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08聞いちゃった。見ちゃった。貰っちゃった。
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『誰? 私を呼んだのは』
鈴を鳴らしたような可憐な女の子の声だ。それは、耳からではなく、頭の中に直接響いている。声の主らしき人は、辺りを見回しても存在しない。
「あの、エースと言います。すみませんが、どちら様ですか?」
呼び出したのはたぶん私なのだけれど、相手はさっぱり見当もつかない。気まずくなって沈黙していると、女の子はクスクス笑い出した。
『眠り姫とでも呼んで。んにしても相変わらずだな、姫乃』
眠り姫? いやいや、それより、この人私のことを姫乃って呼んだ。どういうこと? しかも口調が女の子っぽくなくなってしまったし。
『それもそうか。どうやらお前は俺と違って、そのままの姿で転移してきたみたいだもんな』
「なんで知ってるんですか?」
『え。まだ秘密』
「そんなぁ。もしかして、神様みたいな人ですか? 私、突然こんなところに来てしまって困ってるんです」
『帰りたい?』
私は、次の言葉がすぐには出なかった。三百六十度どこを向いても、どこか可愛らしいファンタジー世界の文化は目を楽しませてくれるし、乙女心をくすぐるものがある。でも、勝手慣れた日本よりは生活レベルが劣るし、何より魔物や戦いがある。
じゃぁ、帰れるものなら、帰る?
と考えた時に思い浮かぶのは、クレソンさんやオレガノ隊長を始めとする、今日一緒に魔物へ立ち向かった第八騎士団第六部隊の隊員の皆さんの顔だ。私、彼らを放って帰れるだろうか。きっとあの結界も消えてしまう。そしたら皆……
それにね。日本に帰っても、衛介はいないのだ。
もう、どこにもいないのだ。
私は、一度深呼吸してから口を開いた。
「私は、帰らない」
『もうそんなに馴染んじゃったの? すごいな』
「帰らせてとは言いません。でも、もしよかったら、私がこの先この世界でちゃんと生きていけるように、いろんなことを教えてください。私には知識が必要なんです」
相手は姿が見えない存在。でもどこか親しみがもてる相手。悪魔ではないと思う。私は少し頼ってみることにした。
『俺、眠り姫って呼ばれてるぐらいだから、あまり知識は多くないけれど、姫乃よりは詳しいかもね。いいよ、少し話してあげる』
眠り姫は、時間や物、お金の単位、国の成り立ちや、貴族のこと、王城の中のことなど様々なことを語ってくれた。日本と同じルールも多いけれど、もう頭がパンクしそう。眠さもあるので、今にも意識が途切れそうだ。
『じゃ、今日はここまでね。もし姫乃がピンチになった時には、また俺を呼んで? 助けてあげられるかもしれないから』
「ありがとう」
私は、この返事を最後に、寝た。
◇
目が覚めて、ベッドのカーテンの隙間から壁の時計を見ると五時だった。日本にいた時、朝から畑仕事をする習慣があった私は、体内時計通りに起きてしまったようで。私は、お風呂の隣にあるトイレ(ちゃんと水洗だった!)に行った後、ベッドの上で騎士服に着替えてみる。
うーん、胸が目立つ。
騎士服は、身体にフィットした作りになっているのだ。
私は、サラシにできそうなものが無いか、荷物の中を確認してみた。この鞄の中には、日本から着てきた服の他に、ミントさんが慌てて用意してくれた数日分の着替えが入っている。
すると、良いものを見つけた。ミントさんに大感謝しなきゃ。
紙袋の表には、小さな字で注意書きがある。
『これをつければ胸が小さくなる』
出してみると、タンクトップのような下着だった。早速身に着けてみると、程よく胸板が厚くなるだけで、女の子体型をカバーできている。他にも便利そうなものがたくさん出てきた。あまり使う機会が訪れてほしくはないけれど、もしもの時のため、大切にとっておくことにする。
そうやって身支度をしていると、もう五時半。向かい側の壁沿いにあるカーテン付きベッドの様子をそっと伺ってみる。集合は六時だから、そろそろクレソンさんを起こさなければならない。でも昨夜のことを思い出すと、顔が赤くなってしまう。
「平常心、平常心……」
私は胸に手を当てて息を整えると、クレソンさんのカーテンに指をかけた。
寝てる。
起きている時よりも、少しあどけない顔をしていて、思わずにんまりしてしまう。と、眺めている場合じゃなかった。
「クレソンさん」
「ん……」
「おはようございます。朝ですよ」
「え、もう……?」
クレソンさんは薄っすらと目を開けて、上体を起こした。かぶっていた毛布が彼の腰までずり落ちて、現れたのは裸の上半身。確実にジム通いしながらマッチョの世界大会を目指しているでしょ? と突っ込みたくなったぐらい、眼福な腹筋ですね。クレソンさん、顔も良いから写真集作ったらバカ売れしそう。
しかも溢れ出して止まらないこの色気。昨日まで女子高生だった私には少々刺激が強すぎる。鼻血出そう。
「あ、あの、下は何か着てますよね?」
「ん、見たいの?」
私は無言でカーテンを締めた。
ふぅ。心臓に悪い。
とりあえず目覚まし係としての役目は全うできたよね? 明日からは、カーテンを開けずに声をかけるだけにしようっと。
◇
集合場所へ向かうと、まだ隊員の方達の姿はまばらだった。だいたいの人は昨日の戦闘と夜の宴会で顔見知りになったけれど、人数が多すぎてまだ顔と名前が一致しない。
「おはよう」
「おはようございます、コリアンダー副隊長。体調はいかがですか?」
「問題ない。一晩寝れば回復する」
「そんなこと言って、昨日はいつもより張り切ってましたよね。疲れ残ってませんか?」
ちゃちゃを入れたクレソンさんをコリアンダー副隊長はジト目で見る。もしかして喧嘩勃発の兆し? 私は慌てて話題を変えた。
「それより、昨日からこれを預かったままでした。お返しするのが遅くなってすみません。大切なものをお貸しくださり、どうもありがとうございました」
コリアンダー副隊長は一瞬何か言いたげな顔をしたけれど、すぐに首を横に振った。
「それは君にあげよう。君は強大な魔法が使える。良い杖を持っておいた方がいい」
副隊長の視線の先には、一夜明けてもなお輝き続ける白い光の結界があった。
「でも、それだと副隊長が困るのでは……」
「いや、いい。私はいくつか持っているのだから」
「気前が良いな、コリアンダー」
そこへやってきたのはオレガノ隊長。騎士なのに朝から無精髭のまま出勤してくるなんて、なかなか度胸ありますね。でも、偉い人だから多少のことは黙認されてるのかな?
「お前ばかり良い格好しやがって。エース、俺からも」
オレガノ隊長が渡してくれたのは、細長い布袋だった。
「これは? ……おっと」
受け取ってみると、思いの外重かった。隊長が視線で開けてみろと言うので、早速袋から中身を取り出してみる。
「わぁ……これ、もしかして?」
「昨日、お前が欲しがっていた折れた大槍の半分だ。下町にいる馴染みの武器屋に徹夜させて、今朝までに仕上げてもらった」
それは、地面へ垂直に立ててみると、私の身長よりも少し低いぐらいの高さに穂先がある槍だった。半分になった大槍をリメイクしてくれたらしい。
「ありがとうございます!」
私は、隊長への申し訳なさのあまり咄嗟に口にしただけのことだったのに、ここまでしてくれるなんて。もう、感激。
すると、ちょっと面白くなさそうに口を尖らせたクレソンさんが、隊長に尋ねた。
「この槍作るのに、何人の職人を徹夜させたんですか?」
「何人だと思う? 俺は見込みのある奴には投資したい。それに、武器をもった限りは第八騎士団第六部隊の訓練には耐えてもらうぞ。俺は魔術師だろうと何だろうと容赦しない」
隊長とクレソンさんとの間に火花が見える。二人とも私のことを気遣ってくれてのことだと思うので、何と声をかけたらいいのやら。
「くやしかったら、お前も自分にできることを考えてみな」
「そうですね。僕にしかできないこともありますから」
「言うじゃないか、若造」
「そうそう、隊長。僕、宗旨替えすることにしました。僕、皆から女好きって思われてるみたいですけど、これからはエース一人に絞りますからね」
クレソンさんはすたすたと別の隊員の方へ歩いていってしまった。訪れた静寂。隊長は「馬鹿か、アイツは」と零しただけ。コリアンダー副隊長は冷静なまま、私の方を向き直った。
「風紀の乱れは許可できない」
え、私が悪いの?!
鈴を鳴らしたような可憐な女の子の声だ。それは、耳からではなく、頭の中に直接響いている。声の主らしき人は、辺りを見回しても存在しない。
「あの、エースと言います。すみませんが、どちら様ですか?」
呼び出したのはたぶん私なのだけれど、相手はさっぱり見当もつかない。気まずくなって沈黙していると、女の子はクスクス笑い出した。
『眠り姫とでも呼んで。んにしても相変わらずだな、姫乃』
眠り姫? いやいや、それより、この人私のことを姫乃って呼んだ。どういうこと? しかも口調が女の子っぽくなくなってしまったし。
『それもそうか。どうやらお前は俺と違って、そのままの姿で転移してきたみたいだもんな』
「なんで知ってるんですか?」
『え。まだ秘密』
「そんなぁ。もしかして、神様みたいな人ですか? 私、突然こんなところに来てしまって困ってるんです」
『帰りたい?』
私は、次の言葉がすぐには出なかった。三百六十度どこを向いても、どこか可愛らしいファンタジー世界の文化は目を楽しませてくれるし、乙女心をくすぐるものがある。でも、勝手慣れた日本よりは生活レベルが劣るし、何より魔物や戦いがある。
じゃぁ、帰れるものなら、帰る?
と考えた時に思い浮かぶのは、クレソンさんやオレガノ隊長を始めとする、今日一緒に魔物へ立ち向かった第八騎士団第六部隊の隊員の皆さんの顔だ。私、彼らを放って帰れるだろうか。きっとあの結界も消えてしまう。そしたら皆……
それにね。日本に帰っても、衛介はいないのだ。
もう、どこにもいないのだ。
私は、一度深呼吸してから口を開いた。
「私は、帰らない」
『もうそんなに馴染んじゃったの? すごいな』
「帰らせてとは言いません。でも、もしよかったら、私がこの先この世界でちゃんと生きていけるように、いろんなことを教えてください。私には知識が必要なんです」
相手は姿が見えない存在。でもどこか親しみがもてる相手。悪魔ではないと思う。私は少し頼ってみることにした。
『俺、眠り姫って呼ばれてるぐらいだから、あまり知識は多くないけれど、姫乃よりは詳しいかもね。いいよ、少し話してあげる』
眠り姫は、時間や物、お金の単位、国の成り立ちや、貴族のこと、王城の中のことなど様々なことを語ってくれた。日本と同じルールも多いけれど、もう頭がパンクしそう。眠さもあるので、今にも意識が途切れそうだ。
『じゃ、今日はここまでね。もし姫乃がピンチになった時には、また俺を呼んで? 助けてあげられるかもしれないから』
「ありがとう」
私は、この返事を最後に、寝た。
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目が覚めて、ベッドのカーテンの隙間から壁の時計を見ると五時だった。日本にいた時、朝から畑仕事をする習慣があった私は、体内時計通りに起きてしまったようで。私は、お風呂の隣にあるトイレ(ちゃんと水洗だった!)に行った後、ベッドの上で騎士服に着替えてみる。
うーん、胸が目立つ。
騎士服は、身体にフィットした作りになっているのだ。
私は、サラシにできそうなものが無いか、荷物の中を確認してみた。この鞄の中には、日本から着てきた服の他に、ミントさんが慌てて用意してくれた数日分の着替えが入っている。
すると、良いものを見つけた。ミントさんに大感謝しなきゃ。
紙袋の表には、小さな字で注意書きがある。
『これをつければ胸が小さくなる』
出してみると、タンクトップのような下着だった。早速身に着けてみると、程よく胸板が厚くなるだけで、女の子体型をカバーできている。他にも便利そうなものがたくさん出てきた。あまり使う機会が訪れてほしくはないけれど、もしもの時のため、大切にとっておくことにする。
そうやって身支度をしていると、もう五時半。向かい側の壁沿いにあるカーテン付きベッドの様子をそっと伺ってみる。集合は六時だから、そろそろクレソンさんを起こさなければならない。でも昨夜のことを思い出すと、顔が赤くなってしまう。
「平常心、平常心……」
私は胸に手を当てて息を整えると、クレソンさんのカーテンに指をかけた。
寝てる。
起きている時よりも、少しあどけない顔をしていて、思わずにんまりしてしまう。と、眺めている場合じゃなかった。
「クレソンさん」
「ん……」
「おはようございます。朝ですよ」
「え、もう……?」
クレソンさんは薄っすらと目を開けて、上体を起こした。かぶっていた毛布が彼の腰までずり落ちて、現れたのは裸の上半身。確実にジム通いしながらマッチョの世界大会を目指しているでしょ? と突っ込みたくなったぐらい、眼福な腹筋ですね。クレソンさん、顔も良いから写真集作ったらバカ売れしそう。
しかも溢れ出して止まらないこの色気。昨日まで女子高生だった私には少々刺激が強すぎる。鼻血出そう。
「あ、あの、下は何か着てますよね?」
「ん、見たいの?」
私は無言でカーテンを締めた。
ふぅ。心臓に悪い。
とりあえず目覚まし係としての役目は全うできたよね? 明日からは、カーテンを開けずに声をかけるだけにしようっと。
◇
集合場所へ向かうと、まだ隊員の方達の姿はまばらだった。だいたいの人は昨日の戦闘と夜の宴会で顔見知りになったけれど、人数が多すぎてまだ顔と名前が一致しない。
「おはよう」
「おはようございます、コリアンダー副隊長。体調はいかがですか?」
「問題ない。一晩寝れば回復する」
「そんなこと言って、昨日はいつもより張り切ってましたよね。疲れ残ってませんか?」
ちゃちゃを入れたクレソンさんをコリアンダー副隊長はジト目で見る。もしかして喧嘩勃発の兆し? 私は慌てて話題を変えた。
「それより、昨日からこれを預かったままでした。お返しするのが遅くなってすみません。大切なものをお貸しくださり、どうもありがとうございました」
コリアンダー副隊長は一瞬何か言いたげな顔をしたけれど、すぐに首を横に振った。
「それは君にあげよう。君は強大な魔法が使える。良い杖を持っておいた方がいい」
副隊長の視線の先には、一夜明けてもなお輝き続ける白い光の結界があった。
「でも、それだと副隊長が困るのでは……」
「いや、いい。私はいくつか持っているのだから」
「気前が良いな、コリアンダー」
そこへやってきたのはオレガノ隊長。騎士なのに朝から無精髭のまま出勤してくるなんて、なかなか度胸ありますね。でも、偉い人だから多少のことは黙認されてるのかな?
「お前ばかり良い格好しやがって。エース、俺からも」
オレガノ隊長が渡してくれたのは、細長い布袋だった。
「これは? ……おっと」
受け取ってみると、思いの外重かった。隊長が視線で開けてみろと言うので、早速袋から中身を取り出してみる。
「わぁ……これ、もしかして?」
「昨日、お前が欲しがっていた折れた大槍の半分だ。下町にいる馴染みの武器屋に徹夜させて、今朝までに仕上げてもらった」
それは、地面へ垂直に立ててみると、私の身長よりも少し低いぐらいの高さに穂先がある槍だった。半分になった大槍をリメイクしてくれたらしい。
「ありがとうございます!」
私は、隊長への申し訳なさのあまり咄嗟に口にしただけのことだったのに、ここまでしてくれるなんて。もう、感激。
すると、ちょっと面白くなさそうに口を尖らせたクレソンさんが、隊長に尋ねた。
「この槍作るのに、何人の職人を徹夜させたんですか?」
「何人だと思う? 俺は見込みのある奴には投資したい。それに、武器をもった限りは第八騎士団第六部隊の訓練には耐えてもらうぞ。俺は魔術師だろうと何だろうと容赦しない」
隊長とクレソンさんとの間に火花が見える。二人とも私のことを気遣ってくれてのことだと思うので、何と声をかけたらいいのやら。
「くやしかったら、お前も自分にできることを考えてみな」
「そうですね。僕にしかできないこともありますから」
「言うじゃないか、若造」
「そうそう、隊長。僕、宗旨替えすることにしました。僕、皆から女好きって思われてるみたいですけど、これからはエース一人に絞りますからね」
クレソンさんはすたすたと別の隊員の方へ歩いていってしまった。訪れた静寂。隊長は「馬鹿か、アイツは」と零しただけ。コリアンダー副隊長は冷静なまま、私の方を向き直った。
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