トーメイさんは生産者

yukami

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第5話

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…おおー。高い。
近くで見るとそれなりに高くて大きな塔でした。そんな塔には似合わない小さな扉の前にケンジさんが立ってます。

「この扉に触ってごらん。」
[はい。]

わっ。転移した!石壁の迷路?みたいな感じ。
あ、ケンジさん達きた。

「守護霊が消えたからすぐ行ったのがわかった。できれば、ゴーストは可視モードにしてもらうと助かるな。」
[わかりました。]

「…なんで、ケンジのことは素直に聞くんだ。」

そりゃ、初見の人を変に扱う馬鹿じゃないです。あなたは初見ではなく知りあいでしょう。

「さて、そろそろ魔物が出てくるけど…」

ぎゃあ!

「…お。ゴブリン。」
ですな。

私は歩く。ゴブリンは走ってくる。

ヒョイっと避ける。
やはり見えていないので
「…え。どこにいる?え。おい?ゴブリン倒さないの?」

『いや、倒すのは簡単だと思います。今ゴブリンの後ろについて一緒にこっちに向かってきてます。完全に遊んでます。ちなみに、私物理聞かないので…通り抜けます。』

「「つまり?」」

『だから、メイ様は、君らの戦い方を見たいんではないでしょうか。』

…はい。どう戦うのが普通なのか、ちょっと興味でたので…。

「…MPKと間違えられるからやめようね。本当。」

『すみません。うちのメイ様が。』
「でも、ゴブリンだと一撃なんだよなぁ。ふっ。」

ぐぎゃ

…確かに。面白くない。ユウは盾と剣の騎士スタイル。ケンジさんは大剣スタイル。

[すみませんでした。次は戦います。]
「うん、よろしく。」

「…なんか、仲良くなってない?ケンジ。」
「そうか?普通だろ?嫉妬か?キモいぞ。」
[ユウはキモいナルシなのです。私と一緒に出かけて、あのイケメン…てな感じの声が聞こえるとドヤ顔かますのです。]

「ちょっ?!」
「……引くわー。」

『気持ち悪いです。今すぐ絶交してください。』
[したい。]

「ぇ。」

泣きそうな雄二。
「…そろそろからかうのはやめるか。」
[ですね。]
『いじられキャラ定着してますね。』

「ックゥソォ…」


やりすぎたでしょうか?
[やりすぎた。ごめんね?]

「…!」
「メイちゃんやめといたほうがいい。調子にのるから。放置でいいんだよ。こいつは。」
『メイ様、新しい敵です。』

アルのいう通りゴブリンが5匹来た。
すぐに走って後ろに回り込む。

「数多いか?」
「大丈夫か?」

『あ、もう行きましたよ。』

「「え?」」

杖持ちがいる。そいつから行こう。
首を切り落とす。
次、仲間を見てギョッとしたゴブリンは動きを止める。それの間に入って、しゃがんで回転斬り!
4匹一気に首が飛ぶ。
ふぅ、終わり。いつも通り気づかれてない。


「「…何が起きた。」」
『えっと…』
[ただいま。]

「説明よろしくお願いします。」
ケンジさんが急に敬語になった!

[え。どうしました?ゴブリンを倒しただけですよ?]

「いや、うん。そうなんだけど。」
『メイ様、どう移動して、敵倒しました?』
[え。まず、後ろに回り込んで、杖持ちの首飛ばして、仲間が死んだことに驚いた他のゴブリンの中央?が空いてたから割り込んでしゃがんで、クビが一気に飛ぶように回転斬りをした…です。]

「「…強っ。」」
『メイ様、さすがです。』

[まあ、敵は反応してくれないから…楽勝なのです。国の外のボスウルフが出てくるフィールドでレベル上げの作業をしてましたし…]

「ちょっと待った!ボスウルフ?!1人で!!?」
[はい。]

「…まじかよ。」
[そういえば知ってますか?ボスウルフ連続で10匹倒した後、11匹目は属性のついた敵が出るの。]

「「は?!」」
[知らなかったのですか。ダークネスウルフという闇属性の真っ黒狼と対戦しました。属性はランダムの可能性がありますが…それ以上はしてないので。]

「……。ねぇ?この後、メイちゃん予定ある?」
「おい。ナンパすんな。リラに殺されんぞ。」

「違うわ!ボスウルフの検証してもらいたいの!」
[構いませんよ。]
『私も手伝いましょう。』

…それに、ユウは何気に友達が多いんだな。
……私にはいないのに。

『…?メイ様?どうかされましたか?』
[なんでもないよ。]

サクサク進み第1のボス戦……も無事に終わる。

カタ、ガチャ
…?今の何かおかしくなかった?…まあ後にしよう。

「楽勝だな。珍妙な光景を見てしまったが…」
「何もしてないのに減り続けるボスの体力。」
『メイ様、私も頑張りました。』
[アルもありがとう。それで、ここから入り口とかに戻れたりするのですか?]

「おう、扉を触ったら、選択が出るぞ。出るか?」

[いえ、少し調べたいことあるのですがいいです?]
「「?」」

さっき、音は二回した。扉が開く音。それと何か動く音。
音は入って来た扉のそばからと、6階層に向かう扉から…
えっと…

コンコンコンコン…

『メイ様?どうされました?』

アルには少し静かにして待ってもらって壁に耳を当てたまま音を鳴らしていきます。こういうのは絶対何かありますからね。

コンコンコン…コンッ!
……!
ここだけ薄い。なら近くに…
[アル、ここら辺、変なところ無いか探して。]

『…かしこまりました。』

「え?何々?」
「どした?」
『隠し部屋見つけたようです。』

「「ファ?!」」

……あれ。隅っこだけ盛り上がってる…。
もしかして!

[アルみつけた。下がるように言って、罠かもしれないから。]
『…わかりました。お二方下がってください。』
「お、おう。」
「わかった。」

じゃ、早速!
カチ!!
ズズズズズ!!!

スイッチを踏むと白い石壁が奥に引っ込み、スイッチがあった方にずれていった。そして先がぽつぽつと足元に光る結晶のようなものがある道が現れる。

…あった。

「「わーお。」」
『お見事です。』

拍手された。
[ここは攻略した?]

「「してないしてない。俺ら知らない。」」
発見者その1のようだ。嬉しい。
それにしても、第一陣の人誰も気づかなかったんでしょうか。このダンジョン攻略しか目になかったのでしょうが、隠し部屋があるとか考えつきそうなものですが…ま、今はこの部屋の確認が先ですね。

[先進もっ!]
『はい。行きましょう。』

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