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3章

第25話 震撼

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連絡都市ラプラータ
サードブリッジ付近
第二騎士団/第二出張所/倉庫
列車破砕物留置場

クラーク「・・・・・・ダメだ、どれだけ背後関係を洗っていも、何も出てこない・・・・・・」
『どうする・・・・・・』
ゴミとなった列車を眺めながら考えるクラーク。

団員A「クラーク副団長ー、どうします列車これ、もう処分しちゃいます?」
クラーク「う~ん、そうだな。いつまで置いといても邪魔だしなあ・・・・・・」
ふと一部のパーツに目を付けるクラーク。

手に取り、ひっくり返したり、裏表うらおもてを確認する。
すると何かに気付いたクラーク。
クラーク「お、おい、これを見ろ・・・・・・」
団員B「なんすかー?」

クラーク「これを見て何か気付かないか?!」
団員B「どういうー?」「・・・・・・これは、まさか?!」
クラーク「残った破片を全部繋ぎ合わせるぞ!!」
団員B「は、はい!!」
急ぎ準備にかかる団員B

団員A「え?どうしました?」
クラーク「応援を呼んで来てくれ!」
団員A「わ、わかりました」
走り去る団員A

残った列車の残骸を組み上げる出張所の騎士団。
列車の天井部分が再現された。

団員B「間違いないですね、これは」
クラーク「ああ・・・・・・」「直ちに団長に報告する」

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連絡都市ラプラータ
セカンドブリッジ付近
第二騎士団/第一出張所/司令室

メリル「ここまでやって、何も出てこないとなると別な線を考えた方がいいですね」
アルベルト「・・・・・・」
『やはり、騎士団釘付けが目的のブラフ・・・・・・時間稼ぎとみるべきか?』

通信官「団長!」「クラーク副団長からの緊急の連絡です!」
アルベルト「ここに通信機を!」
通信官「はい!」

クラーク「間違いありません。」「爆発は内側からではなく、外側からです!」
メリル「え!?」
アルベルト「・・・・・・だとすると、前提が大きく崩れる」「爆発物を積載していたのではなく、その場で爆破した」
クラーク/メリル「!」
アルベルト「恐らく一般人では不可能・・・・・・」
橋梁きょうりょうを自ら爆破したのち、列車に乗り移り、前方から後方にかけて爆破」
「列車を脱線させ、橋の下に落とした」
クラーク「そんなことが・・・・・・」

メリル「超人的な単一犯罪者による犯行・・・・・・」「ほとんど離れ技ですが・・・・・・」
アルベルト「時限式じげんしきの爆発物を使わなかったのも納得がいく」
クラーク「背後関係をどれだけ探っても何も出てこないのも当然・・・・・・」
アルベルト「知能犯ちのうはんではない・・・・・・」「高い機動力・破壊力を持った精鋭部隊・・・・・・」
『それが秘密結社カラミティの正体なのか・・・・・・?』
クラーク/メリル「・・・・・・」

通信官「緊急連絡です!」

アルベルト「なんだ?今度は?!」
通信官「準都フィンレルフォームから王都アクトゼリシアにかけて、複数の場所で巨大な投影球とうえいきゅうの出現を確認!!」
「秘密結社カラミティです!!!」

クラーク「な!」
アルベルト「ついに表に出てきたか・・・・・・」「音声を拾えるか?!」
通信官「フィンレルフォームの通信官が現場に急行、間もなく繋がります!」

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準都/交差都市フィンレルフォーム
フィンレルフォーム中央駅
駅前広場

広場の上空に巨大な投影球が浮かび、何者かの顔が映し出されている。
?????「我々は、秘密結社カラミティ」
同じ発言を繰り返す。

市民A「なんなんだあれは」
市民B「何あれー?」
?????「我々は、秘密結社カラミティ」

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連絡都市ラプラータ
セカンドブリッジ付近
第二騎士団/第一出張所//司令室

主張所通信官「音声繋がりました!」
頷くアルベルト。

?????「我はフラゴール」「たった今、アクトゼリシア行の列車をハイジャックした」

アルベルト/クラーク/メリル『なっ!!!!』

フラゴール「最高速度で島間連絡線とうかんれんらくせんに突入し、海底トンネルに到達次第、この列車ごと爆破する」

アルベルト「なんということだ・・・・・・」「至急、列車運行管制室と繋いでくれ」
頷いて、急ぎ司令室を出ていく通信官。

フラゴール「追突事故を起こしたくなかったら、前方の列車を全てどけろ」「乗客乗員、全員が人質だ」「以上だ」

現場通信官「・・・・・・投影球が消滅しました!」

メリル「3日前に運転再開したばかりなのに・・・・・・」
クラーク「何が目的だ!!」
机を叩くクラーク。

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準都/交差都市フィンレルフォーム付近
王国高速鉄道/島間連絡線
ハイジャック特急列車
車内

ハイジャックした列車のレバーを上限まで倒すフラゴール。
列車が加速し、スピードメーターが上がっていく。
血を流し倒れている運転手。
車内放送を入れるフラゴール。

フラゴール「乗客に告ぐ」
「この特急列車は秘密結社カラミティ幹部フラゴールがジャックした」

乗客A(若い女性)「噓でしょ?!」
乗客B(初老の男性)「馬鹿な・・・・・・いつ侵入したんだ!?!」
乗客C(若い男性)「ふざけんなっ!どういうことだー!!」

フラゴール「この列車はノンストップで海底トンネルまで走行する」
「そこでお別れだ」
「人生最後の旅を楽しむといい!」
「フハハハハハ・・・・・・!」

乗客E(中年の女性)「そんな・・・・・・」
乗客D(中年男性)『終わった・・・・・・俺の人生・・・・・・不運すぎる!』

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連絡都市ラプラータ
王国高速鉄道/島間連絡線
列車運行れっしゃうんこう及び交通管制室こうつうかんせいしつ

混乱する管制室。

管制官「通常運行は全て停止!!!」
「乗客を降ろし、全ての車両を退避線たいひせん入線にゅうせんさせろ!!!」
「ハイジャックされた列車の前方を全て開ける!!」
管制員A「はいっ!!」

管制員B「ダメです!乗客を降ろしていると一部の列車が逃げ切れません!!」
管制官「やむおえん、一旦乗客は降ろすな!!」
「そのまま対向線に整列させろ!」
「降車はその後だ!」

管制員C「単線区間たんせんくかんでも列車が逃げ切れません!このままでは・・・・・・」
管制官「営業速度制限、解除!!!」
「上限速度での走行を許可する!!」
「終点のアクトゼリシア駅まで全力疾走させろ!!!!」
管制員C「了解!」

管制官「編成の少ない列車は多重併結たじゅうへいけつ!!線路容量せんろようりょうを広げろ!!」
「ハイジャック列車が来る前になんとか全車両、本線外に格納するんだ!!!」
管制員一同「了解!!!」

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連絡都市ラプラータ
セカンドブリッジ付近
第二騎士団/第一出張所/司令室

メリル「こ、交渉の余地がありませんっ!」
アルベルト「ただ、爆破し、交通障害を起こすことが目的のようだ」
クラーク「これだけ目立つようにやったとなると陽動ようどうの可能性もあるのでは?」
メリル「確かにっ!」
アルベルト「だが、ここで騎士団が動かない訳にはいかない」
クラーク「・・・・・・」
アルベルト「列車上のフラゴールを排除する」
クラーク『ど、どうやって・・・・・・?』
アルベルト「メリル、クラークと合流し小型航空機で特急列車と並走」「列車に乗り移れ」
クラーク『はあぁ!?!』
メリル「ハイジャックされた列車はまだフィンレルフォーム駅を出発したばかり・・・・・・」
「今から行けばファーストブリッジ付近で列車に接触できます」
クラーク『まじか・・・・・・』

アルベルト「列車が地下路線に入る前にフラゴールを排除する」
「作戦は追って伝える」
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