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第25話 いともたやすく行われるエロくない行為
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「あ、貴樹君、これ、おみやげ」
「……なんすか、これ」
「うなぎパイ。浜松名物よ。今日ね、浜松に出張だったの」
うなぎパイ。パッケージに「夜のお菓子」と書いてある。夜のお菓子。なるほど、そういう意味か。俺は開き直ることにした。
「うなぎパウダー入りなんですね。こりゃ精がつきますね。ありがとうございます」
やや皮肉っぽく俺は咲江さんに言った。
「あら、そういうつもりじゃなかったのよ。浜松のお土産ってこれしかないの。お菓子、きらい?」
「いえ、僕、お菓子好きです。エスプレッソに合いそうじゃないですか」
「うふ。そうかも。そうだ、コーヒー淹れてあげる。エスプレッソでなくてごめんね」
咲江さんがペーパードリップのセットを取り出し、コーヒーを淹れ始めた。こぽこぽ。しばらくして、3人分のコーヒーの出来上がり。
俺は咲江さんの淹れたコーヒーを片手にうなぎパイを食べた。
紗希もコーヒー飲む。そしてニコニコ微笑んで俺を見た。
「どう、精が付きそう? 兄さん?」
「……」
なんだろう。この違和感。
紗希の笑顔、俺のことが好きだから……じゃないよね? 俺の……カフェラテが好きなんだよな? 美味しいカフェラテを期待しての笑顔なんだよな?
「そうだな……付きそうだ」
「ふふ。精がつくんだ。これでカフェラテ、一段と美味しくなるね」
やっぱ俺のカフェラテ目当てなんだ。俺はやや自暴自棄気味に「そうかもな」と言った。
「今日も寝る前に兄さんの部屋に行くから。美味しいカフェラテお願いね」
「わかった」
「じゃ、私、先にお風呂いこーっと。兄さん、私の後でいいかな?」
「ああ」
「私のパンツ探しちゃ駄目だよ? また大変なことになるよ?」
フェロモン出てるのか。そんなにカフェラテ好きか。
「おう。うなぎパイだけで十分さ。美味しいカフェラテにはな」
これでいいんですよね? と俺は目で咲江さんに訴えた。咲江さんは何も反応しなかった。
♡ ♡ ♡
「兄さん、いい?」
風呂から上がって勉強していると扉の向こうから紗希の声がした。
夜11時。紗希が俺の部屋に来たようだ。もちろん、俺にカフェラテおねだりするためだ。
「おじゃましまーす」
紗希が入ってきた。イスに座っている俺の前でひざまずく。俺は無言でエスプレッソマシーンをセット。抽出の準備をする。紗希のカップをつかみ、ぐいっと抽出口に引き寄せた。
「もう、兄さんたら……。お昼間もそうだったけど、なんか、今日強引じゃない?」
「そうか?」
サキュバスにとっては、別に俺のカフェラテでなくてもいいんだろ? 食事と一緒だもんな? 誰のでもいいんだろ? 美味しければさ。
俺と妹ごっこなんかして……家族のふりして楽しいか? 愛情あるふりして、意味あるのか?
紗希にとって、俺はスターバックスラテとたいしてかわらない存在なんだろ? スタバで適当なバリスタ誘ってカフェラテ貰っても、大差ないんだろ?
そう考えると俺は腹が立った。だからカップに挿入口をガチガチあててやった。
「ぐふ、がふ……もっと優しくして、兄さん……紗希、壊れちゃう……」
紗希が訴える。だが目は嬉しそうだぞ? なんだ、やっぱり喜んでるんじゃないか。手荒く抽出する俺から、美味しいカフェラテを出して貰えそうで嬉しいんだ。
「っん……ふぐぅ……」
紗希が苦しそうな声を出したが、無視。ひたすら乱暴にマシンをセットする。
そして……いつものように……圧を十分かけ、ピストンレバーを上げ下げ。ぐいぐい加圧して……出した。
♡ ♡ ♡
「は、は、っう……んぐ……ぷは……」
紗希のカップが抽出口から離れていく。紗希の喉元をカフェラテが流れていく。
「ごちそうさま、兄さん。ありがと」
紗希がティッシュで口元のクレマを拭く。俺もティッシュでグループヘッドを拭いた。
「あー、紗希が綺麗にしてあげたのに……最後の一滴が美味しいのに……」
「悪い悪い。今度から気をつけるよ」
お掃除も「美味しいから」やるんだ。
「あー今日も美味しかった! お礼にちゅーしてあげよっかな?」
ふざけた紗希が俺の頬に唇を寄せてきた。とっさに俺は避ける。
紗希の顔から笑顔が消えた。
「……嫌なの?」
「いや……嫌じゃない。だけど……その口……さっき俺のを……」
カフェラテ飲んだ口じゃないか。まだクレマついてる。アロマだってしてるじゃないか。
「汚い、ってこと?」
かすかに震える声で紗希が言った。
「そうはいってない」
「そう聞こえた」
「……そう聞こえたなら謝る」
紗希の顔がすーっと離れていく。
「……なんか気に障ることした? 痛かった?」
「大丈夫。なんでもない。……ちょっと疲れただけさ。ほら……昨日3回で今日2回だろ。それだけだよ。ごめん、もう寝るわ」
「そっか……そだね……ごめん、無理させて。明日はいいよ」
紗希は立ち上がり部屋を出ようとする。
「大丈夫だ、明日も飲めよ」
「いい。悪いもん」
「悪くない」
「悪いもん」
「悪くないから飲めって」
「……いい」
「俺は飲んで欲しいんだけど」
紗希が黙り込んだ。
「……気持ちいいから? 紗希にカフェラテするのが気持ちいいから?」
紗希の大きな目が俺を見つめた。
「ああ。そうだな、少なくともアレよりは気持ちいいな。うん、アレよりは。後の処理もいらんしな。紗希が全部やるからな」
「そう、楽なんだ……。ふーん」
「そうだ。楽。楽で気持ちいい。都合がいいね、俺にとっては。搾り取って貰えるしな。すっきりする」
紗希が黙り込んだ。さすがに怒らせてしまったか?
「ぷっ! ははは、おもしろーい! なーんだ、そーなんだ! あー、気にして損した!」
いきなり紗希が笑い出した。
「何を気にしていたんだ?」
「私ね、てーっきり、兄さん勘違いしてるって思ってたの。兄さん、私のこと、好きなんじゃないかって」
「俺が……紗希のことを、好き?」
「そう。私さ、電車で兄さんにくっついたりしたじゃん? あと、カフェラテの時ふざけてえっちな声出してみたりとかね。そんなんで、私が兄さんのこと好きって勘違いしちゃったのかなーって悩んでたのよ。あ、私は全然好きじゃないよ? 戸籍上は兄さんだし。つか、ただのバリスタ?」
紗希が俺の耳元に口を寄せる。
「兄さんさー、覚えてないと思うけど、カフェラテの時、紗希、紗希ーって私の名前呼ぶでしょ?」
「え!? お、俺、そんなこと言ってるか?」
「言ってるよ! やっぱり全然覚えてないんだ! おかしー。あんな風に名前呼ぶって、きっと私に恋しちゃっているのかなって思って。あー、勘違いさせちゃった、て。だから、今日もほっぺにチューくらいしてあげようかなって思っちゃったの。お詫びの印にね」
紗希が俺のエスプレッソマシンに手を伸ばし、つかんだ。
「私にとって、必要なのはこれ。これさえあれば良いの。私にとって兄さんはただのバリスタ。兄さんも私に出せればそれでいいんでしょ? アレの代わりって思ってるんでしょ? ちょうどいいじゃん。ギブアンドテイクで」
紗希がマシンから手を離し、部屋の出口へ向かって歩き出した。
「ちょ、待てよ、紗希……」
俺の言葉を紗希が遮った。
「はいはい、兄さん、疲れているんでしょ? 早く寝てボイラー休めてよ。お母さんも兄さんのカフェラテに興味あるみたいだから、飲ませてあげたら?」
バタン。
紗希は出て行ってしまった。
「……なんすか、これ」
「うなぎパイ。浜松名物よ。今日ね、浜松に出張だったの」
うなぎパイ。パッケージに「夜のお菓子」と書いてある。夜のお菓子。なるほど、そういう意味か。俺は開き直ることにした。
「うなぎパウダー入りなんですね。こりゃ精がつきますね。ありがとうございます」
やや皮肉っぽく俺は咲江さんに言った。
「あら、そういうつもりじゃなかったのよ。浜松のお土産ってこれしかないの。お菓子、きらい?」
「いえ、僕、お菓子好きです。エスプレッソに合いそうじゃないですか」
「うふ。そうかも。そうだ、コーヒー淹れてあげる。エスプレッソでなくてごめんね」
咲江さんがペーパードリップのセットを取り出し、コーヒーを淹れ始めた。こぽこぽ。しばらくして、3人分のコーヒーの出来上がり。
俺は咲江さんの淹れたコーヒーを片手にうなぎパイを食べた。
紗希もコーヒー飲む。そしてニコニコ微笑んで俺を見た。
「どう、精が付きそう? 兄さん?」
「……」
なんだろう。この違和感。
紗希の笑顔、俺のことが好きだから……じゃないよね? 俺の……カフェラテが好きなんだよな? 美味しいカフェラテを期待しての笑顔なんだよな?
「そうだな……付きそうだ」
「ふふ。精がつくんだ。これでカフェラテ、一段と美味しくなるね」
やっぱ俺のカフェラテ目当てなんだ。俺はやや自暴自棄気味に「そうかもな」と言った。
「今日も寝る前に兄さんの部屋に行くから。美味しいカフェラテお願いね」
「わかった」
「じゃ、私、先にお風呂いこーっと。兄さん、私の後でいいかな?」
「ああ」
「私のパンツ探しちゃ駄目だよ? また大変なことになるよ?」
フェロモン出てるのか。そんなにカフェラテ好きか。
「おう。うなぎパイだけで十分さ。美味しいカフェラテにはな」
これでいいんですよね? と俺は目で咲江さんに訴えた。咲江さんは何も反応しなかった。
♡ ♡ ♡
「兄さん、いい?」
風呂から上がって勉強していると扉の向こうから紗希の声がした。
夜11時。紗希が俺の部屋に来たようだ。もちろん、俺にカフェラテおねだりするためだ。
「おじゃましまーす」
紗希が入ってきた。イスに座っている俺の前でひざまずく。俺は無言でエスプレッソマシーンをセット。抽出の準備をする。紗希のカップをつかみ、ぐいっと抽出口に引き寄せた。
「もう、兄さんたら……。お昼間もそうだったけど、なんか、今日強引じゃない?」
「そうか?」
サキュバスにとっては、別に俺のカフェラテでなくてもいいんだろ? 食事と一緒だもんな? 誰のでもいいんだろ? 美味しければさ。
俺と妹ごっこなんかして……家族のふりして楽しいか? 愛情あるふりして、意味あるのか?
紗希にとって、俺はスターバックスラテとたいしてかわらない存在なんだろ? スタバで適当なバリスタ誘ってカフェラテ貰っても、大差ないんだろ?
そう考えると俺は腹が立った。だからカップに挿入口をガチガチあててやった。
「ぐふ、がふ……もっと優しくして、兄さん……紗希、壊れちゃう……」
紗希が訴える。だが目は嬉しそうだぞ? なんだ、やっぱり喜んでるんじゃないか。手荒く抽出する俺から、美味しいカフェラテを出して貰えそうで嬉しいんだ。
「っん……ふぐぅ……」
紗希が苦しそうな声を出したが、無視。ひたすら乱暴にマシンをセットする。
そして……いつものように……圧を十分かけ、ピストンレバーを上げ下げ。ぐいぐい加圧して……出した。
♡ ♡ ♡
「は、は、っう……んぐ……ぷは……」
紗希のカップが抽出口から離れていく。紗希の喉元をカフェラテが流れていく。
「ごちそうさま、兄さん。ありがと」
紗希がティッシュで口元のクレマを拭く。俺もティッシュでグループヘッドを拭いた。
「あー、紗希が綺麗にしてあげたのに……最後の一滴が美味しいのに……」
「悪い悪い。今度から気をつけるよ」
お掃除も「美味しいから」やるんだ。
「あー今日も美味しかった! お礼にちゅーしてあげよっかな?」
ふざけた紗希が俺の頬に唇を寄せてきた。とっさに俺は避ける。
紗希の顔から笑顔が消えた。
「……嫌なの?」
「いや……嫌じゃない。だけど……その口……さっき俺のを……」
カフェラテ飲んだ口じゃないか。まだクレマついてる。アロマだってしてるじゃないか。
「汚い、ってこと?」
かすかに震える声で紗希が言った。
「そうはいってない」
「そう聞こえた」
「……そう聞こえたなら謝る」
紗希の顔がすーっと離れていく。
「……なんか気に障ることした? 痛かった?」
「大丈夫。なんでもない。……ちょっと疲れただけさ。ほら……昨日3回で今日2回だろ。それだけだよ。ごめん、もう寝るわ」
「そっか……そだね……ごめん、無理させて。明日はいいよ」
紗希は立ち上がり部屋を出ようとする。
「大丈夫だ、明日も飲めよ」
「いい。悪いもん」
「悪くない」
「悪いもん」
「悪くないから飲めって」
「……いい」
「俺は飲んで欲しいんだけど」
紗希が黙り込んだ。
「……気持ちいいから? 紗希にカフェラテするのが気持ちいいから?」
紗希の大きな目が俺を見つめた。
「ああ。そうだな、少なくともアレよりは気持ちいいな。うん、アレよりは。後の処理もいらんしな。紗希が全部やるからな」
「そう、楽なんだ……。ふーん」
「そうだ。楽。楽で気持ちいい。都合がいいね、俺にとっては。搾り取って貰えるしな。すっきりする」
紗希が黙り込んだ。さすがに怒らせてしまったか?
「ぷっ! ははは、おもしろーい! なーんだ、そーなんだ! あー、気にして損した!」
いきなり紗希が笑い出した。
「何を気にしていたんだ?」
「私ね、てーっきり、兄さん勘違いしてるって思ってたの。兄さん、私のこと、好きなんじゃないかって」
「俺が……紗希のことを、好き?」
「そう。私さ、電車で兄さんにくっついたりしたじゃん? あと、カフェラテの時ふざけてえっちな声出してみたりとかね。そんなんで、私が兄さんのこと好きって勘違いしちゃったのかなーって悩んでたのよ。あ、私は全然好きじゃないよ? 戸籍上は兄さんだし。つか、ただのバリスタ?」
紗希が俺の耳元に口を寄せる。
「兄さんさー、覚えてないと思うけど、カフェラテの時、紗希、紗希ーって私の名前呼ぶでしょ?」
「え!? お、俺、そんなこと言ってるか?」
「言ってるよ! やっぱり全然覚えてないんだ! おかしー。あんな風に名前呼ぶって、きっと私に恋しちゃっているのかなって思って。あー、勘違いさせちゃった、て。だから、今日もほっぺにチューくらいしてあげようかなって思っちゃったの。お詫びの印にね」
紗希が俺のエスプレッソマシンに手を伸ばし、つかんだ。
「私にとって、必要なのはこれ。これさえあれば良いの。私にとって兄さんはただのバリスタ。兄さんも私に出せればそれでいいんでしょ? アレの代わりって思ってるんでしょ? ちょうどいいじゃん。ギブアンドテイクで」
紗希がマシンから手を離し、部屋の出口へ向かって歩き出した。
「ちょ、待てよ、紗希……」
俺の言葉を紗希が遮った。
「はいはい、兄さん、疲れているんでしょ? 早く寝てボイラー休めてよ。お母さんも兄さんのカフェラテに興味あるみたいだから、飲ませてあげたら?」
バタン。
紗希は出て行ってしまった。
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