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4章
第31話 標的
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王立騎士魔導学院
図書館
何か掴もうと思って図書館に来たキャロルだが、本をパラパラとめくっても、あまり頭に入って来なかった。
キャロル「このままだと、ほんとにナイトになれないなぁ・・・・・・」「お父さんとお母さんになんて言えばいいんだろ・・・・・・」
椅子に座ったまま、反り返ってうなだれるキャロル。
ふと、卒業生アルバムが目に入る。
なんとなく興味が惹かれた。中には騎士団に入った人もいるわけだ。見ておいて損はない。
昨年の卒業生が412期。400年以上も歴史のある学校。最も多くの騎士を輩出している名門校。
本当は自分がいるべきではないのではとすら思えてくる。
さすがに全て見るわけにはいかないので、とりあえず直近5年分を棚から引き出しテーブルに運ぶ。
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
王立騎士魔導学院
式典記念講堂
推理を続けるノアとカーリン。
カーリン「テルくんはどうして殺されたの?」
ノア「テルはあの時何を・・・・・・」
回想>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>
事件当日
テルの部屋
割れた窓ガラスの周辺を観察するノア。
ノア「なんだ?」「割れたガラスの破片が窓の内側にほとんどない・・・・・・」
窓から外の地面を見る。
ガラスの破片が散らばっている。
ノア『やっぱり・・・・・・窓ガラスは内側から割られている・・・・・・』
『外からの侵入者じゃない・・・・・・!』
むせび泣くグレインを他所にテルの遺体を観察するノア
テルの右手に注目するノア。
ノア『何か握っていたのか?』
さらに近付いて見るノア。
親指と人差し指の間に何か挟まっている。
ノア『これは、なんだ?・・・・・・紙切れ?』
回想終了<<<<<<<<<<<<<<<<<<<<<<<<<<<<<<<<<<<<<<<
テルの指に残った紙切れを思い出すノア。
ノア「手紙だ・・・・・・テルはあの時手紙を読んでいたんだ」
カーリン「手紙?!」
ノア『なんだ?・・・・・・内容がまずかったのか?!』
自問自答するノア。
回想>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>
テル「僕の姉さんも5年前の卒業生なんだー」
ノア「ふーん、じゃあ先生のこともなんか知ってるじゃないか?」
ミック「秘密の情報を手に入れてお近づきに・・・・・・」「な~んてにゃ」
テル「そうかも・・・・・・今度姉さんに手紙で聞いてみるよ」
ミック「え?無視?」
回想終了<<<<<<<<<<<<<<<<<<<<<<<<<<<<<<<<<<<<<<
ノア『あれだ!』
食堂での会話を思い出すノア。
ノア「手紙に先生のことが書いてあったんだ・・・・・・」
カーリン「それで殺された?」「でも手紙の内容なんて誰も見れな・・・・・・」
ノア/カーリン「郵便係の雑用!!」
指を指し合う2人。
台車を押す先生の姿を思い出す。
ノア「全ての内容をチェックしていた?!」
カーリン「有り得ない話じゃないわ」「やろうと思えば透視は不可能じゃない・・・・・・」
ノア「マーナが殺されたのは図書室」
「そこに何かがあった・・・・・・知られてはいけない何かが」
カーリン「マーナは情報通・・・・・・」
「図書館で何かを調べていた」
「何かを知ろうとしていた・・・・・・」
ノア「図書館に何がある?」「先生に関連する本なんて・・・・・・」
ピンと閃くカーリン。
カーリン「あ、あるわ・・・・・・」
ノア「な、なんだ?!教えてくれ!」
少し間をおいて答えるカーリン。
カーリン「・・・・・・卒業生アルバム」
ノア「まさか・・・・・・マーナはそれを見て・・・・・・」
「知ってはいけない先生の情報がそこに載っている・・・・・・?」
カーリン「それを見たマーナは殺された・・・・・・」
ノア/カーリン「あの先生に・・・・・・」
弾丸のように飛ぶチョークを思い出すノア。
ノア「あいつ、戦闘能力も高いぞ・・・・・・」「隠しているみたいだが・・・・・・」
カーリン「ねえ・・・・・・ステファニーが使った毒って」
ハッと息を吞むカーリン。
ノア「毒にも詳しそうじゃないか・・・・・・魔法化学の先生だもんなあ・・・・・・」
顔が引きつるノア。
全ての情報がアニエルカに集約していく。
カーリン「ねぇ・・・・・キャロル・・・・・図書館に行くって言ってたわよね・・・・・」
ハッとするノア。
ノア「嫌な予感がする・・・・・」
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
王立騎士魔導学院
図書館
412期のアルバムを見ながらキャロルはふと思った。
キャロル『確か・・・・・・アニエルカ先生は22歳・・・・・・逆算して、407期だよね・・・・・・』
412期を閉じて、407期を開く。
だが、407期卒業生集合写真にアニエルカの姿はない。
キャロル『あれ?』『どういうこと? 407期じゃない??』
その時だった・・・・・・頭では分かっていない何がが繋がって、悪寒が走る。
直感が何かを理解した。
今自分がいるのは図書室だ。最初の犠牲者マーナが発見された場所。
入学式してから今日までに見たものが一気にフラッシュバックする。
キャロル『ま、まさか・・・・・・そんな・・・・・・』
動揺するキャロル。自分でも血の気が引いていくのがわかる。
アニエルカ「あらぁ~、気付いちゃった~~?」
気付かないうちに背後を取られ心臓が止まりそうになるキャロル、慌てて距離を取る。
キャロル「せん、せい・・・・・・」
アルバムの下の方に故人アニエルカという記載が目に入る。
平常心を保てないキャロル。
キャロル「どういうことですか?!」
睨み付けながらアニエルカに問う。
アニエルカ「・・・・・・ふふっ、ハハハハハハハハハハ♪」
可笑しくて仕方がないらしいアニエルカ。
アニエルカ「どうしてこの学校の教師たちは、死んだはずの生徒が新任教師として戻ってきても気付かないんだろうね??」
「バァカァみたい~~!」「ハハハハハ、アハハハハハー♪」
どうやらアニエルカが犯人で間違いないらしい。
しかし、俄かには信じられないキャロル。間違いであってほしいと願いながら問う。
キャロル「あんたが工作したんでしょ!?」
アニエルカ「ん~、そうよー♪」「でも、上手く行き過ぎぃぃーーwwww」「ほんとザルねこの学校w」「わざわざ、潰す価値あんのここ?!」
どうやら最大限の侮辱を受けているようだ。
キャロル「・・・・・・」
アニエルカ「アハハハハハハハ!」
アニエルカの足元に落ちる影が不気味に揺らめいたような気がした。
キャロル「ステファニーに何かしたのもあんたなの!?」
アニエルカ「・・・ん~?」「そーぅよぉ~~♪」
回想>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>
王立騎士魔導学院
式典記念講堂
入学式
カラミティの犯行声明後
ステファニー『どうしよう・・・・・・私みたいに弱い猫から順番に殺される・・・・・・』
恐怖で震えが止まらない。
ステファニー『せっかく王立騎士魔導学院に来たのに・・・・・・こんなはずじゃ・・・・・・』
目を閉じ、泣き出したくなるのを必死に堪えるステファニー。
ステファニー『目立たないようにしなきゃ・・・・・・』
『私がほとんど魔法が使えないってバレたら、すぐ目を付けられて殺される・・・・・・』
友達も作らず1人で過ごすステファニー。
廊下をさっさと歩き、誰とも会話しないようにする。
寮の部屋で1人布団にくるまるステファニー。
ステファニー『どうしよう・・・・・・怖い・・・・・・ここから出たくない・・・・・・』
さみしさと恐怖で涙が零れる。
ダニエルの最初の授業
杖の発光量による魔力測定。
ステファニー『ダメだ・・・・・・私がクラスで一番ダメ・・・・・・見なくてもわかる』
教室の端で隠れるように小さくなるステファニー。
ステファニー『これでみんなにバレた・・・・・・またいじめられる・・・・・・どうして授業でこんなことするの・・・・・・』
過去のトラウマが恐怖を加速させる。
上の階の廊下からステファニーを見つめるアニエルカ。
アニエルカ『あの子、いつも1人・・・・・・』『不安そうな顔・・・・・・』
眼鏡が白く反射する。
アニエルカ『大きな心の隙間を感じるわ・・・・・・』
口元が歪む。舌なめずりをする。
アニエルカ『フフフフ・・・・・・』『あの子にしよ♪』
図書館
何か掴もうと思って図書館に来たキャロルだが、本をパラパラとめくっても、あまり頭に入って来なかった。
キャロル「このままだと、ほんとにナイトになれないなぁ・・・・・・」「お父さんとお母さんになんて言えばいいんだろ・・・・・・」
椅子に座ったまま、反り返ってうなだれるキャロル。
ふと、卒業生アルバムが目に入る。
なんとなく興味が惹かれた。中には騎士団に入った人もいるわけだ。見ておいて損はない。
昨年の卒業生が412期。400年以上も歴史のある学校。最も多くの騎士を輩出している名門校。
本当は自分がいるべきではないのではとすら思えてくる。
さすがに全て見るわけにはいかないので、とりあえず直近5年分を棚から引き出しテーブルに運ぶ。
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
王立騎士魔導学院
式典記念講堂
推理を続けるノアとカーリン。
カーリン「テルくんはどうして殺されたの?」
ノア「テルはあの時何を・・・・・・」
回想>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>
事件当日
テルの部屋
割れた窓ガラスの周辺を観察するノア。
ノア「なんだ?」「割れたガラスの破片が窓の内側にほとんどない・・・・・・」
窓から外の地面を見る。
ガラスの破片が散らばっている。
ノア『やっぱり・・・・・・窓ガラスは内側から割られている・・・・・・』
『外からの侵入者じゃない・・・・・・!』
むせび泣くグレインを他所にテルの遺体を観察するノア
テルの右手に注目するノア。
ノア『何か握っていたのか?』
さらに近付いて見るノア。
親指と人差し指の間に何か挟まっている。
ノア『これは、なんだ?・・・・・・紙切れ?』
回想終了<<<<<<<<<<<<<<<<<<<<<<<<<<<<<<<<<<<<<<<
テルの指に残った紙切れを思い出すノア。
ノア「手紙だ・・・・・・テルはあの時手紙を読んでいたんだ」
カーリン「手紙?!」
ノア『なんだ?・・・・・・内容がまずかったのか?!』
自問自答するノア。
回想>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>
テル「僕の姉さんも5年前の卒業生なんだー」
ノア「ふーん、じゃあ先生のこともなんか知ってるじゃないか?」
ミック「秘密の情報を手に入れてお近づきに・・・・・・」「な~んてにゃ」
テル「そうかも・・・・・・今度姉さんに手紙で聞いてみるよ」
ミック「え?無視?」
回想終了<<<<<<<<<<<<<<<<<<<<<<<<<<<<<<<<<<<<<<
ノア『あれだ!』
食堂での会話を思い出すノア。
ノア「手紙に先生のことが書いてあったんだ・・・・・・」
カーリン「それで殺された?」「でも手紙の内容なんて誰も見れな・・・・・・」
ノア/カーリン「郵便係の雑用!!」
指を指し合う2人。
台車を押す先生の姿を思い出す。
ノア「全ての内容をチェックしていた?!」
カーリン「有り得ない話じゃないわ」「やろうと思えば透視は不可能じゃない・・・・・・」
ノア「マーナが殺されたのは図書室」
「そこに何かがあった・・・・・・知られてはいけない何かが」
カーリン「マーナは情報通・・・・・・」
「図書館で何かを調べていた」
「何かを知ろうとしていた・・・・・・」
ノア「図書館に何がある?」「先生に関連する本なんて・・・・・・」
ピンと閃くカーリン。
カーリン「あ、あるわ・・・・・・」
ノア「な、なんだ?!教えてくれ!」
少し間をおいて答えるカーリン。
カーリン「・・・・・・卒業生アルバム」
ノア「まさか・・・・・・マーナはそれを見て・・・・・・」
「知ってはいけない先生の情報がそこに載っている・・・・・・?」
カーリン「それを見たマーナは殺された・・・・・・」
ノア/カーリン「あの先生に・・・・・・」
弾丸のように飛ぶチョークを思い出すノア。
ノア「あいつ、戦闘能力も高いぞ・・・・・・」「隠しているみたいだが・・・・・・」
カーリン「ねえ・・・・・・ステファニーが使った毒って」
ハッと息を吞むカーリン。
ノア「毒にも詳しそうじゃないか・・・・・・魔法化学の先生だもんなあ・・・・・・」
顔が引きつるノア。
全ての情報がアニエルカに集約していく。
カーリン「ねぇ・・・・・キャロル・・・・・図書館に行くって言ってたわよね・・・・・」
ハッとするノア。
ノア「嫌な予感がする・・・・・」
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
王立騎士魔導学院
図書館
412期のアルバムを見ながらキャロルはふと思った。
キャロル『確か・・・・・・アニエルカ先生は22歳・・・・・・逆算して、407期だよね・・・・・・』
412期を閉じて、407期を開く。
だが、407期卒業生集合写真にアニエルカの姿はない。
キャロル『あれ?』『どういうこと? 407期じゃない??』
その時だった・・・・・・頭では分かっていない何がが繋がって、悪寒が走る。
直感が何かを理解した。
今自分がいるのは図書室だ。最初の犠牲者マーナが発見された場所。
入学式してから今日までに見たものが一気にフラッシュバックする。
キャロル『ま、まさか・・・・・・そんな・・・・・・』
動揺するキャロル。自分でも血の気が引いていくのがわかる。
アニエルカ「あらぁ~、気付いちゃった~~?」
気付かないうちに背後を取られ心臓が止まりそうになるキャロル、慌てて距離を取る。
キャロル「せん、せい・・・・・・」
アルバムの下の方に故人アニエルカという記載が目に入る。
平常心を保てないキャロル。
キャロル「どういうことですか?!」
睨み付けながらアニエルカに問う。
アニエルカ「・・・・・・ふふっ、ハハハハハハハハハハ♪」
可笑しくて仕方がないらしいアニエルカ。
アニエルカ「どうしてこの学校の教師たちは、死んだはずの生徒が新任教師として戻ってきても気付かないんだろうね??」
「バァカァみたい~~!」「ハハハハハ、アハハハハハー♪」
どうやらアニエルカが犯人で間違いないらしい。
しかし、俄かには信じられないキャロル。間違いであってほしいと願いながら問う。
キャロル「あんたが工作したんでしょ!?」
アニエルカ「ん~、そうよー♪」「でも、上手く行き過ぎぃぃーーwwww」「ほんとザルねこの学校w」「わざわざ、潰す価値あんのここ?!」
どうやら最大限の侮辱を受けているようだ。
キャロル「・・・・・・」
アニエルカ「アハハハハハハハ!」
アニエルカの足元に落ちる影が不気味に揺らめいたような気がした。
キャロル「ステファニーに何かしたのもあんたなの!?」
アニエルカ「・・・ん~?」「そーぅよぉ~~♪」
回想>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>
王立騎士魔導学院
式典記念講堂
入学式
カラミティの犯行声明後
ステファニー『どうしよう・・・・・・私みたいに弱い猫から順番に殺される・・・・・・』
恐怖で震えが止まらない。
ステファニー『せっかく王立騎士魔導学院に来たのに・・・・・・こんなはずじゃ・・・・・・』
目を閉じ、泣き出したくなるのを必死に堪えるステファニー。
ステファニー『目立たないようにしなきゃ・・・・・・』
『私がほとんど魔法が使えないってバレたら、すぐ目を付けられて殺される・・・・・・』
友達も作らず1人で過ごすステファニー。
廊下をさっさと歩き、誰とも会話しないようにする。
寮の部屋で1人布団にくるまるステファニー。
ステファニー『どうしよう・・・・・・怖い・・・・・・ここから出たくない・・・・・・』
さみしさと恐怖で涙が零れる。
ダニエルの最初の授業
杖の発光量による魔力測定。
ステファニー『ダメだ・・・・・・私がクラスで一番ダメ・・・・・・見なくてもわかる』
教室の端で隠れるように小さくなるステファニー。
ステファニー『これでみんなにバレた・・・・・・またいじめられる・・・・・・どうして授業でこんなことするの・・・・・・』
過去のトラウマが恐怖を加速させる。
上の階の廊下からステファニーを見つめるアニエルカ。
アニエルカ『あの子、いつも1人・・・・・・』『不安そうな顔・・・・・・』
眼鏡が白く反射する。
アニエルカ『大きな心の隙間を感じるわ・・・・・・』
口元が歪む。舌なめずりをする。
アニエルカ『フフフフ・・・・・・』『あの子にしよ♪』
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