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第一章 砂羅万編
第20話 支払
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内陸に位置する砂羅万(さらまん)では、海産物がかなり希少だ。それも生でとなると、海から運んでくるのに高価な魔道具が必要となるので、上流階級ですら、そうそうありつくことができないご馳走である。
「これは何?」
流星は、料理人の影水(えいすい)に尋ねた。流星は、羽馬として各地を飛び回っていた経験があるが、どこへ行っても与えられるのは干し草や野菜ばかり。海産物を食べるのは初めてだった。
「エビだな。どうした? 腹でも痛いのか? たまに、食ったら体に合わない奴もいるらしいぞ」
「ううん、大丈夫。魚もいいけど、これも美味しいなと思って」
「なかなか通なこと言うじゃねぇか。お前、俺のとこ通って、料理覚えろよ」
流星が影水の提案に魅力を感じている隣では、杜夜世と塁湖が文通の手筈について話し合っていた。
「旅芸人はいつも移動してるし、杜夜世も扇葉(せんよう)までは旅やろ? だから、鳩に手紙持たせてやり取りしたらえぇかもしれへんなぁ」
塁湖曰く、最近一座に居着いている鳩が1羽いるので、それを訓練して使えるようにしたいとのことだった。
「でも、鳩って、どないして訓練したらえぇんやろ? あんた、えぇ薬持ってないん?」
「ありますよ。鳩をしゃべれるようにすることはできます。意思疎通できたとのろで、どれだけ私達の言うことを聞いてくれるかは分かりませんけど」
「……あんた、よく、「常識ない!」って言われたりしぃひん?」
「……。まずは、その鳩に私が薬を飲ませてもいいか、座長に尋ねた方がいいですね。話せると、経験上、良いことばかりではありませんから」
杜夜世は、実家の白雪のことを思い返していた。白雪は賢い猫で、店や家の外で勝手にしゃべりだすことはない。世間では、猫が話すことは奇異に映ることを知っているからだ。また、白雪が話せるようになってからは、もともと厚く信頼関係を築いていたこともあり、杜夜世や甘楽達と、家族としての絆がより強まったと言える。けれども、白雪が時折毒舌なことを言ったり、冗談で口から出まかせを言った時には、振り回されることも多々あった。
そこへちょうど、海烈が杜夜世の隣へやってきた。塁湖は海烈に鳩の話をし、杜夜世は動物が話せるようになる薬のことを説明した。
「トヨ、お前さん、なんで今まで宝里(ほうり)なんかに引きこもってたんだ。出るとこ出たら、もっと地位も名誉も……」
「でも私、根治苦症ですから」
「……だよな」
海烈は、珍しく無精髭を生やしている自らの顎を摘みながら、しばらく思案していた。
「鳩だけなら、許可を出そう。うちには他にも動物はいるが、これまで俺達が無理させてきたことを思うと、奴ら何をしゃべり出すか想像もつかん」
「「ありがとうございます!!」」
海烈は、仲直りした2人の女の子に向かって、満足そうに頷いた。2人が友達になったことを素直に喜んでいる気持ちもある。一方で、杜夜世が塁湖と仲良くすることは、今後も一座と杜夜世の関係性が続くことも示しているので、内心ほっとする気持ちもあった。海烈の一座は、病人や病人の家族を抱える者ばかり。気の良い腕利き薬師との繋がりは、大変貴重なのだ。塁湖には、手紙に薬の依頼書を添付してもらおうと、こっそりほくそ笑む海烈だった。
「で、杜夜世。これはお前さんと流星の分だ」
杜夜世は、海烈から突然押しつけられた布袋の中をそっと覗き見た。
「え?! これは……」
「府長からの謝礼、昨夜皆で山分けしたんだ。なぜか、府長の娘さんからの謝礼もあってな。お陰で予定よりがっぽり稼がせてもらったよ」
「でも、これ、多くないですか?」
そこへ流星が口を挟んだ。
「トヨ。トヨはすっごくがんばったもん。こういうのは受け取っておかないと、かえって失礼だよ」
「でも……。しかも流星の分まで……」
俯く杜夜世に、海烈と塁湖がさらに畳み掛けた。
「どうせ流星は、羽馬になったら、せっかくの金をどこかに落としちまいそうだろ? だから、お前さんが管理するのが1番だ」
「うちらみたいな病人は、お金なんて、そうそう稼がれへんねんで? 大人しくもらっとき」
未だに戸惑った様子の杜夜世だったが、ようやく納得したのか、金の入った布袋をキャリーバッグに片付けた。
「トヨ、それには全部で70万通宝入ってる。これで、リュウを買った金、なんとか足りるんじゃないか?」
確かに、杜夜世が故郷から持ってきた金を合わせると、ギリギリ支払えることになる。杜夜世は海烈に向かって深々と頭を下げた。
「ありがとうございます」
流星は「万歳!」と言って、杜夜世に抱きついた。
* * *
杜夜世が一座を去ることが決まり、一座の人間はこぞって杜夜世を押しかけた。もちろん、薬を買うためだ。さすがに手持ちのストックがなくなった薬もあったため、杜夜世は夜まで問診、製薬、販売を行って過ごした。昼過ぎには、流星が羽馬の姿に戻ってしまったため、またもや彼は役に立たなかった。
そして翌日。杜夜世と流星は、100万通宝が入った布袋を持って、街の中心部へ向かった。羽馬馬車の運営会社本部へ行くのだ。
賑やかな大通りを抜け、羽馬馬車の停車場を通り過ぎ、企業関連の建物が並ぶエリアに入る。そこを歩く人々の身なりは皆、高級なもので、擦り切れたスカートを履く杜夜世は少し居心地悪く感じながらも足を進めた。そして、ようやく羽馬をもじったマークの看板を掲げた目的地に到着する。
流星の「行こう」という声に後押しされて、杜夜世は入口の重いドアを押し開いた。同時に来客を知らせるベルが鳴り、内部の人間が次々に杜夜世達の方を振り向いた。外よりも少し涼しい室内。建物の外見からもそうだったが、内部の内装からも老舗であることが伺える。羽馬馬車の大きな絵や、代表者のものと思われる姿絵が壁にかけられていて、豪華なソファーも並んでいた。杜夜世は、たまたま目が合った若い女性に近づき、羽馬購入の契約書を見せた。
「そちらにかけてお待ちください」
ふと見渡すと、杜夜世のような庶民らしき者もいた。羽馬馬車の乗車予約をするやり取りが聞こえてきて、杜夜世は静かにため息をつく。流星は、心配そうに杜夜世を見つめると、彼女の手を握った。
それから30分後。杜夜世が自分たちのことを忘れ去られたのではないかと不安になり始めた頃。ようやく、あの時の大男が姿を現した。
「案外早かったじゃないか。隣の男は何だ? 一緒に身体でも売って稼いだのか? 言ってくれれば、もっと良い職、用意してやったのに」
開口一番、柄の悪い事を言われて、杜夜世は怯んでしまった。しかし、約束通りの期限を守り、金もきちんと100万通宝用意している。恐れることは何もないはずだ。杜夜世はそう念じながら、布袋を大男の前に突き出した。男は、ニタリと気持ち悪い笑みを浮かべると、袋から金を出して数え始めた。
「おい、たったの100万通宝しか入ってないじゃないか?」
「契約書に書かれてあった通り、100万ちょうどです」
「これだから、小汚い庶民は嫌いなんだ。いいか? 馬なんて普通は即金で取引するものなんだ。それをわざわざ1か月も待ってやろうと言ってたんだぞ? 利子として、最低倍額ぐらいは用意するのが相場ってもんなんだよ!」
「そんなこと……契約書には書かれてません……」
「そうか、じゃぁ羽馬は返してもらおう! そろそろ根治苦症菌も全滅しているかもしれないしな。だが、この金は迷惑料としていただいておく」
「そんな……困ります!」
「世間知らずな小娘に用はない。羽馬の場所を吐いたら、さっさと帰んな!」
杜夜世は、すっかり青ざめていた。突然、奈落の底へ突き落とされた気分だった。無事に軍学校への推薦を勝ち得たばかりか、100万通宝をかき集めることができて、すっかり有頂天になっていた杜夜世。一座の人間があまりに温かいため、外の世界ではこうもいかないことを忘れかけていたのだ。
杜夜世は、赤くなった目からなんとか涙をこぼすまいと、歯を食いしばっていた。流星は、事前に杜夜世から言い含められていたので、今のところ、なんとか大人しくしている。元々杜夜世は、一人で行こうとしていたのだが、流星がどうしてもついていくと言って聞かなかったのだ。その際の交換条件が、『何があっても手出ししない』というものだった。
根治苦症の発作の予感。杜夜世は、口元に両手を押し当てた。おそらく、目の前の男は、根治苦症が感染症の一種ではないことを知っている。もしかすると、杜夜世が考えている以上に、この男のような上流階級は、根治苦症について正しい知識を持っているのかもしれない。だから、ここで一発やらかしても、それ程問題はないのかもしれないが、できれば咳き込まずにやりすごしたいのが本音。
「俺は安い男じゃぁない。そんな泣き落とし、効くわけないだろ。で、どこにいるんだ、うちの羽馬は?!」
男は、杜夜世との間に置かれた机の上に拳を打ちつけた。ドンッという大きな音が室内に響く。
そして……とうとう、流星がソファから立ち上がった。
「これは何?」
流星は、料理人の影水(えいすい)に尋ねた。流星は、羽馬として各地を飛び回っていた経験があるが、どこへ行っても与えられるのは干し草や野菜ばかり。海産物を食べるのは初めてだった。
「エビだな。どうした? 腹でも痛いのか? たまに、食ったら体に合わない奴もいるらしいぞ」
「ううん、大丈夫。魚もいいけど、これも美味しいなと思って」
「なかなか通なこと言うじゃねぇか。お前、俺のとこ通って、料理覚えろよ」
流星が影水の提案に魅力を感じている隣では、杜夜世と塁湖が文通の手筈について話し合っていた。
「旅芸人はいつも移動してるし、杜夜世も扇葉(せんよう)までは旅やろ? だから、鳩に手紙持たせてやり取りしたらえぇかもしれへんなぁ」
塁湖曰く、最近一座に居着いている鳩が1羽いるので、それを訓練して使えるようにしたいとのことだった。
「でも、鳩って、どないして訓練したらえぇんやろ? あんた、えぇ薬持ってないん?」
「ありますよ。鳩をしゃべれるようにすることはできます。意思疎通できたとのろで、どれだけ私達の言うことを聞いてくれるかは分かりませんけど」
「……あんた、よく、「常識ない!」って言われたりしぃひん?」
「……。まずは、その鳩に私が薬を飲ませてもいいか、座長に尋ねた方がいいですね。話せると、経験上、良いことばかりではありませんから」
杜夜世は、実家の白雪のことを思い返していた。白雪は賢い猫で、店や家の外で勝手にしゃべりだすことはない。世間では、猫が話すことは奇異に映ることを知っているからだ。また、白雪が話せるようになってからは、もともと厚く信頼関係を築いていたこともあり、杜夜世や甘楽達と、家族としての絆がより強まったと言える。けれども、白雪が時折毒舌なことを言ったり、冗談で口から出まかせを言った時には、振り回されることも多々あった。
そこへちょうど、海烈が杜夜世の隣へやってきた。塁湖は海烈に鳩の話をし、杜夜世は動物が話せるようになる薬のことを説明した。
「トヨ、お前さん、なんで今まで宝里(ほうり)なんかに引きこもってたんだ。出るとこ出たら、もっと地位も名誉も……」
「でも私、根治苦症ですから」
「……だよな」
海烈は、珍しく無精髭を生やしている自らの顎を摘みながら、しばらく思案していた。
「鳩だけなら、許可を出そう。うちには他にも動物はいるが、これまで俺達が無理させてきたことを思うと、奴ら何をしゃべり出すか想像もつかん」
「「ありがとうございます!!」」
海烈は、仲直りした2人の女の子に向かって、満足そうに頷いた。2人が友達になったことを素直に喜んでいる気持ちもある。一方で、杜夜世が塁湖と仲良くすることは、今後も一座と杜夜世の関係性が続くことも示しているので、内心ほっとする気持ちもあった。海烈の一座は、病人や病人の家族を抱える者ばかり。気の良い腕利き薬師との繋がりは、大変貴重なのだ。塁湖には、手紙に薬の依頼書を添付してもらおうと、こっそりほくそ笑む海烈だった。
「で、杜夜世。これはお前さんと流星の分だ」
杜夜世は、海烈から突然押しつけられた布袋の中をそっと覗き見た。
「え?! これは……」
「府長からの謝礼、昨夜皆で山分けしたんだ。なぜか、府長の娘さんからの謝礼もあってな。お陰で予定よりがっぽり稼がせてもらったよ」
「でも、これ、多くないですか?」
そこへ流星が口を挟んだ。
「トヨ。トヨはすっごくがんばったもん。こういうのは受け取っておかないと、かえって失礼だよ」
「でも……。しかも流星の分まで……」
俯く杜夜世に、海烈と塁湖がさらに畳み掛けた。
「どうせ流星は、羽馬になったら、せっかくの金をどこかに落としちまいそうだろ? だから、お前さんが管理するのが1番だ」
「うちらみたいな病人は、お金なんて、そうそう稼がれへんねんで? 大人しくもらっとき」
未だに戸惑った様子の杜夜世だったが、ようやく納得したのか、金の入った布袋をキャリーバッグに片付けた。
「トヨ、それには全部で70万通宝入ってる。これで、リュウを買った金、なんとか足りるんじゃないか?」
確かに、杜夜世が故郷から持ってきた金を合わせると、ギリギリ支払えることになる。杜夜世は海烈に向かって深々と頭を下げた。
「ありがとうございます」
流星は「万歳!」と言って、杜夜世に抱きついた。
* * *
杜夜世が一座を去ることが決まり、一座の人間はこぞって杜夜世を押しかけた。もちろん、薬を買うためだ。さすがに手持ちのストックがなくなった薬もあったため、杜夜世は夜まで問診、製薬、販売を行って過ごした。昼過ぎには、流星が羽馬の姿に戻ってしまったため、またもや彼は役に立たなかった。
そして翌日。杜夜世と流星は、100万通宝が入った布袋を持って、街の中心部へ向かった。羽馬馬車の運営会社本部へ行くのだ。
賑やかな大通りを抜け、羽馬馬車の停車場を通り過ぎ、企業関連の建物が並ぶエリアに入る。そこを歩く人々の身なりは皆、高級なもので、擦り切れたスカートを履く杜夜世は少し居心地悪く感じながらも足を進めた。そして、ようやく羽馬をもじったマークの看板を掲げた目的地に到着する。
流星の「行こう」という声に後押しされて、杜夜世は入口の重いドアを押し開いた。同時に来客を知らせるベルが鳴り、内部の人間が次々に杜夜世達の方を振り向いた。外よりも少し涼しい室内。建物の外見からもそうだったが、内部の内装からも老舗であることが伺える。羽馬馬車の大きな絵や、代表者のものと思われる姿絵が壁にかけられていて、豪華なソファーも並んでいた。杜夜世は、たまたま目が合った若い女性に近づき、羽馬購入の契約書を見せた。
「そちらにかけてお待ちください」
ふと見渡すと、杜夜世のような庶民らしき者もいた。羽馬馬車の乗車予約をするやり取りが聞こえてきて、杜夜世は静かにため息をつく。流星は、心配そうに杜夜世を見つめると、彼女の手を握った。
それから30分後。杜夜世が自分たちのことを忘れ去られたのではないかと不安になり始めた頃。ようやく、あの時の大男が姿を現した。
「案外早かったじゃないか。隣の男は何だ? 一緒に身体でも売って稼いだのか? 言ってくれれば、もっと良い職、用意してやったのに」
開口一番、柄の悪い事を言われて、杜夜世は怯んでしまった。しかし、約束通りの期限を守り、金もきちんと100万通宝用意している。恐れることは何もないはずだ。杜夜世はそう念じながら、布袋を大男の前に突き出した。男は、ニタリと気持ち悪い笑みを浮かべると、袋から金を出して数え始めた。
「おい、たったの100万通宝しか入ってないじゃないか?」
「契約書に書かれてあった通り、100万ちょうどです」
「これだから、小汚い庶民は嫌いなんだ。いいか? 馬なんて普通は即金で取引するものなんだ。それをわざわざ1か月も待ってやろうと言ってたんだぞ? 利子として、最低倍額ぐらいは用意するのが相場ってもんなんだよ!」
「そんなこと……契約書には書かれてません……」
「そうか、じゃぁ羽馬は返してもらおう! そろそろ根治苦症菌も全滅しているかもしれないしな。だが、この金は迷惑料としていただいておく」
「そんな……困ります!」
「世間知らずな小娘に用はない。羽馬の場所を吐いたら、さっさと帰んな!」
杜夜世は、すっかり青ざめていた。突然、奈落の底へ突き落とされた気分だった。無事に軍学校への推薦を勝ち得たばかりか、100万通宝をかき集めることができて、すっかり有頂天になっていた杜夜世。一座の人間があまりに温かいため、外の世界ではこうもいかないことを忘れかけていたのだ。
杜夜世は、赤くなった目からなんとか涙をこぼすまいと、歯を食いしばっていた。流星は、事前に杜夜世から言い含められていたので、今のところ、なんとか大人しくしている。元々杜夜世は、一人で行こうとしていたのだが、流星がどうしてもついていくと言って聞かなかったのだ。その際の交換条件が、『何があっても手出ししない』というものだった。
根治苦症の発作の予感。杜夜世は、口元に両手を押し当てた。おそらく、目の前の男は、根治苦症が感染症の一種ではないことを知っている。もしかすると、杜夜世が考えている以上に、この男のような上流階級は、根治苦症について正しい知識を持っているのかもしれない。だから、ここで一発やらかしても、それ程問題はないのかもしれないが、できれば咳き込まずにやりすごしたいのが本音。
「俺は安い男じゃぁない。そんな泣き落とし、効くわけないだろ。で、どこにいるんだ、うちの羽馬は?!」
男は、杜夜世との間に置かれた机の上に拳を打ちつけた。ドンッという大きな音が室内に響く。
そして……とうとう、流星がソファから立ち上がった。
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