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4章

第36話 覚醒

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王立騎士魔導学院ウェルウィッチア
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ノア「ハァ、ハァ・・・・・・、くそ・・・・・・」
既にズタズタのノア。息もあがっている。

ミース「ウフフ、こういうのもあるんだけど?」
そういうとミースの影から黒い塊がブクブクと盛り上がる。
体幹に複数の目を持つ、2足歩行・寸胴ずんどう闇魔法生物カースクリーチャーが1体生成される。

ノア『なっ・・・・・・』
ノアの顔に絶望が浮かぶ。
キャロル『2対1・・・・・・これじゃノアくんは・・・・・・!?』

ノア「正々堂々とかはないみたいだなっ・・・・・・!」
悪態をつきながらも、敢然かんぜんと突っ込んでいくノア。
ミース「いたぶり方のレパートリーが豊富と褒めてほしいわぁ~~」
照れたようなポーズをとるミース。
完全にキレるノア。

ミースの攻撃を受け止めると、背後からノアに殴りかかる闇魔法生物カースクリーチャー
クリーチャーに牽制攻撃加えると、その隙にミースがノアの背後を攻撃。
絵に描いたようなリンチがしばらく続く。

ついに、ひざまづくノア。
ノア「ハァ、ハァ・・・・・・ハァ・・・・・」
追い詰められ苦悶くもんの表情を浮かべるノア。
ミース「ふふ、いい顔ぉ♡」「そろそろおしまいね~♪」
ノア『ここまでなのか・・・・・・』『助けに来たわりには・・・・・・無様だな・・・・・・』
剣先を床に突き、劣勢を感じるノア。

出血が続き、意識が朦朧もうろうとするし始めたキャロル、視界が暗くなっていく。

>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>

キャロル『このままじゃノアくんが・・・・・・』
心の中でもう一人の自分がささやく。
もう一人のキャロル『いいの?それで?』
キャロル『いいわけない!ノアくんが死んじゃうなんていや!!』

もう一人のキャロル『そうじゃないわ・・・・・・』『いいの?護られているだけで??』
キャロル『好きでこうしてる訳じゃない・・・・・・』『わたしに才能なんてなかったの・・・・・・』『田舎で猫じゃが農家になるのが分相応だったのよ・・・・・・』

もう一人のキャロル『あなたがあこがれた騎士はどんな人?』
キャロル『みんなを護れる強くて優しい人・・・・・・』『ノア君やカーリン・・・・・・セリアちゃんみたいな人』『私は強くなかったの・・・・・・』
もう一人のキャロル『・・・・・・強さって何?』『それは何から生まれるの?』
キャロル『え?・・・・・・』

もう一人のキャロル『それが分からなければ、あなたもノアもここでおしまいね』

<<<<<<<<<<<<<<<<<<<<<<<<<<<<<<<<<<<<<<<<<<<<<<<

ミース「はあ!!」
思い切り刃物を振り下ろすミース。

「キィーーーーン!」
受け止めるノアの剣。
しかし、はじき返す力はもう残っていない。

「ギ、キリキリ、ギリ、キリ、キリィィ・・・・・・」
じわじわとミースの刃がノアを押し潰す。
ミース「フフフフフ・・・・・・♪」
勝ち誇った顔のミース。
もう少し、押されれば、首が跳ね飛ばされる。
絶体絶命のノア。
一瞬、家族の姿が思い浮かぶ。死を覚悟するノア。
ノア『ダメなのか・・・・・・』

「バチッ、バリバリ、バチ、バリッーーー!!!」
突然の電撃音。
瀕死だったはずのキャロルが剣を支えにしながらゆっくりと立ち上がる。
キャロル「・・・・・・護られているだけじゃ・・・・・・いや!」
ミース「?!」『なぜ、立てる?!』
はじめて驚きの表情を見せるミース。
ノア『・・・・・・キャロル?!』

キャロルの中の魔力の根源>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>

暗闇の中・・・・・。
中心にある魔力結晶核クリスタルコアが光っている。
それを囲うように、ひと回り大きな格子状こうしじょうの壁が覆い、さらに黄色く光る鎖がまとわりついている。
魔力結晶核クリスタルコアの光が点滅しながら強くなる。
格子状の壁が内側から力をうけて膨張し、ヒビがはいる。
光がれ出る。

<<<<<<<<<<<<<<<<<<<<<<<<<<<<<<<<<<<<<<<<<<<<

ミースがノアにかけた剣圧が少し緩む。
その隙を逃さず剣を押し返すノア。
再びノアに集中せざるを得ないミース。
キャロル「わたしも・・・・・・・みんなを護る人に・・・・・・なりたいっ!」
ミース/ノア「・・・・・」

キャロル『力を貸して・・・・・・セリアちゃん!!』
セリアとの写真が収まったペンダントを握りしめるキャロル。
その手も剣のつかえ、両手で剣を持つ。
震えながら剣を持ち上げる。

キャロルの中の魔力の根源>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>

魔力結晶核クリスタルコアの光がさらに増す。
衝撃波のようなものが放たれる。
魔力結晶核クリスタルコアを取り囲む壁がさらに内圧を受け、きしむ。
ヒビが広がり、壁面が欠け、隙間ができる。そこから光芒こうぼうがあふれ出る。
光の鎖のたるみが無くなり、高周波で振動する。

<<<<<<<<<<<<<<<<<<<<<<<<<<<<<<<<<<<<<<<<<<<<

ノア「キャロル、おまえ・・・・・・」
膨大な魔力圧。とてもキャロルとは思えない。
ナイトソードの周りに高密度の魔力が纏う。
キャロルの瞳の中に剣の文様もんようが浮かぶ。
ノア「まさか・・・・・・!?」「これが・・・・・・そうなのか?!」「これが・・・・・・『騎士の真の力ナイトフォーム』!!!」
※フォーム:「本質の現れ」の意味

「ピー、ピィ、ピィー!」
ノアの周りの精霊たちがまるで祝福するようにさえずる。

上段に剣を構えるキャロル。
キャロル「わたしは・・・・・・騎士キャットナイトに・・・・・・・なる!!!!!」
思い切り剣を振り下ろす。
剣の形をした高密度の魔力の塊が後追いで振り下ろされ、巨大な斬撃を生む。
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