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第18話 貴樹君の……おっきくて、太いの、紗希ちゃんに……ね?
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「い、いや、それはないですって!」
俺は慌ててイタリア製高級エスプレッソマシンを手で隠した。
「ふふ、じょーだんだよ、冗談。そんなことするわけないでしょ。紗希ちゃんに怒られちゃうわ。貴樹君のカフェラテは紗希ちゃんだけのものだもん。紗希ちゃんのお口だけが、貴樹君の濃厚ミルク入りカフェラテ飲めるのよね?」
「そ、そうです」
「どんなお口で飲むのかなあ?」
「さ、さあ……」
「あれ? ちゃんと見てないの? 思わず目を瞑っちゃう?」
「そーゆーわけでは……もう、からかわないでくださいよ!」
「ごめんごめん」
このタイプの冗談、今日2回目だ。本当に冗談なんだろうか? そのうち……本気で俺に迫ってくるんじゃないだろうか? 咲江さん、見た目はグラビアアイドルかつ爆乳なのだ。我慢できる自信……ない。
「さてと。ところで、血の繋がっていない兄妹は法的には結婚できるって知ってる?」
「知ってますけど」
「貴樹君、紗希ちゃんと結婚しない?」
ニコニコ笑顔で咲江さんが俺に言った。ちょっと待て。結婚だと? 俺と紗希が?
「そ、そーですね、まあ、可能性としてはゼロではないというか……」
「結婚したら、カフェラテだけじゃないわよ? うふふ」
「どういうことですか?」
咲江さんがトロンとした目で俺を見つめる。
「貴樹君の……おっきくて、太いの、紗希ちゃんに……ね?」
「は? な、何を言ってるんです!?」
「ん? 貴樹君のおっきな心と、太っ腹な経済感覚で紗希ちゃんに幸せ届けてね、って言いたかったんだけど? 変なこと想像した?」
紛らわしいんだよっ!
「いえ、僕もそういう話かと思いました」
んなわけない。
「ふふ。そうなんだ。……でも、2人の赤ちゃんは見たいなあ」
「はあ」
「赤ちゃんて、どうやって作るか知ってる?」
結局その話題かよ!
「そりゃまあ……知ってますけど」
「紗希ちゃんと子作りしたくなるでしょ?」
「だからですね、俺と紗希は戸籍上は兄妹なんです! 血は繋がっていないから結婚できる、そうかもしれません。さっきも言いました。可能性はゼロではないんです。でも、今の俺は、紗希を妹として……」
「ムキにならないで。ママが悪かったわ、遠回しに言って」
咲江さんがちょっとだけしゅんとした。
「遠回し?」
「そう。まあ、若い2人、愛があってもなくてもセックスするかもしれないわ。でね、その時……フィニッシュはどうすべきか、貴樹君、分かっているよね?」
は?
「紗希ちゃんサキュバスでしょ? 最後は……ね? それに中に出したら妊娠しちゃう」
さすがに直球過ぎる。カルピスを吹いてしまった。
「は、はい!?」
「時々勘違いされるのよね。サキュバスと人間は交配不可能って。全然そんなことないから。すぐ子ども出来るから」
「……そうなんですか」
確かにネットでは「サキュバスと人間は交配不可能」とあったな。あれは嘘なんだ。
子作り可能ということは……サキュバスは人間なんだろうか? 低級悪魔という噂も嘘なんだろうか? 聞いてみよう。
「あの、咲江さん、ちょっと立ち入ったこと聞いても良いですか?」
「立ち入ったこと? 何かしら?」
「ちょっと言いにくいことなんですけど」
「いいよ、話して」
「……やっぱ、サキュバスって悪魔なんですか?」
咲江さんが「ふう」とため息をついた。
「それもネットの情報なのかな?」
「ええ、そうです」
咲江さんはテーブルに肘を突き、両手に頭を乗せて優しく微笑んだ。
「もー、そんなわけないって! 悪魔とか天使とか、善と悪のハルマゲドン勃発とか、アニメみたいなこと、現実にあるわけないでしょ? サキュバスはね、精霊。妖精ともいうかな? どうメルヘンチックでしょ? ふふ」
そうか。サキュバスは悪魔じゃないんだ。精霊なんだ。
「……あら、もうこんな時間。明日もテストでしょ? そろそろ寝ないと。お風呂もまだだったでしょ?」
そうだった。脱衣の途中でフェロモンにやられたのだった。
「ですね」
「私は最後に入るから、貴樹君お風呂いってらっしゃい」
「そうします。あ、カルピス、美味しかったです。ごちそうさまでした」
「ありがと。貴樹君も紗希ちゃんに美味しいの出してくれて、ありがとね」
ったく、本当に直球だよ、この人。
「ど、どういたしまして」
「次は貴樹君が私にカルピス頂戴ね。うーんと濃ゆいの」
「……あの、カルピスですよね?」
「そう、カルピス。他に何かあるの?」
「い、いえ、ないです」
「でしょ? じゃ、そういうことで、ママのために美味しいカルピス作ってね、貴樹君。約束だからね?」
咲江さんが意味深に笑う。
「はい……」
「じゃ、今度濃ゆいのお願いね。楽しみにしてるわ」
「……わかりました」
駄目だ。てっきり比喩表現だと思ってしまった。どうかしている。
紗希のフェロモンがまだ残っているのだろうか、なんでもスケベ方面に考えてしまうようだ。
とりあえず……風呂に入ろう。俺は風呂場へ向かった。
俺は慌ててイタリア製高級エスプレッソマシンを手で隠した。
「ふふ、じょーだんだよ、冗談。そんなことするわけないでしょ。紗希ちゃんに怒られちゃうわ。貴樹君のカフェラテは紗希ちゃんだけのものだもん。紗希ちゃんのお口だけが、貴樹君の濃厚ミルク入りカフェラテ飲めるのよね?」
「そ、そうです」
「どんなお口で飲むのかなあ?」
「さ、さあ……」
「あれ? ちゃんと見てないの? 思わず目を瞑っちゃう?」
「そーゆーわけでは……もう、からかわないでくださいよ!」
「ごめんごめん」
このタイプの冗談、今日2回目だ。本当に冗談なんだろうか? そのうち……本気で俺に迫ってくるんじゃないだろうか? 咲江さん、見た目はグラビアアイドルかつ爆乳なのだ。我慢できる自信……ない。
「さてと。ところで、血の繋がっていない兄妹は法的には結婚できるって知ってる?」
「知ってますけど」
「貴樹君、紗希ちゃんと結婚しない?」
ニコニコ笑顔で咲江さんが俺に言った。ちょっと待て。結婚だと? 俺と紗希が?
「そ、そーですね、まあ、可能性としてはゼロではないというか……」
「結婚したら、カフェラテだけじゃないわよ? うふふ」
「どういうことですか?」
咲江さんがトロンとした目で俺を見つめる。
「貴樹君の……おっきくて、太いの、紗希ちゃんに……ね?」
「は? な、何を言ってるんです!?」
「ん? 貴樹君のおっきな心と、太っ腹な経済感覚で紗希ちゃんに幸せ届けてね、って言いたかったんだけど? 変なこと想像した?」
紛らわしいんだよっ!
「いえ、僕もそういう話かと思いました」
んなわけない。
「ふふ。そうなんだ。……でも、2人の赤ちゃんは見たいなあ」
「はあ」
「赤ちゃんて、どうやって作るか知ってる?」
結局その話題かよ!
「そりゃまあ……知ってますけど」
「紗希ちゃんと子作りしたくなるでしょ?」
「だからですね、俺と紗希は戸籍上は兄妹なんです! 血は繋がっていないから結婚できる、そうかもしれません。さっきも言いました。可能性はゼロではないんです。でも、今の俺は、紗希を妹として……」
「ムキにならないで。ママが悪かったわ、遠回しに言って」
咲江さんがちょっとだけしゅんとした。
「遠回し?」
「そう。まあ、若い2人、愛があってもなくてもセックスするかもしれないわ。でね、その時……フィニッシュはどうすべきか、貴樹君、分かっているよね?」
は?
「紗希ちゃんサキュバスでしょ? 最後は……ね? それに中に出したら妊娠しちゃう」
さすがに直球過ぎる。カルピスを吹いてしまった。
「は、はい!?」
「時々勘違いされるのよね。サキュバスと人間は交配不可能って。全然そんなことないから。すぐ子ども出来るから」
「……そうなんですか」
確かにネットでは「サキュバスと人間は交配不可能」とあったな。あれは嘘なんだ。
子作り可能ということは……サキュバスは人間なんだろうか? 低級悪魔という噂も嘘なんだろうか? 聞いてみよう。
「あの、咲江さん、ちょっと立ち入ったこと聞いても良いですか?」
「立ち入ったこと? 何かしら?」
「ちょっと言いにくいことなんですけど」
「いいよ、話して」
「……やっぱ、サキュバスって悪魔なんですか?」
咲江さんが「ふう」とため息をついた。
「それもネットの情報なのかな?」
「ええ、そうです」
咲江さんはテーブルに肘を突き、両手に頭を乗せて優しく微笑んだ。
「もー、そんなわけないって! 悪魔とか天使とか、善と悪のハルマゲドン勃発とか、アニメみたいなこと、現実にあるわけないでしょ? サキュバスはね、精霊。妖精ともいうかな? どうメルヘンチックでしょ? ふふ」
そうか。サキュバスは悪魔じゃないんだ。精霊なんだ。
「……あら、もうこんな時間。明日もテストでしょ? そろそろ寝ないと。お風呂もまだだったでしょ?」
そうだった。脱衣の途中でフェロモンにやられたのだった。
「ですね」
「私は最後に入るから、貴樹君お風呂いってらっしゃい」
「そうします。あ、カルピス、美味しかったです。ごちそうさまでした」
「ありがと。貴樹君も紗希ちゃんに美味しいの出してくれて、ありがとね」
ったく、本当に直球だよ、この人。
「ど、どういたしまして」
「次は貴樹君が私にカルピス頂戴ね。うーんと濃ゆいの」
「……あの、カルピスですよね?」
「そう、カルピス。他に何かあるの?」
「い、いえ、ないです」
「でしょ? じゃ、そういうことで、ママのために美味しいカルピス作ってね、貴樹君。約束だからね?」
咲江さんが意味深に笑う。
「はい……」
「じゃ、今度濃ゆいのお願いね。楽しみにしてるわ」
「……わかりました」
駄目だ。てっきり比喩表現だと思ってしまった。どうかしている。
紗希のフェロモンがまだ残っているのだろうか、なんでもスケベ方面に考えてしまうようだ。
とりあえず……風呂に入ろう。俺は風呂場へ向かった。
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