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第二章 〜家族のカタチ
19話 『懸念と課題』
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1時間後の23時過ぎ。エヴァンの北側大門に集まる12名。街の人たちもミヅキの一件で大騒動になっており、警戒しながらエヴァンを後にする一行。次なる目的地は、ここから約24km離れたエヴァンとフラナの中間に当たる3つの街の1つ、リフトンであった。人口は約6万人ほどの小規模の街だが、旅のお土産や特産品などに特化した商業の街とも言える。そこで一度色々なものを買い揃えておきたいところ。フラナへは1週間以上かかるため、移動中の簡易寝具や食料、そしてミヅキの変装着を買いたい。
「にしてもこんな深夜に大勢で出発なんて、なんか肝試し行くみたいだな」
旅に出て早々、雰囲気を盛り上げようと話をふるハルミ。
「勘弁してくれ。おれぁそっち系無理なんだよ」
「ベルモンドはお化け無理なんだっけ」
「幽霊と虫はマジで無理だ。その点、光属性魔導士って幽霊とかにつえーだろ?」
「別に関係ないでしょ」
「関係ないですよ」
ベルモンドのボケにマジレスするハルミとカイト。実際、幽霊なんか存在するわけもないし、したとして光が苦手なんて話は迷信だろう。なぜなら幽霊が迷信なのだから。
「そういえば、マタタビさんに少しお話があって…」
「どうしたカイト」
「以前、マタタビさんにお見せしたフューチャーズのことなんですけど」
「あの占いのカードか。確か未来が見えるとかいう」
フューチャーズ。タロットカードに近いもので、自分に関する未来を予見することのできるカード。いつ頃からか、カイトはこのフューチャーズのカードを扱い、その通りの未来になるように行動していた。カイトにとっては、マタタビやグレイ、ミヅキらと出会うきっかけになったとも言えるものがフューチャーズであった。
「あの時僕が見た未来は、マタタビさんとグレイ、そしてミヅキの3人の背中を見つめる僕でした。予想ですが、3人とともに冒険に出る、みたいな感じの予兆だったと思います。ただ、今日まで似たような光景を目の当たりにしてないことや、ここまでの大所帯になったことなど、色々予兆と外れたものがあって…それが少し心配というか」
「あくまでもタロット、占いだろう。そんな深く考え込むことではないんじゃないか?あまり信じすぎるのも良くない。私たちの存在を事前知ることができていた点は驚いたが、100パーセント未来予知ができるって代物でもないんじゃないのか?そこら辺は私にはよくわからんが」
「そう…ですか。まあそういうものなんですかね」
客船で初めてカイトに会った時、カイトはすでにマタタビの存在と他2人のことをぼんやりと察していた節があった。それはフューチャーズによるものだと言っていたため多少なり、その効力に驚かされる部分はあった。しかし、どこまで行っても占いは占い。オカルトチックなものには裏があるもの。信じすぎるのは体に毒であるとマタタビは言う。
「そこまで不安が残るなら、一度落ち着いた時に見てみるといい。そのフューチャーズとやらを。これからの君の指針に関わるかもしれないからね」
「そうですね。リフトンで見てみます」
何やら懸念を抱いていたカイトだったが、今はとにかく前を向いて歩くことにした。
「私からも1ついいかな、シスター・リリアン」
「私ですか?!何でしょう」
「私たちは紅白海賊王祭りを中継越しに観戦していたのだが、君は無属性魔法の中でも支援魔法に特化した魔導士だとお見受けした。」
「そうですね。無属性の支援魔法は全般扱えますよ」
「私はこの旅で、グレイとミヅキとカイト、3人に魔法を教えているのだが、グレイとミヅキの2人はこれまたからっきしでな。体質やセンス云々の話もあるんだが、あまりうまいこと行かなくて、そこでまだ試したことのない無属性魔法に着目してな。私もあまり触れたことがない属性のため、専門外でな。もしこの旅のどこかで暇があれば少しレクチャーしていただけないかな?」
「無属性魔法…ですか。わかりました。あのマタタビ=ダンストンさんの頼み事ですからね、断るのは野暮というものです」
「私のことを知っているような口ぶりだな」
「あんたは結構どこでも有名だろ?」
「冒険者界隈では…知らない人いないです…」
リリアンはもちろん、レオネード・ハーツの面々もマタタビのことをしっかりと認知していた。しかもフルネームでだ。それだけ、冒険者界隈では有名な人物であったマタタビ。
「カイト君の師匠もマタタビさんなのか。通りでそこそこやるわけだ」
ーーそこそこ…か。
「そうですね。今は火属性魔法を教わってます」
「火属性?なんかつくづく僕とは相性悪いな」
「どういうことですか?」
「もちろん1番得意な光属性ではこてんぱんにされたでしょ?で次に得意なのは水属性だから、火属性魔法練習してもこの差は縮まりにくいってわけ」
紅白海賊王祭りでのサシの勝負で一方的に負けたカイト。事実であるためぐうの音も出ないが、それでもハルミの言い方は人を小馬鹿にしてるようにしか聞こえない。
「そうでもないんじゃない…」
ハルミの持論に対して否定的な意見をもつソウヤ。
「そもそもハルミとカイト君じゃ戦い方が違うから、つまり強いのベクトルが違う。一対一ならまだハルミの方が強いけど、そもそもカイト君の強みはサポート面だから、ハルミとは戦ってるステージが違うんだよ。サポートに徹した戦い方を研究している相手をボコボコにして勝ち誇るのは違うでしょ」
「言い訳だろ。」
「「「「「?!」」」」」
「結局、最後に自分を守れるのは自分の力だけだ。後方支援の誰か頼りじゃそのうち死ぬ。僕から言わせれば、せっかく人より優れた力(光属性魔法)を持ってるのに、サポートに徹したり小手先の戦術だけ学ぶなんて勿体無いね」
紅白海賊祭りを踏まえても、終始カイトに対して当たりが強く敵対心を持っている風なハルミ。同じ光属性魔法を扱う者だからだろうか。それとも他に理由があるのか。
「光属性魔法っていうのは僕たちだけに与えられた特権だ。他の誰にも扱えない特別な力なんだ。1番強い属性をサポートだけに使ってる君をみてると、僕は心底腹が立つね」
「おいおい、まだ旅は始まったばっかりだってのに、雰囲気悪くすんなよハルミ」
「あんたずっとカイト君に厳しいんじゃない?」
1番強い属性。それが光属性。ハルミはそういうが、他の属性とは何が違うのか。応用力を広く持ち合わせ、色々な状況に対応できる万能属性だが、掌印を組まなければいけないなどの欠点もある。カイトは、漠然とその強さを理解しているだけで、深くまで考えたことはなかった。
「ハルミさん。光属性とは一体何なんですか?他の属性魔法とは何が違うんですか?多少人より恵まれた才能やセンスを持ち合わせたことで扱えるだけで、」
「恵まれた?それは違うだろう。」
ハルミのその言葉には周囲も疑問を覚える。基本5属性。火、水、雷、土、風属性。それに分類できない、光と闇属性。明らかに後者は特別な何かがなければ使用することはできないはず。それこそ才能やセンスなのだと周囲は思っていた。しかし、ハルミはそれを否定する。光属性魔法とは決して恵まれた才などではないと。
「光属性魔法っていうのは、絶望に見舞われた者だけが見た一縷の光に手を伸ばして掴んだ力のことだ」
遠回しな言い方に、周囲の頭の中はハテナで埋め尽くされる。
「もっと噛み砕いて話せよハルミ」
「カイト君は、人生の中で、拭いきれない後悔や絶望を味わった経験があるはずだ」
「?!」
まさかそれって、弟のこと。
「後悔、絶望、失意、悲観。負の感情を抱かせるような衝撃的な体験をし、失意の中を這いあがろうと、抗おうとした者にのみ体現する力。それが光属性魔法だ。いくつか未提出の論文を書いたけど、大方間違ってはいないと思うよ。僕も子供の頃に両親と姉を亡くしているからね。その時に発現させている。恵まれた力なんて聞こえの良いものじゃない。これは絶望を知った者だけが扱える負の魔法だ。君には、なにか死んでも成し遂げたいことがあるんじゃないか?カイト君」
グレイやミヅキ、カイトの事情を知る者たちは何となく想像がついていた。それは、ドセアニア14代王子、アレス=ドセアニアへの復讐。
「それを成し遂げるための力が光属性魔法だ。サポート力なんか磨いてないで、1人でも戦える力を身につけた方がいいと思うよ」
少し考えた後に、カイトはハルミに打診する。
「ハルミさん。俺に、光属性魔法を教えてください!」
俺。カイトの一人称はなぜか俺に変わっていた。
「カイトさん…。」
「カイト…。」
時間もいよいよ深夜を周り、明かり無しでは前が見えないほどに暗くなっていた。グレイら一行は、道から外れた端の方で暖を取り、テントを2つほど張り、簡易寝具も置いて、6人交代で睡眠を取ることにした。
面子は、グレイ、カイト、ボーディアン、ハルミ、ソウヤ、シュウの6人。
マタタビ、ミヅキ、ベルモンド、ミヒャ、タツマキ、リリアンの6人で分かれた。
先に睡眠を取るのは後者の者たち。前者の6人はテントの前で暖を取り、周りに警戒を配っていた。そんな中、グレイは暖の近くで、本を2冊開き、暖の明かりを頼りに読み進めていた。
「何読んでるの…グレイ君」
グレイに話かけたのは、グレイに対して終始興味津々なソウヤだった。
「エルフ語の絵本です」
「エルフ語?!すごいもの読んでるね。多言語習得って結構大変なイメージがあるなぁ。どうしてまた」
「エルフや獣人、この世界にはまだまだ色んな人たちがいるってマタタビさんが言ってました。でも、みんながみんな人語を話せるわけじゃないみたいです!大変なことです!だからそんな人たちとも話せるようになりたいから、こうやって勉強してます!。それに…この本たちをセントリア大図書館に返却しなきゃならないんですけど、今となっては難しくなってしまったので…罪悪感がそうさせるのかもしれないです…」
「セントリア大図書館…ウエストのクリアスか」
「詳しいですねソウヤさん!」
「レオネード・ハーツってさ、独立ギルドではあるんだけど、小さい子からすると、学校とか修道院に似たイメージなんだよね。地理的なこととか、計算なんか、社会に出て役立つ知識なんかは全部叩き込まれたんだ。それで…勉強嫌いになったんだけどね」
ソウヤが語るレオネード・ハーツの実態。タツマキのいう精鋭揃いや筋肉だるまばかりを抱えた独立ギルドではなく、才能やセンスを買われた子供、身寄りのないものまで幅広く受け入れていた独立ギルドであったため、彼らが社会に出て苦労しないための知識を与える場にもなっていた。まさに、ソウヤのいう修道院や学校、他には学童や宿舎なんかに近いイメージもある。それを語るソウヤがレオネード・ハーツに入ったのも10歳。今のグレイとほとんど変わらない歳の頃であった。歴は今年で8年目。18歳の割には、今いる5人の中で1番の大先輩であった。
「多言語習得なんかは、人間の人口が多過ぎるのもあって、あんまり役立つものじゃないと思ってたけど…一応獣人語なら日常会話程度なら話せるよ」
「本当ですか?!?!」
目をキラキラ輝かせるグレイ。
「もし良かったら教えてください!獣人語も勉強中です!」
そう言いながら獣人語についての絵本と辞書を大きなリュックから取り出してソウヤに見せるグレイ。エルフ語は独学だが、獣人語について詳しい人がいるなら、直接教えてもらうしかないとお願いしてみる。
「いいよ。獣人語、一緒に勉強しようか」
一方、光属性魔法についてハルミに教わろうと打診したカイトはというと、ハルミに煙たがられていた。
「嫌だよーだ。何でライバルを育てなくちゃいけないわけ」
「そこをなんとか。光属性魔法扱える人なんて滅多に居ないですし、結構詳しそうじゃないですか?論文とか書いてるし」
「それは僕の努力の結果だろ?君も沢山の時間を使って光属性魔法について研究するといいよ」
カイトの頼みを頑なに断るハルミ。それにはハルミなりの深い理由があった。
「光属性魔法、発現方法はさっき言った通り。不幸に見舞われた云々の話。まあそれで全員が全員使えるようになるわけじゃないけど。でも大体当たってる。ただ、そういう奴らの行き着く先は、大体が復讐とかなんだよ。」
ハルミの鋭い考察に刺さるものがあったカイト。別にカイトの心を見透かしたわけではなく、あくまで光属性魔法を扱うものの傾向という話だ。そしてそれはハルミに当てはまる話だったからだ。
「僕がそうだからね」
「?!。ハルミさんも」
「"も"。君もね」
「…。そうですね。」
「…。ハァー。人の復讐に直結してしまうような力添えはしたくない。僕も元は復讐のためにこの力を磨いてきた。独学で魔法を学んで2年。レオネード・ハーツに入って3年。でもこの3年間は、僕の価値観を大きく変えるものになった。ギルドのみんなは家族のように思ってるし、みんなを守りたいと思って光属性魔法を極めてきたつもりだ。復讐のためがいつしか仲間のために変わり、今に至る。」
「仲間のため…ですか」
「今では、僕の復讐心ってのは、家族の命を奪ったやつへではなく、その状況を作ってしまった自分に対してだからね。現に姉の心臓は、僕のここにあるからね」
そういって自分の胸を親指で指すハルミ。何となく察しがつくのは、心臓が使い物にならなくなり、死にかけになってしまったハルミに、姉の心臓を移植したのではないかということ。
「それをした相手には、もう何も思わないんですか?」
「さぁ…。面と向かって会ったらどうなるか分からない。でも今は落ち着いてる。ただそれだけ」
自分はどうなのだろう。やはり、アレス=ドセアニアへの復讐心は強いのだろうか。弟・ハルトを襲った悲劇は今でも忘れない。自分は、アレス=ドセアニアと対峙したら、どうなってしまうのだろうか。
「改めて、復讐の協力をする気はない。ただ、僕の戦い方は、光属性メインだから、まぁ、見て盗むなりしなよ。前線の張り方ってやつを」
「?!…はい!よろしくお願いします!」
「だからそういうんじゃないって。こっそり盗めって話!」
「はい!!」
何だかんだで辛い対応だけじゃないハルミ。
初めて出会う自分以外の光属性魔法の使い手から盗めるものはしっかり盗もうと決めたカイト。
「あんたはあの輪に入らないのか」
「…。」
端の方で1人佇むボーディアンに対して、気を遣ってか声をかけるシュウ。シュウも同じ立場だったからか、ボーディアンに似た匂いを感じとる。
「グレイ君の話じゃ、元は敵だったんだろ?本心じゃどう思ってるんだよ、彼らのこと」
「どういう意味だ?」
「他人がとやかく言う話じゃないが、それでも敵に背中を預けることはできないってこと。今みたいに戦力が割れた時とか危険だろ?」
シュウの懸念はもっともなことだ。マタタビ1人に一方的にやられたボーディアンだ。正直、レオネード・ハーツやホーリー・シンフォの精鋭がごろごろいる今の状況で迂闊なことはできるはずがない。それでも戦力が割れたり、特別な状況においてなら、その牙を向けてきても不思議ではないからだ。
「嘘でも何でも、ここではっきりさせておきたいだろ。お前の目的を」
「…。」
「だんまりか?」
「グレイ…あのガキの甘さを正してやるだけだ。それ以外には何もない」
「そうかい。」
敵なのか、味方なのか、正直はっきりとしない答えに戸惑いをみせるシュウだった。そのため、誰かしらがしっかりとボーディアンという人間の動向を監視しておかなければならない。そもそもリリアンとの2人旅だったため、その約4、5倍の戦力が固まっている今なら1人の監視くらい容易なこと。
それから約4時間ほどが経ち、テントで休息を取っていた者たちと交代するグレイたち。
「就寝明けそうそうすまないが、さきほどの話をしよう」
「ミヅキさんに無属性魔法を教えるというものですね」
マタタビとリリアンの指導のもとでミヅキに無属性魔法を教えるという話が進んでいた。
「そもそもミヅキには、歌で味方を鼓舞する力がある」
「歌で、ですか?」
「そうよ。アタシは歌うことでみんなを支援する。アンタより手間はかかるけど、それなりの効果はあるのよ」
「せめて、アンタはやめなさい。教えを乞う立場だぞ」
リリアンに対しての口の利き方で、マタタビに注意されるミヅキ。
「ごめんなさい。」
「いえいえ…。」
「じゃあなんて呼べばいいのよ」
「皆さんからは、リリアンとかシスターと呼ばれてますかね」
「じゃあシスターでいいわ」
なんで頑なに名前で呼びたがらないんだと、頭を抱えるマタタビだったが話が進まないためその件は放置する。
「なんか覚えようで無属性魔法に手を出すのはやめておいた方がいいと私は思います。」
「なんでよ?」
「前提として、無属性魔法は基本5属性に分類されないからです。その点は、光属性魔法や闇属性魔法と似てますね。イメージとしては、火属性魔法から火を抜いたもの。水属性魔法から水を抜いたもの。このように、基本がしっかりとしていて初めて扱える魔法と言えます。お話を聞くに、他の属性魔法の扱いが苦手だから無属性魔法を試してみよう!というのは道理に反しています。まあもちろん全てセンスでやってのけてしまうなんてことも無いことは無いですけどね。きっとマタタビさんもそういう意味合いで頼まれたのでしょう?」
「まだ、ミヅキにウォーターベールを教えてから2日しか経っていない。そもそも魔法に触れてこなかったために、コツを掴むには多少時間がかかるだろう。ただ、出来ることなら急ぎで簡単な魔法を教えてやりたいのだ。もちろん無属性魔法と歌の力が似た系統の魔法であると思って頼んだ次第だ。レクチャーしてみて無理そうなら、1から基本5属性を教えるだけだから、気張らずお願いしたい」
「わかりました。明け方になってから、少しレクチャーしましょうか。とりあえず今は、時間の許す限り、ウォーターベールの修行をした方がいいかもしれませんね。その方が一石二鳥です」
「わかったわ!この4時間でマスターしてやるわ!」
そう意気込んでウォーターベールの修行に取り掛かるミヅキ。多少なり魔法を扱うコツについて教えるリリアン。
ミヒャとタツマキに関しては、ミヒャの治癒魔法で、タツマキの傷をゆっくり時間をかけて治していた。ベルモンドは見張り番で楽をしたいのか、テント周り数十メートルを土の壁で四角く囲み、またしても軽く仮眠に入る。
それぞれがそれぞれの課題と向き合う夜となった。
「にしてもこんな深夜に大勢で出発なんて、なんか肝試し行くみたいだな」
旅に出て早々、雰囲気を盛り上げようと話をふるハルミ。
「勘弁してくれ。おれぁそっち系無理なんだよ」
「ベルモンドはお化け無理なんだっけ」
「幽霊と虫はマジで無理だ。その点、光属性魔導士って幽霊とかにつえーだろ?」
「別に関係ないでしょ」
「関係ないですよ」
ベルモンドのボケにマジレスするハルミとカイト。実際、幽霊なんか存在するわけもないし、したとして光が苦手なんて話は迷信だろう。なぜなら幽霊が迷信なのだから。
「そういえば、マタタビさんに少しお話があって…」
「どうしたカイト」
「以前、マタタビさんにお見せしたフューチャーズのことなんですけど」
「あの占いのカードか。確か未来が見えるとかいう」
フューチャーズ。タロットカードに近いもので、自分に関する未来を予見することのできるカード。いつ頃からか、カイトはこのフューチャーズのカードを扱い、その通りの未来になるように行動していた。カイトにとっては、マタタビやグレイ、ミヅキらと出会うきっかけになったとも言えるものがフューチャーズであった。
「あの時僕が見た未来は、マタタビさんとグレイ、そしてミヅキの3人の背中を見つめる僕でした。予想ですが、3人とともに冒険に出る、みたいな感じの予兆だったと思います。ただ、今日まで似たような光景を目の当たりにしてないことや、ここまでの大所帯になったことなど、色々予兆と外れたものがあって…それが少し心配というか」
「あくまでもタロット、占いだろう。そんな深く考え込むことではないんじゃないか?あまり信じすぎるのも良くない。私たちの存在を事前知ることができていた点は驚いたが、100パーセント未来予知ができるって代物でもないんじゃないのか?そこら辺は私にはよくわからんが」
「そう…ですか。まあそういうものなんですかね」
客船で初めてカイトに会った時、カイトはすでにマタタビの存在と他2人のことをぼんやりと察していた節があった。それはフューチャーズによるものだと言っていたため多少なり、その効力に驚かされる部分はあった。しかし、どこまで行っても占いは占い。オカルトチックなものには裏があるもの。信じすぎるのは体に毒であるとマタタビは言う。
「そこまで不安が残るなら、一度落ち着いた時に見てみるといい。そのフューチャーズとやらを。これからの君の指針に関わるかもしれないからね」
「そうですね。リフトンで見てみます」
何やら懸念を抱いていたカイトだったが、今はとにかく前を向いて歩くことにした。
「私からも1ついいかな、シスター・リリアン」
「私ですか?!何でしょう」
「私たちは紅白海賊王祭りを中継越しに観戦していたのだが、君は無属性魔法の中でも支援魔法に特化した魔導士だとお見受けした。」
「そうですね。無属性の支援魔法は全般扱えますよ」
「私はこの旅で、グレイとミヅキとカイト、3人に魔法を教えているのだが、グレイとミヅキの2人はこれまたからっきしでな。体質やセンス云々の話もあるんだが、あまりうまいこと行かなくて、そこでまだ試したことのない無属性魔法に着目してな。私もあまり触れたことがない属性のため、専門外でな。もしこの旅のどこかで暇があれば少しレクチャーしていただけないかな?」
「無属性魔法…ですか。わかりました。あのマタタビ=ダンストンさんの頼み事ですからね、断るのは野暮というものです」
「私のことを知っているような口ぶりだな」
「あんたは結構どこでも有名だろ?」
「冒険者界隈では…知らない人いないです…」
リリアンはもちろん、レオネード・ハーツの面々もマタタビのことをしっかりと認知していた。しかもフルネームでだ。それだけ、冒険者界隈では有名な人物であったマタタビ。
「カイト君の師匠もマタタビさんなのか。通りでそこそこやるわけだ」
ーーそこそこ…か。
「そうですね。今は火属性魔法を教わってます」
「火属性?なんかつくづく僕とは相性悪いな」
「どういうことですか?」
「もちろん1番得意な光属性ではこてんぱんにされたでしょ?で次に得意なのは水属性だから、火属性魔法練習してもこの差は縮まりにくいってわけ」
紅白海賊王祭りでのサシの勝負で一方的に負けたカイト。事実であるためぐうの音も出ないが、それでもハルミの言い方は人を小馬鹿にしてるようにしか聞こえない。
「そうでもないんじゃない…」
ハルミの持論に対して否定的な意見をもつソウヤ。
「そもそもハルミとカイト君じゃ戦い方が違うから、つまり強いのベクトルが違う。一対一ならまだハルミの方が強いけど、そもそもカイト君の強みはサポート面だから、ハルミとは戦ってるステージが違うんだよ。サポートに徹した戦い方を研究している相手をボコボコにして勝ち誇るのは違うでしょ」
「言い訳だろ。」
「「「「「?!」」」」」
「結局、最後に自分を守れるのは自分の力だけだ。後方支援の誰か頼りじゃそのうち死ぬ。僕から言わせれば、せっかく人より優れた力(光属性魔法)を持ってるのに、サポートに徹したり小手先の戦術だけ学ぶなんて勿体無いね」
紅白海賊祭りを踏まえても、終始カイトに対して当たりが強く敵対心を持っている風なハルミ。同じ光属性魔法を扱う者だからだろうか。それとも他に理由があるのか。
「光属性魔法っていうのは僕たちだけに与えられた特権だ。他の誰にも扱えない特別な力なんだ。1番強い属性をサポートだけに使ってる君をみてると、僕は心底腹が立つね」
「おいおい、まだ旅は始まったばっかりだってのに、雰囲気悪くすんなよハルミ」
「あんたずっとカイト君に厳しいんじゃない?」
1番強い属性。それが光属性。ハルミはそういうが、他の属性とは何が違うのか。応用力を広く持ち合わせ、色々な状況に対応できる万能属性だが、掌印を組まなければいけないなどの欠点もある。カイトは、漠然とその強さを理解しているだけで、深くまで考えたことはなかった。
「ハルミさん。光属性とは一体何なんですか?他の属性魔法とは何が違うんですか?多少人より恵まれた才能やセンスを持ち合わせたことで扱えるだけで、」
「恵まれた?それは違うだろう。」
ハルミのその言葉には周囲も疑問を覚える。基本5属性。火、水、雷、土、風属性。それに分類できない、光と闇属性。明らかに後者は特別な何かがなければ使用することはできないはず。それこそ才能やセンスなのだと周囲は思っていた。しかし、ハルミはそれを否定する。光属性魔法とは決して恵まれた才などではないと。
「光属性魔法っていうのは、絶望に見舞われた者だけが見た一縷の光に手を伸ばして掴んだ力のことだ」
遠回しな言い方に、周囲の頭の中はハテナで埋め尽くされる。
「もっと噛み砕いて話せよハルミ」
「カイト君は、人生の中で、拭いきれない後悔や絶望を味わった経験があるはずだ」
「?!」
まさかそれって、弟のこと。
「後悔、絶望、失意、悲観。負の感情を抱かせるような衝撃的な体験をし、失意の中を這いあがろうと、抗おうとした者にのみ体現する力。それが光属性魔法だ。いくつか未提出の論文を書いたけど、大方間違ってはいないと思うよ。僕も子供の頃に両親と姉を亡くしているからね。その時に発現させている。恵まれた力なんて聞こえの良いものじゃない。これは絶望を知った者だけが扱える負の魔法だ。君には、なにか死んでも成し遂げたいことがあるんじゃないか?カイト君」
グレイやミヅキ、カイトの事情を知る者たちは何となく想像がついていた。それは、ドセアニア14代王子、アレス=ドセアニアへの復讐。
「それを成し遂げるための力が光属性魔法だ。サポート力なんか磨いてないで、1人でも戦える力を身につけた方がいいと思うよ」
少し考えた後に、カイトはハルミに打診する。
「ハルミさん。俺に、光属性魔法を教えてください!」
俺。カイトの一人称はなぜか俺に変わっていた。
「カイトさん…。」
「カイト…。」
時間もいよいよ深夜を周り、明かり無しでは前が見えないほどに暗くなっていた。グレイら一行は、道から外れた端の方で暖を取り、テントを2つほど張り、簡易寝具も置いて、6人交代で睡眠を取ることにした。
面子は、グレイ、カイト、ボーディアン、ハルミ、ソウヤ、シュウの6人。
マタタビ、ミヅキ、ベルモンド、ミヒャ、タツマキ、リリアンの6人で分かれた。
先に睡眠を取るのは後者の者たち。前者の6人はテントの前で暖を取り、周りに警戒を配っていた。そんな中、グレイは暖の近くで、本を2冊開き、暖の明かりを頼りに読み進めていた。
「何読んでるの…グレイ君」
グレイに話かけたのは、グレイに対して終始興味津々なソウヤだった。
「エルフ語の絵本です」
「エルフ語?!すごいもの読んでるね。多言語習得って結構大変なイメージがあるなぁ。どうしてまた」
「エルフや獣人、この世界にはまだまだ色んな人たちがいるってマタタビさんが言ってました。でも、みんながみんな人語を話せるわけじゃないみたいです!大変なことです!だからそんな人たちとも話せるようになりたいから、こうやって勉強してます!。それに…この本たちをセントリア大図書館に返却しなきゃならないんですけど、今となっては難しくなってしまったので…罪悪感がそうさせるのかもしれないです…」
「セントリア大図書館…ウエストのクリアスか」
「詳しいですねソウヤさん!」
「レオネード・ハーツってさ、独立ギルドではあるんだけど、小さい子からすると、学校とか修道院に似たイメージなんだよね。地理的なこととか、計算なんか、社会に出て役立つ知識なんかは全部叩き込まれたんだ。それで…勉強嫌いになったんだけどね」
ソウヤが語るレオネード・ハーツの実態。タツマキのいう精鋭揃いや筋肉だるまばかりを抱えた独立ギルドではなく、才能やセンスを買われた子供、身寄りのないものまで幅広く受け入れていた独立ギルドであったため、彼らが社会に出て苦労しないための知識を与える場にもなっていた。まさに、ソウヤのいう修道院や学校、他には学童や宿舎なんかに近いイメージもある。それを語るソウヤがレオネード・ハーツに入ったのも10歳。今のグレイとほとんど変わらない歳の頃であった。歴は今年で8年目。18歳の割には、今いる5人の中で1番の大先輩であった。
「多言語習得なんかは、人間の人口が多過ぎるのもあって、あんまり役立つものじゃないと思ってたけど…一応獣人語なら日常会話程度なら話せるよ」
「本当ですか?!?!」
目をキラキラ輝かせるグレイ。
「もし良かったら教えてください!獣人語も勉強中です!」
そう言いながら獣人語についての絵本と辞書を大きなリュックから取り出してソウヤに見せるグレイ。エルフ語は独学だが、獣人語について詳しい人がいるなら、直接教えてもらうしかないとお願いしてみる。
「いいよ。獣人語、一緒に勉強しようか」
一方、光属性魔法についてハルミに教わろうと打診したカイトはというと、ハルミに煙たがられていた。
「嫌だよーだ。何でライバルを育てなくちゃいけないわけ」
「そこをなんとか。光属性魔法扱える人なんて滅多に居ないですし、結構詳しそうじゃないですか?論文とか書いてるし」
「それは僕の努力の結果だろ?君も沢山の時間を使って光属性魔法について研究するといいよ」
カイトの頼みを頑なに断るハルミ。それにはハルミなりの深い理由があった。
「光属性魔法、発現方法はさっき言った通り。不幸に見舞われた云々の話。まあそれで全員が全員使えるようになるわけじゃないけど。でも大体当たってる。ただ、そういう奴らの行き着く先は、大体が復讐とかなんだよ。」
ハルミの鋭い考察に刺さるものがあったカイト。別にカイトの心を見透かしたわけではなく、あくまで光属性魔法を扱うものの傾向という話だ。そしてそれはハルミに当てはまる話だったからだ。
「僕がそうだからね」
「?!。ハルミさんも」
「"も"。君もね」
「…。そうですね。」
「…。ハァー。人の復讐に直結してしまうような力添えはしたくない。僕も元は復讐のためにこの力を磨いてきた。独学で魔法を学んで2年。レオネード・ハーツに入って3年。でもこの3年間は、僕の価値観を大きく変えるものになった。ギルドのみんなは家族のように思ってるし、みんなを守りたいと思って光属性魔法を極めてきたつもりだ。復讐のためがいつしか仲間のために変わり、今に至る。」
「仲間のため…ですか」
「今では、僕の復讐心ってのは、家族の命を奪ったやつへではなく、その状況を作ってしまった自分に対してだからね。現に姉の心臓は、僕のここにあるからね」
そういって自分の胸を親指で指すハルミ。何となく察しがつくのは、心臓が使い物にならなくなり、死にかけになってしまったハルミに、姉の心臓を移植したのではないかということ。
「それをした相手には、もう何も思わないんですか?」
「さぁ…。面と向かって会ったらどうなるか分からない。でも今は落ち着いてる。ただそれだけ」
自分はどうなのだろう。やはり、アレス=ドセアニアへの復讐心は強いのだろうか。弟・ハルトを襲った悲劇は今でも忘れない。自分は、アレス=ドセアニアと対峙したら、どうなってしまうのだろうか。
「改めて、復讐の協力をする気はない。ただ、僕の戦い方は、光属性メインだから、まぁ、見て盗むなりしなよ。前線の張り方ってやつを」
「?!…はい!よろしくお願いします!」
「だからそういうんじゃないって。こっそり盗めって話!」
「はい!!」
何だかんだで辛い対応だけじゃないハルミ。
初めて出会う自分以外の光属性魔法の使い手から盗めるものはしっかり盗もうと決めたカイト。
「あんたはあの輪に入らないのか」
「…。」
端の方で1人佇むボーディアンに対して、気を遣ってか声をかけるシュウ。シュウも同じ立場だったからか、ボーディアンに似た匂いを感じとる。
「グレイ君の話じゃ、元は敵だったんだろ?本心じゃどう思ってるんだよ、彼らのこと」
「どういう意味だ?」
「他人がとやかく言う話じゃないが、それでも敵に背中を預けることはできないってこと。今みたいに戦力が割れた時とか危険だろ?」
シュウの懸念はもっともなことだ。マタタビ1人に一方的にやられたボーディアンだ。正直、レオネード・ハーツやホーリー・シンフォの精鋭がごろごろいる今の状況で迂闊なことはできるはずがない。それでも戦力が割れたり、特別な状況においてなら、その牙を向けてきても不思議ではないからだ。
「嘘でも何でも、ここではっきりさせておきたいだろ。お前の目的を」
「…。」
「だんまりか?」
「グレイ…あのガキの甘さを正してやるだけだ。それ以外には何もない」
「そうかい。」
敵なのか、味方なのか、正直はっきりとしない答えに戸惑いをみせるシュウだった。そのため、誰かしらがしっかりとボーディアンという人間の動向を監視しておかなければならない。そもそもリリアンとの2人旅だったため、その約4、5倍の戦力が固まっている今なら1人の監視くらい容易なこと。
それから約4時間ほどが経ち、テントで休息を取っていた者たちと交代するグレイたち。
「就寝明けそうそうすまないが、さきほどの話をしよう」
「ミヅキさんに無属性魔法を教えるというものですね」
マタタビとリリアンの指導のもとでミヅキに無属性魔法を教えるという話が進んでいた。
「そもそもミヅキには、歌で味方を鼓舞する力がある」
「歌で、ですか?」
「そうよ。アタシは歌うことでみんなを支援する。アンタより手間はかかるけど、それなりの効果はあるのよ」
「せめて、アンタはやめなさい。教えを乞う立場だぞ」
リリアンに対しての口の利き方で、マタタビに注意されるミヅキ。
「ごめんなさい。」
「いえいえ…。」
「じゃあなんて呼べばいいのよ」
「皆さんからは、リリアンとかシスターと呼ばれてますかね」
「じゃあシスターでいいわ」
なんで頑なに名前で呼びたがらないんだと、頭を抱えるマタタビだったが話が進まないためその件は放置する。
「なんか覚えようで無属性魔法に手を出すのはやめておいた方がいいと私は思います。」
「なんでよ?」
「前提として、無属性魔法は基本5属性に分類されないからです。その点は、光属性魔法や闇属性魔法と似てますね。イメージとしては、火属性魔法から火を抜いたもの。水属性魔法から水を抜いたもの。このように、基本がしっかりとしていて初めて扱える魔法と言えます。お話を聞くに、他の属性魔法の扱いが苦手だから無属性魔法を試してみよう!というのは道理に反しています。まあもちろん全てセンスでやってのけてしまうなんてことも無いことは無いですけどね。きっとマタタビさんもそういう意味合いで頼まれたのでしょう?」
「まだ、ミヅキにウォーターベールを教えてから2日しか経っていない。そもそも魔法に触れてこなかったために、コツを掴むには多少時間がかかるだろう。ただ、出来ることなら急ぎで簡単な魔法を教えてやりたいのだ。もちろん無属性魔法と歌の力が似た系統の魔法であると思って頼んだ次第だ。レクチャーしてみて無理そうなら、1から基本5属性を教えるだけだから、気張らずお願いしたい」
「わかりました。明け方になってから、少しレクチャーしましょうか。とりあえず今は、時間の許す限り、ウォーターベールの修行をした方がいいかもしれませんね。その方が一石二鳥です」
「わかったわ!この4時間でマスターしてやるわ!」
そう意気込んでウォーターベールの修行に取り掛かるミヅキ。多少なり魔法を扱うコツについて教えるリリアン。
ミヒャとタツマキに関しては、ミヒャの治癒魔法で、タツマキの傷をゆっくり時間をかけて治していた。ベルモンドは見張り番で楽をしたいのか、テント周り数十メートルを土の壁で四角く囲み、またしても軽く仮眠に入る。
それぞれがそれぞれの課題と向き合う夜となった。
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