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109チグサの激励
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チグサの話、確かにその通りなのである。
幼い頃から恋慕っていただとか、共に人生を歩んでほしいだとか、一生コトリのシェンシャンを作り続けたいだとか、口説き文句の一つも、まだ口にはできていない。もちろん、コトリがカケル個人に惹かれてしまうような事件も起きていない。
「どうすれば……」
真っ青になるカケル。先日、かつてアグロと対等に渡り合っていた老貴族との面会で、有り体に言って軽く虐められていた時でさえ、こんなにも顔色は悪くならなかった。
このままでは、離れてこちらを見守っているカケルの侍従達に、チグサが王に失礼を働いていると勘違いされてしまう。ここは、コトリを引き合いに出して、彼にいつもの調子を取り戻してもらうしか方法はあるまい。
「えっと、それで、兄上。兄上はコトリ様のどこが良いのかしら? 確かに美女の佇まいですけど、仕草が色気たっぷりというわけでもありませんし」
チグサからしても、コトリは王女らしい気品に溢れた少女である。けれど、それだけで王の妃に収まることができるならば、両手指を使っても数え切れない程の人数が候補として挙げられそうだ。
「チグサ」
カケルは、うなだれて卓の上に突っ伏していた頭をゆっくりと持ち上げる。被り布越しでも目が合ってしまったチグサは、ヒッと声を上げてたじろいだ。
「どこがいいかって? 全てだ」
カケル、完全復活である。
「好きになったきっかけは、シェンシャンの奏でかもしれない。あの大量に溢れる神気の渦を生み出す力は、尋常じゃないからな。もちろん、美しい音色も。でも素顔を見て、声を交わして、その手に触れたからこそ分かったことがある」
カケルは、ここで一度を言葉を止めると、ますます身を乗り出した。
「コトリは、努力の人だ。自身の信念に忠実で、真っ直ぐ。その何事にも真面目で一途なところが良い。それに、案外強い心も持っている。王族にも関わらず身分に関する差別意識もかなり薄いところも好ましい」
チグサは、なぜこんな話を振ってしまったのだろうと、遠い目をして後悔し始めている。けれど、カケルは止まらない。
「それだけじゃない。何より、ころころ変わる無邪気な表情、ふと見せる笑顔、光に当たると輝かんばかりに美しい紅の髪、世間知らずで時々おろおろしているところ、菓子を食べる時の愛らしい仕草、他にも……」
「あーもう、分かりました!」
「コトリの良いところなんて、まだまだたくさんあるのに」
「もう結構です。やれやれ、テッコンも心配してましたよ」
「テッコンが?」
少し久々に出る名に、カケルが目を輝かせる。彼は、ゴスの師匠だ。小さい頃、よく王宮を抜け出しては彼の工房に転がりこんで、いろいろと世話になり、可愛がってもらった。カケルにとっては祖父のような人物なのである。
実は、即位の祝いとして、テッコンから神具が届いていたそうなのだ。そこには文がついていたのだが、多忙なカケルに代わってチグサが内容を確認していたらしい。
「兄上は恋に一生懸命になりすぎて、昔から危ういところがある。でも、その熱量をそのまま神具の腕に直結させられるところは褒めてやってもいい。今後はできるだけ王らしく過ごして、コトリ様と一緒になった暁には、二人で工房へ遊びに来い、って書かれてあったわ」
「そんなことを」
テッコンは王家に認められた腕利き神具師だが、基本的に庶民である。そんな彼のところへ、頻繁に王族が通っていたのは、本来あってはならないことだった。受け入れる方も、かなり気を遣っていたことだろう。なのに文句一つ言わず、今も紫絡みで協力してくれているのだ。今思えば、随分と迷惑をかけてきたなと反省するカケルなのである。
「そういうわけですから、兄上。元気を出してください」
「チグサ」
「確かに、兄上は王らしくない。でも、周りの人々、例えばテッコンのような職人でさえ自然と自分の味方に引き入れてしまう御人ですもの。そして、コトリ様と同じく、真っすぐで一途で、頑張り屋。だから」
チグサはようやく、自分からカケルに目を合わせにいく。今日、これだけは伝えておきたいと考えていたことがあるのだ。
「だから兄上は、もっと自信を持ってください。そうすればきっと、コトリ様にも兄上の真の良さが伝わるはずです」
カケルは、ポカンとして目を見開いている。まさか、励まされることになるとは思っていなかったのだ。
「ありがとう」
本来であれば、兄の恋路など、どうでも良い話のはずだ。なのにこの国、この兄弟達は、カケルの我儘とも言えるコトリへの執着を理解し、応援してくれる。あまりにも有り難すぎる話だ。
「本当に、ありがとう」
「後は、ちゃんと気持ちを言葉にしてお伝えすることです。いくらお膳立てして型通りの求婚をしても、響かないこともありますからね。兄上だけができる、兄上の方法で、早くコトリ様を私の姉上にしてください」
カケルは、拳を胸に当てて答える。
「任せろ」
コトリにはカケルしかいないし、カケルにもコトリしかいない。きっとこれは、神が定めた運命なのだから。後は、信念を貫き、手を取り合うだけ。
その後は、捕らえているアグロの手下共の処遇について話し合われた。
「そうだな、それが妥当だろう」
カケルは腕を組んで重々しく頷く。チグサからもたらされたクロガやカツの意見も総合すると、ソラの律令で定められた通りの処刑を忠実に行うという話にまとまったのだ。通常は、身分の高さや他の功績などを鑑みて減刑されることも多いのだが、そういった猶予は一切行なわず、全て民に公開した上で刑を施行することとなる。
「既にクロガ兄上が、その線で中枢の者に根回ししてらっしゃるわ。近日中に、正式決定できることでしょう」
「さすがだな」
父親を殺された息子としては、少しでも仇討ちしておきたい。さらに王族としては、今後第二のアグロが現れないように、徹底した見せしめを行っておきたいのだ。
「たくさんの者が死ぬことになりそうですね。兄上の評判がどう転ぶか、少し不安です」
チグサが呟くと、カケルは日頃見せない獰猛な笑みを浮かべた。
「そうか? 非情で恐ろしい王だと思われる方が良い。帝国への牽制にもなるだろうしな」
「そうですね」
今のところ、王が代替りしてからというもの、帝国からソラ王宮への接触は無い。既にアグロが死んだことを掴んで、手を引いたのならば良いのだが、おそらくはこのままでは済まないだろう。
帝国は、アグロに珍しい毒や薬を融通し、またソラから多くの神具を工芸品として買い付けていた。大陸の西方にある帝都から遙か離れたこの地に、わざわざ人と物を割いたからには、簡単には諦めてくれないと思われる。やはり、引き続きの警戒と対策は必要となりそうだ。
「チグサ」
カケルは思い詰めた様子である。帝国の脅威について思いを馳せているのだろうか。チグサは、視線だけで話の続きを促した。
「処刑では、最近開発している新たな神具の試し撃ちもやってみようと思う」
チグサも、カケルが夜な夜な工房に篭もっているのは知っている。だが、詳細までは把握できていない。けれど文脈からして、人を傷つけることのできる物なのだろう。
「それは、武器の一種なのですか?」
躊躇いがちに尋ねてみると、カケルは薄っすら笑っただけだった。
チグサ自身、護身の神具を扱ったことはあるものの、刃物以外の武器らしい武器を手にしたことはない。それ故、その新作とやらについては、なかなか想像がつかなかった。
「処刑までに、無事に完成すると……いいですね」
カケルは微かに頷いた後、空を仰いだ。
「知っての通り、本来神具とは、人の生活に恵みを与えるためのものだ。だから、今作っているものは異端中の異端。禁忌、とも呼べるかもしれない。それでも、コトリと、この地の民を守るために、俺は神の力を利用しようと思う」
チグサは、カケルの目に苦悩と葛藤の色を見た。王として、神具師として、ただ人として、彼は今、分岐点に立っている。
幼い頃から恋慕っていただとか、共に人生を歩んでほしいだとか、一生コトリのシェンシャンを作り続けたいだとか、口説き文句の一つも、まだ口にはできていない。もちろん、コトリがカケル個人に惹かれてしまうような事件も起きていない。
「どうすれば……」
真っ青になるカケル。先日、かつてアグロと対等に渡り合っていた老貴族との面会で、有り体に言って軽く虐められていた時でさえ、こんなにも顔色は悪くならなかった。
このままでは、離れてこちらを見守っているカケルの侍従達に、チグサが王に失礼を働いていると勘違いされてしまう。ここは、コトリを引き合いに出して、彼にいつもの調子を取り戻してもらうしか方法はあるまい。
「えっと、それで、兄上。兄上はコトリ様のどこが良いのかしら? 確かに美女の佇まいですけど、仕草が色気たっぷりというわけでもありませんし」
チグサからしても、コトリは王女らしい気品に溢れた少女である。けれど、それだけで王の妃に収まることができるならば、両手指を使っても数え切れない程の人数が候補として挙げられそうだ。
「チグサ」
カケルは、うなだれて卓の上に突っ伏していた頭をゆっくりと持ち上げる。被り布越しでも目が合ってしまったチグサは、ヒッと声を上げてたじろいだ。
「どこがいいかって? 全てだ」
カケル、完全復活である。
「好きになったきっかけは、シェンシャンの奏でかもしれない。あの大量に溢れる神気の渦を生み出す力は、尋常じゃないからな。もちろん、美しい音色も。でも素顔を見て、声を交わして、その手に触れたからこそ分かったことがある」
カケルは、ここで一度を言葉を止めると、ますます身を乗り出した。
「コトリは、努力の人だ。自身の信念に忠実で、真っ直ぐ。その何事にも真面目で一途なところが良い。それに、案外強い心も持っている。王族にも関わらず身分に関する差別意識もかなり薄いところも好ましい」
チグサは、なぜこんな話を振ってしまったのだろうと、遠い目をして後悔し始めている。けれど、カケルは止まらない。
「それだけじゃない。何より、ころころ変わる無邪気な表情、ふと見せる笑顔、光に当たると輝かんばかりに美しい紅の髪、世間知らずで時々おろおろしているところ、菓子を食べる時の愛らしい仕草、他にも……」
「あーもう、分かりました!」
「コトリの良いところなんて、まだまだたくさんあるのに」
「もう結構です。やれやれ、テッコンも心配してましたよ」
「テッコンが?」
少し久々に出る名に、カケルが目を輝かせる。彼は、ゴスの師匠だ。小さい頃、よく王宮を抜け出しては彼の工房に転がりこんで、いろいろと世話になり、可愛がってもらった。カケルにとっては祖父のような人物なのである。
実は、即位の祝いとして、テッコンから神具が届いていたそうなのだ。そこには文がついていたのだが、多忙なカケルに代わってチグサが内容を確認していたらしい。
「兄上は恋に一生懸命になりすぎて、昔から危ういところがある。でも、その熱量をそのまま神具の腕に直結させられるところは褒めてやってもいい。今後はできるだけ王らしく過ごして、コトリ様と一緒になった暁には、二人で工房へ遊びに来い、って書かれてあったわ」
「そんなことを」
テッコンは王家に認められた腕利き神具師だが、基本的に庶民である。そんな彼のところへ、頻繁に王族が通っていたのは、本来あってはならないことだった。受け入れる方も、かなり気を遣っていたことだろう。なのに文句一つ言わず、今も紫絡みで協力してくれているのだ。今思えば、随分と迷惑をかけてきたなと反省するカケルなのである。
「そういうわけですから、兄上。元気を出してください」
「チグサ」
「確かに、兄上は王らしくない。でも、周りの人々、例えばテッコンのような職人でさえ自然と自分の味方に引き入れてしまう御人ですもの。そして、コトリ様と同じく、真っすぐで一途で、頑張り屋。だから」
チグサはようやく、自分からカケルに目を合わせにいく。今日、これだけは伝えておきたいと考えていたことがあるのだ。
「だから兄上は、もっと自信を持ってください。そうすればきっと、コトリ様にも兄上の真の良さが伝わるはずです」
カケルは、ポカンとして目を見開いている。まさか、励まされることになるとは思っていなかったのだ。
「ありがとう」
本来であれば、兄の恋路など、どうでも良い話のはずだ。なのにこの国、この兄弟達は、カケルの我儘とも言えるコトリへの執着を理解し、応援してくれる。あまりにも有り難すぎる話だ。
「本当に、ありがとう」
「後は、ちゃんと気持ちを言葉にしてお伝えすることです。いくらお膳立てして型通りの求婚をしても、響かないこともありますからね。兄上だけができる、兄上の方法で、早くコトリ様を私の姉上にしてください」
カケルは、拳を胸に当てて答える。
「任せろ」
コトリにはカケルしかいないし、カケルにもコトリしかいない。きっとこれは、神が定めた運命なのだから。後は、信念を貫き、手を取り合うだけ。
その後は、捕らえているアグロの手下共の処遇について話し合われた。
「そうだな、それが妥当だろう」
カケルは腕を組んで重々しく頷く。チグサからもたらされたクロガやカツの意見も総合すると、ソラの律令で定められた通りの処刑を忠実に行うという話にまとまったのだ。通常は、身分の高さや他の功績などを鑑みて減刑されることも多いのだが、そういった猶予は一切行なわず、全て民に公開した上で刑を施行することとなる。
「既にクロガ兄上が、その線で中枢の者に根回ししてらっしゃるわ。近日中に、正式決定できることでしょう」
「さすがだな」
父親を殺された息子としては、少しでも仇討ちしておきたい。さらに王族としては、今後第二のアグロが現れないように、徹底した見せしめを行っておきたいのだ。
「たくさんの者が死ぬことになりそうですね。兄上の評判がどう転ぶか、少し不安です」
チグサが呟くと、カケルは日頃見せない獰猛な笑みを浮かべた。
「そうか? 非情で恐ろしい王だと思われる方が良い。帝国への牽制にもなるだろうしな」
「そうですね」
今のところ、王が代替りしてからというもの、帝国からソラ王宮への接触は無い。既にアグロが死んだことを掴んで、手を引いたのならば良いのだが、おそらくはこのままでは済まないだろう。
帝国は、アグロに珍しい毒や薬を融通し、またソラから多くの神具を工芸品として買い付けていた。大陸の西方にある帝都から遙か離れたこの地に、わざわざ人と物を割いたからには、簡単には諦めてくれないと思われる。やはり、引き続きの警戒と対策は必要となりそうだ。
「チグサ」
カケルは思い詰めた様子である。帝国の脅威について思いを馳せているのだろうか。チグサは、視線だけで話の続きを促した。
「処刑では、最近開発している新たな神具の試し撃ちもやってみようと思う」
チグサも、カケルが夜な夜な工房に篭もっているのは知っている。だが、詳細までは把握できていない。けれど文脈からして、人を傷つけることのできる物なのだろう。
「それは、武器の一種なのですか?」
躊躇いがちに尋ねてみると、カケルは薄っすら笑っただけだった。
チグサ自身、護身の神具を扱ったことはあるものの、刃物以外の武器らしい武器を手にしたことはない。それ故、その新作とやらについては、なかなか想像がつかなかった。
「処刑までに、無事に完成すると……いいですね」
カケルは微かに頷いた後、空を仰いだ。
「知っての通り、本来神具とは、人の生活に恵みを与えるためのものだ。だから、今作っているものは異端中の異端。禁忌、とも呼べるかもしれない。それでも、コトリと、この地の民を守るために、俺は神の力を利用しようと思う」
チグサは、カケルの目に苦悩と葛藤の色を見た。王として、神具師として、ただ人として、彼は今、分岐点に立っている。
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