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第8話 食後にカフェラテ(2)
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「サキュバスか……」
部屋で紗希を待ちながらスマホで「サキュバス」を検索する。もう何度もやった検索だ。
『サキュバスは実在するの? どうやったら出会える? サキュバスとの生活は? 調べてみました!』
いつものように「調べてみました系」が大量にヒットした。どのサイトも見覚えがある。その中の一つを選ぶ。一気に結論部分までスクロール。
『サキュバスは実在するとも、しないともいいます。いかがでしたか?』
いかがでしたか? じゃねーんだよ。ったく。
♡ ♡ ♡
サキュバス。低級の悪魔。夢魔ともいう。男性に淫夢を見せ、生命エネルギーをとある方法で搾取する。空想の産物と思われていたが、数年前から、ネットに遭遇情報が掲載されるようになった。
サキュバスに襲われた。
付き合った彼女がサキュバスだった。
妻がサキュバスだった。
母親がサキュバスだった。
娘がサキュバスだった。
当然の如く検証サイトが大発生。今に至るまで、サキュバス実在派と非実在派の不毛な論争が続いている。
そんな時代に中学2年生だった俺。純真かつ童貞な俺はサキュバス実在説に青春をかけた。どうやったらサキュバスに会えるか、どうやったらサキュバスに搾り取って貰えるのか。
俺は日々ネットで情報を集めた。「サキュバスは都市伝説」という言説に負けず、ひたすら情報を集めた。
その結果、俺は確信した。
サキュバスは実在する。そしてごく親しい人間だけに正体を明かす。
では、どうすればサキュバスと出会えるのか。
俺は必死で検索した。ブログ、ツイッター、掲示板、まとめサイト……。ネット上のサキュバスに関連する情報のほぼ全てをチェックした。
そして得た結論。
それは、「わかりません」だった。
ネットのどこにもサキュバスに出会う方法は載ってなかった。俺は調べるのをやめた。そして祈ることにした。
——いつか、サキュバスに出会えますように。最後の一滴まで搾り取って貰えますように。
あれから約3年。
まさか自分の義妹がサキュバスだったとは。まさか、俺にカフェラテしてくれるとは。なんて……なんて俺はラッキーなんだ!
♡ ♡ ♡
たんたんたん。
昼食を食べ終わった紗希が階段を上る音が聞こえた。心臓がドッドッドッと高鳴る。あとちょっとで本物のサキュバスが……搾り取ってくれるのだ。カフェラテなのだ!
……俺の身体がアップを始めたのが分かった。
コンコン。ノックの音がした。紗希だ。
「兄さん、入っていい?」
部屋で紗希を待ちながらスマホで「サキュバス」を検索する。もう何度もやった検索だ。
『サキュバスは実在するの? どうやったら出会える? サキュバスとの生活は? 調べてみました!』
いつものように「調べてみました系」が大量にヒットした。どのサイトも見覚えがある。その中の一つを選ぶ。一気に結論部分までスクロール。
『サキュバスは実在するとも、しないともいいます。いかがでしたか?』
いかがでしたか? じゃねーんだよ。ったく。
♡ ♡ ♡
サキュバス。低級の悪魔。夢魔ともいう。男性に淫夢を見せ、生命エネルギーをとある方法で搾取する。空想の産物と思われていたが、数年前から、ネットに遭遇情報が掲載されるようになった。
サキュバスに襲われた。
付き合った彼女がサキュバスだった。
妻がサキュバスだった。
母親がサキュバスだった。
娘がサキュバスだった。
当然の如く検証サイトが大発生。今に至るまで、サキュバス実在派と非実在派の不毛な論争が続いている。
そんな時代に中学2年生だった俺。純真かつ童貞な俺はサキュバス実在説に青春をかけた。どうやったらサキュバスに会えるか、どうやったらサキュバスに搾り取って貰えるのか。
俺は日々ネットで情報を集めた。「サキュバスは都市伝説」という言説に負けず、ひたすら情報を集めた。
その結果、俺は確信した。
サキュバスは実在する。そしてごく親しい人間だけに正体を明かす。
では、どうすればサキュバスと出会えるのか。
俺は必死で検索した。ブログ、ツイッター、掲示板、まとめサイト……。ネット上のサキュバスに関連する情報のほぼ全てをチェックした。
そして得た結論。
それは、「わかりません」だった。
ネットのどこにもサキュバスに出会う方法は載ってなかった。俺は調べるのをやめた。そして祈ることにした。
——いつか、サキュバスに出会えますように。最後の一滴まで搾り取って貰えますように。
あれから約3年。
まさか自分の義妹がサキュバスだったとは。まさか、俺にカフェラテしてくれるとは。なんて……なんて俺はラッキーなんだ!
♡ ♡ ♡
たんたんたん。
昼食を食べ終わった紗希が階段を上る音が聞こえた。心臓がドッドッドッと高鳴る。あとちょっとで本物のサキュバスが……搾り取ってくれるのだ。カフェラテなのだ!
……俺の身体がアップを始めたのが分かった。
コンコン。ノックの音がした。紗希だ。
「兄さん、入っていい?」
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