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第36話 姫島雪は見た
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姫島さんだった。
「あー雪ちゃんだー。早かったね」
俺の太ももに頭を乗せた体勢のまま、萌夢ちゃんが言った。
「図書委員代わってもらった……から……は、早く……こ、来れ……た……の」
姫島さんの声は震えていた。彼女の眼はまっすぐ萌夢ちゃんを、というか、俺の太ももに乗っかってる萌夢ちゃんの頭をじーっと見つめていた。……エスプレッソマシンは辛うじて収納されていた。
「あ、あの、えっと……も、萌夢ちゃん、何しているの?」
「えっと、先輩とちょっと、色々やろっかなーって思って」
「い、色々?」
「そ。色々。ねー、先輩?」
萌夢ちゃんが俺に微笑みかけた。俺は返事が出来ない。姫島さんと目が合う。ハッとする姫島さん。姫島さんは目をそらす。
「た、貴樹さん……こ、こんにちは……」
「あ、ああ、姫島さん、こんにちは。ひ、久しぶりだね。き、奇遇だなあ、こんなとこで会うなんて」
「あれ? 雪ちゃん、先輩と知り合いなの?」
「う、うん、友達のお兄様なの……」
「へー。そーなんだあ」
俺は激しく動揺していた。なんで新入部員が姫島さんなんだ? さらに、なんでよりによってこのタイミングなんだ?
「ひ、姫島さん、ぶぶぶ文芸部に興味があるのかなっ?」
萌夢ちゃんを膝枕させたまま、うわずった声で俺は言った。
「えっと、紗希ちゃんから聞いて……貴樹さん、文芸部だって……それで……あ、いや、違います……あの、私、本が好きで……あと書くのも好きで……それで……」
姫島さんの顔がかーっと赤くなる。あっという間に耳まで真っ赤になった。萌夢ちゃんと俺を交互に見る。小刻みに身体が震えていた。
「も、萌夢ちゃん……貴樹さんと、そ、そーゆー関係なの……?」
萌夢ちゃんの頭と手。膝枕と言うにはあまりにもラブラブなポジション。特に手とお口の位置。普通の関係とは思えなくて当然である。もはやお口の関係である。
「あ、あ、あの、えっと、その……お、お邪魔だね、私……。ご、ごめんね。……す、すみませんでした、貴樹さん……萌夢ちゃん」
萌夢ちゃんがぺこりと礼をした。そして扉を閉め、部室から出て行った。たたた。走り去る音。
「あーあ、雪ちゃん、帰っちゃったあ。なんでかな?」
萌夢ちゃんが言った。
「あ、あたりまえだ! いきなり目の前で男女がいちゃついていたんだ、気が動転するのも無理はないだろ?」
「まだ何もしてないのに?」
不思議そうに萌夢ちゃんが言った。
「この体勢で何もしてないはないだろ?」
「あ、そっか。じゃ、これから続きしようよ、先輩」
「はああ? これからだと!?」
「そうです。さ、しよ?」
「……!」
そうだった。ずーっと例の体勢のままだった。俺はあわてて萌夢ちゃんから離れた。そして鞄を手に部室を出ようとした。
「どこいくんですか?」
同じく立ち上がった萌夢ちゃんが俺を阻止した。
「そこをどいてくれ」
「どうしてですか?」
「彼女の誤解を解いてくる」
「誤解? どんな誤解ですか?」
「俺と萌夢ちゃんの関係に関する誤解だよっ!」
「誤解じゃないよ? 少なくとも萌夢はその気だったし。それに雪ちゃん、先輩の彼女じゃないでしょ? 問題ないじゃないですか?」
「問題あるんだ。姫島さんは妹のクラスメイトなんだ。妹にこのことが知れたら妹が誤解する!」
「妹さんが誤解することの何が問題なんですか?」
「つ、つまり……」
俺は言葉に詰まった。
「教えてください。何が問題なんですか?」
萌夢ちゃんが俺に詰め寄ってきた。
「……俺は紗希のステディなバリスタなんだ。紗希にだけカフェラテ飲ませるって、そう誓ったんだよ」
「ステディ?」
「そう、ステディ。サキュバス用語にあるんだろ、ステディ? 俺は紗希を裏切るわけには……」
「ふっるーい!」
きゃはは、と萌夢ちゃんが笑った。
「いったいいつの話ですか? ステディなんて! ないですよー、ないない! 今時のサキュバスは、もっとカジュアルに、いろんな人のをカフェラテ飲むんですよ! おっかしー! ステディのしか飲まないなんて、ありえませんよー」
「そうなの?」
軽いショックが俺を襲った。カジュアルにいろんな人のを飲む、だと?
「はい。そうなんです。もー、先輩ったら純情なんだからー。え? もしかしたら、妹さん、先輩のしか、飲んだことないんですか?」
「……たぶん」
確信はない。だが、そう信じたい。
「かーわーいー! ちょー純情! そんなサキュバスいるんだあ! じゃあ、今度妹さんに弟紹介しますね。先輩のと交換でどうですか? 弟ったら、発育途中でしょ? バリスタとしてはまだまだなんだ。だから、濃くはないけどあっさりしてて香りがよくて、これからの季節にはぴったりなんです」
弟を紹介? これからの季節にぴったり?
「あ、その代わり、萌夢には先輩の濃ゆいのを飲ませてくださいね? 先輩気がついてないですけど、先輩の、めちゃくちゃ美味しいんです。濃ゆいし。もう才能ですよ、それ! 生まれつきのバリスタって感じ!」
いつものとろけ顔の萌夢ちゃんではなかった。獲物を狩る猛獣の目だ。ネズミを飲み込もうとする蛇の目だ。俺は根源的な恐怖を感じた。
「妹さんずるいなあ。あんな美味しいの独り占めなんだあ」
――サキュバスは悪魔
そんなネットの書き込みを思い出した。
「ごめん、萌夢ちゃん!」
俺は萌夢ちゃんを強引にどかし、部室を飛び出した。
駅に向かって走った。ただただ、夢中で走った。
ICカード定期を押しつけるようにして改札を通り抜け、到着したばかりの電車に駆け込んだ。
自宅最寄り駅で電車を降り、ホームのベンチに座る。自販機でエナジードリンクを買った。
「はあ……」
頭の中がぐるぐるしている。いろんなことがありすぎた。萌夢ちゃんのこと。姫島さんのこと。ステディのこと。サキュバス・フェロモンのこと。
なんだよ、「生まれつきのバリスタって感じ!」って。マジでシアトルに引っ越すぞ?
――今時のサキュバスは、もっとカジュアルにいろんな人のを飲むんです
萌夢ちゃんがいったあの言葉が頭から離れない。紗希もそのうちいろんなバリスタのカフェラテを飲むのだろうか。もっと性能のいいエスプレッソマシンを求めて、町から町へ。地元では飽き足らず京都や東京へ。話題のカフェを訪ねて三千里。やがて行き着くシアトルのスターバックス1号店。そこで出会う運命のバリスタ……。
不意に咲江さんのことを思い出した。冗談と言いつつ、俺のカフェラテを飲もうとした咲江さん。あれ、やっぱり冗談じゃないのかも知れない。
紗希は咲江さんの娘だ。そのうち、あんな風になるのだろうか。それは嫌だ。
俺にとって紗希って何なのだろう? 血のつながっていない妹で、美人で、サキュバスで、毎日俺のカフェラテを飲んでくれて、だから俺は……気持ちよくて。
紗希は彼女ではない。俺は彼女を作ってもいい。
だから姫島さん経由で紗希が「俺と萌夢ちゃんが部室でいちゃついていた」と聞いても、あるいは「カフェラテ提供していた」と聞いても何の問題はないはずなのだ。「オーガニックの一番搾り」を紗希に提供さえすれば、それでいいはずなのだ。
いったい、俺は何を恐れているのだろう?
腕時計を見る。もう1時間近くホームのベンチに座っている。エナジードリンクはとっくに空っぽだ。空き缶をゴミ箱に捨て、家に向かうとしよう。
改札を出て家へ向かう。夏至まであと一ヶ月もない。まだ外は明るかった。
「あー雪ちゃんだー。早かったね」
俺の太ももに頭を乗せた体勢のまま、萌夢ちゃんが言った。
「図書委員代わってもらった……から……は、早く……こ、来れ……た……の」
姫島さんの声は震えていた。彼女の眼はまっすぐ萌夢ちゃんを、というか、俺の太ももに乗っかってる萌夢ちゃんの頭をじーっと見つめていた。……エスプレッソマシンは辛うじて収納されていた。
「あ、あの、えっと……も、萌夢ちゃん、何しているの?」
「えっと、先輩とちょっと、色々やろっかなーって思って」
「い、色々?」
「そ。色々。ねー、先輩?」
萌夢ちゃんが俺に微笑みかけた。俺は返事が出来ない。姫島さんと目が合う。ハッとする姫島さん。姫島さんは目をそらす。
「た、貴樹さん……こ、こんにちは……」
「あ、ああ、姫島さん、こんにちは。ひ、久しぶりだね。き、奇遇だなあ、こんなとこで会うなんて」
「あれ? 雪ちゃん、先輩と知り合いなの?」
「う、うん、友達のお兄様なの……」
「へー。そーなんだあ」
俺は激しく動揺していた。なんで新入部員が姫島さんなんだ? さらに、なんでよりによってこのタイミングなんだ?
「ひ、姫島さん、ぶぶぶ文芸部に興味があるのかなっ?」
萌夢ちゃんを膝枕させたまま、うわずった声で俺は言った。
「えっと、紗希ちゃんから聞いて……貴樹さん、文芸部だって……それで……あ、いや、違います……あの、私、本が好きで……あと書くのも好きで……それで……」
姫島さんの顔がかーっと赤くなる。あっという間に耳まで真っ赤になった。萌夢ちゃんと俺を交互に見る。小刻みに身体が震えていた。
「も、萌夢ちゃん……貴樹さんと、そ、そーゆー関係なの……?」
萌夢ちゃんの頭と手。膝枕と言うにはあまりにもラブラブなポジション。特に手とお口の位置。普通の関係とは思えなくて当然である。もはやお口の関係である。
「あ、あ、あの、えっと、その……お、お邪魔だね、私……。ご、ごめんね。……す、すみませんでした、貴樹さん……萌夢ちゃん」
萌夢ちゃんがぺこりと礼をした。そして扉を閉め、部室から出て行った。たたた。走り去る音。
「あーあ、雪ちゃん、帰っちゃったあ。なんでかな?」
萌夢ちゃんが言った。
「あ、あたりまえだ! いきなり目の前で男女がいちゃついていたんだ、気が動転するのも無理はないだろ?」
「まだ何もしてないのに?」
不思議そうに萌夢ちゃんが言った。
「この体勢で何もしてないはないだろ?」
「あ、そっか。じゃ、これから続きしようよ、先輩」
「はああ? これからだと!?」
「そうです。さ、しよ?」
「……!」
そうだった。ずーっと例の体勢のままだった。俺はあわてて萌夢ちゃんから離れた。そして鞄を手に部室を出ようとした。
「どこいくんですか?」
同じく立ち上がった萌夢ちゃんが俺を阻止した。
「そこをどいてくれ」
「どうしてですか?」
「彼女の誤解を解いてくる」
「誤解? どんな誤解ですか?」
「俺と萌夢ちゃんの関係に関する誤解だよっ!」
「誤解じゃないよ? 少なくとも萌夢はその気だったし。それに雪ちゃん、先輩の彼女じゃないでしょ? 問題ないじゃないですか?」
「問題あるんだ。姫島さんは妹のクラスメイトなんだ。妹にこのことが知れたら妹が誤解する!」
「妹さんが誤解することの何が問題なんですか?」
「つ、つまり……」
俺は言葉に詰まった。
「教えてください。何が問題なんですか?」
萌夢ちゃんが俺に詰め寄ってきた。
「……俺は紗希のステディなバリスタなんだ。紗希にだけカフェラテ飲ませるって、そう誓ったんだよ」
「ステディ?」
「そう、ステディ。サキュバス用語にあるんだろ、ステディ? 俺は紗希を裏切るわけには……」
「ふっるーい!」
きゃはは、と萌夢ちゃんが笑った。
「いったいいつの話ですか? ステディなんて! ないですよー、ないない! 今時のサキュバスは、もっとカジュアルに、いろんな人のをカフェラテ飲むんですよ! おっかしー! ステディのしか飲まないなんて、ありえませんよー」
「そうなの?」
軽いショックが俺を襲った。カジュアルにいろんな人のを飲む、だと?
「はい。そうなんです。もー、先輩ったら純情なんだからー。え? もしかしたら、妹さん、先輩のしか、飲んだことないんですか?」
「……たぶん」
確信はない。だが、そう信じたい。
「かーわーいー! ちょー純情! そんなサキュバスいるんだあ! じゃあ、今度妹さんに弟紹介しますね。先輩のと交換でどうですか? 弟ったら、発育途中でしょ? バリスタとしてはまだまだなんだ。だから、濃くはないけどあっさりしてて香りがよくて、これからの季節にはぴったりなんです」
弟を紹介? これからの季節にぴったり?
「あ、その代わり、萌夢には先輩の濃ゆいのを飲ませてくださいね? 先輩気がついてないですけど、先輩の、めちゃくちゃ美味しいんです。濃ゆいし。もう才能ですよ、それ! 生まれつきのバリスタって感じ!」
いつものとろけ顔の萌夢ちゃんではなかった。獲物を狩る猛獣の目だ。ネズミを飲み込もうとする蛇の目だ。俺は根源的な恐怖を感じた。
「妹さんずるいなあ。あんな美味しいの独り占めなんだあ」
――サキュバスは悪魔
そんなネットの書き込みを思い出した。
「ごめん、萌夢ちゃん!」
俺は萌夢ちゃんを強引にどかし、部室を飛び出した。
駅に向かって走った。ただただ、夢中で走った。
ICカード定期を押しつけるようにして改札を通り抜け、到着したばかりの電車に駆け込んだ。
自宅最寄り駅で電車を降り、ホームのベンチに座る。自販機でエナジードリンクを買った。
「はあ……」
頭の中がぐるぐるしている。いろんなことがありすぎた。萌夢ちゃんのこと。姫島さんのこと。ステディのこと。サキュバス・フェロモンのこと。
なんだよ、「生まれつきのバリスタって感じ!」って。マジでシアトルに引っ越すぞ?
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萌夢ちゃんがいったあの言葉が頭から離れない。紗希もそのうちいろんなバリスタのカフェラテを飲むのだろうか。もっと性能のいいエスプレッソマシンを求めて、町から町へ。地元では飽き足らず京都や東京へ。話題のカフェを訪ねて三千里。やがて行き着くシアトルのスターバックス1号店。そこで出会う運命のバリスタ……。
不意に咲江さんのことを思い出した。冗談と言いつつ、俺のカフェラテを飲もうとした咲江さん。あれ、やっぱり冗談じゃないのかも知れない。
紗希は咲江さんの娘だ。そのうち、あんな風になるのだろうか。それは嫌だ。
俺にとって紗希って何なのだろう? 血のつながっていない妹で、美人で、サキュバスで、毎日俺のカフェラテを飲んでくれて、だから俺は……気持ちよくて。
紗希は彼女ではない。俺は彼女を作ってもいい。
だから姫島さん経由で紗希が「俺と萌夢ちゃんが部室でいちゃついていた」と聞いても、あるいは「カフェラテ提供していた」と聞いても何の問題はないはずなのだ。「オーガニックの一番搾り」を紗希に提供さえすれば、それでいいはずなのだ。
いったい、俺は何を恐れているのだろう?
腕時計を見る。もう1時間近くホームのベンチに座っている。エナジードリンクはとっくに空っぽだ。空き缶をゴミ箱に捨て、家に向かうとしよう。
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