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「あーっ…分かんねえ…」
「…何とかしねえとだろ。テスト1週間前なんだから」
今は5月の終盤。
俺と港人は二人残って放課後、教室で中間テストの勉強をしていた。
(あの時以来図書室に行ってないし、先輩とも会ってなかった…。先輩を見るだけで…おかしくなりそうで)
かれこれ先輩とはあれからもう一ヶ月程会っていない。
理由は一つ。モヤモヤした気持ちになるから、だ。
中学から高校入学して少したった頃までは、単純に空が好きだった。
変な下心とかのない、ただ好きというピュアな感情。
でも俺は最近、一か月程前から、以前空へ抱いていた思いと、今、空へ抱く思いが異なり始めたことに気が付いた。
今は先輩を思い浮かべるだけでもすぐさま胸がドキドキと音を立てる。
触れて欲しい、俺を求めて、求められたい。
こんなことを考えるようになっていた。
以前まではこんなこと、考えたことがなかった。
…だから、何故か先輩に申し訳なくて、最近会うのを少しだけ控えていた。
「雅?」
「…っああ、ごめん」
今は港人と試験勉強をしている途中であると言うのに、また先輩のことを考えてしまっていた。
今は勉強も手につかない程、先輩を思っていた。
「空先輩のことか…?最近会ってないって言ってるもんな、急に会わないってなると寂しいだろうなあ…」
港人は察しがいい。
「うん…」
「あ!」
港人はペンを持ち動かしていた手を止め、何か閃いたように口を開いた。
「ん?」
「先輩に勉強教えてもらえば?」
「っは!?」
「せっかく一個上の先輩なんだしさ。勉強教えてもらって距離縮める…っていうの、すっげぇ少女漫画ぽくね!?」
…今の港人は俺よりノリノリだ。
「一ヶ月もあってないんだぞ!?急じゃないか…?」
「そんなに慎重に…何かお前らしくないな」
「うっ…」
先輩とそんな事をしてみたいなんて思ってしまったことは、とても恥ずかしくて港人にも言えていない。
「中学ん時ライン交換したんだろ?数年ぶりのやり取りで緊張するだろうけど送ってみんのもいんじゃね?」
「…」
確かに勉強を教えてもらえれば、距離は確実に近付く。
でも、先輩が隣にいる状況で俺は冷静に問題を解けるか…?
今の俺にはドキドキして無理…なんてことが起こりえると思う。
(またあの時みたいに…触れられたら…っ、自分を抑えられなくなりそう…)
いや、そんなに俺は何を期待しているのだろう。
あの時の先輩はただ意地悪でした揶揄いだったに違いない。
ただ好きな先輩に勉強を教えてもらうだけ。
実際、この問題の解き方を教えて欲しいだけだ。
「…うん、帰ったら連絡してみる」
そうして俺は、その後も港人と教室で試験勉強を続けた。
港人と解いて分からなかった部分をマークし、先輩に聞こう…なんてことを思いながら。
そうして、無事家へと帰宅した。
(ああ!どうする俺…?!)
俺は自分の部屋のベッドへ勢いよく飛び込む。
アプリを開き、先輩とのトーク画面を開く。
(最後に先輩にメッセージ送ったの2年前か…そんな経つか…)
俺の片想いは2年もの月日がたっていたんだ。
(ていうか、なんていれれば不自然じゃないだろうか…?!お久しぶりです、からいれるか…?)
俺は勉強を教えて欲しい、ただこの言葉を伝えるだけなのに、数十分も悩みに悩んで送れずにいる。
そしてついに俺は決心が着いた。
「…お、送っちまった…」
送信ボタンを押し、メッセージが先輩へと送信された。
(見てくれるかなあ…先輩…)
俺はそんなモヤモヤドキドキした気持ちを抑えきれず、ベッドに足をじたばたさせた。
(もう空みると俺ダメだ…好きすぎておかしくなる…)
スマホで開いてある空とのトーク画面を見ながら、頭でそんなことを考え、俺はただ空からの返信を待っていた。
「…何とかしねえとだろ。テスト1週間前なんだから」
今は5月の終盤。
俺と港人は二人残って放課後、教室で中間テストの勉強をしていた。
(あの時以来図書室に行ってないし、先輩とも会ってなかった…。先輩を見るだけで…おかしくなりそうで)
かれこれ先輩とはあれからもう一ヶ月程会っていない。
理由は一つ。モヤモヤした気持ちになるから、だ。
中学から高校入学して少したった頃までは、単純に空が好きだった。
変な下心とかのない、ただ好きというピュアな感情。
でも俺は最近、一か月程前から、以前空へ抱いていた思いと、今、空へ抱く思いが異なり始めたことに気が付いた。
今は先輩を思い浮かべるだけでもすぐさま胸がドキドキと音を立てる。
触れて欲しい、俺を求めて、求められたい。
こんなことを考えるようになっていた。
以前まではこんなこと、考えたことがなかった。
…だから、何故か先輩に申し訳なくて、最近会うのを少しだけ控えていた。
「雅?」
「…っああ、ごめん」
今は港人と試験勉強をしている途中であると言うのに、また先輩のことを考えてしまっていた。
今は勉強も手につかない程、先輩を思っていた。
「空先輩のことか…?最近会ってないって言ってるもんな、急に会わないってなると寂しいだろうなあ…」
港人は察しがいい。
「うん…」
「あ!」
港人はペンを持ち動かしていた手を止め、何か閃いたように口を開いた。
「ん?」
「先輩に勉強教えてもらえば?」
「っは!?」
「せっかく一個上の先輩なんだしさ。勉強教えてもらって距離縮める…っていうの、すっげぇ少女漫画ぽくね!?」
…今の港人は俺よりノリノリだ。
「一ヶ月もあってないんだぞ!?急じゃないか…?」
「そんなに慎重に…何かお前らしくないな」
「うっ…」
先輩とそんな事をしてみたいなんて思ってしまったことは、とても恥ずかしくて港人にも言えていない。
「中学ん時ライン交換したんだろ?数年ぶりのやり取りで緊張するだろうけど送ってみんのもいんじゃね?」
「…」
確かに勉強を教えてもらえれば、距離は確実に近付く。
でも、先輩が隣にいる状況で俺は冷静に問題を解けるか…?
今の俺にはドキドキして無理…なんてことが起こりえると思う。
(またあの時みたいに…触れられたら…っ、自分を抑えられなくなりそう…)
いや、そんなに俺は何を期待しているのだろう。
あの時の先輩はただ意地悪でした揶揄いだったに違いない。
ただ好きな先輩に勉強を教えてもらうだけ。
実際、この問題の解き方を教えて欲しいだけだ。
「…うん、帰ったら連絡してみる」
そうして俺は、その後も港人と教室で試験勉強を続けた。
港人と解いて分からなかった部分をマークし、先輩に聞こう…なんてことを思いながら。
そうして、無事家へと帰宅した。
(ああ!どうする俺…?!)
俺は自分の部屋のベッドへ勢いよく飛び込む。
アプリを開き、先輩とのトーク画面を開く。
(最後に先輩にメッセージ送ったの2年前か…そんな経つか…)
俺の片想いは2年もの月日がたっていたんだ。
(ていうか、なんていれれば不自然じゃないだろうか…?!お久しぶりです、からいれるか…?)
俺は勉強を教えて欲しい、ただこの言葉を伝えるだけなのに、数十分も悩みに悩んで送れずにいる。
そしてついに俺は決心が着いた。
「…お、送っちまった…」
送信ボタンを押し、メッセージが先輩へと送信された。
(見てくれるかなあ…先輩…)
俺はそんなモヤモヤドキドキした気持ちを抑えきれず、ベッドに足をじたばたさせた。
(もう空みると俺ダメだ…好きすぎておかしくなる…)
スマホで開いてある空とのトーク画面を見ながら、頭でそんなことを考え、俺はただ空からの返信を待っていた。
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