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第一話 私の新しい人生は!
しおりを挟む種族がランダムで始まるよくあるファンタジーゲーム。
AI搭載の転生システムによるゲームスタートは種族がランダムなのだ。人が一番バランス良くていいという人もいるし、アタッカー向けだと言われているのは龍人族。魔法得意なエルフなどの王道から…魔物にもなれるというゲーム世界。
魔物になるとややこしいと言われていたが、最初は絶対にランダム。運が運命を決める。
そして、私はその運命に導かれて魔物になってしまった。
魔物スタートとなるとスタートが街中ではなくその魔物の生まれる場所となってしまう。
私はひんやりした真っ暗な場所にいた。
(どこだろ?)
怖いという感覚はないけれど、せまい。
姿を確認したいし、どうにか空間を広げられないかともぞもぞ動く。
動いてみてわかったこと。手がない…
足はあるのかな?
頑張って足をばたつかせる。それにしても手のない魔物ってかなり縛りがあるなぁ。不便そうだ。四足歩行は出来そうにないな。
足はあるようだ。頭の方が暖かいからその方に這い出るように身を捩らせる。
足をばたつかせていたお陰かある程度空間ができ少し足場のようなものができた。周りにあるものが何かはわからないけど土みたいに何度か踏むと硬くなった。頭の方も少し動かしやすい。これなら思いっきり床をければ出られるかもしれない。
ゆっくりと足に力を込めて一気に飛び出すイメージで力を入れる!
すると眩しい世界に私は飛び出ることができた。
目が明るさになれるまでに時間がかかった。周りを見渡すと森のようだ。周りに何か小さな穴がいくつかあるが…なんだろうか。まあ、自分の体をようやく確認できる。
手や腕はないことは確認済み。ゲーム世界なのでプロフィールを開けばアバターの見た目と種族やらを確認できるはず。
メニューを開いて、早速確認。
【PN】:リリアLv1
【種族】リーフィ(幼生)
【特性】魔法耐性Ⅰ
【スキル】
土いじりⅠ 光合成Ⅰ 跳躍Ⅰ
《ステータス》▼
HP10
MP10
ATK1
DFE1
DEX10
SPD1
LUK100(固定)
リーフィという種族なんだ。見た目は、双葉が頭に生えてて、足のある球根…みたいな感じかな。幼生だし、ステータスもすごく低い…でもLUK最大値だ。補正かな。幼生だからかな。運がいいのはいいことだ。
魔物は確かに不人気だけど、いいところもある。進化ができるし、ステータスも成長させやすい。
人間や他の国を持つ種族は進化というのは出来ない。50レベルになったらもう一度転生できるのはできるけど…進化できるのなら人よりいい時もあると思うんだ。
だから、諦めないでこのまま最強を目指すぞっ!
とりあえずレベルを上げるのと、ステータスも強化しないと。
とりあえず伸ばすべきは防御と速さだよね。
魔物はスキル覚えやすいのと、人にはない特性という生まれた時に決まる能力がある。
そして魔物に生まれたら気をつけること。
人は敵だ。
たとえ魔物に生まれたプレイヤーだとしても魔物とみなされ倒される。
PK判定にはならないという鬼畜設定。
最初は人に会ったら即死と考えなくてはならない。に人の気配には敏感にならないと。
そしてもう1つ。
人と敵なのはさっき言った。では魔物はどうかというと…
同族であれば味方。天敵が現れたり攻撃をしない限りは味方である。
まあ幼生の私は生き残ることを考えていればいいんだ。
というか今私が出てきたところ。土の中だったんだね。小さな穴が空いてました。
周りには似たような葉っぱはなくぼっち説。
とりあえず声は出せるのか他に何ができないかできるかを試すため最初は声を出してみることに。
あー。
「フィー」
口笛のような音が聞こえました。ウグイスがいるわけでは無いようなら、それはつまり、私ですよね。
はい、意思疎通は現在不可能ということがわかりました。
掲示板が私の心の支えとなりそうです。
魔物に生まれたもののスレを見て情報を集めていきましょう。
次ですね。魔力はありました。この世界は魔法があります。人であれば街で依頼を受け、お金を稼ぎスキルを買えます。
今の私が町に入ったら即討伐…それは避けねばなりません。また土の中に逆戻りです。地味に抜け出すの辛いんです。
魔法の取得方法は…まだ発見されてないので後回しにしましょう。とほほ…自力が頼りですかね。
スキルの確認です。スキルは経験したことがスキルとなるようです。頑張ってジャンプした甲斐があって跳躍を覚えてますね。
まだ初期段階ですがどのくらい飛べるのでしょう?
説明を見てみます。
跳躍Ⅰ
上に跳ぶことができる。レベルが上がるごとに高さが上がる。現在1メートル。
1メートル…結構飛べてると思います。これなら猪突猛進の魔物にあっても避けられますね。
あと元から持ってたもの…でしょうか。こちらも確認大事ですね。
土いじりⅠ
土を触ったら手に入るスキル。
効果はないですね。這い出てくるのに触ったから手に入っただけですね…きっと。
光合成Ⅰ
双葉が光に当たると体力が回復する。回復頻度がレベルごとに上がる。(5秒に1回復)
日光浴したら、回復するなんて育てないと損です!頑張りましょう!
スキルの確認も終わりましたね。次は素早さ1がどのくらいの速さなのかです。これは逃げる事が多いであろう初期には大切な事です。
あと自分の成長日記みたいなのつけましょう。
自撮りスクショをして、初期ステータスもスクショ。魔物さんスレにいつかこうなりましたと発表できたらいいですね。
足で地面に線2本離して描き、どのくらいなのか試してみる。
プレイ時間のところで測って…今出せる全力で!
……大体目測5メートルくらいに5分かかりました。なんか信じられず何度も疲れきるまで走ったはスキル取れました。
突進Ⅰ…
うん。攻撃スキル覚えたね!防御1ということは自殺行為にしかならないけどね!
別の攻撃方法を考えましょう。
と言ってもですよ?
手もないのに何をしろと…
防御鍛えても攻撃も…
葉っぱでペチペチしろというのですかね…
……攻撃手段を考えるのにぼーっと木の根元にいると何やらカサカサ音。こういうのは大抵肉食の大型です。それか、お馴染みのスライムさん。私は植物ですから肉食系は怖くないですね。怖いとしたら…
『人』
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