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今後の身の振り方③
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「それ、本当?」
「お母様は、お姉様に内緒にしといてって言ったけど。もう言っちゃいます、すごく失礼な話だし」
「失礼?」
「その縁談の相手は再婚なのよ!」
「えっ! それって私を後添いにってこと?」
「先妻さんがご病気になられて、離縁したんですって」
「ご病気だからといって離縁するなんて、何か嫌な感じだわ」
「そうなのよ。しかも、お姉様も二度目なんだからって言うのよ。ひどい侮辱だわ」
律子に言われて気づいたが、婚礼当日に逃げ帰ってきた私は、そんな扱いをされてしまうのだろうか。
合原家と書類を交わした際に、青山様から『文子さんは傷物ではない、という一文を入れておきなさい』とのご助言があったとは聞いている。
「キズモノって、ねえ」
律子がうんざりしたように言った。
「ほんとうに。人を瀬戸物みたいに、ねえ」
私は冗談ぽく返したが、そうでも言わないと心が折れそうである。
「お母様はね、毅然とした様子で『お断りさせていただきます』って言って、ご近所の方を追い返したわ。婆やなんか、ぷりぷり怒って塩撒いてた」
律子は、その時の婆やの様子を思い出しておかしくなったのか、くすくす笑っている。しかし、そのあと小声で呟くように言った。
「なんだか悲しいなあ」
「お母様は、お姉様に内緒にしといてって言ったけど。もう言っちゃいます、すごく失礼な話だし」
「失礼?」
「その縁談の相手は再婚なのよ!」
「えっ! それって私を後添いにってこと?」
「先妻さんがご病気になられて、離縁したんですって」
「ご病気だからといって離縁するなんて、何か嫌な感じだわ」
「そうなのよ。しかも、お姉様も二度目なんだからって言うのよ。ひどい侮辱だわ」
律子に言われて気づいたが、婚礼当日に逃げ帰ってきた私は、そんな扱いをされてしまうのだろうか。
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「なんだか悲しいなあ」
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