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後の祭り
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澪理は焦っていた。毛布と羽毛布団の温もりに包まれながら、どうすればいいかわからなくなるほど混乱していた。
ーーめちゃくちゃトイレ行きたい……!
目を覚ました時にはギリギリのところで均衡が保たれている状況で、下手に動けば乙女のダムは無惨にも決壊するだろう。
そのうえ室温は一桁。布団を剥ぎ取れば忽ち襲う冷気が、冬物とはいえパジャマ一枚の澪理を追い詰めるのは想像に難くない。
小さなワンルームマンションゆえに、少し視線を動かせばすぐにトイレに繋がる扉が見える。その事実が欲求をくすぐり、余計に身動きを取れなくしていた。
そもそもこんな事態に陥ってしまった原因は、追い詰められるまでやるべきことに手をつけられない澪理の悪癖にあった。
昨晩9時、翌朝6時メール提出締め切りのレポートは未だ白紙の状態だった。申し訳程度に資料集めだけはしてあるものの、見事に真っ白、手付かずと言っても過言ではない有り様だった。
それを一晩で、エナドリをキめ、紅茶で体を温め、コーヒーで眠気を飛ばし、深夜テンションに飲み込まれながらも書き上げて、提出したのが5時50分。ほぼ滑り込みセーフである。
そしてそのまま布団に潜り込み、糸が切れたように眠りに落ちるまで5分もなかった。
この間机とキッチンの往復のみ。飲み散らかしたエナドリの瓶とティーバッグやインスタントコーヒーのゴミが積んである。まさしく限界大学生。
で、現在時刻は太陽も昇り切った昼。正午のチャイムでようやく起き出した次第であった。
となればこの強烈な尿意は当然の帰結。最後に膀胱を空っぽにしてから15時間、そのうえ利尿作用のあるエナジードリンクと紅茶にコーヒーまでがぶ飲みしているのだからさもありなん。
後先考えなかった澪理の自業自得というわけだ。
ーーめちゃくちゃトイレ行きたい……!
目を覚ました時にはギリギリのところで均衡が保たれている状況で、下手に動けば乙女のダムは無惨にも決壊するだろう。
そのうえ室温は一桁。布団を剥ぎ取れば忽ち襲う冷気が、冬物とはいえパジャマ一枚の澪理を追い詰めるのは想像に難くない。
小さなワンルームマンションゆえに、少し視線を動かせばすぐにトイレに繋がる扉が見える。その事実が欲求をくすぐり、余計に身動きを取れなくしていた。
そもそもこんな事態に陥ってしまった原因は、追い詰められるまでやるべきことに手をつけられない澪理の悪癖にあった。
昨晩9時、翌朝6時メール提出締め切りのレポートは未だ白紙の状態だった。申し訳程度に資料集めだけはしてあるものの、見事に真っ白、手付かずと言っても過言ではない有り様だった。
それを一晩で、エナドリをキめ、紅茶で体を温め、コーヒーで眠気を飛ばし、深夜テンションに飲み込まれながらも書き上げて、提出したのが5時50分。ほぼ滑り込みセーフである。
そしてそのまま布団に潜り込み、糸が切れたように眠りに落ちるまで5分もなかった。
この間机とキッチンの往復のみ。飲み散らかしたエナドリの瓶とティーバッグやインスタントコーヒーのゴミが積んである。まさしく限界大学生。
で、現在時刻は太陽も昇り切った昼。正午のチャイムでようやく起き出した次第であった。
となればこの強烈な尿意は当然の帰結。最後に膀胱を空っぽにしてから15時間、そのうえ利尿作用のあるエナジードリンクと紅茶にコーヒーまでがぶ飲みしているのだからさもありなん。
後先考えなかった澪理の自業自得というわけだ。
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