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第29話 お願い、兄さん。淹れて。
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月曜。俺は我慢を継続中。すなわちマラソン6日目。紗希もカフェラテ断ちで6日目だ。
まだ父さんも咲江さんも新婚旅行から帰ってきていない。南の島といえば海。海といえば水着。水着といえば咲江さんのハイレグビキニ。フェロモンなんぞなくても親父は……だろうなあ。
咲江さん、毎日何杯カフェラテ貰っていることやら。きっと親父は脂の抜けきった顔で帰ってくるんだろう。咲江さんは若返るんだろうなあ。紗希と同い年くらいに見えるかもしれん。そんな咲江さんに迫られたらどうなるんだろう。
などと考えるのは、マラソン6日目のせいだろう。さっき一瞬咲江さんのビキニ姿妄想したときテントはりかけてしまった。ヤバい。一応あの人、母親なんだぞ。義母だけど。
……そろそろ処理した方が良いのかもしれない。
脳を落ち着かせつつ、朝食を食べにダイニングへ。昨日の夜コンビニで買っておいた惣菜パンと牛乳そしてバナナをテーブルにセットする。
「……お……は……よ……う」
俺がバナナを食べ終えたころ、真っ青な顔をした紗希が、ブレザー姿でダイニングに現れた。死にそうな声だ。
「紗希? まだいたのか?」
「……うん」
俺がマラソン、紗希がカフェラテ断ちしてからというもの、紗希は一人で登校していた。今日も先に出かけたのだと思っていた。
「みるく、みるく……」
ふらふらと冷蔵庫に近づく。
「……あった」
冷蔵庫から牛乳パック取り出した。震える手で注ぎ口を開け、ラッパ飲みを始める。
「んぐ……っつ……ぷは……あふぅ……」
まだ半分以上残っていた牛乳を一気に飲み干してしまった。
「おい、大丈夫か!?」
「だ、だいじょうぶ」
うつろな目で紗希が答えた。全然大丈夫じゃない。
「顔真っ青じゃないか、大丈夫なわけないだろ!?」
「……か、構わないでよ」
立ち上がって鞄を持ち、玄関に行こうとする紗希。だが、途中で座り込んでしまった。あわてて俺は駆け寄った。
「気分悪いのか?」
「……べつに」
「もしかして、カフェラテ飲んでないからなのか?」
「……違う」
ふう……とため息をついてから紗希が立ち上がった。
「じゃ、どうしたんだよ」と俺。
「貧血。ただの」と紗希。
貧血? サキュバスにとってカフェラテは造血と関係があるんじゃなかったっけ?
「待てよ。そんなふらふらじゃ危ないだろ? 一緒に学校へ行こう。鞄持ってやるからさ」
「だ、大丈夫……だもん」
「大丈夫じゃないって。ほら!」
俺は紗希の手から鞄をひったくった。
「無理するなよ」
「……」
俺は両手に自分と紗希の鞄を持つ。電車に乗って学校へ向かった。
いつもの改札。いつものクラスメイトたちが心配そうに紗希と俺に声をかけてきた。
「紗希、どうしたの? 顔真っ青だけど!?」
「どうしたんですか、紗希ちゃん?」
クラスメイト達が口々に「大丈夫?」「無理しないで!」と紗希に声をかける。そのうちの一人が俺から紗希の鞄を受け取った。俺は紗希を彼女らに任せ、青木を待つ。
「紗希ちゃん体調悪そうだな、兄さん」
「兄さんはやめろ、青木」
「紗希ちゃんどうしたんだ? 顔真っ青だったぞ?」
「貧血らしい」
「なるほど……生理か」
「……あのなあ」
「だって女の子が貧血って言ったら生理しかないじゃねーの?」
生理生理うるさい青木を適当にあしらう。ったく、なんで俺はこんなガサツな男と友人なんだろう。それも中高同じなんだろう。
朝のショートタイムまで時間がある。スマホを取り出し紗希に「大丈夫?」とLINEを送った。返事はない。既読も付かない。紗希は真面目なので「校内では携帯電話・スマートフォンの電源を切ること(ただし昼休みを除く)」の校則を守っているのだろう。俺は守らない。
しばらくして担任がやって来た。俺はスマホをポケットにしまった。
♡ ♡ ♡
昼休み。真面目な紗希もスマホの電源をオンにするはずだ。「一緒に帰ろうか?」とLINEを送った。返信が来た。「だいじょうぶ」「みんなが送ってくれるし」だそうだ。クラスメイトが一緒か。なら大丈夫だろう。
昼休みが終わり、午後の授業を受けながら俺は考える。紗希はただの貧血ではない。体調不良の原因は青木の言うような生理などではない。カフェラテ不足によるものだ。
カフェイン離脱症を知っているだろうか? 長期的かつ日常的に一定量以上のカフェインを摂取していた場合、急にカフェイン摂取を中断するとカフェイン離脱症を発症することがある。症状としては激しい頭痛と著しい疲労感や眠気があげられる。さらにはカフェイン摂取の渇望から異常行動をとることがある。
今の紗希はまさに離脱の症状であろう。深刻なカフェラテ離脱だ。
咲江さんは週に1回はカフェラテしないと命に関わるって言ってた。明日で1週間になる。どれくらい危険なんだろう? 咲江さんが新婚旅行中なので詳しいことを聞くことが出来ないのがもどかしい。
ついでに言えば俺のマラソンもそろそろ限界に達しつつあった。思ったよりしんどい。気がついたら妄想にふけっている。とろけ顔の萌夢ちゃん、姫島さんのパンツ。脳内メモリーが勝手に再生を始め俺はテントを立てる。
おっと、駄目だ。今考えては駄目だ。学校内でソロキャンプなど許されない。恥ずかしい。ごそごそ。よし、なんとかテント撤収。
♡ ♡ ♡
放課後になった。教室を出て部室へ向かった。萌夢ちゃんはまだ来ていなかった。俺は鞄を置き、本棚から例のSFを取り出し、続きを読み出した。
そのとき。
ガラッ。
扉が開いた。
「やあ、萌夢ちゃん……ん? 紗希?」
萌夢ちゃんじゃなかった。紗希だった。真っ青を通り越し、真っ白。ていうか、ほぼ死体。そんな顔色だ。どう見ても尋常じゃない。
「だ、大丈夫か!? 顔、凄いことになっているぞ? 病院に行った方が……」
「カ……フェラ……テ……ちょう……だい」
俺の言葉をさえぎり、紗希が言った。鞄を放り出し、俺の足下にひざまずく。
「お、お願い、濃ゆいカフェラテ……飲ませて……お口にちょうだい……我慢できないの……さ、紗希のお口に直接……兄さんの……なんとかヘッド……突っ込んで……」
なんとかヘッド? ああ、グループヘッドか。紗希が弱々しい手でエスプレッソマシンを取り出す。抽出口の先端を物欲しそうに触る。
あ、こら、お口に持ってこうとするな! 危険だぞ! 高圧蒸気なんだぞ!
「ちょ、ちょっと待て、こ、こんなとこでそんな……」
私物の持ち込みや勝手な調理は校則で禁止されている。校内でコーヒーを淹れるなんぞ、重大な校則違反だぞ、紗希!
「もう限界よ……お、お願い、兄さん……カフェラテ……紗希に……淹れて……濃ゆくて熱いの……淹れて」
まだ父さんも咲江さんも新婚旅行から帰ってきていない。南の島といえば海。海といえば水着。水着といえば咲江さんのハイレグビキニ。フェロモンなんぞなくても親父は……だろうなあ。
咲江さん、毎日何杯カフェラテ貰っていることやら。きっと親父は脂の抜けきった顔で帰ってくるんだろう。咲江さんは若返るんだろうなあ。紗希と同い年くらいに見えるかもしれん。そんな咲江さんに迫られたらどうなるんだろう。
などと考えるのは、マラソン6日目のせいだろう。さっき一瞬咲江さんのビキニ姿妄想したときテントはりかけてしまった。ヤバい。一応あの人、母親なんだぞ。義母だけど。
……そろそろ処理した方が良いのかもしれない。
脳を落ち着かせつつ、朝食を食べにダイニングへ。昨日の夜コンビニで買っておいた惣菜パンと牛乳そしてバナナをテーブルにセットする。
「……お……は……よ……う」
俺がバナナを食べ終えたころ、真っ青な顔をした紗希が、ブレザー姿でダイニングに現れた。死にそうな声だ。
「紗希? まだいたのか?」
「……うん」
俺がマラソン、紗希がカフェラテ断ちしてからというもの、紗希は一人で登校していた。今日も先に出かけたのだと思っていた。
「みるく、みるく……」
ふらふらと冷蔵庫に近づく。
「……あった」
冷蔵庫から牛乳パック取り出した。震える手で注ぎ口を開け、ラッパ飲みを始める。
「んぐ……っつ……ぷは……あふぅ……」
まだ半分以上残っていた牛乳を一気に飲み干してしまった。
「おい、大丈夫か!?」
「だ、だいじょうぶ」
うつろな目で紗希が答えた。全然大丈夫じゃない。
「顔真っ青じゃないか、大丈夫なわけないだろ!?」
「……か、構わないでよ」
立ち上がって鞄を持ち、玄関に行こうとする紗希。だが、途中で座り込んでしまった。あわてて俺は駆け寄った。
「気分悪いのか?」
「……べつに」
「もしかして、カフェラテ飲んでないからなのか?」
「……違う」
ふう……とため息をついてから紗希が立ち上がった。
「じゃ、どうしたんだよ」と俺。
「貧血。ただの」と紗希。
貧血? サキュバスにとってカフェラテは造血と関係があるんじゃなかったっけ?
「待てよ。そんなふらふらじゃ危ないだろ? 一緒に学校へ行こう。鞄持ってやるからさ」
「だ、大丈夫……だもん」
「大丈夫じゃないって。ほら!」
俺は紗希の手から鞄をひったくった。
「無理するなよ」
「……」
俺は両手に自分と紗希の鞄を持つ。電車に乗って学校へ向かった。
いつもの改札。いつものクラスメイトたちが心配そうに紗希と俺に声をかけてきた。
「紗希、どうしたの? 顔真っ青だけど!?」
「どうしたんですか、紗希ちゃん?」
クラスメイト達が口々に「大丈夫?」「無理しないで!」と紗希に声をかける。そのうちの一人が俺から紗希の鞄を受け取った。俺は紗希を彼女らに任せ、青木を待つ。
「紗希ちゃん体調悪そうだな、兄さん」
「兄さんはやめろ、青木」
「紗希ちゃんどうしたんだ? 顔真っ青だったぞ?」
「貧血らしい」
「なるほど……生理か」
「……あのなあ」
「だって女の子が貧血って言ったら生理しかないじゃねーの?」
生理生理うるさい青木を適当にあしらう。ったく、なんで俺はこんなガサツな男と友人なんだろう。それも中高同じなんだろう。
朝のショートタイムまで時間がある。スマホを取り出し紗希に「大丈夫?」とLINEを送った。返事はない。既読も付かない。紗希は真面目なので「校内では携帯電話・スマートフォンの電源を切ること(ただし昼休みを除く)」の校則を守っているのだろう。俺は守らない。
しばらくして担任がやって来た。俺はスマホをポケットにしまった。
♡ ♡ ♡
昼休み。真面目な紗希もスマホの電源をオンにするはずだ。「一緒に帰ろうか?」とLINEを送った。返信が来た。「だいじょうぶ」「みんなが送ってくれるし」だそうだ。クラスメイトが一緒か。なら大丈夫だろう。
昼休みが終わり、午後の授業を受けながら俺は考える。紗希はただの貧血ではない。体調不良の原因は青木の言うような生理などではない。カフェラテ不足によるものだ。
カフェイン離脱症を知っているだろうか? 長期的かつ日常的に一定量以上のカフェインを摂取していた場合、急にカフェイン摂取を中断するとカフェイン離脱症を発症することがある。症状としては激しい頭痛と著しい疲労感や眠気があげられる。さらにはカフェイン摂取の渇望から異常行動をとることがある。
今の紗希はまさに離脱の症状であろう。深刻なカフェラテ離脱だ。
咲江さんは週に1回はカフェラテしないと命に関わるって言ってた。明日で1週間になる。どれくらい危険なんだろう? 咲江さんが新婚旅行中なので詳しいことを聞くことが出来ないのがもどかしい。
ついでに言えば俺のマラソンもそろそろ限界に達しつつあった。思ったよりしんどい。気がついたら妄想にふけっている。とろけ顔の萌夢ちゃん、姫島さんのパンツ。脳内メモリーが勝手に再生を始め俺はテントを立てる。
おっと、駄目だ。今考えては駄目だ。学校内でソロキャンプなど許されない。恥ずかしい。ごそごそ。よし、なんとかテント撤収。
♡ ♡ ♡
放課後になった。教室を出て部室へ向かった。萌夢ちゃんはまだ来ていなかった。俺は鞄を置き、本棚から例のSFを取り出し、続きを読み出した。
そのとき。
ガラッ。
扉が開いた。
「やあ、萌夢ちゃん……ん? 紗希?」
萌夢ちゃんじゃなかった。紗希だった。真っ青を通り越し、真っ白。ていうか、ほぼ死体。そんな顔色だ。どう見ても尋常じゃない。
「だ、大丈夫か!? 顔、凄いことになっているぞ? 病院に行った方が……」
「カ……フェラ……テ……ちょう……だい」
俺の言葉をさえぎり、紗希が言った。鞄を放り出し、俺の足下にひざまずく。
「お、お願い、濃ゆいカフェラテ……飲ませて……お口にちょうだい……我慢できないの……さ、紗希のお口に直接……兄さんの……なんとかヘッド……突っ込んで……」
なんとかヘッド? ああ、グループヘッドか。紗希が弱々しい手でエスプレッソマシンを取り出す。抽出口の先端を物欲しそうに触る。
あ、こら、お口に持ってこうとするな! 危険だぞ! 高圧蒸気なんだぞ!
「ちょ、ちょっと待て、こ、こんなとこでそんな……」
私物の持ち込みや勝手な調理は校則で禁止されている。校内でコーヒーを淹れるなんぞ、重大な校則違反だぞ、紗希!
「もう限界よ……お、お願い、兄さん……カフェラテ……紗希に……淹れて……濃ゆくて熱いの……淹れて」
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