多くの囚人たちを差し向け、自分の肉弾戦は無いと思わせての土属性硬化の1発。これは完全に裏をかかれたフセミ。
「こいつでしまいだぁーー!!!」
メリメリメリ、ズドン!部屋の壁を簡単にぶち破る威力。フセミの体からは骨が軋むような音まで聞こえてきた。
アリオトさえもこの一撃で仕留めるつもりで拳を放ったが、油断はしない。両手に火属性魔法と土属性魔法を展開させ、追撃する構え。1番得意の雷属性が効かない、もしくは吸収されるため致し方ない判断。
何やら煙の中でうごめく影を確認し、それと同時に魔法を展開。
「炎石爆!」
火属性と土属性の性質を合わせた魔法。発火させた岩石を3発撃ち込み、追撃。
ボン!ボン!ボン!
「どう調整してもアルカイドみてぇーに溶に変換できねーな。」
土属性と火属性の複合属性・溶属性。岩石を最大火力で熱し、融点で溶解する属性魔法。高温の火属性とそれに耐えうる土属性。互いに極めなければ発動できない複合属性であったが、これを七星の1人、アルカイドはやってのけるのだ。
「まあいいや。これで大賢者も…?!」
確実な一撃と追撃の3発をお見舞いしても、まだ立ち上がるフセミ。失いかけていた気をしっかり保ち、再び帯電した青白いオーラを纏う。
「おいおいおい。バケモンかよ」
「雷獣戦攻・『領域』!」
フセミが叫び出すと同時に、地下収容所全体に浮き上がる青白い格子状の枠。縦横四角形の格子がいくつも連なり、その線上はビリビリと帯電していた。
ーーなんだこりゃ。トラップ?触れたら感電するタイプとかか。確かめるか。
アリオトは両足を土属性魔法で硬化させ、わざと格子の上に立つ。多少静電気レベルの稲妻が反応するも、硬化しているとはいえ、騒ぐほどの攻撃ではない。トラップの線は薄い。だとしたら、この格子状の帯電したエリアは何を表すのか。
「おい、俺たちは何をすればいいんだ?」
囚人たちは、アリオトに指示を仰ぐ。
「奴は手負だ。全員で畳み掛けて息の根を止めろ」
囚人に対し、大雑把な指示を出すも、囚人たちは乗り気でフセミに向かっていく。何の作戦もない脳筋突撃。それだけ数の暴力とは強力なものであった。
フセミに突撃していく囚人たちの足下はパチパチと音を立てるも、やはり、驚いたり騒いだりするほどの痛みは感じない。謎な戦型スタイルに謎のトラップ。雷属性魔法を極めしアリオトでさえ、フセミの技も意図も理解できない。
自分に突撃してくる囚人たちを体術で捌くフセミ。先ほどとは打って変わって、逃げ回るわけではなく、その場で相手の攻撃をいなし続ける。側から見れば、囚人12人を相手に防戦一方のフセミ。囚人たちに全て任せても、フセミが倒れるのは時間の問題だと思い、一歩後ろに下がったアリオト。
「?!」
その瞬間、腹に衝撃を感じ、時計回りに一回転して倒れ込むアリオト。
「ぐはぁ!」
ーー何が起こった。何が。何が俺にぶつかったんだ。
アリオトの腹を襲う痛み。そして口の中は鉄の味でいっぱい。
アリオトは無理矢理にでも体を起こし、周りを見渡すと、囚人と戦っていたはずのフセミが一瞬にして、自分の後ろに立っていたのだ。
ーーまた瞬間移動か。でもどうやって。奴の動きは注視していた。それなのに、いつ動いたっていうんだ。
困惑するアリオト。勝利を確信してもなお、フセミから目を逸さなかったアリオト。それなのに、初撃同様に背後を取られてしまう。むしろ今回は、腹を狙われた時点で、背後に飛んだというより、自分の横を通り過ぎながら腹を攻撃して、背後に着いた感じがする。
「てめぇ…何しやがった…」
「お望みなら、もう一度見せてやろうか…」
シュピンッ!
ーー消えた…。
アリオトの目の前で青白い稲妻が走る。瞬時に腹を硬化するアリオトだったが、次に狙われたのは右足だった。
シュピン!シュピン!シュピン!シュピン!
次は左腕。腹。右頬。左足。背中。稲妻のごとき速さで幾度も攻撃を喰らうアリオト。
「雷獣戦攻・『 猎豹』」
雷獣戦攻・『領域』を展開して初めて成立する速技。雷獣戦攻・『猎豹』。格子状に展開された帯電したエリア。フセミはこの線上を直線的に移動していたのである。元々の雷属性を纏うことで得られる倍のスピードに、さらに限定された帯電するエリアを通過し、雷エネルギーを用いて倍ほど加速させる。通常時の実質4倍の速度で格子状に展開されたエリアを移動する速技。それが雷獣戦攻・『猎豹』。まさにチーターを彷彿とさせるスピードである。
「お前じゃ俺のスピードには着いてこれない。そこで伸びてる連中を連れて去るがいい」
フセミは先ほどまで対峙していた囚人たちを指差し、アリオトに引くよう命令する。
「油断したぜ、この野郎。こんな大技隠し持っていたなんて、フハッ。楽しませてくれんじゃねーか。」
「お前も土属性を隠していた。お互い様だ。」
「違いねーや。てめぇーには何だか特別な力を感じるな。その電気…うまそうだ!」
獣のような目をし、フセミに襲いかかるアリオト。しかし、フセミには雷獣戦攻・『猎豹』があるため、そう簡単に捕まえることはできない。たとえアリオトが雷属性のオーラを身に纏っても、フセミの速度には追いつけないだろう。通常の4倍の速度で動き回る相手は雷のオーラを纏った眼力で動きをかろうじて追うのがやっと。そんな相手をどう捕まえるか。その答えは案外簡単なものであった。
「遅い!」
シュピン!シュピン!シュピン!シュピン
格子状の上を、直線し、右に曲がり、左に2回曲がり、アリオトの後ろを取って、蹴りを入れる。
「ぐはぁ!」
次も似たように4回曲がって攻撃。次は7回。フセミの動きは目では確実に追えない。翻弄され続けるアリオト。しかし、4度目の攻撃を黙って喰らってやるアリオトではなく、瞬時に、格子の線上に、土属性魔法で鋭利に尖った罠をいくつも生成する。
「テメェは速すぎんだよ」
「しまっ…」
移動の足を止められないフセミは、突然生成されたトゲに突っ込み、前のめりな頭から左目を通り、首、胸、体、足と一直線に切り傷が入ってしまったフセミ。そのまま、真っ直ぐに倒れ込む。
脳が移動経路を選択し、後から体がついてくる仕様の雷獣戦攻・『猎豹』。その圧倒的なスピードも通るルートがあらかじめバレていると、設置型のトラップや瞬時の置きグレなんかには簡単に引っかかってしまう。フセミの通るルートに土属性魔法のトラップを仕掛けたアリオトは完全に雷獣戦攻・『猎豹』を攻略したと言える。
フセミの傷は重度なもので、左目は完全に死に、首や胸からも出血が止まらない。ドクドクと血液が大量に漏れ出し、体温が急激に上昇する。
ーー熱い熱い熱い熱い。血が、止まらない。前も半分見えないし、左腕の感覚も全然ない。
「雷獣戦攻。いい技だったな。それ貰っていいか?」
「?!」
倒れたフセミの左腕を持ち上げ、そのまま体から裂き左腕をもぎ取るアリオト。もぎ取った腕にむしゃぶりつき、肉を喰らい、腹の中に落とし込む。そして何やら満足そうな笑みを浮かべ他の部位にも手を伸ばそうとするアリオトに対して、残りの力を振り絞り右手で雷撃を飛ばすフセミ。しかし、フセミの放った雷撃は簡単に止められてしまう。雷獣戦攻・『鎧』によって。
「こいつは便利だな。こんなもんを纏っていやがったとは。雷耐性は相当なもんだなこりゃ。微塵も効かねぇ」
アリオトの有する戦能・ 玉衡は、喰らった対象の力を自体に消化し使用するもの。今回、フセミの体の一部を喰らったことで不完全ではあるものの雷獣戦攻をやってのけてしまった。フセミの体を全身丸々自体に取り込むことで、その力は完全なものとなり、自由自在に使用することができるようになる。
「これが雷の魔女の戦能だ。覚えておけ。って言ってもテメェはここで死ぬけどな」
雷の魔女に選ばれし者だけが有する玉衡の力。
七賢者・雷の大賢者フセミ=カルトロス、捕食され死亡。
一方、上階では、メグレスが王国騎士団たちと対峙。張り合いのない敵に対して、手加減しても余裕で返せてしまい、戦いに面白みを見出せていなかった。
「こんなもんかよヘカスト王国!泥咆!」
泥属性魔法が中央通路を覆い尽くし、全域を自分のテリトリーとするメグレス。騎士たちの動きを鈍らせ、遠距離攻撃で詰める。簡単なお仕事。
「一国を相手にすることになるとかビビってたけど大したことねぇーなー。あー楽すぎて参っちゃう。」
「メグレス様。構成員からの報告です。地下収容所に投獄中だったフセミ=カルトロスをアリオト様が殺害。そして、七賢者の印が消えるところも確認済み。雷の大賢者を始末することに成功しました。」
「ご苦労さぁん。キリの良いところで撤退するぞお前ら。」
上層階の壁をぶち抜き、1階へ飛び降りるメグレスたち。ちょうど上がってきたアリオトと1人の構成員を連れ、ヘカスト王国を後にしようとした時、前から6人の騎士たちがメグレスたちを出迎えたのである。
1人は白銀の左右に整えられた上に弧を描く髭を生やしたイケおじ。
2人目は、左右の腰に長剣をさしている白い甲冑をかぶった騎士。
3人目は、巨大なミニガンを構えたガタイのいい大男。
4人目は背が低い割には、長剣の倍近い長さを誇るロングソードを扱う少年。
5人目はナイスバディなスタイルのいい女性神官。
6人目は2本の斧を持った、茶髭の老兵。
見た目だけで言えばどれもインパクトの強い個性豊かな騎士たちだが、彼らは一体何者なのか。
「もうお帰りですかな。犯罪者ども」
白銀の整えられた髭を生やしたおじさん騎士は、長剣を抜きアリオトたちの前へ歩み寄ってくる。
「誰だよお前」
「人にものを尋ねる時は、まずは自分からでしょう?」
前へ一歩踏み込み、長剣を持った腕を大きく振るう騎士。その一閃を後方に飛び交わす星界の使徒たち。
プシャァ!
間合いを見切り完全に避けたと思ったアリオトの左肩はかすり傷を負う。
「うぁ?避けたろ今の」
「距離を見誤ったかアリオト?」
「いやぁ、完全に避けたと思ったんだけどな」
「いやはや運がいい。まさか最初の一撃で仕留められるとは。」
「あぁ?!仕留めれてねーだろ」
「いえいえ。もう十分ですよ。ほら?なんだか少しずつ、クラクラしてきませんか?」
「?!」
「どうした?…どうしたアリオト!」
メグレスの声が少しずつ遠くなるのを感じるアリオト。最初の一撃に何か仕掛けがされていたか、目眩と発熱が体を襲う。
「まさか…毒か…。」
そのままアリオトは倒れてしまい全く動かなかった。
メグレスは不利と見るや否や、泥属性魔法で互いの間に泥の壁を生成し、敵の視線を遮る。
「ドンカス!マタギーユ!壁を壊せ」
白銀の髭を生やした騎士は2本の斧を持つドンカスと、ミニガンを構えたガタイのいい大男のマタギーユに命令を出し、泥の壁を壊そうとした。ドンカスは2本の斧で壁を切り刻み、マタギーユはマナを込めたミニガンを乱射する。片一方は徐々に切り口が広がっていき、片一方は壁を貫通して奥に弾丸を飛ばす。
「私たちの支える王国をここまでめちゃくちゃにしてくれたんだ。代償はきっちりいただきますよ。この六法剣がね」
ヘカスト王国、国王直属護衛騎士団『六法剣』。国王を守り、国の治安維持のためならばいかなる法をも無視して剣を振るうことを許された騎士団。
団長の白銀の髭を生やしたアーギル=インフォスト(36)。
白い甲冑を身につけた副団長、ルータス=デモンド(29)。
ミニガンをメイン武器とした大男、マタギーユ=オリバー(27)。
体格に見合わぬロングソードを扱う少年、ジバ=コムラ(16)。
ナイスバディの女神官、ハルエ=ミツバ(26)。
2本の斧で強気に前線を張る茶髭、ドンカス=グラッツォ(38)。
この6名により構成された六法剣。
アリオト襲った初撃にもしっかりと仕掛けが施されており、アーギルが剣を振るった瞬間に、後方支援のハルエが周囲全員の視覚情報を狂わせる無属性の幻惑魔法を展開していたため、長剣の間合いを誤認したアリオトは、攻撃を喰らってしまったというわけだ。そしてまさかの長剣には猛毒が塗られていたという不運。
六法剣の十八番にして、確実に1人を持っていく作戦。
ドンカスとマタギーユにより、泥の壁が崩壊させられると、メグレスは1人飛び出し、拳を振りかざす。
「そっちは偽物。」
「?!」
ジバの聴覚は人の何倍も優れており、心音や足音など音からいろいろな情報をキャッチするが、そのジバが、飛びかかってくるメグレスを偽物だと言った。
「あいよ!」
マタギーユは遠距離からミニガンの球を数発ぶち込むとメグレスの体はぐちゃぐちゃに弾け飛び、泥を飛散させた。これはメグレスの『泥人形』という泥属性魔法であった。そして後ろの構成員も…。
「全員偽物」
「「「「「了解!」」」」」
六法剣は、無傷のまま泥人形を一方的にたおす。全ての泥人形を片付けると、そこには他に人影が残っていなかった。
「逃げましたね。追いますよ」
「「「「「了解!」」」」」
メグレスは泥の壁で死角を作り、その隙に泥人形の生成と離脱を試みていた。
ーーあの一瞬で、足手纏いを連れ戦線離脱できるなんて、相当なやり手ですね。
団長であるアーギルを先頭にメグレスたちを追う六法剣。
「毒の匂いはこっちだ」
副団長ルータスの嗅覚は人の何倍も優れているため、アリオト付着させた毒の匂いを嗅ぎ分け追いかける。
七賢者を倒し、ヘカスト王国をめちゃくちゃにした星界の使徒。それをタダで帰すまいと追う六法剣。ヘカスト王国の反撃が始まる。
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