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4章

第39話 解明

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王立騎士魔導学院ウェルウィッチア
校庭

ニャータ「そこから、降りてこい!」
シャットンを目視でとらえ、ブンブンと火炎鉄球を投げつけるニャータ。
ひらひらとかわすシャットン。
シャットン「フンッ、誰が貴様の土俵で戦うか!」『高所こうしょの利を捨てる訳ないだろ!』

ニャータ「そうか」
シャットンの目の前にニャータがいた。
驚き、目を見開くシャットン
シャットン『バカな・・・・・・、この高さまで一瞬で飛び上がったのか?!!』
ニャータ「じゃあ、落ちろ」
組んだ両手を振り上げ、シャットンに打ち降ろす。
シャットン「グァ!!?」
打ち出された弾丸のようにシャットンは叩き落される。
「シュッン、ドォォォオオーーーーン!!」
地面に激しく激突し、地面がえぐられ、土煙が上がる。

これで仕留しとめられたとは思っていないニャータ。空中で追撃の構えをとる。
ニャータの手に炎が集まり始める。
シャットン「お、の、れ・・・・・・」
校庭にできたクレーターの中心地。手をついて立ち上がろうとするシャットン。
ニャータは上空で力をためる。

シャットン「・・・・・・こいッ!」
杖をかかげ叫ぶシャットン。
付近の闇魔法生物カースクリーチャー数体が融解しシャットンの身体に吸収されていく。
身体がブクブクと膨む。
闇魔法生物カースクリーチャーと融合し、巨大なスーパーカースクリーチャーに変身する。
シャットン「ハハハハハハハハァーーーー!!!」
「どう~だぁああああ!!!!」
「ひねり潰してくれるわあーーーー!!!」
咆哮ほうこうをあげるシャットン。

ニャータ「でかい的になっただけじゃのう」
めにためた、巨大な炎の塊をシャットンの頭の上に投下する。
シャットン「あ?」
頭上の炎熱に気付くも遅い。

ニャータ「大」「炎」「上!!!だいえんじょう
「ゴオオオオオォォォーーーー!!」
大きく燃え上がるシャットン。

シャットン「グガアァァッァァアーーーー!!!」
熱さにのたうち回るシャットン。
シャットン「グァアアアアァァァーーーー!!」
体表がボロボロとげ落ちていく。

着地し、燃え上がるシャットンを見つめるニャータ。
シャットン「貴様アァァ!!」
目を光らせ怒り狂うシャットン。
ニャータ「そりゃこっちのセリフじゃ」「学院を散々破壊しておいて」

シャットン「・・・・・・つぶす!!!!」
右のこぶしを振り上げるシャットン。
ニャータ「とどめ、といくかのぅ」
シャットンに向かって走り出すニャータ。
スーパーカースクリーチャーと化したシャットンの巨大な拳が迫る。
さらに加速するニャータ。攻撃をすれすれでかわす。

「ダアァーーーーーン!」
巨大なこぶしが地面を抉り、土煙を揚げる。
シャットンを中心に円周状に走り込むニャータ。
体幹を40°程傾けカーブを描き爆走する。
最高速度達し、飛び上がる。

組んだ両手を鉄球に見立てて、空中で回転し始める。
ニャータ「大」だい
シャットンはニャータを視界に捉え、再び右の拳を振りかぶる。
ニャータ「炎」えん
シャットン「アァァーーー!!!」
炎をまとい、高速回転するニャータ。
ニャータ「弾ーンだーん!!!!」(だいえんだん)
両者こぶしがぶつかると、眩い光を放つ。
轟音と共に爆炎が球状に広がる。

「ゴオオオオオーー!!!」
シャットン「ぐ・・・・・・が・・・・・・ぁ・・・・・・」
業火に焼き尽くされるシャットン。

「シュタッ」
爆炎を背に決めポーズをとるニャータ。
ニャータ『決まった・・・・・・』

ようやく学院に到着する第一騎士団即応部隊。
残党の排除に入る。

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

王立騎士魔導学院ウェルウィッチア
地下講堂への通路

4つある地下講堂入口の1つに迫るカースクリーチャー。
「ズシン」「ズシン」
震えながら杖を向けるエリザール。
エリザール「く、来るなぁーー!」『ワシは座学教師なんじゃーーー!!』
あと30m程に迫る。

「ザクッ!」
カースクリーチャー「ギエェェーー!」
何者かに刺されて倒れるカースクリーチャー。

エリザール先生『!?』
騎士団員「もう、大丈夫ですよ!」
エリザール先生『助かった~!』
涙を浮かべて喜ぶエリザール。

エリザール「みな、騎士団がきたぞー!」
生徒一同「わぁ~」
安心感にざわめく生徒たち。
コナー「フンッ」『別に僕は隠れなくても良かったんだ・・・・・・あんな化け物ごとき・・・・・・』
体育座りでふてくされるコナー。

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

後日
王立騎士魔導学院ウェルウィッチア
職員会議室
定例職員会議

調査の結果、アニエルカの採用書類自体に強力な記憶捏造魔法きおくねつぞうまほうがかかっていたことが分かった。

ダニエル「なんて恐ろしい魔法なんだ・・・・・・記憶を捏造し、定着できるのか?!」「人格すら操られかねないぞ」
ライル「学院に入る全ての郵便物・搬入物に魔法検知をかけるようにしたが防ぎきれるか・・・・・・」
ケイ「素朴な疑問なのですが、何故アニエルカは図書館の卒業生の記録自体の書き換え工作をしなかったのでしょうか」
「卒業生アルバムぐらいは差し替えできたはずでは?」
ライル「確かにな、色々と解せん・・・・・・」
アーミン「キアラ先生何か分かりますか?」
キアラ「・・・・・・私の私見で良ければ」
マーガレット「聞かせてくれますか?キアラ先生」
キアラ「・・・・・・仮説に過ぎないのですが、ここまで強力な暗示魔法となると、制約というか条件が必要になるのではないでしょうか?」
ライル「なるほど・・・・・・それは然り」
キアラ「暗示をかける対象の人たちの手の届く範囲に、幻想げんぞうと異なる史実しじつを示して置いておく必要があるのではないでしょうか?」
マーガレット「・・・・・・大変興味深い説ですね」
ケイ「史実の閲覧が幻想世界から脱するきっかけになる」
ライル「それが弱点という訳だな」
キアラ「多くの人に史実が再提示されれば術自体が崩壊する」「暗示魔法、つまり個別にかけた記憶捏造魔法も解けるでしょう」
「しかし、その弱点さえ抑えらられば強力な幻想魔法げんそうまほうが成立する」
ダニエル「暗示が強化されて全体が幻想に囚われる・・・・・・」
キアラ「ええ、正のフィードバックによって術が強化される」「そこから抜け出すのは容易ではないでしょう」
ライル「実際、我々にはそれが出来なかった」
ダニエル「・・・・・・」
マーガレット「その幻想を打ち破ったのは他ならぬ、生徒たち自身ということですね」
アーミン「ま、私は最初から生徒のことを信じていましたけどね」
ダニエル「おい、手のひら返しをするんじゃない、お前真っ先に生徒を疑ってただろ」
アーミン「そうでしたか?」
ダニエル「こいつ・・・・・・」
ライル「あー、まあまあ、キアラ先生の説が一番筋が通る」「・・・・・・流石だな」
キアラ「あくまで、仮説ですが・・・・・・」
マーガレット「次の教頭はキアラ先生ですかね」
ダニエル「な!?」
キアラ「私より、マーク先生の方が相応しいでしょう」
ライル「う~む、それもいい、マーク先生は生徒からの人望も厚いからな」
テオ「全くですね」
ダニエル『なにぃ!?』『・・・・・・なぜ私の名前が出てこない!?』
マーガレット「マーク先生なら学院長も狙えるでしょう」
ダニエル『チッイィィ!』
横目でダニエルを見る教頭。
ライル「ダニエル先生も頑張りたまえ」
ダニエル「・・・・・・はい」『ち、ちくしょうーーー!!!』
歯ぎしりするダニエル。
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