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第19話 俺のマシンは連続抽出が自慢なんだ
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風呂から上がった。パジャマに着替えて自室へ向かった。
紗希の部屋。隙間から光が漏れてこない。寝ているようだ。
なんでだろう。寝顔が見たくなった。ドアノブに手をかける。今までやったことのない行為だ。もちろん、部屋に入ったことはある。だが、寝ているときに勝手に部屋に入ったことなど無い。
心臓がドキドキする。思い切ってドアノブをまわし、中に入る。
紗希は寝ていた。くかーくかーとかわいい寝息を立てている。口は半開きだ。さっきまで俺に……俺の……。いや、考えるのはよそう。
「……ったく、風邪引くぞ」
俺は苦笑した。布団を抱き枕のように股に挟んでいる。全然布団の意味がない。紗希ってこんなに寝相が悪いのか。
布団を引き剥がす。紗希の身体から布団が離れる。
「あ……」
むき出しのパジャマ。もちろん、ノーブラ。かわいい乳房の形が露わになった。乳首の形も色もわかる。
呼吸に合わせて上下する胸部。布地越しというのがかえって扇情的だ。紗希の胸に手を伸ばした。触りたい。乳首を摘まみたい。吸い付きたい。だがそんなことは……だめだ。
いや待てよ?
紗希は俺のミルクを吸ったよな? ということは……俺も……紗希のミルク吸っていいのでは?
紗希のミルク。ミルクって、乳首から出るよね?
口を乳首に近づける。あと1センチというところまで唇が接近。唇に体温が伝わった。
「何やってんだ、俺」
俺は立ち上がり、布団を紗希にかぶせる。
「うーん……」
紗希が寝返りを打つ。再び布団を股に挟んでしまった。
「……ん? 兄さん?」
紗希が目を開けた。起こしてしまったようだ。
「私の部屋で何してるの?」
寝ぼけ眼で紗希が言う。
「……おやすみを言いに来たんだよ。そしたら布団がはがれていたから、直していたんだよ」
「そっか、ありがと。ねえ、兄さん……」
「なんだ?」
紗希が起き上がった。
「なんでかな。兄さんの顔見たら……もう一回カフェラテ、飲みたくなっちゃった」
「おいおい、さすがにカフェラテを一日三回は……」
「だって……欲しいんだもん」
かすかにクリームのようなバニラのような香りがした。この匂いには覚えがある。サキュバス・フェロモンだ。ということは……紗希は今……カフェラテしたいんだ。
再びフェロモンが脳に到達した。フェロモンそのものに鼻を近づけ匂いを嗅いだわけではないからだろう、さっきのような危険性はないようだ。
エスプレッソマシンが起動した。おいおい、夜中に起動するなよ。意外に動作音大きいんだぜ? 咲江さんに聞こえたら「私もカフェラテ飲みたーい! 貴樹君、ちょうだい!」ってやってくるぞ?
だが、一度起動したマシンは止まらない。タンクの中にミルク充塡。圧もどんどん高まっていく。深夜のカフェラテ。深入りローストならカフェインは少ないというではないか。なら大丈夫だろう。
提供しようではないか、深夜のカフェラテを。
「そ、そうか……飲みたいのか」
「うん。ごめんね、わがまま言って」
「いや、その……俺、紗希の兄だからさ。これくらいなんともないよ」
「ありがと、兄さん。じゃ、いただきます」
かぽ。紗希のカップを抽出口にセット。
じゅるっ、じゅるっ。ちゅぱ、ちゅぱ。
圧が高まり抽出が始まる。追い焚きの時間など不要だ。俺のマシンは瞬発力が自慢。クレマが薄くなることもない。
「っん、っん……熱いね、兄さん。すっごく、熱い」
自慢のダブルボイラーがうなりをあげる。ホットウォーターとスチーム、左右に分かれたダブルボイラーがより正確な抽出を導く。
「あ、すごい、すごい」
バイブレーションポンプは瞬発力に優れる。あっという間に適正圧を突破、ミルクスチームが立ち上がる。
びゅっ、びゅっ、びゅーっ!
三回目とは思えない圧で射出されるホットウォーターが、スチームアップされたミルクとマリアージュ。濃ゆいクレマのエスプレッソ・ラテが紗希のカップに注がれた。
「んぐ、んぐ……こぼれちゃう」
大丈夫だ。ドリップトレイにちゃんと溜まる仕組みだ。俺のエスプレッソマシンは本格派だからな。
「……ぷは」
紗希がカフェラテを飲み干した。
「ごちそうさま、兄さん。お腹いっぱい……」
満足そうな顔の紗希。
「そっか」
「うん。あちがとね」
「俺の方こそ……ありがとな」
「なんでお礼言うの? へんなの!」
紗希が笑った。
「じゃ、寝るね」
紗希が布団に潜り込んだ。
「おやすみなさい兄さん」
「おやすみ」
俺は自室へ戻り……寝た。
紗希の部屋。隙間から光が漏れてこない。寝ているようだ。
なんでだろう。寝顔が見たくなった。ドアノブに手をかける。今までやったことのない行為だ。もちろん、部屋に入ったことはある。だが、寝ているときに勝手に部屋に入ったことなど無い。
心臓がドキドキする。思い切ってドアノブをまわし、中に入る。
紗希は寝ていた。くかーくかーとかわいい寝息を立てている。口は半開きだ。さっきまで俺に……俺の……。いや、考えるのはよそう。
「……ったく、風邪引くぞ」
俺は苦笑した。布団を抱き枕のように股に挟んでいる。全然布団の意味がない。紗希ってこんなに寝相が悪いのか。
布団を引き剥がす。紗希の身体から布団が離れる。
「あ……」
むき出しのパジャマ。もちろん、ノーブラ。かわいい乳房の形が露わになった。乳首の形も色もわかる。
呼吸に合わせて上下する胸部。布地越しというのがかえって扇情的だ。紗希の胸に手を伸ばした。触りたい。乳首を摘まみたい。吸い付きたい。だがそんなことは……だめだ。
いや待てよ?
紗希は俺のミルクを吸ったよな? ということは……俺も……紗希のミルク吸っていいのでは?
紗希のミルク。ミルクって、乳首から出るよね?
口を乳首に近づける。あと1センチというところまで唇が接近。唇に体温が伝わった。
「何やってんだ、俺」
俺は立ち上がり、布団を紗希にかぶせる。
「うーん……」
紗希が寝返りを打つ。再び布団を股に挟んでしまった。
「……ん? 兄さん?」
紗希が目を開けた。起こしてしまったようだ。
「私の部屋で何してるの?」
寝ぼけ眼で紗希が言う。
「……おやすみを言いに来たんだよ。そしたら布団がはがれていたから、直していたんだよ」
「そっか、ありがと。ねえ、兄さん……」
「なんだ?」
紗希が起き上がった。
「なんでかな。兄さんの顔見たら……もう一回カフェラテ、飲みたくなっちゃった」
「おいおい、さすがにカフェラテを一日三回は……」
「だって……欲しいんだもん」
かすかにクリームのようなバニラのような香りがした。この匂いには覚えがある。サキュバス・フェロモンだ。ということは……紗希は今……カフェラテしたいんだ。
再びフェロモンが脳に到達した。フェロモンそのものに鼻を近づけ匂いを嗅いだわけではないからだろう、さっきのような危険性はないようだ。
エスプレッソマシンが起動した。おいおい、夜中に起動するなよ。意外に動作音大きいんだぜ? 咲江さんに聞こえたら「私もカフェラテ飲みたーい! 貴樹君、ちょうだい!」ってやってくるぞ?
だが、一度起動したマシンは止まらない。タンクの中にミルク充塡。圧もどんどん高まっていく。深夜のカフェラテ。深入りローストならカフェインは少ないというではないか。なら大丈夫だろう。
提供しようではないか、深夜のカフェラテを。
「そ、そうか……飲みたいのか」
「うん。ごめんね、わがまま言って」
「いや、その……俺、紗希の兄だからさ。これくらいなんともないよ」
「ありがと、兄さん。じゃ、いただきます」
かぽ。紗希のカップを抽出口にセット。
じゅるっ、じゅるっ。ちゅぱ、ちゅぱ。
圧が高まり抽出が始まる。追い焚きの時間など不要だ。俺のマシンは瞬発力が自慢。クレマが薄くなることもない。
「っん、っん……熱いね、兄さん。すっごく、熱い」
自慢のダブルボイラーがうなりをあげる。ホットウォーターとスチーム、左右に分かれたダブルボイラーがより正確な抽出を導く。
「あ、すごい、すごい」
バイブレーションポンプは瞬発力に優れる。あっという間に適正圧を突破、ミルクスチームが立ち上がる。
びゅっ、びゅっ、びゅーっ!
三回目とは思えない圧で射出されるホットウォーターが、スチームアップされたミルクとマリアージュ。濃ゆいクレマのエスプレッソ・ラテが紗希のカップに注がれた。
「んぐ、んぐ……こぼれちゃう」
大丈夫だ。ドリップトレイにちゃんと溜まる仕組みだ。俺のエスプレッソマシンは本格派だからな。
「……ぷは」
紗希がカフェラテを飲み干した。
「ごちそうさま、兄さん。お腹いっぱい……」
満足そうな顔の紗希。
「そっか」
「うん。あちがとね」
「俺の方こそ……ありがとな」
「なんでお礼言うの? へんなの!」
紗希が笑った。
「じゃ、寝るね」
紗希が布団に潜り込んだ。
「おやすみなさい兄さん」
「おやすみ」
俺は自室へ戻り……寝た。
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