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利晴様を信じています
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律子は答えず、プイッと顔を背けると、無言で部屋を出て行ってしまった。
「なんなのかしら、変なりっちゃん。何が言いたいのか、さっぱり」
母は私に同意を求めるように言ってくるが、私は律子の言いたいことはわかった。
律子は、三ツ谷さんという同級生を引き合いにして、私の縁談も何かあるのじゃないか? と、暗に母たちに警告しているつもりなのだ。
私は律子の考えは杞憂に過ぎないと思っている。
利晴様を信じている。私を騙したりしない誠実な人だと。
『何があっても、あなたを幸せにします』と言って下さった。その言葉を信じている。
「でも、お見合いの日から一度もお会いになっていないのよね? そんなの、信じられないわ」
その夜も、律子が私が不安になるようなことを言ってきた。
「とてもお忙しいのよ。それに、お見合いの日からそんなに経っていないのよ」
初めてお会いした日から、まだ二ヶ月しか経っていないのですもの。
「お姉様は、合原様のどこが良くて結婚を決めたの?」
「え? さ、さあ? いいも悪いも。決められていたことですもの。否やはないってだけ」
嘘だ。
私は自分に嘘をついている。
本当は、初めてお会いした時から素敵な方だと、一目惚れしてしまっているのに。
「なんなのかしら、変なりっちゃん。何が言いたいのか、さっぱり」
母は私に同意を求めるように言ってくるが、私は律子の言いたいことはわかった。
律子は、三ツ谷さんという同級生を引き合いにして、私の縁談も何かあるのじゃないか? と、暗に母たちに警告しているつもりなのだ。
私は律子の考えは杞憂に過ぎないと思っている。
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「でも、お見合いの日から一度もお会いになっていないのよね? そんなの、信じられないわ」
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