澪峯国後宮秘水譚〜乙女の秘密は漏洩禁止!〜

紫藤百零

文字の大きさ
上 下
3 / 19
幼皇后は宴で限界!

最初の試練

しおりを挟む
 今までのものは所詮挨拶である。これだけのために盛大に宴を開いてるわけがない。これは、末端の妃が陛下の目に触れる機会を作ることも目的の一つなのだ。

 だから陛下の渡りのない妃たちが舞を舞ったり、楽を奏でたりする演目がずらりと続く。それも合間合間に休みが入り、妃同士が情報交換できるようになっているから余計時間がかかるのだ。

 この頃になると演目に参加しない高位の妃たちはあまり動かなくなる。程度に差はあれど、市井の娘なら慌てて不浄場トイレに駆け込みかねない量の秘水おしっこを抱えているのは同じこと。おのおの秘水おしっこを溢れさせない一番いい態勢でじっと終わるのを待っているのだ。もちろんおしっこなんて知りませんというすまし顔で。

 下位の妃はもう少し余裕がある。演目に参加すると準備や片付けのために中座するので、そのついでに中身を片付けられる。これが暗黙の了解であるため、渡りがあるのに演目に参加する人は我慢がきかないお子様だと思われてしまう。

 アルムはそれでもいいから参加したかったが、皇后に参加権はないため、長い長い宴の最中ずっと我慢を強いられるしかなかった。


 ふと、陛下が侍女を呼びつけ、隣のアルムにも聞こえない小声で何やら指示を出した。

 アルムにとって最も辛い時間が始まる。

 宮廷楽士の奏でる音楽がゆったりした静かなものから激しく壮大な音に変わる。ーーちょっとした音くらいならかき消してしまうような。
 戻ってきた侍女がこっそり筒状のものを渡した。陛下は衣の前をくつろげて、取り出した男根を筒に突っ込む。二人の並ぶ卓の前には布がかかっているので、実際にその様を視界に入れてしまう妃はアルムだかなのだけれど。

 すぐそこに迫っている事態にアルムは耳を塞ぎたかったが、高貴な女性にそんなはしたないことは許されない。音楽で誤魔化しているとはいえすぐ隣の放尿音ははっきりと聞こえて、釣られて決壊しそうになるのを筋肉だけでぐっと堪える。びくびく内腿が痙攣して、少しでも気を抜けば漏らしてしまいそうだった。

 こんな時ばかりは皇后の身分が憎い。この場で一番酒精を浴びているのはアルムと陛下だ。だというのに、陛下だけ好きな時に進行を遮り用を足すことが許されている。
 他の高位の妃たちも中座を許されない身ではあるが、摂取しなければならない水分量が違う。しかも、アルムは中座できない妃の中では最年少で、まだまだ身体が未発達。このような宴を想定して育てられていないので、アルムと同年代の澪峯の娘よりもたよりない器でしかないのに。

 無限にも思えた時間が過ぎ、音楽が元のゆったりとしたものに戻る。最初の難関はなんとか乗り切ることができた。
 宴は折り返しにも至っていないというのに、アルムの膀胱はすでに悲鳴をあげていた。
しおりを挟む
感想 1

あなたにおすすめの小説

百合ランジェリーカフェにようこそ!

楠富 つかさ
青春
 主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?  ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!! ※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。 表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。

体育座りでスカートを汚してしまったあの日々

yoshieeesan
現代文学
学生時代にやたらとさせられた体育座りですが、女性からすると服が汚れた嫌な思い出が多いです。そういった短編小説を書いていきます。

クラスメイトの美少女と無人島に流された件

桜井正宗
青春
 修学旅行で離島へ向かう最中――悪天候に見舞われ、台風が直撃。船が沈没した。  高校二年の早坂 啓(はやさか てつ)は、気づくと砂浜で寝ていた。周囲を見渡すとクラスメイトで美少女の天音 愛(あまね まな)が隣に倒れていた。  どうやら、漂流して流されていたようだった。  帰ろうにも島は『無人島』。  しばらくは島で生きていくしかなくなった。天音と共に無人島サバイバルをしていくのだが……クラスの女子が次々に見つかり、やがてハーレムに。  男一人と女子十五人で……取り合いに発展!?

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

サンタクロースが寝ている間にやってくる、本当の理由

フルーツパフェ
大衆娯楽
 クリスマスイブの聖夜、子供達が寝静まった頃。  トナカイに牽かせたそりと共に、サンタクロースは町中の子供達の家を訪れる。  いかなる家庭の子供も平等に、そしてプレゼントを無償で渡すこの老人はしかしなぜ、子供達が寝静まった頃に現れるのだろうか。  考えてみれば、サンタクロースが何者かを説明できる大人はどれだけいるだろう。  赤い服に白髭、トナカイのそり――知っていることと言えば、せいぜいその程度の外見的特徴だろう。  言い換えればそれに当てはまる存在は全て、サンタクロースということになる。  たとえ、その心の奥底に邪心を孕んでいたとしても。

自習室の机の下で。

カゲ
恋愛
とある自習室の机の下での話。

アルバイトで実験台

夏向りん
BL
給料いいバイトあるよ、と教えてもらったバイト先は大人用玩具実験台だった! ローター、オナホ、フェラ、玩具責め、放置、等々の要素有り

壁乳

リリーブルー
BL
俺は後輩に「壁乳」に行こうと誘われた。 (作者の挿絵付きです。)

処理中です...