【R18】濃ゆいの全部、紗希に飲ませて!〜俺の妹がサキュバスな件

上城ダンケ

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第13話 若い子って……本当に濃ゆいのよね

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 会話は続く。

「カフェラテの抽出にはスタミナが必要。ということで、今日はスタミナメニューよ。あ、でも、紗希ちゃんの初カフェラテ記念ということでお赤飯の方がよかったかな?」

 いや、結構です。

「スタミナとカフェラテ、どんな関係があるの?」

 俺の困惑などどこ吹く風で、無邪気な紗希が聞いた。

「ふふ。大人になれば分かるわよ、紗希ちゃん」
「ふーん」

 頼む。咲江さんと紗希よ。やめてくれ。どうにもこうにも、いたたまれない。
 なんの話してるか、本当に分かってないのか?
 そんな俺の怒りと恥ずかしさの混ざった顔を咲江さんが察したようだ。

「ごめんね、貴樹君。この話し嫌だったかな?」
「いえ、そんなに」

 嫌というより、気まずいんだよ。

「ごめんね、兄さん。嫌な話だった?」
「そ、そんなことないぞ、紗希」
「ちょっと浮かれすぎたかな、私。ごめん。兄さんにとってはデリケートな話題だよね」
「だ、大丈夫、そんなにデリケートじゃないぞ」

 とりあえず俺は「たはは」と、力なく笑った。

「ところで兄さん」
「なんだ?」
「何時がいい?」
「へ?」
「だーかーらー、カフェラテ。夜の」
「あ、ああ……カフェラテ……」
「あら、夜もカフェラテなの?! やだ、だったらもっとスタミナメニューにすればよかったわ! あん、もっとニンニク入れとけば良かったわ!」

 いや、結構です咲江さん。

「若い子のカフェラテかぁ。思い出すわ。若い子のカフェラテ、本当に濃ゆいのよねぇ……」

 うっとり遠くを見つめる咲江さん。時々俺をチラ見する。気持ち下。つか、あそこ。

「そっかあ、貴樹君の、濃ゆいんだ……」

 えっと……その視線とお言葉、どういう意味ですか?

「やっぱり若い方が濃ゆいの?」

 紗希もういい。

「そりゃ、もう! コクと香りが段違いなの!」
「ふーん……」

 紗希も俺を見る。咲江さん同様、視線が低い。つか、(略

「えーと、カフェラテの時間だったっけ、紗希?」

 この話題を終わらせたい俺。話を切り替える。

「うん」
「お風呂上がりはどうだ?」
「お風呂上がり?」
「そうだ。き、綺麗になってるし」

 カフェラテといえど食品。飲食業に従事するもの、手洗いは基本中の基本だ。入浴後ならなおよし。おそらく。

「わかった。兄さんの部屋に行けばいいかな?」
「お、おう」
「楽しみだな、夜のカフェラテ。兄さんは?」
「ふあっ? そ、そうだな、俺としても、紗希のためにカフェラテするのは、楽しみだ」
「また気持ちいいといいね」
「だ、だな」

 俺のセリフを聞いた咲江さんが「あらまあ」と笑った。そして、

「そっか、貴樹君気持ちよかったんだ」

 と、続けた。

「え、ええ。まあ」
「紗希ちゃんのお口、最高?」
「えーっと、その、なんつーか……最高でした」

 血が繋がっていないとはいえ母親の前だ。カフェラテで「気持ちいい」とか「お口最高」とか話題にするのはとても恥ずかしいんだが、そのへん、分かって貰えないのだろうか?

「お風呂上がりかあ……優しいなあ、貴樹君。ちゃんと洗って綺麗にするんだね。衛生的にはそれが一番だものね。紗希ちゃん思いなんだ」
「あ、ありがとうございます」

 ここ、お礼を言うところか?

「石けんの香りがお口に広がると、ああ、愛されてるなって思えるのよねぇ……」

 うっとりとした目で咲江さんが言った。

「いいなあ、紗希ちゃん。こんな優しい兄さんで。こんなに愛情たっぷりなら、きっと濃くて新鮮で美味しいのでしょうね」
「そうだよ。兄さん、優しいんだ。優しいから濃ゆいのかな?」

 咲江さん。頼む。この会話……限界です。これ以上、我慢は無理です……。マシンからなんか出そうです……。

「そっか。じゃ、お母さんにもすこし、カフェラテ分けてもらおうかな? いいよね、優しい貴樹君?」
「はい、もちろ……え、えええっ!」

 ななななな何を言ってるんだこの人は!?

「もー、お母さん、だめだよ。血が繋がっていないといっても、兄さんお母さんの息子なんだよ?」
「だから?」
「兄さんは兄さん! 私のなの!」
「紗希ちゃんのケチ。ね、貴樹君、別にいいよね? 一杯だけ、義母《おかあ》さんのためにカフェラテくれない?」
「お、俺は、そ、その、紗希にしか提供しない主義なんで」

 ドギマギしながら俺は咲江さんに言った。紗希はちょっと怒っている。しばらくの沈黙のあと、咲江さんが笑い出した。

「もう、冗談よ、二人とも。私はパパからちゃんと貰ってるからいいの。ごめんね、貴樹君。あまりにも貴樹君がかわいいから、ちょっとからかっちゃったの」

 咲江さんが笑う。しれっと「パパからちゃんと貰ってる」って言ったよな、今。だめだ、咲江さんがカフェラテしている姿を想像してしまう。

「さ、お食事も済んだことだし、紗希ちゃん。お風呂にしなさい」
「はーい」

 咲江さんは食器を食洗機に突っ込みはじめた。

「あ、そうだ!」

 咲江さんがポンと手を叩く。

「紗希ちゃん、貴樹君と一緒にお風呂に入ったらいいのよ! 兄妹でしょ? 問題ないわ! それに……きっと、濃ゆくなるわよ! なんなら、お風呂でカフェラテしたら?」

 はあああ? お風呂でカフェラテ!? 湯船の中で? そりゃ、露天風呂では月見酒とかあるけど! あるけど!
 ……カフェラテは駄目だろう? ホットドリンクだぞ? のぼせるだろ!

「あ……えーと……そ、その……あう、あう」

 俺が返事に困っていると、

「あのさー、お母さん。私と兄さんは、兄妹なの! 血は繋がっていないけど、兄妹なの! それも高校生の! 高校生の兄妹が一緒にお風呂入るわけ無いでしょ? 恥ずかしいよ、さすがに」

 と紗希が咲江さんに抗議した。乳首が透けているのは問題ないのかよ、と俺は心の中で紗希に突っ込む。

「そっか、紗希ちゃん、もう高校生だもんね」

 咲江さんが納得した。俺は少しだけがっかりした。

「じゃ、先にお風呂入るね、兄さん」
「ああ。じゃあ、俺は……試験勉強しておくよ」

 咲江さんにごちそうさまを言って、俺は自分の部屋に戻った。

「ふう……」

 思わずため息が出た。咲江さんとあんなにしゃべったのは初めてだった。いつもは紗希がだーっと色々しゃべって、ニコニコ相づちを打つだけなのだ。あんなに赤裸々に直球な人とは知らなかった。

 親父は咲江さんがサキュバスって知らないのか。大人だからな。夫婦だからな。普通にセックスして……最後は……。

 あとはご想像にお任せします。
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