2 / 2
「うそ……もうダメかも……」
しおりを挟む
どれくらいの時間が経ったろうか。
ロレッタの尿意はもはや無視できないものになっている。常ならば急いでトイレに駆け込むレベルだし、そうでなくても気を逸らすために足は全力でステップを踏むだろう。
そもそも森に入った時点で、最後にトイレに行ってから2時間経っていた。その後日暮れまでが3時間。つまり、パラライズに囚われるまででも5時間は経過していることになる。
そこに日が暮れたことにより下がった外気と、吹き付ける冷えた風が追い討ちをかけるのだからひとたまりもない。
滲んだ脂汗が身体を冷やし、さらに尿意を高める悪循環が完成していた。
「ぅふっ……はぁ、はぁ……んんんっ」
少しでも気を抜けば吹き出しそうになるおしっこを意志の力だけで食い止める。股はじんじん熱くて、感覚が薄くなってきた。
そのうえ麻痺のせいで閉じることのできない足は、必死の我慢の影響で付け根の方が痙攣している。
ロレッタの身体はもう限界、悲鳴をあげていた。
ぷしゅっーー
木々の騒めきしか聞こえない静かな森で、ロレッタは確かにおちびりの音を自覚した。その恥ずかしい音が森中に聞こえているような気さえして羞恥に震える。
しゅっーーしゅいーー
そんな彼女を嘲笑うかのように身体は言うことを聞かない。
はじめは確かにおちびりだった。パンツを汚しただけで済んでいたのだから。
でも、漏れ出る量は次第に増えズボンの色を濃く変える。クロッチが抑えきれなくなったおしっこは、大半がズボンに吸収され、残りは足をつたって地面を湿らせる。
擦り傷に滲んで痛くてひどく惨めな気分にさせられた。
「んんんんっ……!」
なんとかおちびりを止めた時にはもうおちびりなんて言えないくらいズボンを濡らしていた。
それだけ出してしまったからといって尿意はおさまってくれない。むしろ、出てしまった分もう出していいと身体が勘違いしたのか辛さは増すばかりだ。
ロレッタは恥ずかしくて、惨めで、悔しくて、もう泣いてしまいたかった。嘘。もう半分くらい泣いていた。
悪魔が「ここまで来たらもう同じ。さっさと出して楽になろう」と囁く。天使が「もう子どもじゃないんだから、ちゃんと我慢しなきゃだめ」と諫める。
脳内の悪魔と天使の戦いはずうっと悪魔が優勢だし、その間にもしゅいしゅい小決壊が起きている。
もう、楽になってもいいよね……? ロレッタの悪魔が勝利を収め、括約筋を弛緩し始めたそのときーー
「いた! 麻痺に嵌ってるぞ!」
「へ?」
救助だ。待ちに待ったいたはずの救助。
夜になっても帰らないロレッタを心配して、救助隊が組まれていたのだ。
「今助けてあげるからな」
「あ、ま、待って」
静止の声も聞き受けられず、いとも容易く麻痺の有効範囲から引き抜かれた。固まった身体は上手く動かせず、思わず座り込む。水気の多い音がした。
「あ、あ、いや……」
このときロレッタは、諦めておもらしを選択したところだったのだ。それを突然の予定変更。どんなに頑張ったって疲弊した括約筋はすぐに力を込められない。自由に動けるようになった反動も相まって、決壊が始まった。
「うぅ……っひっく……ぅう……もうやだぁ……」
救助隊に見られているのに、ロレッタはおもらしを止められない。
遠慮がちだった水流は勢いを増し、下半身を生暖かく包み込む。瞬く間に形成された水溜まりは大失敗を如実に示していた。
ロレッタはもうえぐえぐ泣くことしかできない。
救いは小さな子どもの前でないことだけだった。
ロレッタの尿意はもはや無視できないものになっている。常ならば急いでトイレに駆け込むレベルだし、そうでなくても気を逸らすために足は全力でステップを踏むだろう。
そもそも森に入った時点で、最後にトイレに行ってから2時間経っていた。その後日暮れまでが3時間。つまり、パラライズに囚われるまででも5時間は経過していることになる。
そこに日が暮れたことにより下がった外気と、吹き付ける冷えた風が追い討ちをかけるのだからひとたまりもない。
滲んだ脂汗が身体を冷やし、さらに尿意を高める悪循環が完成していた。
「ぅふっ……はぁ、はぁ……んんんっ」
少しでも気を抜けば吹き出しそうになるおしっこを意志の力だけで食い止める。股はじんじん熱くて、感覚が薄くなってきた。
そのうえ麻痺のせいで閉じることのできない足は、必死の我慢の影響で付け根の方が痙攣している。
ロレッタの身体はもう限界、悲鳴をあげていた。
ぷしゅっーー
木々の騒めきしか聞こえない静かな森で、ロレッタは確かにおちびりの音を自覚した。その恥ずかしい音が森中に聞こえているような気さえして羞恥に震える。
しゅっーーしゅいーー
そんな彼女を嘲笑うかのように身体は言うことを聞かない。
はじめは確かにおちびりだった。パンツを汚しただけで済んでいたのだから。
でも、漏れ出る量は次第に増えズボンの色を濃く変える。クロッチが抑えきれなくなったおしっこは、大半がズボンに吸収され、残りは足をつたって地面を湿らせる。
擦り傷に滲んで痛くてひどく惨めな気分にさせられた。
「んんんんっ……!」
なんとかおちびりを止めた時にはもうおちびりなんて言えないくらいズボンを濡らしていた。
それだけ出してしまったからといって尿意はおさまってくれない。むしろ、出てしまった分もう出していいと身体が勘違いしたのか辛さは増すばかりだ。
ロレッタは恥ずかしくて、惨めで、悔しくて、もう泣いてしまいたかった。嘘。もう半分くらい泣いていた。
悪魔が「ここまで来たらもう同じ。さっさと出して楽になろう」と囁く。天使が「もう子どもじゃないんだから、ちゃんと我慢しなきゃだめ」と諫める。
脳内の悪魔と天使の戦いはずうっと悪魔が優勢だし、その間にもしゅいしゅい小決壊が起きている。
もう、楽になってもいいよね……? ロレッタの悪魔が勝利を収め、括約筋を弛緩し始めたそのときーー
「いた! 麻痺に嵌ってるぞ!」
「へ?」
救助だ。待ちに待ったいたはずの救助。
夜になっても帰らないロレッタを心配して、救助隊が組まれていたのだ。
「今助けてあげるからな」
「あ、ま、待って」
静止の声も聞き受けられず、いとも容易く麻痺の有効範囲から引き抜かれた。固まった身体は上手く動かせず、思わず座り込む。水気の多い音がした。
「あ、あ、いや……」
このときロレッタは、諦めておもらしを選択したところだったのだ。それを突然の予定変更。どんなに頑張ったって疲弊した括約筋はすぐに力を込められない。自由に動けるようになった反動も相まって、決壊が始まった。
「うぅ……っひっく……ぅう……もうやだぁ……」
救助隊に見られているのに、ロレッタはおもらしを止められない。
遠慮がちだった水流は勢いを増し、下半身を生暖かく包み込む。瞬く間に形成された水溜まりは大失敗を如実に示していた。
ロレッタはもうえぐえぐ泣くことしかできない。
救いは小さな子どもの前でないことだけだった。
0
お気に入りに追加
2
この作品の感想を投稿する
あなたにおすすめの小説
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/contemporary.png?id=0dd465581c48dda76bd4)
体育座りでスカートを汚してしまったあの日々
yoshieeesan
現代文学
学生時代にやたらとさせられた体育座りですが、女性からすると服が汚れた嫌な思い出が多いです。そういった短編小説を書いていきます。
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/love.png?id=38b9f51b5677c41b0416)
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/love.png?id=38b9f51b5677c41b0416)
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/love.png?id=38b9f51b5677c41b0416)
ヤンデレ美少女転校生と共に体育倉庫に閉じ込められ、大問題になりましたが『結婚しています!』で乗り切った嘘のような本当の話
桜井正宗
青春
――結婚しています!
それは二人だけの秘密。
高校二年の遙と遥は結婚した。
近年法律が変わり、高校生(十六歳)からでも結婚できるようになっていた。だから、問題はなかった。
キッカケは、体育倉庫に閉じ込められた事件から始まった。校長先生に問い詰められ、とっさに誤魔化した。二人は退学の危機を乗り越える為に本当に結婚することにした。
ワケありヤンデレ美少女転校生の『小桜 遥』と”新婚生活”を開始する――。
*結婚要素あり
*ヤンデレ要素あり
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/entertainment.png?id=2f3902aa70cec36217dc)
男女比がおかしい世界に来たのでVtuberになろうかと思う
月乃糸
大衆娯楽
男女比が1:720という世界に転生主人公、都道幸一改め天野大知。 男に生まれたという事で悠々自適な生活を送ろうとしていたが、ふとVtuberを思い出しVtuberになろうと考えだす。 ブラコンの姉妹に囲まれながら楽しく活動!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる