グレイロード

未月 七日

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第一章 〜冒険の始まり

10話 『プロですから』 アケル・インナヴィ号編 完

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 船の旅に不安を持つものたち。星界の使徒の激闘に巻き込まれる形となった乗客。中には闇属性魔法による犠牲者も1人出ている。ボロボロの客船。この事件を起こした星界の使徒の構成員が未だ乗船しているという事実。色々なことが重なり不満を露骨に現す乗客たち。
「なんだかピリピリしてるわね、いゃな感じ」
「仕方ないさ、実際1人死んでるわけだしな。まだ敵が乗ってるって知ってる人からしてみたら次は自分が…なんて思ってしまうんだろ」
「あんたなんか変じゃない?なんか雰囲気違うわ」
 カイトの話口調に違和感を感じるミヅキ。もっと俺が俺がみたいなオラついた感じだったような気がしてたのにと、大人しそうな雰囲気とのギャップを感じていた。
「カイトさんはこんなんじゃないんですか?」
 2人の会話が聞こえてきて気になり出すグレイ。
「星界の使徒と戦ってた時とかはもうものすごい生意気なやつ!口も悪いしね」
「ハハハッ~なんかすいません」
「ほらそれ!アタシ相手にタメ口でオラついてたくせに、すごい下手に出るじゃない」
 またしても口調を指摘されるカイト。少し自分の中で考えをまとめて、昔のことについて話すことを決めた。
「あれは3年前、まだ学院の中等部にいた頃の話だよ…」

-------------------

 キーン、コーン、カーン、コーン。
 キーン、コーン、カーン、コーン。
 学院のチャイムがなりカイトの所属していたクラスでは終礼が始まろうとしていた。
「これ後ろに回してねー」
 全体に配られた一枚のプリント。郊外外出禁止命令書と書かれたもので、主な内容は、郊外の外で頻発している紛争の被害が拡大する見込みがあるというもので、ある期間中外出を抑制させるというものだった。
「物騒だよな」
「まだあそこで戦争してんの?」
 ほんとに物騒な話だな。先月からずっと、2つ隣の都市を中心に拡大気味になっていた2グループによる戦争。利害関係の問題か、はたまた価値観や宗教の相違か、何が理由かはわからないが、こちらまで被害が拡大してくるのは迷惑な話だ。
「いいわね!書いてある通り戦争が激化してる地域に近いところから順に長期休暇に入ってもらって一切の外出禁止を徹底してもらいます。体育館で非常食や被災用具の一部支給もしてるからちゃんと受け取って帰りなさいよ」
「「「「はーーい」」」」

 終礼も終わり、学院に置いてある全ての荷物を運び出す生徒たち。
「冬休み早まるのはいいけどよー急に今日荷物持って帰れってのはしんど過ぎるよなー」
「そうだね。」
「元気ねーじゃんカイト」
「あぁ、弟がちょっと心配でな」
「そういやカイトん家って隣町か」
「まだ、被害は届いてないけど、近いっちゃ近いからさ」
 2つ隣の都市で勃発した戦争。カイトの住んでいる家がある場所は紛争地域と学校がある都市の丁度間にあった。絶対安全を謳った上での外出禁止命令。ほんとに紛争地域より遠くに避難しなくて良いのかと疑問を覚えるカイトだったが、国家に逆らう気もなく従うしかないと割り切って、すぐさま弟の元へ帰りたいとだけ思って早歩きをする。
「おい、体育館寄らなくていいのか?」
「いい!先帰る」
「あっそ、また休み明けな!!」
「あぁーーまたな」
 友達と別れて、大荷物を背負いながら家に直行するカイト。学院を出て駅まで15分、隣町まで魔電車で40分、家まで20分。約1時間ほどの通学路で中学院生にはしては通り道のりを大荷物を背負って移動して疲れ果てる。
「ただいま~」
「おかえり兄ちゃん、すんごい荷物だね!部屋まで持つよ」
「冬休みの入りが早まったんだよ、それで」
「戦争のせい?」
「…ハルトは心配しなくていいよ。兄ちゃんが守ってやるからな」
 朝から晩まで毎日轟音を響かせる隣町。いつまで争い合うつもりなんだろうか。どうせ戦争を始めた方はろくな奴らじゃない。それでも…ここままこの土地で、あの学院で魔法を学んでいけば、いずれ僕もああいった争いごとに巻き込まれていくのだろうか。紛争地域の傭兵団、もしくはギルドに加入するものの宿命として、出兵の可能性が挙げられる。そうしたら、最悪ハルトを1人にしてしまうことになりかねない。何のために魔法を学んでいるのか、将来を不安視するカイト。

 冬休みに入り三日後、事態は急変する。深夜、町中の人々が眠りについている頃、遠くに聞こえていた轟音は急接近し、爆音に変わり、大きく町中をどよめかす。

ウゥウウウウウウウウウ~

 町中に鳴り出す緊急警報。
「何だ何だ!」
「早く逃げろ!!」

 外が急に騒がしくなり、目を覚ましたカイトは、部屋の窓を開けて外の状況を確認する。すると、町中はそこら中が火の海になっており、必死に逃げる人々が見えた。
「やばい、ハルトーすぐに起きろ!」
「兄ちゃん?」
「早く目を覚ますんだ!ここから逃げるんだよ」
 ハルトの手を引っ張り、何を持っていけばいいか分からず、とりあえず財布だけはケツポケットにしまい、2人手を繋いで家を出る。とにかくどこか遠く、在籍しているムヘト中高学院があるリーナの街を目指して駆け出す兄弟。
「兄ちゃん、戦争?」
「心配すんな!兄ちゃんがずっと隣にいるから!手をしっかり握ってろ!」
 ハルトに余計な心配をさせたくないカイト。こんな時に父さんと母さんはどこに行ってるんだ。仕事なのか、用事なのか。考え事をしながら走るカイトの不意をつくように、向かいの家へ砲撃が撃ち込まれ、目の前で大爆発が起こる。
 ドカーーーン!
「うああああ」
 真横で聞こえてくる子供の高い叫び声と左腕にドッと重さを感じた。
 爆煙がおさまり、状況を確認するカイト。横で血だらけになった足を抑えているハルトの姿が見られた。
「どうしたんだハルト!」
「わからない、急に何か当たって、足が」
 辺りを見回して察する。砲撃で爆発した建物の瓦礫が飛んできたのだと。
「歩け…ないよな?」
「痛いよ、すごく」

「フィヨルド軍はあっちだ!!進め!」
 近くで聞こえてきた傭兵団の声。もう戦場はここまで拡大してきている。ここで足を止めてたら巻き込まれて命を落としてしまう。
「ハルト!背中に乗るんだ」
 前屈みになり、背中をハルトへ向けるカイト。14歳と12歳の2人。体の大きさも目で見て分かるほどの差もなく、自分を担ぐのと同じようなものだが、弟を放って置けないカイトはそれでもハルトを担ごうとする。
「無理だよ兄ちゃん」
「兄ちゃん信じろ!兄ちゃんが間違ったこと言ったことあったか?(笑)」
 こんな状況でも弟にはニコやかな表情を見せ安心させようとする。
「さぁ早く」
 カイトの首に手を回し、体重を前へ乗せるハルト。
「よいっしょ」
 ハルトの太もも裏に腕を回し背負って一歩ずつ歩き出す。ペースは遅いが一歩ずつ確実にその場から離れていく。
「ハァハァ」
 ほぼ自分と同じ大きさと重さのハルトを背負い、高熱の火の海の中を歩き回る。体温が徐々に上昇していくのを感じる。汗も止まらず、両腕も痺れてくる。ハルトも少しずつずり落ちていく。
「兄ちゃん、もう無理しないでよ」
「ダメだよ、こんなところで止まってちゃ後ろから…」
 ズドン!! ドカーーーン!!
 真後ろでまた爆発が起き爆風が飛んでくる。膝から崩れ落ちるカイトとそのまま、ずり落ちていくハルト。
「どうして、どうして、お前たちは争い合うんだーーーーー!!!」
 爆撃がした方へ振り向き、空へ向かって文句を吐くカイト。その瞬間、爆撃の先に見えた光景は、中学院生には理解が追いつかないものだった。
「なんだよアレ」
 カイトが爆撃の先で見たもの、それは真っ黒い見た目の巨大なバケモノだった。恐怖で尻餅をつき、尻を擦りながらも少しずつ後ろへ下がっていくハルトの元へ近づいていくカイト。ハルトの手を握りまた移動しようとしたその時、未だ遠くにいるはずのバケモノがこちらを振り向き、自分と目があったような気がしたカイト。
「!!」
 やばい、やばい、やばい。アイツは魔導士や傭兵とは別格な何か。人じゃないんだ。死ぬ…。
 死を悟ったと同タイミングで遠くのバケモノから繰り出される光線によって吹き飛ぶ2人。
 気づいた時には救護テントの布団に運ばれていたカイト。周りにも多くの重軽傷者が集められていた。
 カイトは動けない傷ではなかったのですぐに立ち上がって弟・ハルトを探すことにした。一人一人顔を確認していき、ハルトがいないか探す。どこいったんだろう。目覚める前の記憶が正しければ、ずっと隣にいたはずだし、自分が生きているならハルトも生きているはずだと考えるカイト。それでも救護テントにはハルトはいなかった。もしかすると、別で救護テントがあるのかもと思いテントの外に出てみると、そこは高い崖の上だった。救護テントはこの高い崖の上に設置されており、遠くに見えた自分たちの家がある都市フラナは今でも黒煙が立ち上り、多くの建物が崩壊して壊滅状態になっていた。その光景に目を丸くする。
 周りを見渡し鎧を身につけていた傭兵らしき人に話を聞くカイト。
「すいません!弟が、弟が見当たらなくて!ずっと隣にいたんですけど」
「それならそこら辺探せばいるんじゃないのか」
「あーー、えーーっと、フラナから逃げてる時で、」
「あぁ、そういうことか。いくつだ」
「ぼ、僕は14で、弟は12です」
「ちょっと確認してくるから待ってなさい」
「ありがとうございます!」
 傭兵らしき人に弟のことを調べてもらう間、フラナへ目を向け昨日の夜のことを思い出していたカイト。
 あの黒いバケモノはなんだったのだろうか。一夜にしてフラナを壊滅状態してしまうような破壊神。昔話に出てくるようなドラゴンや魔神みたいに大きかったそれは間違いなく人間がどうこうできるような存在ではなかった。

「にしても、凄かったな邪悪な悪魔巨兵グリムデーモン。召喚したのはアレス様だろ?」
「そうらしいな。部下数人と一緒に魔法陣を展開して、魔の世界から召喚したみたいだ。あれ一体の力でドセアニアは完全勝利ってもんさ」

 ドセアニア軍の兵士たちの話が聞こえてきたと思えば、その内容はおぞましいものだった。フィヨルド軍を制圧するためにドセアニア軍の者が召喚した魔の世界の住人。それがあの黒いバケモノの正体・グリムデーモン。一夜にして都市を一つ破壊してしまう力を持つバケモノを人間が召喚したというのか。戦争のためだけに?多くの人々を殺して、重症者を出して、それで手に入れた物って一体何なんだ。
 
 「おぉい坊や、お待たせ。えぇーーとだな、12歳くらいの子供を保護したかどうか記録を調べたんだが…君が最年少だったよ。もちろん年齢とかが確認できてない子達もいるけど、見た目的にも君より若そうな子はいなかったな」
 その話を聞いて絶望の表情を見せるカイト。中学院生が見せていいようなものではなかった。それに同情したか、ドセアニア兵士は、事態が落ち着いたら一緒にフラナへ出向こうかと提案してくれた。
「お願いします。。。」
 それがいつになるのか。まだあのフラナの街にハルトはいるのだろうか。足を怪我して動けない中で、苦しみ続けているのだろうか。瓦礫に埋もれていたり、もはや体のどこかが欠損してたり、、、嫌だ!考えるな!何も考えるな!弟は、ハルトは、生きてるから、イキデルガラ(泣)
「うぁあああーーーーん、あはん、あはん、うあーーーーーーん(泣)」
 ハルトがいない現状も、こんなことを考えてしまう自分も、何もかも忘れ去りたり。何のために魔法を学んでいたのか。こういう時に役立たない魔法。弟1人救えない魔法に何の価値があるっていうんだ。

 次にフラナの街へ足を運べたのは戦争が終結してから1週間後のこと。目を覚ましてすぐに声をかけた兵士のおじさんと共に家があった場所へ足を運ぶ。カイトとハルトの住んでいた家は崩壊していて、みる影もなかった。そこからハルトと共に逃げたリーナの方角へ歩いていく。そこら中に飛び散る血の跡。黒焦げの瓦礫。壁がぶち抜かれた家。フラナは悲惨な状態だった。
 一つ角を曲がったところで急に現れたエグれた地面。遠くの方から一直線で伸びたエグれた地面の左に見えた人影。まさかこれは、グリムデーモンの光線の跡?!ならあそこに見えるのはまさか、ハルト?!急に走り出し人影へ向かって走っていくカイト。
「坊や!待って」
 それを追う兵士。
 カイトが目にした人影の正体は、体を半分失っていたハルトの姿だった。それを前に膝をついて崩れ落ちるカイト。
「坊や…。」
「あぁぁぁああああああああ!!!!!」
 心中お察しといったところ。何と声をかけてやればいいかわからない兵士。
「あなたはドセアニアの方ですよね」
「あぁ、そうとも…」
「どうして、どうしてこんなことができるんですか!!!(泣)」
 どう答えればいいか迷う兵士。家を失い、故郷を壊滅させられ、大切な弟を失い怒り狂う子供に、何と答えるのが正解なのか。
「どうしてこんな簡単に人の命を奪えるんだ!!悪人が!!人殺しが!!(泣)」
 涙を浮かべながらもその目には怒りと苦しみ、悲しみ、全ての負の感情が混ざり合っていた。
「すまなかった。ドセアニアを代表して、私が詫びよう。この戦争、多くのものはきっと正義のために戦ったと、己の信じるもののために戦ったと、胸を張って言うだろう」
「正義?!これが!これがお前らの正義なのか!!」
「しかし、こんなもの間違っている」
「?!」
「多くの民衆を巻き込み、無抵抗な者たちにまで牙を向けて、その多くの命の上に掴み取った勝利には、何の価値もない。しかし、戦争がそういうものであるのもまた事実。一般兵士如きの私にはどうすることもできない。上の命令にただ従うのみ。」
「言い訳ですか。ただ上の命令に従っただけだから、許してくれと」
「そうは言っていない。この戦争を止められなかったのは私に力も地位も権力も無かったからだ。そして、弟を守れなかったのは君に力がなかったからだ」
「おまえ!!!!!」
 弟が死んだ責任を自分へ押し付けてくる兵士。どうしてそうなるんだ。お前たちが戦争を起こさなければよかった話だろ!なんで何もかもを奪われた者がさらに非難されなければならないんだ。
 兵士は腰を上げてハルトの元へ近づいていく。そしてハルトの体を持って歩いていく。
「何すんだよ!弟に触んな!お前らみたいな偽善者ぶったゴミにハルトの苦しみがわかるか!!のこの苦しみが!!!わかるもんか!!!」
「ハルト君と言うのか。今初めて君の名前を知れたよ。本当に申し訳ないことをしたハルト君。せめてこんなところではなく、もっと神聖な場所で眠ってくれ。」
 この兵士は、ハルトを…。
「君の名前はなんていうんだい?」
 後ろを振り返りカイトへ問いかける兵士。
「カイト…。」
「カイト…君の弟の命を奪ってしまって本当にすまなかった。もし君にその気があるのなら…」
 そういって腰に添えていた長剣をカイトと自分の間に投げ落とす。その行為が指すものは、自分を殺せということなのか。せめてもの償いなのか。長剣を拾い力強く握りしめるカイト。
「クッ…」
 兵士を睨みつけるカイト。怒りと苦しみと悲しみ、心の奥底を埋め尽くす負の感情。今ここで全てを奪った者へ復讐の一撃を…。長剣を持って兵士へ歩み寄るカイト。
「うぁぁぁぁああああ!!!」
 長剣を突き刺そうとしたかと思えば、地面に突き刺す。
「ハァハァ。分かってんだ!分かってるんだよ…ハルトを守れなかったのは俺に力が無かったからだって。ハルトを背負っていち早く逃げて、それでも間に合わなくて、バケモノに襲われて。もっと俺の足が動けば、ハルトを軽々背負えたら、バケモノを倒せたら、ハルトが生きてたなんて、俺が1番分かってるんだ…(泣)」
「グリムデーモン…あれは人間が扱っていいものじゃない。あんな悍ましいベイダー兵器。結局は扱いきれずにドセアニアにも牙を向けてきたために多くの魔導士が総出で封印をした。アレス=ドセアニア現14代王子、狂った人間だ」
 アレス=ドセアニア14代王子。それが今回のフィヨルドという大国と戦争をした者の名前。そして、グリムデーモンを魔界から召喚した張本人。フラナの街も、弟も何もかもを奪い去った者の名前。
「アレス=ドセアニア」
 そこでカイトの生きる目的ができた。
「ハルトをゆっくり眠らせてあげようか」
「ありがとうございます。貴方は良い人だと思います。」
「やめてくれ。君から弟を奪った国の兵士だ」

----------------ーーー

「それから悪人なんかと対峙した時には、自分じゃない何かが前のめりに出るようになったんだ」
「アンタも苦労してんのね。そんで…」
「復讐ですか?!」
 エッ?グレイの一言に驚くカイトとミヅキ。デリカシーとかが著しく欠落していたグレイ。グレイの大きな一言でこちらに視線を送ってくる乗客や船員たち。
「復讐…わからない。けどアレス=ドセアニア、本人を目の前にしたら自分がどうなってしまうのか僕にもわからない。」
 自分とはまた違った苦悩を経験していたカイトに同情するミヅキ。自分も相当苦労した幼少期を過ごしていたが、彼もまた同じかそれ以上の苦しみを味わってきた。それにグレイ、この子も小学院生くらいの年齢で誘拐されたり命を狙われたり、色々と経験してしまった。ここにいる3人は全員どことなく似ている気がする。
「ハルトさんに会いたいですね」
「そうか?」
「はい!挨拶したいです」
「そうか…ハルトもきっと喜ぶと思うよ。出身がノースのさらに北東の方だから、グレイがもし良ければ…故郷まで足を運ばないか?」
「行っていいんです?!行きたいです!カイトさんの生まれた場所へ!」
「じゃあ次の目的地決定ね!」

「船長さん!エヴァンへは後どのくらいなの?」
「あぁ…速力が落ちてるから正確にはわからないけれど、大体2、3日で着くと思うよ」
「オッケー!」

「みんなーーーーー!!!色々あったけどこの船の旅も後少しよ!辛いこともあったし、不安もいっぱいだと思うけど、元気を出して!ここで一曲披露させて、アタシのステージで元気出しなさい!私のファーストシングル『希望の唄』よ」
 旅への不安を抱いていた乗客たちに向けた今をときめくNo. 1アイドル・ミヅキ=イーサムのゲリラライブの開演。
「ミヅキちゃん!」
「何て幸運」
「無料でいいのか~」

「勿論よ!堪能しなさいな!」
 ゲリラ的に開演されたミヅキのステージは多くの者たちを楽しませ希望を与えたのであった。
「やっぱすごいんだね、アイドル・ミヅキ」
「当たり前でしょ!プロですから///」
 自分で言いながらも少し照れるミヅキに惚れ惚れする観客たち。

 3日後。
 ノース大陸・海賊の都エヴァンに到着。
 グレイ、マタタビ、カイト、ミヅキ、ボーディアンの新たな旅が始まる。

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