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2章
第15話 夕刻
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王立騎士魔導学院
正門/中央通り
ユーリ『俺はグレインに負けた・・・・・・』『クラスのみんなに退学を煽った以上、俺が辞めるのは当然だ』
退学申請を出して、学院の正門に向かって歩くユーリ。
もう戻ってくることはない。
グレイン「ユーリーーーーーーー!!!!!」「ユーリ・クリュギン・アダミス!!!!!!」
ユーリ「?!!」
正門をくぐる一歩手前で振り返るユーリ。
グレインだけじゃないノアやミック、そしてニコ
グレイン「お前は学院を辞める必要はないーーーーーー!!!!」
ユーリ『は?何言ってんだ?』
グレイン「俺は、お前にーー、負けたら退学しろとは言ってないーーーーーーー!!!!!」
立ち止まるユーリに近付いてくるグレインたち。
ユーリ「俺一人でも抗議の意志を学院に示す。俺は辞めたくて学院を辞めるんだよ」
グレイン「噓をつくな」
ノア「大丈夫だ、ユーリ」「お前の発言で誰か退学したなら問題だが、あいにくまだ誰も退学していない」
ユーリ「・・・・・・」
回想>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>
ニコ「グレイン君・ノア君、相談があるんだ」
ミック「なんだ~?」
グレイン「ミックは呼ばれてねぇだろ!」
ニコ「自己紹介してなかったね・・・・・・」「僕はニコ・クローネル・アルダリオン。よろしくね」
グレイン「おう」
ニコ「実はユーリ君についてなんだけど・・・・・・」
テル「確か、ニコ君はユーリ君と仲いいよね」
ニコ「うん、初等学校が同じだからね」「彼のことはよく知っているつもりだよ」
ノア「それで?」
ニコ「ユーリ君を引きとめたいと思っている」「グレイン君はどう思う?」
グレイン「そうだな、あいつと剣を交えて分かっちまった・・・・・・」
「あいつは別に臆病者なんかじゃない」
「煽りたがりでもない」
「強い正義心と信念を持っている・・・・・・」
「なんなら実力もある」
「あいつがこの学院を辞めるのは勿体ねぇ」
ノア「むしろこの学院に必要な人材だな・・・・・・」
ニコ「僕もそう思うんだ・・・・・・」
ニコ「でもきっと頑固なユーリ君のことだから、僕だけが言っても退学の方針を変えないと思うんだ」
ミック「なるほどね~、そこで俺たちの出番というわけですな」
ニコ「う~ん、何かいい方法はないかな?」
回想終了<<<<<<<<<<<<<<<<<<<<<<<<<<<<<<<<<<<<<<<<
ニコ「ホントは迷っているんじゃないの?ユーリ?」
そっぽを向くユーリ。表情は見えない。
グレイン「お前1人が学院を辞めたところで意味がない」
ノア「グレインの言う通りだ」
ユーリ「・・・・・・」
女子生徒「ユーリく~ん!私も辞めないよ~」「みんなと一緒に頑張るから~戻ってきて~!」
寮室の窓から叫ぶ女子生徒。
ユーリ「な・・・・・・」
ニコ「ユーリくん、本当はみんなのことを護りたくて、あんな話をしたんでしょ?」
笑顔で語りかけるニコ。
ユーリ「・・・・・・」
グレイン「お前の意見は真っ当だ」「お前のような奴が騎士に相応しい」
ユーリ「グレイン・・・・・・」
驚いた表情のユーリ。
グレイン「もし騎士が国民の味方じゃないと分かったら、辞めればいい」「それからでも遅くないだろ」
ユーリ「・・・・・・」
グレイン「一緒に、自分のことしか考えていないクズ共を切り倒して回ってやるよ」
ミック「こっわ・・・・・・」
ユーリ「・・・・・・」「フッ、フフフ・・・・・・」「ハハハハハ!」
急に笑い出すユーリ。
ユーリ「・・・・・・そうだな、グレイン」
「俺の”負け”だ」
「退学は撤回する!」
「騎士になって、悪人を片っ端からあの世に送ってやるぜ!!」
「たとえ、どんな立場の人間であってもなあ」
「ダークナイトの誕生だーーー!!!」
グレイン「おう!!その意気だぜ!!!」
固い握手を交わすグレインとユーリ。
ミック「物騒だなぁ・・・・・・」
一件落着で喜びあう生徒たち。
ニコ「・・・・・・」『あの時ユーリがグレインを焚き付けたから、結果的に退学者が増えずに済んだ・・・・・・』
『良かったんだよこれで・・・・・・』
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
日没直前
連絡都市ラプラータ/半島部/サードブリッジ付近
王国高速鉄道
島間連絡線
この付近は王都アクトゼリシア島方面と副都アカデメイア島方面の線路の分岐点にあたる。
断崖絶壁を繋ぐように重層的に鉄橋が架けられており、複数の線路が立体的に交差している。
橋に向かって走行する特急列車。列車は王城都市アクトゼリシアに向かって順調に走行している。
「ドオン!!!」
突然爆発する橋梁
車内に激しい振動
乗客A「キャーーー!!!!」
乗客B「なんだ?!」
乗客C「何が起きた?!」
運転手「!!!」
非常ブレーキをかける運転手。
ブレーキが効き始めるが橋に突っ込んでいく列車。
制動距離が足りない。
歪んだ線路に乗り上げる列車。
辛うじて片方の軌条が橋からの脱線を防いでいる。
車輪と軌条が擦れ、不快な金属音が大音量で響く。
「ド!!」「ドン!!!」「ドドオン!!!」
列車の前方から後方にかけて連鎖的に大爆発する列車。
運転手『今度は橋じゃない!!!』『列車に爆発物かーーー!!??』
衝撃で橋上の線路から脱線する特急列車。
先頭車両が橋から飛び出す。
運転手『ダメだ・・・・・・助からない・・・・・・』
先頭車両に続いて橋下に落ちてゆく10両の列車。
「ギイイイイイイーーーーーーー!!!」「ガリガリガリッーーーー!!!」
少し下位にある橋の対抗列車をかすめて落ちてゆく。
対抗列車にも振動。
対抗列車の乗客A「なんだ今のは?!!」
対抗列車の乗客B『何が起きた?!?!』
窓から外を確認する乗客たち。
「ドオオオオーーーーーン!!!!!」
最下層の橋梁区間に激突する列車。激しい爆発と轟音。
細かい破片がパラパラと海の底に落ちてゆく。
最下層の路線の列車がトンネルから出る瞬間、爆発を目視しブレーキをかける。
運転手『非常ブレーキ!!!!』
しかし、間に合わず線路上で炎上する列車の残骸に突っ込む。
「ダアアアアアアンーーーー!!!!!」
先頭車両が衝突し、後方車両が跳ね上がる。
騎士団への通報~
夕刻
連絡都市ラプラータ
島間連絡線/サードブリッジにて多重列車事故発生。
爆破テロの可能性あり。
至急、現場処理と救援を求める。
~騎士団への通報終了
正門/中央通り
ユーリ『俺はグレインに負けた・・・・・・』『クラスのみんなに退学を煽った以上、俺が辞めるのは当然だ』
退学申請を出して、学院の正門に向かって歩くユーリ。
もう戻ってくることはない。
グレイン「ユーリーーーーーーー!!!!!」「ユーリ・クリュギン・アダミス!!!!!!」
ユーリ「?!!」
正門をくぐる一歩手前で振り返るユーリ。
グレインだけじゃないノアやミック、そしてニコ
グレイン「お前は学院を辞める必要はないーーーーーー!!!!」
ユーリ『は?何言ってんだ?』
グレイン「俺は、お前にーー、負けたら退学しろとは言ってないーーーーーーー!!!!!」
立ち止まるユーリに近付いてくるグレインたち。
ユーリ「俺一人でも抗議の意志を学院に示す。俺は辞めたくて学院を辞めるんだよ」
グレイン「噓をつくな」
ノア「大丈夫だ、ユーリ」「お前の発言で誰か退学したなら問題だが、あいにくまだ誰も退学していない」
ユーリ「・・・・・・」
回想>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>
ニコ「グレイン君・ノア君、相談があるんだ」
ミック「なんだ~?」
グレイン「ミックは呼ばれてねぇだろ!」
ニコ「自己紹介してなかったね・・・・・・」「僕はニコ・クローネル・アルダリオン。よろしくね」
グレイン「おう」
ニコ「実はユーリ君についてなんだけど・・・・・・」
テル「確か、ニコ君はユーリ君と仲いいよね」
ニコ「うん、初等学校が同じだからね」「彼のことはよく知っているつもりだよ」
ノア「それで?」
ニコ「ユーリ君を引きとめたいと思っている」「グレイン君はどう思う?」
グレイン「そうだな、あいつと剣を交えて分かっちまった・・・・・・」
「あいつは別に臆病者なんかじゃない」
「煽りたがりでもない」
「強い正義心と信念を持っている・・・・・・」
「なんなら実力もある」
「あいつがこの学院を辞めるのは勿体ねぇ」
ノア「むしろこの学院に必要な人材だな・・・・・・」
ニコ「僕もそう思うんだ・・・・・・」
ニコ「でもきっと頑固なユーリ君のことだから、僕だけが言っても退学の方針を変えないと思うんだ」
ミック「なるほどね~、そこで俺たちの出番というわけですな」
ニコ「う~ん、何かいい方法はないかな?」
回想終了<<<<<<<<<<<<<<<<<<<<<<<<<<<<<<<<<<<<<<<<
ニコ「ホントは迷っているんじゃないの?ユーリ?」
そっぽを向くユーリ。表情は見えない。
グレイン「お前1人が学院を辞めたところで意味がない」
ノア「グレインの言う通りだ」
ユーリ「・・・・・・」
女子生徒「ユーリく~ん!私も辞めないよ~」「みんなと一緒に頑張るから~戻ってきて~!」
寮室の窓から叫ぶ女子生徒。
ユーリ「な・・・・・・」
ニコ「ユーリくん、本当はみんなのことを護りたくて、あんな話をしたんでしょ?」
笑顔で語りかけるニコ。
ユーリ「・・・・・・」
グレイン「お前の意見は真っ当だ」「お前のような奴が騎士に相応しい」
ユーリ「グレイン・・・・・・」
驚いた表情のユーリ。
グレイン「もし騎士が国民の味方じゃないと分かったら、辞めればいい」「それからでも遅くないだろ」
ユーリ「・・・・・・」
グレイン「一緒に、自分のことしか考えていないクズ共を切り倒して回ってやるよ」
ミック「こっわ・・・・・・」
ユーリ「・・・・・・」「フッ、フフフ・・・・・・」「ハハハハハ!」
急に笑い出すユーリ。
ユーリ「・・・・・・そうだな、グレイン」
「俺の”負け”だ」
「退学は撤回する!」
「騎士になって、悪人を片っ端からあの世に送ってやるぜ!!」
「たとえ、どんな立場の人間であってもなあ」
「ダークナイトの誕生だーーー!!!」
グレイン「おう!!その意気だぜ!!!」
固い握手を交わすグレインとユーリ。
ミック「物騒だなぁ・・・・・・」
一件落着で喜びあう生徒たち。
ニコ「・・・・・・」『あの時ユーリがグレインを焚き付けたから、結果的に退学者が増えずに済んだ・・・・・・』
『良かったんだよこれで・・・・・・』
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日没直前
連絡都市ラプラータ/半島部/サードブリッジ付近
王国高速鉄道
島間連絡線
この付近は王都アクトゼリシア島方面と副都アカデメイア島方面の線路の分岐点にあたる。
断崖絶壁を繋ぐように重層的に鉄橋が架けられており、複数の線路が立体的に交差している。
橋に向かって走行する特急列車。列車は王城都市アクトゼリシアに向かって順調に走行している。
「ドオン!!!」
突然爆発する橋梁
車内に激しい振動
乗客A「キャーーー!!!!」
乗客B「なんだ?!」
乗客C「何が起きた?!」
運転手「!!!」
非常ブレーキをかける運転手。
ブレーキが効き始めるが橋に突っ込んでいく列車。
制動距離が足りない。
歪んだ線路に乗り上げる列車。
辛うじて片方の軌条が橋からの脱線を防いでいる。
車輪と軌条が擦れ、不快な金属音が大音量で響く。
「ド!!」「ドン!!!」「ドドオン!!!」
列車の前方から後方にかけて連鎖的に大爆発する列車。
運転手『今度は橋じゃない!!!』『列車に爆発物かーーー!!??』
衝撃で橋上の線路から脱線する特急列車。
先頭車両が橋から飛び出す。
運転手『ダメだ・・・・・・助からない・・・・・・』
先頭車両に続いて橋下に落ちてゆく10両の列車。
「ギイイイイイイーーーーーーー!!!」「ガリガリガリッーーーー!!!」
少し下位にある橋の対抗列車をかすめて落ちてゆく。
対抗列車にも振動。
対抗列車の乗客A「なんだ今のは?!!」
対抗列車の乗客B『何が起きた?!?!』
窓から外を確認する乗客たち。
「ドオオオオーーーーーン!!!!!」
最下層の橋梁区間に激突する列車。激しい爆発と轟音。
細かい破片がパラパラと海の底に落ちてゆく。
最下層の路線の列車がトンネルから出る瞬間、爆発を目視しブレーキをかける。
運転手『非常ブレーキ!!!!』
しかし、間に合わず線路上で炎上する列車の残骸に突っ込む。
「ダアアアアアアンーーーー!!!!!」
先頭車両が衝突し、後方車両が跳ね上がる。
騎士団への通報~
夕刻
連絡都市ラプラータ
島間連絡線/サードブリッジにて多重列車事故発生。
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