上 下
37 / 40
4章

第37話 出撃

しおりを挟む
王立騎士魔導学院ウェルウィッチア
校庭側玄関付近
廊下

たまたまニャータとすれ違うミック。
ミック「ニャータ先生!そっちは危ないですよ!!!」
ニャータ「なにを言っておる。これから戦いに行くんじゃ。生徒を守るのが学院長の使命じゃ!」
ミック『なにいってんだ、このガリガリじいちゃん?!』『一瞬で潰されて終わりだって!かっこつけてる場合じゃないでしょ!!』
なんとかニャータを引き留めねばと思うミック。
ミック「いやいや、ニャータ先生!!」「先生は頭はいいかもしれないけど、非力なおじいちゃんでしょ!!」

ピタリと動きを止とめ、つぶやくニャータ。
ニャータ「そうか、君は知らんのか!」「これでもワシは騎士団に所属していたんじゃぞ」
ミック「そ、そうなの?!」「でもそれって、かなり昔のことでしょ!」
ニャータ「いや、最近までじゃ」
ミック「いや、噓でしょっ!!」「見え張らなくっていいって!!」

ニャータ「よかろう、ではニャータの本気の姿を見せよう」
ミック「はぁ?!!」
ビリビリと上半身の服を脱ぎ捨てるニャータ。マッスルポーズ。
「ドーオォォォン」
近くで破壊音と爆発音が聞こえる。
ミック『やっぱりただのガリガリじいちゃんじゃーん!!』
『ダメだこりゃーー(泣)』

大きく息を吸い込むニャータ。
ニャータ「むぅ~、ふん!!!!!」
「ボコッ!!」
ニャータがりきむと右半身が筋骨隆々きんこつりゅうりゅうのモンスターになった。
ミック『え!?』
ニャータ「むぅ~、ふん!!!!!」
「ボコッオ!!」
もう一度ニャータが力むと、左半身も盛り上がり上半身筋肉モンスターになった。
ニャータ「ふん!!!!!」
「ボコッオ!!」
さらにポーズをとり力むニャータ。髪が逆立ち、下半身もムキムキになり、完全な筋肉モンスターになった。
元の姿の面影はどこにもない。
ミック『えぇ!?!』『なに、このモンスター・・・・・・』

ニャータ「『筋肉火達磨きんにくひだるまニャータ』見参けんざん!」
手刀を作り、ガッチリとポーズを決めるニャータ。
「キマった」とばかりの表情。
ミック『なにそのネーミングセンスーー?!ブブッー(笑)!!』『火達磨ひだるまって燃えっちゃってるけど大丈夫ぅーーwww』

ニャータ「では、いくぞぉぉぉおーーー!!!!」

「ズシン、ズシン、ズシン、ズシン」
全長3mの筋肉モンスターが校庭に出て爆走する。

ニャータ「これ以上の横暴は許さんぞぉー!!!」「フンッ!」
一番近くの闇魔法生物カースクリーチャーに強烈なタックルを喰らわせる。
「ズムッ!!」
カースクリーチャーA「グギャア!ッアォオオオーーーーーー!!」
ミシミシとひずむ音がする。
体幹がぐにゃりと曲がった闇魔法生物カースクリーチャー倒壊とうかいし、そのまま息絶いきたえる。

ニャータ「うぉおおおーーー!!!!!」「だあぁぁぁあああああーーーー!!!」
剛腕ごうわんるい、次々とカースクリーチャー殴り倒していく。
ちぎっては投げ、ちぎっては投げる。
カースクリーチャーB「グギャアアァーーー」
カースクリーチャーC「キエェェェェーーー」
響き渡る闇魔法生物カースクリーチャーの悲鳴。

ミック『うわ、なんか可哀そう・・・・・・』
不覚にも闇魔法生物カースクリーチャーに同情してしまうミック。

ニャータ「まだまだぁあーー!!!」
そう叫んで何かの術を発動、中空ちゅうくうから鉄球が現れる。
重力で落下し、ニャータの手に着地すると、ゴオォと鉄球が燃え上がる。
ニャータ「ふんっつ!!!!!」
燃え上がる鉄球を離れた位置にいる標的に向けて投擲とうてきする。
カースクリーチャーD「ギャオォオオッォォォォーーー・・・・・・・」
直撃した闇魔法生物カースクリーチャーは燃え上がりながら沈んでいく。

男子生徒「・・・・・・」
近くにいた生徒は空いた口が塞がらない。

鉄球の投擲で、あらかた周囲の闇魔法生物カースクリーチャーを片付けたニャータ。
次に上空を飛行する集団に目をつける。
すると今度は鎖付きの鉄球を呼び出す。
鎖部分をがっちり持ち、その場で回転を始める。
ニャータ「ふん・・・・・・、ふん、ふんふんふんっ!!!」
高速で振り回された鉄球が燃え上がる。
ミック『・・・・・・ハンマー投げ!?』

ニャータ「とぅっ!!」
剛速球ごうそっきゅうで放たれた燃える鉄球が上空の闇魔法生物カースクリーチャーに直撃。
炎上しながら落ちていく。
ニャータ「とぅっ!!とぅっ!!とぅっ!!」
連続で鉄球を放つ。
カースクリーチャーE「ギャオ!?」
カースクリーチャーF「キャオォォ!!」
カースクリーチャーG「キィィー!」
次々に鉄球を喰らい墜落する。

シャットン『なんだあいつは?!』『私の可愛い闇魔法生物カースクリーチャーたちがいとも簡単に・・・・・・!!』
上空からその様子を見ていたシャットン。
シャットン「おのれ・・・・・・!!」
中空から杖を呼び出す。

「バチ、バチバチーー!」
杖が紫色の電気を帯びる。次第にその大きさは増していく。
シャットン「これでも喰らえっ!!!」
杖を振り下ろし電撃を放つ。

「ピシャァンッーーー!!」
落雷のごとく強烈な雷撃がニャータを直撃する。
シャットン「ハッハッハ~!」「ど~うだぁ~~!私の雷撃の味はぁ~~~!!」

ニャータ「ぅん~?」
雷撃は確かにニャータに直撃した、が・・・・・・。

「ビシッ!」「ドォオーーーン!」
雷撃の先端を腕ではじくニャータ。はじかれた雷撃が樹木にぶつかり爆発する。
シャットン『は~?!』
ニャータ「そこか、首謀者は・・・・・・?わざわざ居場所を教えてくれるとはの・・・・・・」
轟音ごうおんをたてて炎上する樹木に対し、無傷のニャータ。

シャットン「ばかな・・・・・」『なんだ?こいつは・・・・・・!?』
しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

小さなことから〜露出〜えみ〜

サイコロ
恋愛
私の露出… 毎日更新していこうと思います よろしくおねがいします 感想等お待ちしております 取り入れて欲しい内容なども 書いてくださいね よりみなさんにお近く 考えやすく

💚催眠ハーレムとの日常 - マインドコントロールされた女性たちとの日常生活

XD
恋愛
誰からも拒絶される内気で不細工な少年エドクは、人の心を操り、催眠術と精神支配下に置く不思議な能力を手に入れる。彼はこの力を使って、夢の中でずっと欲しかったもの、彼がずっと愛してきた美しい女性たちのHAREMを作り上げる。

サンタクロースが寝ている間にやってくる、本当の理由

フルーツパフェ
大衆娯楽
 クリスマスイブの聖夜、子供達が寝静まった頃。  トナカイに牽かせたそりと共に、サンタクロースは町中の子供達の家を訪れる。  いかなる家庭の子供も平等に、そしてプレゼントを無償で渡すこの老人はしかしなぜ、子供達が寝静まった頃に現れるのだろうか。  考えてみれば、サンタクロースが何者かを説明できる大人はどれだけいるだろう。  赤い服に白髭、トナカイのそり――知っていることと言えば、せいぜいその程度の外見的特徴だろう。  言い換えればそれに当てはまる存在は全て、サンタクロースということになる。  たとえ、その心の奥底に邪心を孕んでいたとしても。

クラスメイトの美少女と無人島に流された件

桜井正宗
青春
 修学旅行で離島へ向かう最中――悪天候に見舞われ、台風が直撃。船が沈没した。  高校二年の早坂 啓(はやさか てつ)は、気づくと砂浜で寝ていた。周囲を見渡すとクラスメイトで美少女の天音 愛(あまね まな)が隣に倒れていた。  どうやら、漂流して流されていたようだった。  帰ろうにも島は『無人島』。  しばらくは島で生きていくしかなくなった。天音と共に無人島サバイバルをしていくのだが……クラスの女子が次々に見つかり、やがてハーレムに。  男一人と女子十五人で……取り合いに発展!?

百合ランジェリーカフェにようこそ!

楠富 つかさ
青春
 主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?  ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!! ※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。 表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。

セクスカリバーをヌキました!

ファンタジー
とある世界の森の奥地に真の勇者だけに抜けると言い伝えられている聖剣「セクスカリバー」が岩に刺さって存在していた。 国一番の剣士の少女ステラはセクスカリバーを抜くことに成功するが、セクスカリバーはステラの膣を鞘代わりにして収まってしまう。 ステラはセクスカリバーを抜けないまま武闘会に出場して……

ヤンデレ騎士団の光の聖女ですが、彼らの心の闇は照らせますか?〜メリバエンド確定の乙女ゲーに転生したので全力でスキル上げて生存目指します〜

たかつじ楓*LINEマンガ連載中!
恋愛
攻略キャラが二人ともヤンデレな乙女ーゲームに転生してしまったルナ。 「……お前も俺を捨てるのか? 行かないでくれ……」 黒騎士ヴィクターは、孤児で修道院で育ち、その修道院も魔族に滅ぼされた過去を持つ闇ヤンデレ。 「ほんと君は危機感ないんだから。閉じ込めておかなきゃ駄目かな?」 大魔導師リロイは、魔法学園主席の天才だが、自分の作った毒薬が事件に使われてしまい、責任を問われ投獄された暗黒微笑ヤンデレである。 ゲームの結末は、黒騎士ヴィクターと魔導師リロイどちらと結ばれても、戦争に負け命を落とすか心中するか。 メリーバッドエンドでエモいと思っていたが、どっちと結ばれても死んでしまう自分の運命に焦るルナ。 唯一生き残る方法はただ一つ。 二人の好感度をMAXにした上で自分のステータスをMAXにする、『大戦争を勝ちに導く光の聖女』として君臨する、激ムズのトゥルーエンドのみ。 ヤンデレだらけのメリバ乙女ゲーで生存するために奔走する!? ヤンデレ溺愛三角関係ラブストーリー! ※短編です!好評でしたら長編も書きますので応援お願いします♫

【R18】異世界なら彼女の母親とラブラブでもいいよね!

SoftCareer
ファンタジー
幼なじみの彼女の母親と二人っきりで、期せずして異世界に飛ばされてしまった主人公が、 帰還の方法を模索しながら、その母親や異世界の人達との絆を深めていくというストーリーです。 性的描写のガイドラインに抵触してカクヨムから、R-18のミッドナイトノベルズに引っ越して、 お陰様で好評をいただきましたので、こちらにもお世話になれればとやって参りました。 (こちらとミッドナイトノベルズでの同時掲載です)

処理中です...